Angel Beats! the after story   作:騎士見習い

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燃えろ!熱き!体育祭!
幕開け


『秋』

食欲の秋、芸術の秋。そしてスポーツの秋である!!

ついにこの季節がやってきた。そう……体育祭だ!!!!

 

 

 

 

『お兄ちゃん!来週の体育祭よろしくね!バイバイ!』

 

 

着信がかかったと思い、出た瞬間これである。初音の中で会話は既に完結していたらしい。まったく、と呆れつつ電話をかけ直す。

 

 

『どしたのお兄ちゃん?』

 

『どうしたもこうしたもありません!しっかりと説明をしなさい』

 

『お兄ちゃんなら私の考えを読んでくれると思ったのに〜説明した方がいい?』

 

『もちろんです』

 

 

支離滅裂な長い話を聞き、俺なりに解釈する。

どうやら初音の中学校は開校50周年らしく多くの行事を盛大に盛り上げたいとこのこと。そして体育祭では生徒とは別に家族参加型の対抗戦があり、ぜひとも参加してほしい。と、いうことです。

 

 

『何がなんでも優勝したいの!お願い!お兄ちゃん!力を貸して!!』

 

 

ワガママが多い可愛い妹だが今回だけは俺一人の力で何とかなるとは思えない。下手に参加して期待させるのはあまりにも可哀想だ。

 

『ごめんな初音……俺だけじゃ力になれそうにない。だから、無理だ。本当にすまない……』

 

珍しく沈黙が訪れる。泣いていると思った。だが違った。

 

『……ううん。無理言ってごめんね。バイバイお兄ちゃん』

 

そう言って静かに電話が切られる。

初音が声を荒らげなかったり、泣かないで冷静に話すのは本当に悲しい時。お兄ちゃんとして情けなさすぎる。自分の力のなさに腹を立てる。

 

 

 

 

私にはお兄ちゃんがいます。頭が良くてカッコよくて優しい自慢のお兄ちゃんです。いつだって私の力になってくれます。

 

 

 

「本当に音無くんは来ないの?初音ちゃん」

 

開会式に遅れないように自分の椅子を持ちながらグラウンドを目指していると親友の遊佐ちゃんが心配そうに話しかけてくれる。

 

 

「うん。お兄ちゃん忙しくって来れないみたい。でも!私と遊佐ちゃんがいれば優勝間違いなしだよ!」

 

「そうだね!頑張るぞぉ〜!で〜も嘘笑いは禁止、だよ」

 

「ふぃたひぃよぉ〜」

 

私の頬を両手でつねる遊佐ちゃん。やっぱり遊佐ちゃんにはかなわないなぁ〜。

 

 

「ごめんね。でも、遊佐ちゃん。二人なら優勝できるってところは本心だよ」

 

「うぅ〜初音ちゃんのそういうところ好きだけど、ズルい」

 

そんなちょっとしたやり取りをしている間に自分たちの席に到着し、後は開会式の入場行進のために指定された場所に移動する。

続々と生徒達の家族がグラウンドの観客席に集まっている。それに比例するかのように場の緊張感も高まる。

 

そんな中、お兄ちゃんが来ないと知ってても、どこかにいるじゃないかと、探してしまう私がいる。

 

『これより、第50回 体育祭を始めます。始めに生徒による入場行進です。』

 

あっという間に始まってしまった。私たち紅軍は何度も練習した通りに行進をする。1年や2年の時と比べて学校側も力を入れているらしく、来賓や地域の人々の人数がとても多い。そして、白、黒、青と続いていく。

 

「こんなに人が多いと緊張するかも」

 

「またまた〜人前は慣れてるくせに」

 

遊佐ちゃんは遊佐衣ちゃんとして芸能活動をしている。本人曰く、まだ駆け出しらしいけどね。

 

何日も練習した入場行進は5分もかからず終わってしまった。物足りなさを感じつつ、今年だけある参加家族の入場行進。私たちと同じように四軍に別れて行進する。敵であるの入場が終わり、続いて私の軍である紅軍が入場し始める。

