GOD SPEED STRATOS   作:ジャズ

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お待たせしました!ジャズです。
前回書き忘れてましたが…………

UAが一万を突破してました!!!読者の皆様、本当にありがとうございます!
これからも頑張ります!!


第九話 ボーイズ・ミーツ・ボーイ

〜ある夜・総輝と大牙の部屋〜

 

真耶「部屋を移ってもらいます」

 

総輝「はい?」

 

唐突に言われた部屋替え宣言に、総輝と大牙はポカンとしていた。

 

大牙「あの……なんでですか?」

 

すると真耶は、申し訳なさそうな顔で

 

真耶「…実はここだけの話なんだけど、転校生が来ることになってね……それで、新しく部屋割りを決めた結果、君たちの部屋割りが変わっちゃったの」

 

総輝「(また転校生か……)ちなみに、どんな奴なんですか?」

 

真耶「それがね……何と、男子生徒なの!!」

 

真耶の言葉に二人は目を見開く。

当然だ。男子生徒と言うことは即ち、四人目の男性IS操縦者と言うことなのだ。

 

大牙「新たな男性適正者……まあ三人もいるんだし、また出てきても不思議じゃないか」

 

真耶「そう言うことだから、悪いんだけど、二人のうちどちらかが移動して欲しくて……」

 

大牙「そう言うことなら」

 

話し合いの結果、大牙が部屋を移ることになった。

 

大牙が部屋を出た後、総輝は一人考え事をしていた。

 

総輝「(……四人目の男性IS操縦者……だが、もしそうならニュースなどで話題になっていないのはどう言うことなんだ?)」

 

試しに、総輝は部屋に付けられたテレビの電源をつける。

そして様々なチャンネルを見るが、男性IS操縦者に関するニュースはどこのテレビ局も取り上げていなかった。

 

総輝「(一体どう言うことなんだ……?)」

 

総輝の疑問は深まるばかりだった……

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

一方大牙は、新たな部屋に到着していた。

 

大牙「ここか……」

 

ここで大牙はふと気付く。

 

大牙「(……ん?まてよ、総輝は部屋に残って、一夏は箒と同じ部屋、新しい男子は総輝の部屋……てことは……)」

 

大牙は結論に至って顔が徐々に青ざめていく。

 

大牙「(女子と相部屋かよオォォォォォ!!!!)」

 

大牙は心の中でそう叫んだ。

 

大牙「(くそ……とはいえ、ここでじっとしてても仕方ねぇ!相部屋の人にはきっちり説明して……よし、いくぞぉ!)し、失礼しますっ!!」

 

大牙は勢いよくドアを開けて中に入った。

 

大牙「今日から相部屋になる加賀美大牙です!よろしくお願いします!!」

 

すると、奥から少女が出てきた。

水色の髪に赤い瞳、そしてメガネを掛けている。

彼女を見て大牙は目を見開いた。

 

大牙「あれ……簪……なのか……?」

 

それを言われた少女も目を見開く。

 

簪「えっ……大牙……なの……?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

二人はベッドに向かい合って座っていた。

 

大牙「驚いたぜ。まさか簪もこの学校に来てたんだな」

 

簪「びっくりしたのはこっちだよ……何でIS動かしてるのよ……しかも総輝君まで……」

 

彼女の名は《更識簪》。更識家は昔から対暗部用暗部の家として伝わっている。そのため、元警視総監である《加賀美陸》の頃から加賀美家とは縁があり、現警視総監の《加賀美新》と元更識家当主、簪の父との繋がりで、簪と大牙は言うなれば幼馴染のような関係なのだ。

 

大牙「俺もまあ、一夏がIS動かさなきゃこんなとこ来なかったんだけどな。まあでも……お前と再会できたし良かったわ」

 

簪「ちょ……大牙……///」

 

大牙にそう言われて顔を赤くする簪。

ここでふと、聞きたかったことを思い出し、身を取り出して尋ねる。

 

簪「あ、あの!…大牙って……その……か、《仮面ライダー》、なの?」

 

大牙はそう聞かれると真剣な表情になり、

 

