最近暑いですね……皆さんはお体大丈夫ですか?
自分はクーラーの効いた部屋でのんびりと過ごしてますwもうクーラー無しじゃ過ごせない!
てか、スーツアクターさんって凄いですよね?絶対この時期仮面の下で汗だくになってるじゃ無いですか。
と、思いながら仮面ライダーを見てましたw
朝日が部屋の中に差し込み、寮の部屋のベッドを照らす。
大牙は朝日で目が覚め、起き上がろうと体を動かした時にあることに気づいた。
もう一人、誰かが自分のベッドにいることに。考えられるとすれば相部屋の簪だろう。
大牙は正体を確かめようと布団をめくった時、思わず悲鳴をあげそうになった。
ラウラ「う〜〜ん………」
そので寝ていたのはまさかのラウラだった。更に言えば、彼女は服はおろか下着すら身につけておらず、彼女の陶磁器のような艶のある白い肌が光に照らされ眩く光っていた。
大牙「うぎゃああぁぁぁぁ!!!!」
大牙は今度こそ悲鳴を上げた。
するとその声で目覚めたラウラが起き上がる。
ラウラ「……なんだ、もう朝か?」
眠たげに目をこすりながら大牙を見るラウラ。
そして、起き上がったことで布団が剥がれ、ラウラの全身が露わになった。
大牙「おまっ…いつの間に入ってきたんだ……ってオイ!バカ隠せ隠せ!!」
大牙は思わず両手で目をおおう。
そんな大牙を見てラウラは首を傾げながら
ラウラ「夫婦とは互いに包み隠さぬものと聞いたぞ?ましてやお前は私の嫁……」
大牙「いや違うから!というか嫁ってなんだ?!おかしくねぇ?!普通俺がお前のことを嫁って言うんじゃねぇの?!!」
ラウラ「ニッポンでは気に入った相手のことを“俺の嫁”とか“自分の嫁”とか言うそうだが?」
大牙「よし分かった。色々突っ込むところはあるが取り敢えず先に服を着ろ!!今やれ!すぐやれ!ライトナウ!!!」
大牙はラウラに対してビシッと指を指すが、ラウラは突如それを掴んで大牙に対して絞め技をかける。
ラウラ「お前はもうすこし寝技の訓練をすべきだな」
大牙「い、いでででででででっっ!!」
大牙はそれを引き剥がそうとするが、小柄とはいえ相手はプロの軍人、大牙のパワーを持ってしても離すことが出来ない。
ラウラ「寝技を磨きたいというなら…わ、私が相手になってやらんでもないぞ……?」
ラウラはここでやや顔を赤くしながら大牙に言う。
大牙「わ、わかった!わかったからとりあえず離せ!そんで服着てさっさと部屋から出てくれ!さもないと簪が……」
「私が……何……?」
突如、部屋の中にひどく冷え切った少女の声が響く。
大牙はそれを聞くと即座に顔が真っ青になり、ギギギ…と古びた機械のようにゆっくりと声のした方を向く。
簪「何、してるの…大牙?」
そこに居たのは、所謂ハイライトが消えたどす黒い瞳で大牙を見ている簪の姿があった。
大牙「ぁ……か、かん…ざし……!」
大牙は唇をわなわなと震わせながら彼女の名を口にする。
ラウラ「…無作法なやつだな、夫婦の寝室に」
そんな簪に対して、ラウラはあっけらかんとした声でそう言った。
大牙「コルルァ、ラウラァ!!余計なこと言うんじゃねぇ!」
大牙は慌ててラウラの口元を押さえるが、簪は「ふぅ〜ん」と言いながら一歩一歩、ゆっくりと大牙の方へと歩いて行く。
大牙「ちょ、待って落ち着いて簪!違う!これはあの、ラウラがだな……って、おい?何で薙刀なんか持ってんだよ?」
簪はいつのまにか、専用機の《打鉄・弐式》に装備されている薙刀を取り出した。
簪「……ふ、ふふふ……浮気…大牙が浮気……ふふふふふふふふふふふふふ」
簪は不気味な笑みを浮かべながらゆっくりと薙刀を構える。
大牙「待って簪ぃ〜!!頼むから俺の話を」
簪「馬鹿あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
簪は聞く耳持たず薙刀を思い切り大牙に対して振り下ろした。
大牙「うわあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ!!!!!」
大牙はかつての地獄の兄貴のように、直立の姿勢のままドアを、そして廊下の窓を突き破って吹き飛ばされていった。
