Angel Beats! the after story   作:騎士見習い

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リハビリついでの番外編です。



番外編 : Key妙な出会い

せっかくの休日に何もすることがなく、散歩の道中で見つけた小さな喫茶店でのんびりしようと入店した。カウンター5席にソファー席1つとアンティーク風の落ち着きある内装だった。

カウンターにはすでに人がいたため申し訳ないと思いつつもテーブル席に座る。

 

 

「ふぅ。たまには一人っていうのも悪くはないわね」

 

 

日頃の疲れを吐き出すように息を吐き、ガラス越しに映る紅葉している樹木を見つめる。普段はうるさい連中に囲まれてることもあり落ち着いた時間を過ごすことは滅多になかった。静かな時間は少し寂しいと思うところもあるが、これはこれで良い。

 

 

「お客様。申し訳ありませんが相席なってしまってもよろしいでしょうか?」

 

「はい。大丈夫です」

 

 

思ったよりも人が来たらしいが、よくあることなのか慣れた動きで私に了承をとり客を案内している。

 

 

「すみません。相席になっちゃいまして。」

 

 

そう言って私と向かい合うような形で椅子に座った。意外なことに年を増している方かと思ったが、制服を着た学生だった。たぶん高校二年生くらいかな。

ボリュームのある長い髪の両側を白の二つの髪飾りで纏め、容姿端麗という言葉が真っ先に思い浮かぶ綺麗な女の子だった。

 

 

「気にしないでいいわよ。私も一人で少し寂しかったところだし」

 

「そうだったんですか。良かったです」

 

 

お互いに初対面のため何とも言えない空気が漂ってしまう。ここは、と意を決して場を和ませるために冗談の一つでも言おうと口を開く。

 

 

「胸元の辺りが少し膨れてるけど拳銃とか入ってたりしないわよね」

 

 

もうちょっとマシなことが言えたでしょ!私!!と恥ずかしさで悶え苦しみそうになる。今度からは鉄板ネタでも身につけておこうと決意するが一応、反応を確かめると一瞬、大きくビクついてから全身を震わせていた。

 

「な、なななに、を言ってて、てるる、んですか」

 

 

全く動揺が隠せず平静を装うためなのか、お冷に手を伸ばして口を付けようとしているが震えのせいで溢れてしまっている。

 

まさか本当だったのかしら……。自分自身も驚いているがあの世の世界で日常的に銃火器を使用していたためか感覚が鈍っているのかもしれない。おもしろそうだから、と少しだけカマをかけてみることにした。

 

「本当は持ってるんでしょ?何で持ってるのかしら。誰かに狙われてるんじゃない?例えば……私とか」

 

 

ドラマや映画とかでしか言えない台詞を言い放つ。

 

 

「なるほどね……納得いったわ。あなた、闇の執行部ね!!薄々怪しいと感じてたけど、あたしの目は誤魔化されないわよ!!覚悟しなさい!」

 

 

勢いよく立ち上がり、私を貫くような勢いで胸元から取り出した拳銃を突きつける。中二病的な何かを掘り起こしてしまったのかと後悔しつつ、視線をカウンター側に向け、相手の視線を誘導する。突然の大声に客全員がこちらを向いていたことに気づいた彼女は急に押し黙り、座り直した。

 

 

「他の客に迷惑かかるから大きな声を出しちゃダメでしょ」

 

「うぐっ、け、けど。あんたは闇の執行部だから……」

 

「闇の執行部?そんなの知らないわよ。ただ、場を和ませようと冗談を言っただけなんどけど。大きな勘違いしたわよね?突然、人に拳銃を向けたんだからしっかりと答えて貰うわよ」

 

「なによ……そうよ、勘違いして拳銃を突きつけたのよ、滑稽でしょ、笑えるでしょ、笑えばいいじゃない!あーはっはっは!」

 

 

追い込まれて、開き直って自虐するなんて、凄いわね。呆れてを通り越して感心してしまった。

 

「はぁ。まぁいいわ。さっきのは、なかったことにしてあげるから普通のお喋りをしましょ。名前を言ってなかったわよね。仲村 ゆり、よ。高校三年生よろしく」

 

「朱鷺戸 沙耶。高校二年生」

 

「へぇ〜、拳銃を仕込んでるように思えないほど綺麗な名前じゃない」

 

「ちょ、さっき、なかったことにしたんじゃないの!?」

 

「冗談よ。それにしても見慣れない制服ね。どこの高校なの?」

 

「言っても分からないだろうから言わないわ。逆に……」

 

 

ゆり、でいいわよ。と伝える。それに反射するように、私も沙耶でいいです。と返ってくる。

 