大牙「……ああ、そうだ。俺は……《仮面ライダーガタック》だ」

 

それを聞いて簪はパアッと顔を輝かせる。

 

簪「す、すごい……大牙が、仮面ライダーだったんだ……!」

 

簪は昔から勧善懲悪物のヒーローが好きなのだ。

今の簪の心境は、憧れのスターにあったファンのそれだろう。

ここで簪は思い切って

 

簪「じゃ、じゃあさ……変身!してみてよ」

 

大牙「えっ?ここでか?」

 

簪「うん!せっかくだし、間近で見てみたいの!!」

 

簪はまるで子供のように目をキラキラと光らせてせがむ。

大牙は少しため息をついて

 

大牙「……わかった。そこまでいうなら……」

 

そう言って大牙は徐ろに立ち上がり、右手を高く掲げる。

すると、部屋の中に青いクワガタムシーー《ガタックゼクター》が飛来し、大牙の右手に収まる。

 

大牙「変身!!」

 

《HENSHIN》

 

電子音声がなり、大牙を六角形のパネルが包んでいく。

物の数秒で、変身が完了した。

 

 

簪「すごい……ほんとに仮面ライダーに……!」

 

大牙は変身を解く。

ベルトから離れたガタックゼクターはしばらく部屋を飛び回っていたが、やがてどこかへと飛び去っていった。

 

大牙「……まあ、積もる話はこのくらいにして、そろそろ風呂入ってくるわ。もうすぐ消灯時間だしな」

 

そういって、大牙はシャワールームへと歩き出す。

 

大牙「つーわけで、これからよろしくな、簪」

 

簪「あ、うん!」

 

簪は満面の笑みでそう返した。

 

 

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〜次の日〜

 

真耶「今日は何と、転校生が来ています!!しかも二人!!」

 

真耶の言葉から始まったSHRは、大きなどよめきを生んだ。

一夏も少し戸惑っているようだが、総輝と大牙は落ち着いていた。何せ、転校生が来ることは既に知っていたからだ。(とはいえ、聞いていたのは一人だけだったので、転校生が二人いることに対して多少驚いてはいるのだが)

 

そして、真耶の合図でドアが開き、二人の人物が入ってくる。

一人は、金髪に男子用の制服を着た生徒、もう一人は銀髪で見た目は女子なのだが、その制服は特徴的でまるで軍隊のようなものだった。

 

まず、金髪の男子が自己紹介する。

 

???「初めまして。《シャルル・デュノア》です。フランスから来ました。ここに僕と同じ境遇の方がいると聞いたので本国より転入を……」

 

その時、第六感が働いて何かを察した男子三人は、咄嗟に両耳を手で塞ぐ。

直後、耳をつんざくような歓声が沸き起こった。

 

「キャアアアアアアアア!!!!!」

「男の子よ!四人目の男の子よ!!」

「守ってあげたくなる系の美少年!!」

 

女子たちの黄色い歓声に、シャルルは戸惑っている。

 

千冬「静かにしろ」

 

千冬の一声で教室入って一瞬で静まり返る。

 

真耶「では、次はラウラさん、お願いします」

 

ラウラと呼ばれた銀髪の少女は一歩前に出ると

 

ラウラ「《ラウラ・ボーデヴィッヒ》だ」

 

と一言。

 

真耶「……あの…い、以上ですか?」

 

ラウラ「以上だ」

 

真耶がおずおずと尋ねるが、ラウラはバッサリと返す。

 

一夏「何なんだ……」

 

一夏が小声で呟くと、ラウラがそれに気づいて一夏の方を向く。

 

ラウラ「…貴様が織斑一夏か?」

 

一夏「え?ああ、そうだけど……」

 

その直後だった。

『パァン!!』という甲高い音が教室に響く。

ラウラが一夏の頬を平手打ちしたのだ。

 

一夏「なっ……!」

 

突然の事に驚く一夏。そんな彼をラウラは鋭い目つきで睨み、

 

ラウラ「私は認めない……貴様が織斑教官の弟など……!」

 

と低い声でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大牙「てめ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!!一夏にいきなりビンタとぁどういう了見じゃゴルァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!

