Angel Beats! the after story   作:騎士見習い

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ついに50話!!こんな記念すべく話にあの人を出せて最高ぉぉ!!


夏休みのウサギさん
愛・妹・美・mine


ついに夏を迎える。

クーラーという高価な機械が存在しない我が家は、扇風機という文明の結晶体を常に作動させている。

 

「あ、暑い……」

 

扇風機でも相殺できないほどの熱気が充満しており、見えるはずのないオアシスが目の前に広がってしまう始末。

 

こんな日はかなでと海!プール!のどちらかに行くのが一番に決まってる。マイナスイオンを排出してるかなでは地球温暖化すら解決してくれる。

白いビキニから見える美しい肌。おっと、よだれが出てきた。

 

あいにく誘う勇気が出ず、こうして暑さに苦しんでいる訳だが。

 

「だ、誰か助けてくれぇ」

 

インターホンという救済の声が聞こえてきた。

 

かなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなでかなで

 

「かなで様ですか!」

 

開け放ったドアからは薄い茶色がかった髪を肩甲骨まで伸ばしてパチりと開いた目。

 

まさしく少女は……。

 

「遊びにきたよ!お兄ちゃん!!!」

 

「アガッ!」

 

勢いのある抱擁にバランスを崩し頭から地面に叩きつけられる。痛みに悶えながらも馬乗りになっている少女つまり我が愛しき『妹 sweet Angel』を見上げる。

 

「会いたかっよ!正月帰ってくるって言ったのに結局帰って来なかったし、初音悲しかったんだよ。だから、来ちゃいました」

 

義妹だったら必ず一線を超え、結婚をしようとしただろう。だが、血がつながった妹である。

 

「お兄ちゃんも会えて嬉しいぞ。とりあえず立たせてくれ」

 

ご近所さんに見られたら大変なことになってしまうからな。それが妹となったらますます大変なことになってしまう。

 

お兄ちゃんのお願いを聞いた初音は何故か赤らめた頬に手を置きくねくねと動いている。

 

「あ、いや、お兄ちゃん私たち兄妹だよ。血がつながってるんだよ。なのに勃たせてくれだなんて……」

 

エロゲのようなイベントが発生した、いや、強制的に発生させられた。思春期の中学生怖い。

 

ついでにうちの妹はおバカちゃんのようだ。

 

「でもね、初音がんばる」

 

ズボンに手を伸ばしてくる。

 

「がんばんなくていい」

 

「いたっ!」

 

脳天チョップで怯んだすきに馬乗りから脱出する。

兄として喜ばしいことなんだが、ここまでピンク色に染まっていると逆に心配です。

 

「事情は後で聞くとして、疲れただろ?狭いところだけどどうぞ」

 

「はぁ〜い」

 

 

中学生三年生の夏に遊びに来るとはなかなか根性があるな。さすがお兄ちゃんの妹だ。

コップに注いだジュースを持っていくと、勉強机を漁っている空き巣がいた。

 

「何してるんだ?」

 

電流が流れたように全身をビクつかせ、すぐさまテーブルに正座。

 

「な、なな、何もしてないよ」

 

「そうか、何もしてないのか。で?何をしてたんだ」

 

「エッチな本を探して……あっ。今のなし!ノーカン」

 

理由はどうであれ、可愛いなぁぁ。

まぁ!お兄ちゃんのエッチな本は天井裏に隠してあるからバレません。

 

「今年受験だろ?遊びに来たにしてもタイミングというものがあるぞ」

 

「うん。だからお兄ちゃんに勉強を教えてもらうために来ました」

 

荷物から五教科の参考書を扇子みたいに広げ満面の笑みを浮かべている。

これは、また大変な夏になりそうなんだが……。

 

「それと……私、鳳明学園に入学したいから!」

 

「ん?ごめんお兄ちゃんちょっと聞き間違いしたと思うんだけど。今、鳳明学園って言ったかな?」

 

「言ったよ。お父さん、お母さんの了承も得てます!えっへん!」

 