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都会へ向かうモノレールの二人座席に、一組の男女が座っていた。一人は金髪の女子、もう一人は端正な顔立ちで足を組んで座っている男子。
そして彼らは二人ともIS学園の制服を着ている。
シャルロット「…あ、あのさ、どうして僕を買い物に誘ってくれたの?」
金髪の少女、シャルロットはやや頬を赤らめながら隣に座る少年、総輝に尋ねる。
総輝「……もうすぐ臨海学校だろう?シャルロットは女子用の水着を持っていないと言っていたろう。俺も丁度新しいのを買おうと思ってたから、ついでにと思ってな」
シャルロット「………つ、ついでに?」
総輝の答えにシャルロットはがっくりと肩を落とす。
無論、シャルロットはそれを期待していた訳ではないが、シャルロットも恋する乙女。想い人と共にデートなどしてみたいものである。やや気落ちしていた時、総輝から思いがけない言葉が出てきた。
総輝「……と、言うのは目的の一つだ。なに、今日は一日オフなんだ。せっかくこうして出かけるんだから、色々な所を歩き回ってみないか?」
シャルロット「そ、それってつまり……?」
シャルロットはおずおずと表情に期待の色を滲ませながらたずねる。
総輝「ん?ああ、人はこう言うのを《デート》と呼ぶのか。まあ、シャルロットが良いなら、《デート》にしても良い」
それを聞いて、シャルロットはパアッと表情が輝いた。
電車が目的地に到着し、二人は揃って降りる。
するとシャルロットは総輝の方を向き、
シャルロット「あ、あのさ……お願いがあるんだけど……」
総輝「……何だ?」
シャルロットはすこし迷っていたのか中々切り出せずにいたが、意を決して右手を総輝に差し出す。
シャルロット「手を握って!!」
総輝は少し呆けていたが、フッと軽く笑ってシャルロットの右手を優しく掴む。
総輝「……しっかり掴まってろよ?」
シャルロット「〜〜〜っ////」
シャルロットは顔から湯気が出るほど真っ赤な顔になっていた。
ーーそんな彼らを後ろから覗き込む陰があった。
鈴「……ねぇ、セシリア?」
セシリア「…………」
鈴とセシリアだ。
彼女たちも自身の水着を購入する為に出かけていたのだが、偶然総輝とシャルロットを見かけたのだ。
そして、総輝がシャルロットと手を繋いだ時、セシリアの纏うオーラが一瞬にして冷え切った。
セシリア「あのお二方……手を……手を握っていますわ……ふふ、ふふふふふふふふふふ……」
鈴「うわぁ……(これが日本でいう《ヤンデレ》と言われるやつなのかしら?ちょっと引くわ〜。ていうか総輝もなにやってんのよ!あんた一夏ほど鈍くないんだから、セシリアの好意くらい気づいてるんでしょ?!もう!バカ!)」
鈴はセシリアの様子にドン引きしながら、こうなる原因となった総輝に対して胸の内で文句を言うのだった。
そんな彼女たちを総輝達は当然気づくはずも無く、他愛もない会話をしながら歩みを進める。
ふと、総輝は立ち止まる。
シャルロット「……総輝?」
シャルロットは突然立ち止まった総輝を見つめる。
当の総輝は顎に手を当てて何かを考えているようだ。
総輝「……日本では、親しい人間にはあだ名を付ける文化がある。シャルロットはもう皆知っている名前だからな。俺たちの間だけでいいから、あだ名を付けないか?」
シャルロット「え、ええっ?!いいの?」
総輝「ああ。そうだな………。
《シャル》はどうだ?短いし、覚えやすい」
シャルロット「シャル……うん!いいよ!すっごくいいよ!!」
シャルロットは総輝に抱きついて喜んだ。
そんなシャルロットを総輝は優しい笑みで見つめながら「そうか」と言いながら彼女の頭を撫でる。
シャル「(シャル…シャルかぁ〜////)」
一方、そんな二人を見て更にどす黒いオーラを撒き散らすセシリア。
セシリア「な、シャルロットさん……総輝さんに抱きついて………!許せませんわ……学校に帰ったらじっくり……!」
鈴「(…あたしもう帰ろうかなぁ……)」
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ショッピングモールの水着売り場に二人は到着した。
すると、シャルロットは何かに気づき総輝の手を引き試着コーナーに駆け込む。