 

一夏へのビンタに激怒した大牙が立ち上がり、ラウラの胸ぐらを掴んでブンブンと前後に振り回す。

直後、大牙の頭を黒い物体と白い何かが直撃する。

 

大牙「いでっ?!」

 

大牙が振り向くと、総輝と千冬が鋭い視線で彼を見ていた。

 

大牙「総輝、何すんだよ?!」

 

総輝「少しは落ち着け、大牙。お前がそんなことをしたところでそいつには何も響かんぞ」

 

千冬「その通りだ、加賀美。教室を見てみろ、お前の叫びでみんな怯えてるぞ。少し頭を冷やせ。

だがお前もお前だ、ラウラ。私の弟にいきなり平手打ちとは……あまり感心せんな?」

 

ラウラ「…も、申し訳、ありません……ォェ」

 

ラウラは顔が真っ青だ。

先程大牙が首を振り回したせいで酔っているのだ。

教室に静寂が訪れた事で、千冬も一息つき

 

千冬「…まあ、少し揉め事もあったが、これからお前たちと過ごしていくクラスメイトだ。仲良くしてやってくれ。

一限目は一組と二組との合同演習だ。遅れたやつはグラウンド10周だからな。それから織斑、天道、加賀美」

 

呼ばれた三人は千冬の方を見る。

 

千冬「お前たちはデュノアの面倒を見てやれ。同じ男同士だ、色々教えてやれ」

 

一夏「分かりました」

 

総輝「了解です」

 

大牙「うす」

 

シャルルは一夏達の方へ歩くと、

 

シャルル「初めまして、僕は……」

 

シャルルが自己紹介しようとするが、総輝がその前に彼の手を握る。

 

シャルル「ふあっ?!///」

 

総輝「………」

 

何故か顔を赤くするシャルルを総輝は少し見つめていたが、

 

総輝「自己紹介の前に、移動が先だ。面倒な方になるからな」

 

一夏「そうそう!とりあえず走るぞ!」

 

そして、四人は一斉に走り出す。

 

総輝「俺たちはアリーナの更衣室を使うから、早めに慣れてくれ」

 

シャルル「う、うん……///」

 

シャルルは未だに顔を赤く染め、モジモジとしている。

 

そんな彼の様子に気がついたのか、

 

大牙「どうしたんだよそわそわして。トイレか?」

 

シャルル「ち、違うよ!!」

 

その時だった。目の前の廊下から他クラスの女子達が飛び出してきた。

 

「見て!転校してきた新しい男子よ!!」

「者共!出合え出合えぇぇ!!!」

 

前方にも女子、後方にも女子。まさに万事休す。

 

すると、大牙と総輝が顔を合わせ、強く頷く。

 

総輝「…大牙」

 

大牙「ああ!」

 

そして総輝は、シャルルをお姫様抱っこで持ち上げる。

 

シャルル「ええっ?!わああぁぁ〜〜!!/////」

 

ますます顔が赤くなるシャルル。

しかし、総輝はそれに目もくれない。

そして……

 

総輝・大牙「「クロックアップ!」」

 

そう言うと、二人は猛ダッシュする。

勿論、生身の状態でクロックアップなど出来ない。

だが、総輝と大牙はどちらも五十メートル走は6秒台である。つまり、本気でダッシュするこの二人には、たとえエリートの集まりであるIS学園の女子達でも追いつかない。

言わば、《クロックアップ(笑)》である。

 

一夏「えっおい!俺を置いていくなあぁぁぁ!!!!」

 

無情にも置いていかれた一夏。

彼も全速力で走るが、大勢の女子達に阻まれ距離はどんどん開いていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

〜男子用更衣室〜

 

大牙「……何とか……着いたな……」

 

全速力で走ったため、大牙は多少息を切らしている。

総輝は顔色ひとつ変えず、シャルルを下ろす。

 

総輝「突然すまなかったな。あの場はああする以外手は無かった」

 

しかし、シャルルは聞こえていないのか、ボーッとして突っ立っている。

 

