オーバーロード if -魔導王の凱旋-   作:AOG第100席

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002 プロローグ~情報~

翌朝、部屋へ皆を呼び寄せ、悟がひとりでナザリック地下大墳墓へ乗り込むという話をメンバーにしたところ、猛反発にあった。それでもキーノが悟を援護したことで、皆は声を潜めた。キーノが一番反対したいことを知っているからこそ、彼女が納得しているのであれば、口を出すべきではないだろうと。

物わかりの良い仲間を眺めながら悟は仄かに嬉しい気持ちになった。紛れもない「仲間」がそこにあったから。

 

「それでは早速で済まないが、我々は一度西へ向かう。あまりにも情報が不足しているため、なにが起こっているのか詳細を調べる必要がある。キーノ、ムギ、二人には走り回ってもらう事になるが…」

「うん、出払っているプラントーナの分まで、私とムーちゃんで頑張るよ!ね、ムーちゃん!」

 

キーノは自分の隣に佇むムギへ同意を求めた。

 

「……」

 

ムギは何も答えない。白い仮面に隠されたその表情を伺い知ることは出来ない。背丈はキーノと同じくらいであり、銀色に煌めく長い髪は腰元まで延びている。

彼女こそ新生アインズ・ウール・ゴウン第七席であるムギ。仮面の下にはヤツメウナギにも似た悍ましい顔が隠されている。それは彼女の種族に起因する。

ーー真祖(トゥルーヴァンパイア)

吸血鬼の上位種であり、キーノも同様の職業を持っている。その姿に差異があるのは、キーノの特殊が職業を持っているためであり、本来の真祖というものはムギのような姿をしている。

同じ吸血鬼という同族意識からなのか、キーノはムギに対してやたらと甘い部分がある。

(まぁ、拾った親心というものなのか…)

悟としては見捨てるつもりであったが、キーノが頑なにムギを連れて行こうとするものだから、仕方なく同行を許した。結果としては彼女は無くてはならない存在となった。

それは彼女が持つ”生まれながらの異能”(タレント)が唯一無二のものだからである。二百人に一人の割合で持つそれはユグドラシルには無い能力であり、悟が扱う魔法ですら再現不可能な事も可能とする場合がある。ムギが持っているのはまさしくそれであり「情報の真偽を判定」するというものである。

第五位階魔法<嘘感知>(センス・ライ)に似た働きを持つが、彼の魔法とは異なり対象者が真実と思っている情報でも、又聞きの情報でも、真偽を判定することが可能である。しかし適当に思いついた情報、例えば「あそこに立っている男の名前はジョンである」などは何も判定してもらえない。どのようにして判定しているのかは不明だが、前提条件としてきちんと入手した情報であることが求められているようだ。

新生アインズ・ウール・ゴウンに入ったのは一番新しいものの、その実力は折り紙つき。何せ、キーノが研究してきた膨大な資料を基に、吸血鬼に最適化された強化を行っている。キーノ自身は効を焦り、劣化吸血祖神(レッサー・ワン)となってしまったが、彼女であればいずれ吸血祖神(ザ・ワン)に到達することであろう。勿論それはまだまだ先の事だが。

「ほら、ムーちゃんもやる気みたいだし、期待しといてね悟!」

「あ、ああ、そうか、うん、頼んだぞ」

キーノには何か通ずるところがあるようで、仮面の下のムギの感情を読みとることに長けている。

必要以上に言葉を紡がないムギに対して、悟は未だに距離を掴みかねているというのに。

 

やることが決まってからの動きは早い。

各自、割り当てられたーーといっても自然に決まったーー役割をこなすため動き始めた。

情報収集担当のキーノとムギは、移動するまでの間この町で集められるだけの情報を求め、町へ繰り出した。ニュールニュールは触手を器用に扱い、テーブルの上に大陸の地図を広げ、ナザリック地下大墳墓が現れたという最北西部の地理を確認し始めた。華結晶はやることがないのか、仰向けのまま部屋の中をパタパタと泳いでいる。

