オーバーロード if -魔導王の凱旋- 作:AOG第100席
とりあえず下地として投稿しているだけなので、しばらく更新はありません。ある程度出来上がった時点で、一気に投稿します。
001 プロローグ~再出発~
悟は耳にした言葉を半ば信じられず、キーノに再度訊ねた。
「すまないがキーノ、もう一度言ってくれるか。その悪魔の巣とやらの場所の名前を」
「ナザリク墳墓…だけど。どうしたの悟?」
悟は骸骨故に表情の機微が存在しないが、それでも200年もの間一緒に旅してきたキーノには、驚愕の心情が見て取れた。
新生アインズ・ウール・ゴウンにおいての情報役を担うキーノに覚えのない言葉に、なぜ悟が驚いているのか。この世界のことについて、悟が知っていることであれば全てキーノも知っているという自負がある。
だとすれば、帰結する理由はひとつ。
「元いた世界」に関する情報。
あの日、キーノがひとり、アンデットが彷徨う廃墟で孤独を噛みしめ過ごしていた時、突如として夜空に現れた強大で圧倒的な存在。
彼は出会ったときから脆弱な存在であったキーノにも丁寧な対応で接し、自らを「鈴木 悟」と名乗った。
その後、数年──結局200年もの間一緒に旅している合間に語ってくれた、かつての仲間と、元の世界の事について。
普通であればとても信じることの出来ない神話の出来事のような旅の数々。
しかしそれも、悟の実力を知れば納得せざる得ない。出会うことがなければその存在を知ることもなかったであろう、高位魔法のいずれもが、神の御業と行っても何ら過言ではない。何より、キーノは知っている。彼がお伽噺の存在であった竜王と対峙し──実際にみていた訳ではないが──その内の一匹を滅ぼしたことを。
かつて
そのような力が跋扈する世界、ユグドラシル。
悟がやってきた世界。
「──あっ」
そこでキーノは思い出した。かつて悟が話してくれたユグドラシルの中に、彼ら──アインズ・ウール・ゴウンが攻略し、その後拠点としていた地下墳墓の存在を。
「もしかして、悟の…」
「ああ、ナザリック地下大墳墓。かつてのアインズ・ウール・ゴウンが拠点としていた攻略不可能の要塞。なんで、今頃になって──」
そこに甘い空気はすでになく、悟の表情──といっても骸骨の顔に浮かびようはないが、それでも先ほどまでの雰囲気はすっかり霧散していた。
無数の思いが悟の頭を駆けめぐる。
偶然名前が似ているだけなのか、本当に自分の知っているナザリックなのか、誰かが自分をおびき寄せる為の罠なのか、それとも本当に──。
いずれにしても、放っておく事は出来ない。
「なぁ、キーノ…」と、言い掛けたとき、それを遮るようにして、「私も絶対一緒に行くからね!」とキーノが突然大声を発した。
普段見せないキーノの姿に一瞬驚きはしたが、悟は「駄目だ」と静かにしかし力強く否定した。
「なんで、いつも一緒だったじゃない!新生アインズ・ウール・ゴウンはどこに行くのも一緒だったんじゃないの!?」
「今回は危険すぎる。俺の知っているナザリック地下大墳墓であり、暴れている悪魔というのが、NPCたちであれば、キーノや仲間を守りきることは出来ない」
「そんな──」
そんな事を言われてはキーノに反論など出来なかった。この200年、それなりに強くなった自負はあるものの、悟を補佐するために成長した自分では、いざ戦闘となった場合に足手まといでしかない。出会ったときからずっと悟に守られる存在なのだ。
悟が自分を大事に思ってくれているからこその、否定であることをキーノは知っている。無理など言えるわけがない。
「──本当に大丈夫なの?」
心配そうに上目遣いで悟の顔を覗いてくるキーノは、出会った頃を彷彿とさせ、悟の頬を緩ませた。悟は椅子に座ったまま向かい合うと、左手をキーノの頭に軽く乗せた。
「ああ、勿論だとも。俺が一度でも約束を破ったことがあったか?」
「──この前、夜店のお土産買ってきてくれなかった。それに、その前は私を置いて華結晶とふたりで遺跡の下見に行った。あと──」
「あ、あぁ、そうだったかな。いや、うん、そんなこともあったな、ははは」
「でも──いつだって私の元に帰ってきてくれた。ひとりぼっちにしなかった」
泣きそうな、それでいて微笑んでいるような表情を悟の胸元に押しつけてきた。悟は少し逡巡した後、両手でキーノを優しく包んだ。
「そうだな、約束したものな。ずっとふたりで世界を旅するんだって」
「うん、それに仲間もたくさん増えた。私たちはもう一人じゃないんだよ。まだまだ行っていない場所もたくさんあるんだから、絶対に無事で帰ってきてね」
「ふっ、キーノよ、俺を誰だと思っているんだ。偉大なる
悟は大仰に両手を広げ、キーノにその姿を誇張して見せた。
冗談めかした言葉であるが、それが真実であることをキーノは知っている。だからこそ、悟が自分たちを置いてまで向かおうとしている事が心配であり、同時にきっと大丈夫であろうという安心感もあった。悟は無茶をしないのだ。強者とは思えないほど繊細で慎重な戦略を好む。自分の力を驕らない事こそが、彼の最大の強みだとキーノは知っている。
「と、言ったものの、情報はやはり必要だ。すまないが、キーノが言ってた通り西へ向かい情報収集を行おう」
「うん、任せて。これは私の得意分野だからね、悟には任せられないよ。どこよりも詳しい情報を集めてみせるよ!」
悟さんはどの職業で潜入しますか?
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仮面の魔法詠唱者(魔法詠唱者)
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漆黒の大剣使い(剣士)
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災厄の戦斧(斧士)
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傾国の傭兵(複合職)