大牙「…シャルル?」

 

シャルル「……えっ、あ、はい!!何でしょうか?!」

 

シャルルは驚いてやや早口になる。

 

大牙「さっきからどうしたんだ?なんかお前変だぞ?」

 

シャルルは少しムッとしたのか、頬を膨らませながら

 

シャルル「そんな事ないよっ!ただ、最初だから……少し緊張して……」

 

大牙「ああ、なるほど!それもそうだな。

俺は《加賀美 大牙》だ。まあ、大牙って呼んでくれ」

 

シャルル「うん、よろしくね大牙。それで、えっと……」

 

シャルルは先程から黙ってじっとシャルルを見つめている総輝の方へ視線を向ける。

総輝もそれに気づくと、例の指を天に向けるポーズをとり

 

総輝「俺は《天道 総輝》、“天の道を往き、総てを輝かせる太陽”だ」

 

シャルル「……あ、うん……よろしく……」

 

シャルルは総輝の自己紹介に少し戸惑った様子だ。

大牙はまたやってるよとばかりにあたまを抱えている。

 

大牙「シャルル、こいつはいつもこんな感じだから。早めに慣れてくれ」

 

シャルル「うん、頑張るよ……」

 

ふと、大牙は時計を見る。

 

大牙「うわっ、ヤッベェ?!もうこんな時間だ!二人共急ぐぜ!!」

 

総輝「そうだな。遅刻しようものなら、あの人の出席簿が頭に飛んでくる」

 

そう言って、二人は一斉に上着を脱ぐ。

その瞬間、彼らの引き締まった上半身が惜しげもなく露わになる。

 

シャルル「っ/////」

 

途端、シャルルは顔が真っ赤になり、両手で顔を抑えて後ろを向いた。

 

総輝「………」

 

大牙「何だよシャルル?お前も早く着替えろよ」

 

シャルルは顔を反対側に向けたまま

 

シャルル「…うん……着替えるよ……でもその……あっち、向いててね…?」

 

大牙「え?ああ、まあ……別に着替えをジロジロ見るつもりはないけどさ……何でもいいけど、とりあえず早く着替え」

 

シャルル「な、何かな?」

 

大牙「」

 

大牙が次に振り向いた時、シャルルは既にISスーツを着終わっていた。その間、わずか1秒にも満たない時間だ。

 

大牙「お前…まさか《クロックアップ》使って着替えたのか!」

 

シャルル「く、くろっくあっぷ?」

 

聞き慣れない単語にシャルルは疑問符を浮かべる。

総輝は大牙に冷静にツッコミを入れる。

 

総輝「そんな訳あるか。制服の下に着込んでいたんだろう?」

 

大牙「…だよな!!いやぁ〜わかってたようん!そうだ、そうだよな!!そうに決まってるよな!!」

 

シャルル「あ、うん!そうそう……あはははは…」

 

大牙「…けどさ、なんかISスーツって常に着るのって嫌じゃね?なんか引っかかるし」

 

シャルル「ひ、引っかかって……?/////」

 

シャルルは今日何度目か知らないが、再び顔を真っ赤にする。そんな彼を、総輝はなんとも言えない表情で見つめていた。

彼が教室に入ってから、総輝はシャルルを観察し続けていたのだが、彼の仕草はとても男性とは言えないものだった。寧ろ、女性と言えばしっくりくるだろう。

彼らが服を脱いだ時のリアクションや、先ほどの大牙の発言に対する反応もそうだ。もし男子なら、それらは全く気にしないのが普通の筈だ。

 

総輝「(……少しカマをかけてみるか……)」

 

何を思いついた総輝は大牙の方を向き

 

総輝「…なあ大牙。何が引っかかるんだ?」

 

大牙「え?」

 

シャルル「?!」

 

大牙は発言の意図が分からないのか、総輝に問い返す。

対してシャルルは目を見開いた。

 

総輝「お前さっき、“引っかかる”って言ってたな?シャルルはそれが何なのか分かっていないらしい。だから教えてやってくれ……

 