「そういえばさ、リーダー。スクレイアはどうしたのさ?昨日までは宿にいたはずだよね?」

所在なき仲間の姿に今更気づいた華結晶は、その疑問を悟にぶつける。

「スクレイアにはやってもらうことがあって、先に現地近くへ行ってもらった」

「ええーっ、ずるいっ!!だったらボクも行かせてくれよ!」

「はーっははは、許可するわけ無いだろう、お前はただでさえ勝手に動き回るんだから」

「リーダーの言うとおりですよ、華結晶。おとなしく待つということも覚えてください」

ニュールニュールも同意するように、声触の空いた触手を振り回しながら同意の声をあげた。

「ちぇっ、つまんないの!」

拗ねたようにして華結晶はニュールニュールの頭部にしがみつき、足をパタパタさせながら地図をのぞき込んだ。

「それにしても、こんな辺境に住んでる種族なんていたんだね。知ってるかい、ここらへんの山脈には竜王の(ねぐら)があるらしんだぜ。ボクだったらそんなところ、恐ろしくて近づけないや」

「評議国の竜王たちに、竜王国。確かに竜王の気配が密集していますね」

八欲王によって多くの竜が滅ぼされ、戦いに参加しなかった竜のみが生き残った。大陸中央よりも辺境に竜が多いのは帰結すべき当然の結果であった。

それに人間種というのは非常に弱い存在である。周囲を山脈に囲まれた辺境の土地だからこそ辛うじて繁栄出来ていた。

ーー悪魔の巣が現れるまでは。

「かつて六大神が降臨した土地に、数百年の後に悪魔が現れるとは、また数奇な運命ですね」

その言葉を聞き、悟は何だか「うちの子がすみません」という気持ちになった。自分が指示したわけではないが、悟と仲間たちが作り上げたNPCたちが暴れているのだ。仲間以外はどうなってもいいという考えに変わりないが、それでも迷惑をかけているとなると、少しばかり申し訳ない気持ちも沸き上がるものだ。

 

西へ移動して数日、情報はすぐに集まった。

宿屋の一室にてキーノが集めた情報の報告を行う。

「悪魔の巣ーーナザリック地下大墳墓が最初に目撃されたのは下風月の中頃、おおよそ三ヶ月前のこと」

リ・エスティーゼ王国とバハルス帝国の国境付近、トブの大森林と呼ばれている森のそばに出現。最初に目撃されたのは、リ・エスティーゼ王国の王都と言われている。ほぼ同時期にバハルス帝国の帝都でも目撃情報があり、各方面へ一斉に進行していとみられる。両国とも都市部での戦闘が僅かにあったのみで、直ぐに降伏。運良くその場から逃げ出してこれた者の話によると、ニ体の竜が帝都の城へ降り立つと、大きな地割れが帝都内数kmに渡って発生。城内で何があったかは分からないが、それから間もなくして帝都内を多くの悪魔が飛び交い、今を持って帝国はナザリック傘下へ入ったと触れ回った。

同じ事は王国でも起こっており、こちらも直ぐに降伏。王女が国民へ向け、悪魔からの降伏条件を国民へ伝えたと言う。

「その後、スレイン法国にも現れるけど、これを撃退。竜王国へは現れず、聖王国へ進行。東部の城壁を破壊すると、それに乗じたアベリオン丘陵の亜人が、聖王国の半分を蹂躙し尽くしたと。どんな意図があったのか確証はないけど、これを悪魔が救い、国力を激減させてしまった聖王国は結果として傘下へ入った。結果として瞬く間に三つの国がその名前を消した」

その報告は凄まじいの一言。通常では考えられない進行速度である。

「八欲王の再来とまで言われてるよ」

キーノが補足するが、それも納得であろう。このままのペースで行けば、一年と経たずに周辺の国家は滅亡するだろう。

悟は報告を聞き、頭を抱えた。

(ーー最悪だ。いや、最悪には至ってないが、それでもやりすぎだろ!どんだけ優秀なんだよNPCたちは!)