 

入場曲は聞き覚えのあるガルデモの曲。

 

 

「ねぇ初音ちゃん。あのパネル持ってる人って…」

 

遊佐ちゃんに言われ軍の先頭で行進するパネル持ちを見る。

やる気満々の空気を出しながら歩いているのは……。

 

「ゆ、ユイさん!?」

 

幻覚かと思い、何度も確認するがユイさんだった。そこから続いて行進するのは見覚えのある人たちはだった。

全員、生徒よりも気合いが入っている雰囲気で行進の手足は寸分たがわず整っていた。

 

そこにはやっぱり……

 

 

「お兄ちゃん」

 

「良かったね!やっぱり音無くんは期待を裏切らないよ」

 

「うん!!」

 

リーダーを務めるお兄ちゃんは軍を引き連れ堂々と行進している。その後には、かなでさんや日向さん、ゆりっぺさん、野田さんの他に椎名さんやTKさんもいた。それから、大山の親分や藤巻さんもいる。

 

岩沢さんたちに似ている4人組もいるけど、本物なのかな?

 

 

「やっぱりお兄ちゃんはスゴいや」

 

 

私のお兄ちゃんはどんな時でも私を助けてくれるヒーローです!!

 

 

 

 

 

 

初音からの電話の後、俺はすぐに呼べるやつ全員を呼び出した。

 

 

「よく来てくれたなお前ら」

 

「突然どうしたのかしら音無くん?」

 

「おもしろい遊びでも思いついたか?」

 

さすがに全員とはいかなかったが、奏、ゆり、日向、ユイ、野田の定期メンバーが揃った。

 

「きっと一大事なんだね、結弦」

 

「ああそうなんだ。さすが奏だな、俺の気持ちが分かるなんて最高すぎるぜ」

 

「あ〜はいはい、イチャつくなら帰るわよ」

 

本気で言ってるっぽいので、さっきの初音とのやり取りを簡単に伝える。

 

「なるほど。つまり敵軍に一服盛ればいいんですね!」

 

「バカめ!音無が言いたいのはこうだ。その体育祭を乗っ取ろう、とな!」

 

なぜそんな答えに辿り着くんだ……。紙芝居ぐらい用意しなきゃバカには通じないのか。ユイと野田個人の説明は日向とゆりに任せるとして本題に入る。

 

 

「頼む!俺と一緒に体育祭に参加してくれ!!」

 

「もちろんだよ!初音ちゃんのために頑張ろうね」

 

 

真っ先に返事をしたのは、奏だった。だが、なぜか奏の目はキラキラ、体はうずうずしている様子だった。もう出ることがないと思っていた体育祭に出れることが相当、嬉しいんだろうな。

 

 

「まぁ奏が出るなら私も出るわよ。初音ちゃんの喜ぶ顔も見たいしね」

 

「もっちろん日向っち先輩と私も参加ですよ!!」

 

「ふっ、俺の眠りし力を解き放つ時が来たようだな」

 

 

もしかしたらダメなんじゃないかと想像していたが、杞憂で済んでよかった。だけど、まだ優勝には少し遠い。初音の学校は生徒数が多く、父兄の中にはもしかしたら現役のスポーツ選手とかがいるかもしれない。

 

「それで?父兄参加なのに私たちが出れる方法なんてあるのかしら?もちろん、考えてるわよね」

 

「もちろんだ。今回の俺は使えるものを全て使うぞ!可愛い妹のためにな!」

 

 

 

とりあえず今日のところは解散して、また後日話すことにした。

 

ゆりに言われたこと全てを解決させるために1本の電話をかける。

 

『もしもし。頼みたいことがある』

 

『すでに交渉済みですよ。来賓として私が来ることが条件でしたが音無さんのためならどうってことないですよ』

 

まだ何も相談してないのに事情を全て知ってることに今回は触れない。まぁ話す手間が省けるからいいだろう。

 