()()()()()()()()()()()

 

シャルル「ぁ……ぁ……」

 

シャルルは全てを察したのか、声にならない声を出しながらガタガタと震えている。もうその顔はリンゴのように真っ赤だ。

 

大牙「何って…………そりゃお前、チn」

 

シャルル「わぁーーわぁーーわぁーーーーーー!!!!//////////」

 

シャルルはもう限界だったのか、両耳を塞いでその場から一気に飛び出した。

 

 

大牙「……何だアイツ?」

 

総輝「………」

 

二人はなんとも言えない顔でシャルルが走っていった方を見ていたが、時間が押していることを思い出し再び猛ダッシュする。

ちなみに一夏は見事に遅刻し、千冬の出席簿を頭に食らっていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

グラウンドには、一組と二組の生徒が整列していた。

彼女たちの前にはジャージ姿の千冬が立っている。

 

千冬「今日からお前たちには、実習訓練を行ってもらう!まずは戦闘を実演してもらおう。凰!オルコット!」

 

呼ばれた二人は前に出る。

 

鈴「はあ……なんであたしなのよ……」

 

セシリア「こういうのは見世物みたいで気が進みませんわ」

 

二人共気だるそうに呟く。

そんな二人を見て千冬はため息をつき

 

千冬「…お前ら少しはやる気を出せ。

あいつに良いところを見せられる良い機会だぞ?」

 

千冬は彼女たちにしか聞こえないように言った。

その瞬間、二人の目が輝く。

 

セシリア「やはりここは代表候補生、セシリア・オルコットの出番ですわね!」

 

鈴「実力の差を見せつける良い機会よね!」

 

と、それぞれドヤ顔で言う。

それぞれ意中の相手は違うのだが、彼女たちの豹変ぶりに皆戸惑っている。

 

シャルル「ねえ、織斑先生あの子たちに何を言ったのかな?」

 

一夏「俺が知るかよ……」

 

シャルルが小声で一夏に尋ねるが、一夏は肩をすくめて答える。

 

セシリア「それで?相手は一体誰ですの?鈴さんですか?」

 

千冬「慌てるな馬鹿者。対戦相手はもうすぐやってくる」

 

その直後、空から何かが落下してくる音が聞こえてくる。

それは、訓練機の《ラファール・リヴァイブ》を装備した真耶だった。

 

真耶「きゃあぁ〜〜!!ど、どいてくださぁ〜〜〜い!!」

 

彼女は大牙が立つ方へ落ちてくる。

瞬間、大牙は側にいた一夏を引き寄せる。

 

一夏「ウェ?!ちょ、ナニヤッテルンディス?!」

 

大牙「“ライダーミガワリ”!!!」

 

そう言って、大牙は一夏を自分の前に押し出して盾のようにする。

直後、一夏と大牙が立っていた場所に大きな土煙が巻き起こる。周りの生徒が心配そうに覗き込むが、煙が晴れると全員が顔を真っ赤にし、目を背ける。なぜなら……

 

真耶「お、織斑くん……その、困ります……こんな……///」

 

一夏が真耶の豊満な胸部の上にのしかかっていたからだ。

 

一夏「えっ……な、な……?!!」

 

真耶「ああ、でも……このまま行けば、織斑先生がお義姉さんで、それはそれで魅力的な……///」

 

何かとんでもないことを口にする真耶だったが、一夏は慌ててその場から飛び起きる。

 

大牙「(危ねぇ……一夏を盾にしてなきゃ俺がああなってたのか……)」

 

ちなみに大牙は、一夏を盾にした事で巻き込まれずに済んだ。

 

一夏「あ、あのすみません!これはその、事故で……」

 

その時、一夏の頬を何かが掠め取った。

 

セシリア「おっほほほ!残念、外してしまいましたわ」

 

見ると、セシリアが笑顔で一夏に銃口を向けていた。

だがその目は笑っていなかった。

すると今度は、《ガキン!》という金属の重厚な音が響く。

振り向くと、鈴が二振りの剣を連結させていた。そして……

 