命令されなければ自ら動くことの無かったユグドラシル時代のNPCたちしか知らない悟からすれば、こんなにも優秀だったのかという自慢げな気持ちと、なぜそんなに優秀にしてしまったのかという、かつての仲間への恨みが若干芽生えた。

苦悩している悟をよそに、キーノの報告はさらに続く。

「悪魔たちは何かを探しているようで、国の統治にはそれほど興味はないみたい。だけど形振り構わず国民を酷使しているみたい」

思い当たる光景を見たことがあるキーノは、元人間として少し顔を曇らせた。大陸中央部では決して珍しくない、日常的な風景。いやそれに比べれば、悪魔たちは未だ人道的な方であろう。

「探し物か……」

「うん。何を探しているのかまでは分かっていない。けど、どうやらそれが法国にあると睨んでいるようで、統治した国々の兵力を向ける準備をしているみたい」

「それで竜王国は免れているのか」

悟は因縁のある相手が建国した国という事もあり、辺境の国というのに竜王国については少なからず知っていた。常時南方にあるビーストマンの国から攻め込まれており万年兵力不足のこの国は、ナザリック勢と言わず、帝国兵にすら耐えきれないであろう。

竜王国を攻め下手に統治してビーストマンの国を敵に回すより、放っておくのが一番と考えたのだろう。

「スレイン法国か……確かに人間にしては優秀な者が多いと聞くが、それほどなのか?」

「うん、表には出てこない精鋭部隊がいて、詳細は掴み切れてないけど贔屓目に見ても、私たちレベルではあると思う。あっ、もちろん悟は除外してだけど」

「ほぉ、それはすごいな」

悟を除いた新生アインズ・ウール・ゴウンの平均レベルは55程度であり、NPCに比べると遙かに弱いが、この世界においては比肩するものは極少数である。能力が高めである異形種たちですらそれなのに、非力な人間種にそれほどまでの力を持つ者が一国に複数人もいるとは、悟でさえも驚愕させた。

「しかし探し物か…何か目星はついてるのか?」

キーノは腰にぶら下げた筒を一瞥すると、悟に向き直って自分の考えを口にした。

世界級(ワールド)アイテム。あの国にはそれがあると睨んでる」

「……その根拠は?」

「確かな事は言えない。だけど、あの国の興りが悟と同じプレイヤーであると推測される六大神である事、それに異常なまでに情報が統制されている事。いくら調べても世界級アイテムの噂話がひとつも出てこないの。それどころか噂話に一貫性があり過ぎる。意図的に情報を流布させてるとしか思えないわ」

悟るも顎に手を添えて「ふむ」と考える。

かつてこの世界に転移したであろうプレイヤーの情報は、ほぼ掴んでいるという自負はある。実際にプレイヤーの何人にかはあったことがある。その中でも、六大神、八欲王はけた違いに有名である。情報も非常に集めやすく、全ての情報から鑑みるに彼らが世界級(ワールド)アイテムを所持していた可能性は高い。

むしろ世界級アイテムに付随してプレイヤーが転移してきたとさえ、悟は考えている。なぜならこの世界を二百年巡り、いくつもの世界級アイテムの存在を確認してきたが、そこにプレイヤーの影が無いことが多かったからだ。アイテムの数に対してプレイヤーの数が少ない。

悟るもまた、体の中央に埋め込まれた世界級アイテムを見やる。

そして世界級アイテムが十も保管されている、プレイヤー無きナザリック地下大墳墓。

そういった情報を統合すれば、法国に世界級アイテムがあるのはほぼ確実といってもいいだろう。もしかしたら、使いきりのアイテムで既に無い可能性もあるが、信仰心の高い国ほど遺物は丁重に扱うものだ。

だとすればNPCたちがそれを狙うのも納得できる。自らを脅かす存在である世界級アイテムは何よりも確保しておきたいだろう。

しかしナザリックの目が法国ひとつに向けられているのは非常に好都合だ。作戦を立てるにしても相手の行動の指針が見えているのと、そうで無いのとでは難易度がぐっと違う。

「法国に潜入か、既に支配されている国々へ潜入するか、どうしたものか」

「僕だったら法国には行かないな、危なすぎるもん。それよりも既に統治されちゃってる国に入ったほうが危険は少ないよ。もちろん、人道的に扱われてる前提だけど」

(人道的かぁ……。正直言ってナザリックのNPCたちはカルマ値がマイナス寄りだからなぁ、あまり人間に友好的じゃない気がするんだよなぁ)