『初音さんには色々なところでお世話になってますから恩を返せる機会に恵まれてよかったですよ』

 

『具体的になにをしてもらったんだ?』

 

『おっとっと。急な仕事が入ったのでこの辺で失礼します。では!』

 

 

ふむ、どうやら初音に確認しなければいけないことが増えてしまったな。

けど、これで悩みの種は消えた。優勝への一手となるメンバー集めを始めよう。

 

 

 

*《メンバー集め――椎名の場合》

 

 

『椎名か?』

 

『貴様から電話が来るとは珍しいものだな。何か早急の用事か?』

 

『ああ。一つ聞きたいことがあるんだ…』

 

『言ってみろ』

 

『体操着姿の初音と遊佐を見たくないか?』

 

『きゅーーーーと!!!』

 

 

よし。これで椎名の協力を得られたな。

 

 

 

 

*《TK、大山,藤巻の場合》

 

 

『さて、俺ら3人に勝ったら力を貸してやるよ』

 

『こっちは本気で勝ちに行くでぇ!通しでも何でも使ったる!』

 

『今日の僕は……ザワついてるよ』

 

 

卓を囲む俺ら4人。条件は俺が麻雀で勝つこと。3対1という卑怯なことをされているが、今の俺は最強の雀士だ!!

 

『親はお前からでいいぜ。俺3人の持ち点は1万点ずつ。ハンデとしてお前は5万点でいいぜ』

 

『そうかい』

 

そして配牌した瞬間

 

『天和 四暗刻 大三元 字一色 ドラ12 』

 

天が俺に初音を救えというお告げなのだろう。まさに奇跡が起きた。あまりの衝撃に他3人は吹き飛び、意識が飛んでいた。

 

 

 

《ガルデモの場合》

 

 

『うん。いいよ出てあげる』

 

返事はすごく早かった。

 

『おい岩沢!そんな簡単に承諾するんじゃない。スケジュールってもんがあるんだぞ。それに会場がパニックになったらどうするつもりだよ』

 

『ひさ子は初音ちゃんが可哀想だと思わないの?』

 

『そうですよ!ひさ子先輩!初音ちゃんが可哀想です!鬼!悪魔!ひさ子!』

 

ドンッと鈍い音が響いたと思ったら、しおりが倒れていた。どうか安らかに眠ってくれ……。

 

 

『岩沢先輩としおりんの言うこと、私は正しいと思います』

 

『……ったく。分かったよ。けど、しっかりと変装していくぞ。』

 

ここまで言われてひさ子も承諾してくれたのでメンバー集めは無事に終わった。

 

 

 

 

チャーにも頼もうとしたが恋路の邪魔になると思い、断念した。

竹山は……忘れていた。

 

 

 

 

そして体育祭当日。初音にバレないようにひっそりと入場行進の待機場所に集合する。運動不足の父兄ばかりかと思ったが、周りを見るとバランス良く鍛えられた肉体を持つような実力者が多くいる。

 

だがそんなことは、どうでもいい。ただ優勝あるのみ!

 

自然と俺らは円陣を組む。

 

「今日はありがとな。このメンバーがいれば優勝間違いなしだ」

 

1拍の間を開け、大きく息を吸い込む。

 

 

「絶対優勝するぞ!!!!!」

 

「「「「うおぉぉぉぉーーー!!!!!!しゃあぁぁぁー!!!!」」」」

 

 

 

そうして俺たちの体育祭が始まった。

 




どうも騎士見習いです。
え?投稿が早いですって!そりゃあ書きたかった話の1つですから!!
では、改めて体育祭編スタートです。はてさて勘のいい方は誰が出てくるか分かるんじゃないでしょうかね。

次回も早く投稿できたらいいなぁと思っております。

読んでくださってありがとうございます!これからもセッセと書いていくので応援よろしくお願いします!
意見、感想、評価いつでも待ってますので気軽にどうぞ!
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