鈴「いちかあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

あろうことか、それを生身の状態である一夏に向けてブーメランの如く投げ飛ばしたのだ。

 

一夏「うわぁぁぁぁぁ?!!!」

 

突然の出来事で対処もできない一夏だったが、直後に二発の銃声が鳴り響き、鈴が投げた剣を撃ち落とす。

 

全員が銃声の鳴った方を向くと、そこにはスナイパーライフルを構えた真耶がいた。しかし今の真耶の目つきはいつものドジっ子教師のそれでは無く、どこか戦闘のプロ……例えるなら、トップアスリートのそれであった。

皆がそのギャップにたじろいでいたが、真耶はすぐにいつもの笑顔で

 

真耶「…織斑くん、怪我はありませんか?」

 

と問いかける。

一夏は戸惑いつつも

 

一夏「あ、はい……大丈夫です……」

 

千冬「山田先生は、元日本代表候補生だ。今くらいの射撃なら造作もない」

 

真耶「昔のことですよ……それに、候補生止まりでしたし」

 

真耶は照れながら立ち上がる。

 

その後、セシリアと鈴のコンビ対真耶の対決が行われたが、真耶が元代表候補生としての実力を見せ、この後は各班に分かれての実習が行われた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

班長になったのは、代表候補生の鈴とセシリア、専用機持ちの一夏とシャルル、ラウラ、そして仮面ライダーの二人である総輝と大牙の七人だ。

 

しかし、やはり男子の一夏達には女子達が我先にと殺到した。結局彼女達は千冬の(血も涙もない)班わけによって漸く始まった。

 

一夏「じゃあまずは、起動と歩行の練習から始めようか」

 

鈴「勝手に動かしちゃダメよ?怪我しても知らないんだからね」

 

セシリア「まずは順番に、起動させて見て下さいな」

 

ラウラ「テキパキと行動しろ。時間は限られている」

 

シャルル「落ち着いてやれば出来るよ。最初はゆっくりとね?」

 

大牙「気合いだ気合い!!それがあれば出来る!!!」

 

総輝「難しく考える必要はない。普段どおり、自分が歩いている時の感覚でいけば良い」

 

それぞれの班長が、一般生徒達に的確な指示やアドバイスを出し、順調に進んでいた。

 

一夏「総輝、そっちはどうだ?」

 

総輝「問題ない。俺を誰だと思っている?」

 

一夏「そうだったな」

 

一夏はふと、あたりを見渡す。

 

一夏「…みんな教えるのが上手いなぁ」

 

総輝「お前こそ、女子達を上手くエスコート出来ているじゃないか」

 

一夏「そ、そんなことねぇよ」

 

すると、「馬鹿者!!」という怒鳴り声が聞こえたので、声がした方向を見る。

先ほどの怒鳴り声を上げたのはラウラだった。

 

ラウラ「テキパキと動けと言っただろ!!そんなことではISを操縦する事など出来んぞ!!!」

 

ラウラは一般生徒に対して、まさにスパルタとも言える教え方をしていた。女子達は皆半泣きの状態だ。

 

セシリア「……なんですのあれ」

 

鈴「ちょっと厳しすぎじゃない?」

 

シャルル「…あれはまるで軍隊だね」

 

隣で教えていたシャルル達が苦笑しながら呟く。

 

一夏「いや、あいつは本当に軍人だよ」

 

シャルル「え?どういう事?」

 

一夏「少し前にな。訳あって千冬姉がドイツ軍で臨時の教官を務めたことがあるんだ。多分あいつは、その時の生徒だったんだと思う」

 

鈴「あんな小さい子が、軍人……」

 

鈴が信じられない、という表情で呟く。

すると今度は、「気合いだ!!気合いが足りねぇ!!!」という叫び声が聞こえる。

一夏達は大体察したが、その方向を見る。

 

大牙「もっとだ!!もっと気ィ張れェ!!!もっともっと、熱くなれよオォォォォォォーーーー!!!!!!」

 

一夏「……あっちはあっちでなぁ……」

 

セシリア「気合いでどうにかなる問題ではないと思うのですが」

 

