Angel Beats! the after story 作:騎士見習い
風呂をあがり、軽く勉強した後、俺は布団の上で寝転がって、ため息まじりに呟く。
「ある条件か〜」
俺はゆいが教えてくれたある条件を思いだしていた。
卒業式が終わり、直井、日向、ゆいが消えて俺とかなでだけが残り、二度とできない死後の世界での卒業式会場を目に焼き付けようと辺りを見渡したら、ゆいのイスの下に何かが貼られてあった。
剥がしてみたらそれは一通の手紙だった。
俺は貼ってあった手紙を剥がし、かなでに気づかれないようにそっと手紙の中を確認した。
手紙にはこう書いてあった。
『親愛なる我が同胞へ──
やっぱり、こういう堅苦しいのは抜きにして要件だけを伝えるわ。
今こうしてこの手紙を読んでいるということは、私はもう消えているのね。
この手紙を書いたのは記憶を戻すある条件についてあなたに伝えるためよ。
ある条件はいくつかあってそれを達成?しなきゃ記憶は戻らないらしいの。その条件って言うのわ以下の通りよ。
記憶を戻す条件
①記憶を戻せるのは死後の世界で面識があるもの。
②生まれ変わった世界で話すこと。
③前世あるいは死後の世界で記憶に焼き付いていることを思いだす。あるいは出会いたいものと出会うこと。
(なお焼き付いている記憶はきっかけさえあたえれば戻せる。個人によるが出会いたいものは複数存在する可能性がある。)
④上の条件を実行するものは一名のみ。実行者によって記憶が戻った者にもこの資格を得る。
(あらかじめ実行するものをソフトに書き込むこと
書き込まれたものは③の条件のみを満たせば記憶を戻せる。)
これが条件よ。
当然だけど実行するのは音無くんあなたよ。
あなたにだけ負担かけて悪いとは思っていけどあなたならきっとやってくれると信じているから、私も、日向くんも、大山くんも高松くん、野田くん、松下五段、TK、藤巻くん、竹山くん、岩沢さん、ひさ子さん、関根ちゃん、入江ちゃん、ユイ、椎名さん、直井くん、遊佐さん、チャー、そしてかなでちゃん。
みんなあなたに期待しているわ。にしても名前を書くの面倒臭いわね。
まぁでも、あとは任せたわよ。
これは生まれ変わった世界での音無くん、あなたから始まる最後のオペレーションよ。がんばってね音無くん。
オペレーションスタート!!』
みんなの思いを背負うのは最初は正直心のどこかで無理だと思っていたが、そんなのはいつのまにかどこかにいってしまった。
今の俺なら戦線メンバーにこう言う。
任せとけ!みんな!
かなでに会えた俺は記憶が戻った。だからこれからはどんな手を使ってでも必ず条件を満たしてやるよ。
俺は心に刻み込み誓った。
そして俺の意識は深い眠りの中に消えていった。