発展途上中の胸を張ってドヤ顔をしていることは良いとしよう。それにしても、あの親は何を考えているんだマジで。

 

「それって、ここに住むってことか?」

 

「うん!生活費とかなんやらは全部振り込んどくからって言ってたよ」

 

もう受かってること前提で話が進んでいるがどうしたもんか。

 

「いいか初音。二人で暮らすということはだな、とっても大変なんだぞ。掃除に洗濯などの家事全般をしてもらうんだ。勉強と両立も難しいぞ」

 

「大丈夫、家庭科の成績五だから。それにお兄ちゃんさえ良かったら夜の方も……」

 

ポッと赤くなり、またしても初音√が進んでしまった。

 

「言いたいことは山程あるんだが、まずはどこでそんなピンク色の知識を付けてきた?」

 

お兄ちゃんとして妹に余計な知識を教える不届き者には天誅を与えなければならない。

 

「えっと、友達と喋ってると自然と」

 

女子中学生というのはそこまでピンクになっているのか。

いらない知識を得た時にインターホンが鳴る。

 

胸騒ぎがしつつドアを開けると、雪のような髪に白い肌まさしく天使がいた。

 

「遊びにきちゃいました。てへっ」

 

抱きしめたいんだが、タイミングが悪い。

 

「あれ?私以外に誰かいるんですか?」

 

かなでの観察力の高さを舐めていた。まさか、玄関の靴をすぐに気がつくとは隠す時間すらなかったぜ。

 

「えっ〜とだな。これは「お兄ちゃん誰だったの?」

 

「えっ?」

 

「ん?」

 

「おう……」

 

とりあえず、かなでも入れたはいいが初音とも睨み合いが続いている。

 

「あなたはお兄ちゃんの何?」

 

「私は音無さんのとも……友達です」

 

我が家なのに居心地が悪いという珍しい状況を味わう余裕もなくあたふたしてしまう。

 

「早速お兄ちゃん勉強教えて」

 

腕に絡みつく初音。発展途上の胸がサンドしてくるのはお兄ちゃんとして嬉しい。だが、親の仇を見るような目で睨みつけてくるかなでがいなければの話だ。

 

「色々と話を聞きましたが、それなら私が勉強を教えてあげます。だから妹さんと言えども音無さんから離れてください」

 

「やだよ〜だ。んべぇ〜」

 

舌を出し挑発する初音。かなでの握られた拳がプルプルと震えてテーブルが揺れる。

 

「ふっ、ふふふ、上等です。妹さんがその気なら私にだって考えがあります」

 

「な、何をするつもりなんですか?」

 

かなでは小柄なリュックから医学の専門書を取り出し。

 

「私も音無さんに勉強教えてもらいます!」

 

かなでのチッパイが俺の腕をサンドする。デジャブだなと思いつつお互いに睨み合う二人を見ると、またしてもインターホンが鳴る。

 

良いタイミングでの救世主に感謝しつつドアを開けると。

 

「よっ!音無遊びに来たぜ」

 

「よっ!音無先輩遊びに来てやりました」

 

「Yo!音なっちゃん遊びに訪れました」

 

 

ますますこの状況を混沌という名のカオスにする化学物質がやってきた。

 

 

 

 

「この子音無先輩の妹さんなんですか!?」

 

「将来有望そうだな」

 

「そんな場合じゃないですよ!日向さんユイちゃん。私の勉強タイムが盗られているんです」

 

抗議しているかなでをあやしながら二人は初音を興味深く見ている。

 

「ハァハァ、初音ちゃん飴ちゃんあげるから一緒に遊ばない?」

 

右手から放たれるスマッシュをTKに浴びさせ黙らせる。

 

質問攻めを受けている初音は楽しそうでお兄ちゃんとしては嬉しいぞ。そんな気持ちに更けているとケータイが鳴る。

 

『もしもし』

 

『もしもし直井です。義妹さんがいると聞いてこれから会いに行きます』

 

へっ?