全員がその場でため息をついた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

授業が終わり、一夏達は屋上で昼食をとることになった。

 

シャルル「あの……僕もここにいて良かったのかな?」

 

シャルルが気まずそうに一夏と総輝、大牙の三人に尋ねる。

 

一夏「いいに決まってるだろ?」

 

大牙「そうそう!同じ男同士なんだし、仲良くみんなで食おうぜ?」

 

シャルル「ありがとう、二人とも優しいね!」

 

と、満面の笑みで返す。

 

箒「あ、あの…一夏?実は今日、お前に弁当を作ってきたのだが……」

 

そう言って箒は、ピンクの布に包まれた弁当箱を取り出し、一夏に渡す。一夏は早速その料理を食べてみる。

 

一夏「おお、すげえ美味いな!」

 

箒「う、うむ。それなら良いのだ」

 

平静を装っているが頬が緩んでいる箒。

 

鈴「一夏!箒のばっかり食べてないで、あたしも作ってきたんだから食べなさいよ!」

 

そう言って、鈴はタッパを開ける。

 

一夏「うお!酢豚じゃねぇか!」

 

鈴「まあね。あんた食べたいって言ってたでしょ?」

 

一夏「サンキューな、鈴!」

 

セシリア「んんっ!!実は私も、今朝偶々早起きして、こんなものを用意してきましたの」

 

そう言ってセシリアがバスケットを取り出し、蓋を開ける。

中に入っていたのは、サンドウィッチだった。

 

一夏「おお!美味そうだな!」

 

大牙「セシリアって料理も作れたんだな!!」

 

セシリア「ええもちろん!!それでですね、あの……よ、よろしければ、総輝さんに是非食べて頂きたいなと…//」

 

総輝「俺に?」

 

セシリア「ええ!食べて頂けませんか?」

 

総輝「フッ……なら、貰おう」

 

そう言って、総輝はサンドウィッチを1つ取り出す。

 

一夏「あの、俺も1ついいかな?」

 

大牙「お、俺も!」

 

シャルル「ぼ、僕も1ついいかな?」

 

セシリア「勿論、構いませんわよ?たくさんありますので、どんどん取ってくださいな!」

 

箒「ならば、私もいただこう」

 

鈴「みんなが食べるなら、あたしも貰うわ!」

 

そして、全員の手にセシリアのサンドウィッチが渡ったところで、それを一斉に口にする。

 

一同「?!!」

 

セシリア「お味はいかがでしょうか?」

 

一夏「う、うん……(なんだ、見た目はすごく良かったのに、とても食べられるような味じゃねぇ……!!)」

 

シャルル「す、すごく、個性的な、味だね……(下処理が全くされていないであろう野菜……しかも何?生魚を挟んでるの?!)」

 

鈴「ううっ(ヤバイ……吐きそう……)」

 

箒「うっ…(こいつ……自分で味見というものをしていないのか?!)」

 

セシリア「そうですか!あの、大牙さんは如何ですか?」

 

大牙は顔を真っ青にして

 

大牙「……ぶ…………」

 

一同「ぶ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大牙「豚の餌あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーーー!!!!!

 

 

と叫び、空高く飛んで行った。

 

セシリア「ぶ、豚の……餌……?!」

 

セシリアはショックのあまり目を見開き、ガタガタと震えている。

 

鈴「(あー、もう言っちゃう?)」

 

シャルル「(そうだね、本人のためだし)」

 

箒「あ、あのセシリア?そのサンドウィッチ、自分で食べてみたらどうだ?」

 

そう言われて、セシリアは涙目で自身のサンドウィッチを口にする。

その瞬間、セシリアの顔が真っ青になった。

 

 

一夏「……な?」

 

セシリア「わ、私とした事が……このような料理を作ってしまうなんて……」

 

ふと、セシリアは何かを思い出して

 

セシリア「あ、あの総輝さん!私の料理は……」

 

そう言って、早期の方に視線を向ける。

 

総輝「……ふむ、中々クセのある味だな」

 

なんと彼は、顔色1つ変えずにセシリアのサンドウィッチ(?)を食べていたのだ。

 

