Angel Beats! the after story   作:騎士見習い

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come on let's dance

俺は、日向秀樹はとある都市の中心部にいた。

 

何故そこにいるかって、ある奴に会いに行くためだ。

目的地まで歩いていると聞きなれない洋楽が聞こえてきて目的地が近いことを知り、それを聞きながら歩き目的地に近づくにつれ少し大きな広場が見えてくる。広場の中央を囲むように周りには見物人がいて、誰もが感心して輪の中央を夢中で見ている。

 

俺は見物人たちの隙間を通って先頭にでると自然と笑みがこぼれてしまった。

見物人の中央にいたのは金色の髪にバンダナをして目が隠れて、そして聞き取ることができないが聞こえる英語の単語の数々を発音良く口にしながら洋楽に合わせてキレのいいダンスを踊っている。

 

そいつは戦線一の謎を持つ男『TK』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がTKの居場所を知ったのはユイと付き合う前のことだ。

 

俺は暇な時よくネットで色々なことを調べたり動画を見たりしている(決して怪しいサイトじゃないぜ)そこでたまたまダンス関連の動画に行き着き一つの動画に目がいっちまった(だから怪しいサイトじゃないぜ)撮影された場所が俺の家からまぁまぁ近いから興味をそそられてしまってそれを見たが、そこには外人?なのか金髪の男が踊っていた、別に珍しい動画ではないがその男に何故か親近感というかいや仲間意識つう方が近く、前にどこかで会ったような気がしていた。

 

 

そして、記憶が戻ってからようやくあん時の違和感が分かった。

そりゃあ、あれほど長い時間を一緒に過ごした仲だ記憶がなくても、何かを感じたんだろうな。

 

それからは、音無が本格的に仲間を探すと言ったからちょうどいいと思い1人単独行動をとったわけだ。

単独行動する理由はTKとはやらなければならないことがあるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンスが終わったらしくTKは見物人から拍手を浴びている。まだ拍手されるのに慣れてないらしいTKは表情にでていないが照れているらしく、証拠に指パッチンを連続で落ち着きなくパチンパチンしているその行動があっちの世界とは全く逆で面白すぎて目から涙がこぼれそうになっていたのを我慢した俺は見物人の中央に気合いをいれながら進みでる。

 

 

一気に見物人の目線は俺に向く、そりゃあよくわかんない奴が怪しい行動をとればそうなるわな。そんなことを考えながら気にせず俺はTKの前に立つ。TKは困惑しているらしく次は指パッチンじゃなくムーンウォークを連続している堪えきれず腹を抱えて笑ってしまった。(これで俺は変な奴決定だな)

 

「あの…僕に何か用があるんですか?」

見かけによらずほんとにこいつは日本語喋るとき雰囲気変わるよな。まぁ知らない奴が目の前にいたら誰でもそうなるかと思いつつ

 

「すごくかっこいいダンスだったな」

そう褒めると

「そんな、僕なんかはまだまだですよ」

 

(ほんと言葉と見た目が合わないよなこいつわ)と思っていると見物人がヤジを飛ばしてきた。

「邪魔すんじゃねぇ〜よ!」

 

「観客はもう待てないらしいからやるか」

お前があっちの世界で1人寂しく踊っていたとき俺とゆりたちが声をかけたらお前は少しの沈黙の後、俺に向かって言ったよな。

まぁ今、俺と話しているTKは何を?という顔をしていたが、俺は構わずに戦線一の謎の男兼ダンスマンに向かってあの時と同じように少しの沈黙の後、俺に向かって言った言葉を一字一句正確に発音良くお前に返してやるよ。

 

「Come on Let's dance」

 

 

俺の言葉を聞いたTKはニカっと笑い、俺があの時、お前に返した言葉を偶然なのか、それとも奇跡なのか、はたまた必然なのか言ってくれた。

 

 

「OK!Let's dance!」

 

 

 

 

 

 

 

 

踊り続けて何分たったか分らないが疲労はピークだった。見物人も盛り上がりをピークに達している。

額からは大量の汗、足はだんだん感覚を失ってきている。TKの方を見ると俺と同じ状況だった。曲に合わせダンスをしながら思いだす。

 

 

あっちの世界でのダンス対決は技術でも体力でも俺は負けてしまったがTKは俺たちの仲間になってくれた。理由は分からず、質問しても意味が分かんないことを言うばかりで謎だらけだったTKに俺はダンスを教わったりしていた。何度もバトルをしたが全部負けてしまった。いつかは勝つと心に決めてダンスの練習をしていたが音無が入ってから忙しくなって練習をできなかったが今は違うあっちの世界とは違い時間は無限ではないが、記憶が戻ってからは練習を必死にやった。今までの努力をここでぶつけるために。

 

 

 

そして…決着はついた。

俺とTKは30分もあるCDに入っている曲を踊りきった。

 

勝敗は引き分けだ。

 

肩で息をしながら俺はTKのもとに向う。

「ようやく、お前にダンスで追いつけたな」

TKは満足そうに

「Nice fight」

「日本語でいいんだぜ」

 

TKは少し笑いながら立ち上がる。

「これが僕の最高の伝え方なんだ悪いね」

「じゃあ、しょうがないな」

「でも、今は日本語で喋る方が気持ちいいかな」

 

実際、勝ち負けはなかったものの、もしあってもTKはきっとこう言うと俺は思っていたぜ。

「んで、記憶は?」

そう聞くと、はて?という顔をしていた。

「何のことですか?」

 

その言葉に俺は驚き悔しさが込み上げてきて地面を殴ってしまう。

「顔を上げてくださいMr.日向」

「それはできねぇー、こんな情けない顔を見せるわ……ってなんで記憶が無いのに俺の名前を…」

 

疑問の顔を浮かべてTKを見上げた瞬間あいつは爆笑しやがった。

「ぷっ、HAHAHA sorry Mr.日向、冗談ですよ、it’s a Jokeです」

苦しいといいながら笑うのをやめないTKに俺は怒ってるのかそれとも嬉しいのか分らない感情のまま俺も声をあげて笑った。

 

 

時間が経ち、まだ喋り足りないが俺はTKと連絡先を交換して帰路に着いた。

電車に体を揺られながら痛む足腰をさすりながら考える。

(あいつの記憶が戻った理由はなんなんだろうな?)

だが疲れているせいでそんな集中力もなく俺は電車の走る音を子守唄にして眠りについた。

 

 

 


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