ましてもケータイが鳴る

 

『もしもし僕直井です。今、国会議事堂にいます』

 

その一言だけを言われ電話が切れる。

またまた電話が鳴る

 

『もしもし僕直井です。今、国会議事堂前にいます』

 

こわっ!何こいつ!夏だからか!?直井 in summerver.か!?

三回目の着信。

 

『もしもし僕直井です、今』

 

「音無さんの後ろにいます」

 

「うぎゃぁぁぁああ!!!!」

 

段階飛ばしすぎたろ!国会議事堂から一瞬にして俺の真後ろとかメリーさんもできないことをするとか。

 

「愛は不可能を可能にする!義妹さんを見れたので僕は帰ります!では!」

 

恐怖だけを残し直井は窓からヘリコプターから垂れ下がっている梯子に飛び乗り帰っていった。

 

「何をしたかったんだ?あいつは」

 

考える時間も与えてくれず四度目のインターホンが鳴る。

 

「今度はどなたですか?」

 

「私だ音無」

 

椎名がいた。何も追求できずに勝手に中に入っていく。

 

「またお客さん?お兄ちゃんも人気だニャン」

 

「き、キューーート!!!!!」

 

よく分からんが猫語になっていた初音を見て悶え死しかけていた。

 

「おほん。私が来たのは女将さんから休みを貰ったのでな、行くところがなく、ここに来てしまった」

 

「なるほど、事情は分かったがこの状況どう思う?」

 

狭い部屋に総勢七人がいる。サウナ並の暑さとなっているが、テンションの方が高く何も感じていない者たちがいる。

 

「あさはかなり」

 

「椎名お前だけが俺のオアシスだ」

 

普段から凍傷になるほどcoolな椎名は今の俺にとっては冷えピタという存在となっている。

 

「そんな言葉で落ちると思うなよ」

 

暑さにやられているのか顔が赤かった。

 

 

 

 

ゆりと野田がくると踏んでいたが結局来ず、一時間ほど経ち時刻は三時。

 

変わらずかなでと初音は犬猿の仲となっているが、何故か勉強を教え、教わっている。

 

あの三人は指スマをしている。ここじゃなくてもできるだろ!と思ってるが大盛り上がりのようで、注意することができない。

 

五度目のインターホンが鳴る。今日はよく訪ね人がくるようで。

 

「来たきたきた!」

 

初音が先にドアへ向かった。どういうことだ?今日来たばっかりの初音のお客さんなんているのか?

 

気になりつつ初音の後を追うと開きっぱなしのドアの向こうには仲良よしな初音ともう一人がいた。

 

「誰なんだ?その子」

 

陽の光に照らされキラキラと輝く髪をツインテールにしている女の子。初音の懐きっぷりを見るに親友か何かなのだろうか?

 

「私の親友で、夏休みだからおじいちゃんの家に遊びに来ている!そして私と同じく高校を受験する彼女は」

 

デュルルルルと声で効果音を出す初音を可愛いなと思いながら、ツインテールの女の子を見ると、頬ずりされているのを少し照れているらしい。

 

「望月 遊佐ちゃんです!」

 

「違います!遊佐じゃありません。遊佐衣(ゆさぎ)さんです!」

 

まさか、遊佐って戦線の遊佐か?確かに面影が見えるしツインテールだし、赤いリボン。

 

 

「初めまして初音さんのお兄さん。

 

 

餅つき餅つきぴょんぴょん遊佐衣さんです!」

 

だが!今まで突っ込まなかったが、頭にはうさ耳が装着されていた。

 

「嘘だろ!!!!!!」

 

 

キャラ崩壊の遊佐?は夏のこの日、我が家に訪れた。

 

 

 

 

 

 




どうも騎士見習いです。
初音がでてきた?はい!出てきました!クリスマス編時の音無くんの言葉『もう二度と失わない』←これが伏線でしたね。二度目があるということです。つまり、初音が妹となっての登場です。

珍しく椎名さんも登場!!あさはかなりぃぃ!!!

みなさん!ついにお待たせしました!!遊佐?遊佐衣?さんの初登場となりました!
しかもJCです!!

では、あらためまして次回からぴょんぴょんしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。




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