悟はあるはずのない胃がシクシクと痛む気がした。

キーノも華結晶の意見に賛同するよう声をあげた。

「私もその意見に賛成だよ。そもそも法国は入国審査が厳しい上に、信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)が多いから、アンデッドの悟の正体が見破られる可能性もあるよ」

魔法詠唱者(マジック・キャスター)としてのレベルが高いとはいえ、幻術系の高位魔法を修めていない悟の魔法は比較的容易に見破られてしまう。それで痛い目を見たのは遠い昔の話。だからこそ悟は基本的に素顔のまま、ありもしないスケール族という種族を押し通してきたのだ。

しかし人間種が主体となる国に於いては、流石に素顔のまま入国することは不可能であり、多少のリスクを背負ってでも幻術を用いて入国してきた。勿論今回もそうするつもりである。

「それに法国は住民の管理が行き届いてるから、身分を偽って現地人になりすますことも出来ないみたい。コセキ…だったかな、そういった制度があるみたい」

悟がかつていた世界ーーナザリックではないーーのシステムがプレイヤーによって導入されたのだろう。灰色の空に、汚染された空気、いつも家主の帰りを軋んだ音で出迎えた部屋の扉。今や愛着の欠片もない世界を思い出すが、それは泡沫。悟はすぐに頭を切り替えた。

「それじゃあ、支配されてしまった国、えーっと何だっけ?」悟が疑問を口にすると、「バハルス帝国、リ・エスティーゼ王国、ローブル聖王国」とキーノが素早く答える。

「ふむ、キーノはどの国に入り込むのが良いと思う?」

悟は考えることをやめる事はない。しかし長年連れ添ってきた相棒であるキーノの意見は何よりも信頼がおける。判断に困ったときは、まず彼女に相談するのが悟にとって当たり前の行動になっていた。キーノも阿吽の呼吸で答える。

「私はどれでもなく、まずは竜王国に行くべきだと思うの」

「竜王国…か」

「うん、そもそも聖王国も王国も、スレイン法国を通過する必要があるから除外されてしまう時点で、候補は帝国だけになっちゃうんだけど、その前に竜王国で現地の声を聞いたほうが良いと思う。いくら私たちがここで情報を集めたと言っても、それは伝聞でしかない。何よりも正確な情報は、自分の目で見ること、だからね」

「竜王国も被害がない訳ではありませんから、混乱に乗じて潜入しやすいかもしれませんね」

「ニュの言う通り。それにあそこは法国と違って冒険者組合があるから、仮の身分を作りやすいし」

「冒険者……だと!」

その言葉を聞いて、悟は心の奥底にある浪漫心をくすぐる物を感じた。

(冒険者、なんて良い響きなんだ!そんなものがこの世界にあったのか、もしかしてこの地域だけに広まっている組織なのか?羨ましい……仲間たちと世界を旅し、まさに冒険者として相応しい冒険を数々してきたが、そう、冒険者という響き。ああ、俺は欲していたんだ、この言葉を!)

抑制されるまでに高まった悟の感情は、それでもなお沸々と涌き続けた。

「うん、決めた、俺は竜王国に行って、冒険者になる!」

「……ねえ悟、冒険者っていう言葉の響きが気に入ったんでしょ」

半目で睨んでくるキーノの圧力に若干押されながらも悟は否定の言葉を紡ぐ。

「いや、違うぞ、キーノ!これにはふかーい訳があってだな」

「分かってるんだからね、もう。こっちは真剣に心配してるっていうのに」

ぷくりと頬を膨らませながら怒るキーノに、悟は頭を下げた謝った。

「ふふふ、微笑ましいですね」

「リーダーはキーノに弱いんだから」

そんなふたりを、冷やかすような声が聞こえたが、悟は聞こえない振りをした。

 

三日経ち、アインズの元にスクレイアが戻ってきた。

「それじゃあ、みんな、行ってくるよ」

キーノは心配そうな顔つきで悟の前までやってくる。「行かないでほしい」という言葉を何度飲み込んだことか。キーノはこの場になっても、その思いは強かった。

正面から戦えば悟であっても勝てない存在がいると聞いてしまっては、笑顔で送り出すことは難しい。

それでも、キーノは止めなかった。悟を信じているから。

結果として彼を失う可能性はある。それでも彼の言葉を自分が信じないでどうするんだと、溢れ出そうになる感情を抑え込んだ。それでもその表情から滲みでる不安は悟にも伝わった。