 

「ゆりさんは三年生のこの時期にブラブラしてていいんですか。勉強とかあるもんじゃ」

 

「これでも元副生徒会長なの。だから内申も高いし模擬も完璧よ」

 

「優秀なんですね。そういえば、何か注文しましたか?」

 

 

そういえば入店してから全く注文してないことに気づく。せめてもの償いとして値段が高い方のアイスコーヒーを頼む。沙耶はカフェラテを注文した。

互いに高校生なので話題が尽きることがあまりなく普通の雑談をしていると、すぐに注文したものが届いた。

 

「大変申し訳ありませんが、もう一人ほど相席よろしいですか?」

 

「ええ、大丈夫です」

 

「あたしもです」

 

 

さすがに二人目は想定していなかったが席が空いていないなら、しょうがないと思った。そして、すぐに相席する人がやってきた。これまた美少女がやってきた。白銀の光沢を放つ綺麗な髪をヘアゴムで留めている彼女は見た目からクールな雰囲気を醸し出していた。沙耶も私と同じことを思ったのか彼女の顔を見つめていた。

 

 

「空気を壊すようなことをして申し訳ないっす」

 

 

そう言いながら沙耶の隣に座った。そして流れるように店主を呼んで注文する。

 

 

「このカツサンドとコーラで」

 

 

見た目と反して男らしいものを注文していた。彼女もまた、赤を主体とした黄色リボンが目立つ制服を着ており、高校生だと思った。

 

 

「お二人は友達っすか?」

 

「今日会ったばかりの初々しい関係よ。せっかくの相席なんだし、あなたも加わってみる?」

 

「それはおもしろそうっすね。それじゃあ改めて星ノ海学園一年、友利奈緒っす」

 

 

偶然にも一、二、三年生と並んだことに何か縁があるのではと感じる。できることなら三人共通の話題で盛り上がりたいがどうしようかしら。

 

まぁ、そんな心配はいらなかったらしい。

 

 

 

 

 

「ハロハロの西森柚咲と同じ学校でしかも生徒会で一緒なの!?んで、そっちはガルデモと友達って嘘でしょ!?」

 

「そんな驚くことっすかねぇ」

 

「そうよね。別に何か特別なことがあるって訳でもないし」

 

 

ぐぬぬぬ、と羨ましさの嫉妬を隠せていない沙耶。

 

 

「じゃあ何で私の学校には筋肉とバカとバカとバカしかいないわけ……。不公平だわ」

 

 

「安心しなさい。私のとこにも筋肉とバカが腐るほどいるわ。もちろん救いようがないほどね」

 

 

「ウチにも筋肉バカはいるっすよ。それにひねくれてる若人も」

 

 

互いに同じ悩みを持つなんて奇跡みたいね。まさに類は友を呼ぶってことかしらね。今日、初めて会ったと思えないほど近い何かを感じる。

 

 

「おっと、もうこんな時間っすか。ちょっとした休憩のつもりが入り浸ってしまったっすね」

 

奈緒の言葉を聞き、時計を見ると時計の短針は入った時よりも一つ半進んでいた。

 

「それじゃあ名残惜しいけどお開きにしましょ。折角だし連絡先ぐらいは交換してもいいわよね?」

 

 

二つ返事で了承してくれた。

 

「それじゃ、ゆり先輩の奢りでいいっすよね?可愛い後輩に良いところ見せてください」

 

「なら私も年下だし奢ってもらうわ」

 

 

まったく神経太い後輩を持ってしまった。別に悪い気もせず、今回だけなら、と財布の中身を確認する。

 

 

「ほんと、都合が良いわね。次はキッチリと割り勘よ」

 

 

あ〜い、と気のない返事を聞きながら会計をし三人揃って店を出る。気まぐれで入った喫茶店でこんな出会いがあるとは思いもしなかった。なんというか、戦線のメンバーとはまた別の楽しさがある時間だったと振り返る。

 

「今日はご馳走様っす。また遊びたいっすね」

 

「私もご馳走様。今度は時間がある時にしましょ」

 

「ええ。また私の方から連絡するわね。機会があれば互いの友達も呼んでワイワイしましょ」

 

 

とてもカオスなことになると思いつつも、その日が来ることを楽しみにしてる私もいる。

帰路は全員違くその場で別れることになった。軽く手を振り私は今日の不思議な出会いを一生大切にしたいと思い、家へ帰った。

 

 

 

 

 

 




カメのようにゆっくりと投稿してます。騎士見習いです。
今回はリハビリついでの番外編なので温かい目で見てくださったら幸いです。
次の投稿も出来る限り早くしたいと思いますので首を長くして待っていてください!

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