一夏「そ、総輝?!!」

 

シャルル「ええっ?!普通に食べてる?!!」

 

箒「こ、こんなことを聞くのはあれだが……大丈夫なのか?」

 

総輝「まあな。だが、せっかくセシリアが自分の時間を割いて作ってくれたんだ。食べないのはもったいないだろう」

 

セシリア「あ、あの……でも、作った自分が言うのも何ですが、私のサンドウィッチは……」

 

すると総輝は人差し指を天に向けるポーズを取り、

 

総輝「お祖父ちゃんが言っていた……“どんな食材にも調味料にも勝るものがある。それは、料理を作る人の愛情だ”ってな。

このサンドウィッチは、セシリアの愛情がこもった最高の料理だ」

 

セシリア「そ、総輝さあぁ〜〜ん!!!///」

 

セシリアは顔を真っ赤にして総輝に抱きつく。

総輝はそんなセシリアの頭を優しく撫でながら

 

総輝「だが、セシリアは料理の基本がまだ分かっていないみたいだからな。今度、一緒に料理を作ってみようか」

 

セシリア「はい!よろしくお願いします!」

 

セシリアは満面の笑みで返す。

 

箒「(男前……)」

 

シャルル「(男前だ……)」

 

鈴「(くっ……セシリアめ!羨ましい!あたしも一夏にあんな風に……///)」

 

一夏「(すげえ……さすが総輝だ)」

 

ちなみに、この後セシリアは実際に総輝に料理を教えてもらい、皆がびっくりするほど料理が上手くなったのだが、それはまた別の話。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

〜その夜〜

 

総輝と相部屋となったシャルルは、部屋のテーブルでくつろいでいた。

 

シャルル「総輝って、放課後はいつも特訓をしてるんだっけ?」

 

総輝「ああ……まあな。そうしなければ、皆についていけない」

 

シャルル「なら、僕も加わらせて!専用機持ちだから、力になれると思うんだ!」

 

総輝はふっ、と笑い

 

総輝「そうか……なら、是非頼もうか」

 

シャルル「うん!

それじゃ僕はお風呂に入ってくるね」

 

総輝「ああ、ゆっくりしてくるといい」

 

そう言って、シャルルは立ち上がって風呂場へと入った。

その直後、総輝の携帯電話が鳴る。

その相手は、大牙の祖父であり現警視総監の《加賀美 新》だった。

 

総輝「もしもし」

 

新『よう総輝!調子はどうだ?』

 

総輝「…それ、昨日も聞いてきたろ。俺は大丈夫だ、問題ない」

 

新『そうか!まあそうだよな。お前はあいつの孫なんだし。

ああ、そうそう。頼まれていた調査、終わったぜ』

 

総輝「すまなかったな、忙しいのに仕事を増やしてしまって」

 

実は、シャルルがこの学園に来ることがわかった総輝は、シャルルが男子だと言うことがどこか引っかかり、警視総監である新に彼の情報網を通じて調べてもらったのだ。

そして、その結果は……

 

新『デュノア社に男の息子がいるって言う情報は無かったぜ』

 

総輝「……そうですか。じゃあ、あいつは一体……?」

 

新『まあ待て。調べていくうち、興味深い情報が出てきたんだ。スマホに資料を送ったから、それを見といてくれ』

 

そう言って、新は電話を切った。

直後、総輝の携帯に添付資料が付いたメールが届き、すぐに彼はその添付ファイルを開く。

 

総輝「…これは……!」

 

そこに書かれていたのは、《シャルロット・デュノア》という“女性”に関する情報だったーーー

 

 

 

 

 




長かった〜!
お読みいただきありがとうございます!
と言うわけで、シャルル(シャルロット)とラウラ、そして簪を出しました!
簪に関しては、まあ彼女の家は対暗部用暗部と言うことで、警察組織のトップである新と大牙の家とは何か繋がりがあるだろうと言うことであんな感じにしてみました。
ん?これってもしや、大牙×簪ルートが……?
では、また次回!!評価、感想など待ってます!!
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