悟は困ったような表情を浮かべーー実際には表情は動かないがーー、キーノの頭に手を乗せた。

「心配するな、というのは難しいかもしれないが、うん、心配するな。それに二週間に一度は情報共有のために戻るつもりだ」

「……約束だからね、ちゃんと戻ってきてよ悟!」

「ああ、だからそんな顔はよしてくれ」

キーノは自分の顔を両手でムニムニとほぐすと、まだぎこちなさの残る笑顔を浮かべた。

「うん、いいだろう。では、スクレイアよろしく頼むぞ!」

「畏まりました」

悟の横に控えていたのは、浅黒い肌をした180cm近い身長の美丈夫。肩まで掛かった白髪の隙間からは二本の角が僅かに覗いている。全身を包む美しく仕立てられたタイトなスーツは細身な体をより引き立たせる。

新生アインズ・ウール・ゴウン第三席である半魔児(カンビオン)のスクレイア。唯一転移魔法を扱える彼は、先んじて現地へ赴き転移できるよう準備して貰っていた。

「それでは、悟様、御手を拝借させていただきたく」

(忠誠を誓ってくれるのはありがたいが、上下関係は作りたくないんだよなぁ。いくらいっても聞かないし)

昔の恩義をいつまでも忘れないでいてくれるスクレイアであるが、悟としてはもう少し砕けた関係になりたかった。それでも百年近く頑なに拒まれては、悟としても口に出す回数は少なくなった。

スクレイアが悟の左手を握ると、魔法を発動させる。

<上位転移>(グレーター・テレポーテーション)

視界が一瞬にして切り替わり、次の瞬間にはキーノたちの姿はなくなっていた。宿の一室から一転して、そこは木々が深く生い茂る森の中。

スクレイアは右方向を指さす。

「こちらの方向へ少し歩きますと街道にでます。そこから更に下っていけば数刻もしないうちに竜王国の北西部に位置する街へ着きます。検問所がありますが、ほとんど形だけのようで、検問としての意味合いはほぼ形骸化しています。少なくとも悟様の幻術を見破れる者はいないでしょう」

「ありがとう、スクレイア。それでは当初の予定通り街へ戻って待機していてくれ。非常時の手筈は覚えてるな?」

「はい、勿論覚えております」

キーノたちがいる街は、竜王国より離れてるとは言え数百キロ。情報の伝達速度が遅く、既に近くまでナザリックの手が及んでいるかもしれない。その場合は、数千キロ離れた拠点の館にみんなを連れて逃げて貰うよう、スクレイアにお願いしている。

「それでは、悟様お気をつけてください!」

「ふっ、俺が誰よりも慎重なのは知っているだろう、危なくなったらとっとと逃げるさ」

おどけた声音で臆病を演じる悟に、スクレイアは微笑み視線を交わした。

「ええ、悟様のことは良く存じております。きっとキーノ様を困らせることはなさらないでしょう。それでは……失礼いたします」

スクレイアは再び<上位転移>(グレーター・テレポーテーション)を唱えると、アインズの前から姿を消した。

悟の周りには葉の擦れる音と、鳥たちのさえずりが広がった。

「……さて、行くか!」

人気のない森の中を、悟は一歩踏み出した。

 

 




とりあえずプロローグ部分のみ投稿。案外時間とれない。
フォームの統一は後でPCからやります。
残り26万字!長い!

ムギとスクレイアの設定は二次オリジナルです。
ムギが被ってる仮面はイビルアイのと同じ。

滅んだ三つの国は帝国、王国、聖王国にしました。ナザリックなら法国簡単に滅ぼすでしょうが、話の都合上ね。
聖王国には泣きを見もらう事にしました。

文字数足りなかったら、ナザリック視点からもかかないとな。。。

悟さんはどの職業で潜入しますか?

  • 仮面の魔法詠唱者(魔法詠唱者)
  • 漆黒の大剣使い(剣士)
  • 災厄の戦斧(斧士)
  • 傾国の傭兵(複合職)
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