流石の総輝も戸惑いの表情を浮かべ、「どうしたんだ?」と尋ねるもシャルロットは人差し指を唇の前で立てるだけでなにも告げず、ただ試着コーナーのカーテンの隙間から外を覗き見るだけだ。
その視線の先には、セシリアと鈴の二人がいた。
が、セシリアはいつものお淑やかな雰囲気ではなく、闇のオーラを纏った別人のような表情になっている。
シャル「(……今セシリア達に出くわしたら確実に邪魔される……!)」
シャルロットは冷や汗をかきながら外を見つめていた。
そんな彼女の様子を後ろから不思議そうに見つめる総輝。
総輝「…外にだれかいるのか?」
シャル「う、ううん!だれも居ないよ!」
シャルロットは首や両手を振って必死に誰も居ないことをアピールする。
シャル「いいからとにかくここに居て!すぐに着替えるから!」
そう言ってシャルロットは制服の上着を勢いよく脱ぎ出した。
総輝は慌てて体を反転させる。
総輝「……やっぱり俺は外にいた方が」
シャル「いいから!直ぐに終わるから待ってて!」
総輝は居たたまれなくなり外に出ようとするが、シャルロットに必死に制止され止む無くその場にとどまる。
総輝「(全く……シャルは何を考えているんだ?)」
総輝はシャルロットが何故自分をここにとどめたのか理由がわからず、顎に手を当ててシャルロットが着替え終わるのを待っていた。
シャル「……お、お待たせ」
シャルロットの声に総輝はゆっくりと振り返る。
そこには、水着に着替え当てたシャルロットがやや恥ずかしそうにモジモジとしながら立っていた。
シャルロットの髪と同じ黄色を基調としたビキニはこれ以上なくシャルロットにマッチしていた。
シャル「…ど、どうかな?」
総輝「ああ……似合ってるぞ、すごく」
シャル「本当に?!ありがとう!」
総輝「…だが、まだあと一つ足りないな」
そう言って、総輝はポケットから黄色い花のついた髪飾りをシャルロットの髪に付ける。
シャル「えっ……そ、総輝?これって……」
総輝「ああ、お前が水着を選んでる間に買ったんだ。シャルに似合うと思ってな」
そして総輝は、試着室の内部にある鏡を指差し、シャル自身に見るよう促す。
シャルロットは鏡に映った自分を見て、一瞬目を見開いた。髪飾りというワンポイントではあるが、黄色い花がよりシャルロットを綺麗に魅せていた。
シャル「……わぁ……自分でもびっくりだよ。こんなにも変わるなんて……」
総輝「お祖父ちゃんが言っていた。《花は全ての女性を輝かせる》ってな。やっぱり、俺の見立て通りシャルは黄色い花が似合うようだ」
シャル「…え、えへへ……////」
その後、彼らは人目を盗んでなんとか試着室から脱出し、そのまま水着を購入したのだった。
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シャルロットの水着を選んだ後、彼らは昼食を取るため喫茶店に来ていた。そこはメイド服を着た女性や執事服の男性が接客を務めている。
何故彼らがそこにいるのか。それは、シャルロットが非常に興味を示したためだ。
シャル「うわぁ〜…まるでお城の中にいるみたい」
シャルロットは初めて見るメイド喫茶に感激していた。
そんなシャルロットを総輝は微笑ましく見ていた。
すると、彼らから少し離れた席に見覚えのある姿が見えた。
大牙「なぁ、簪……もう機嫌直してくれよ〜…」
簪「ツーン」
大牙と簪だった。
簪はむくれており、大牙はそれを宥めているようだった。
総輝「あれは…大牙と簪か」
シャル「あ、本当だ。偶然だね」
総輝とシャルロットは席を移動し、彼らのテーブルに向かって歩いて行く。
総輝「よう大牙、簪」
大牙「うおっ?!そ、総輝!」
シャル「奇遇だね。二人も買い物?」
大牙「あーー…まあ、そんなとこだ」
大牙は何故か冷や汗をかいている。
不思議に思った総輝が事情を聞くと、どうやら大牙がやらかしたらしい。
大牙「……まさかベッドにラウラが来るとは思わなかったんだよ……」
総輝「フッ、随分と懐かれたようだな」
大牙「他人事みてぇに言いやがって……」
総輝「他人事だしな」
そんな軽口を言い合う彼らを他所に、シャルロットは簪と話していた。
シャル「それでご機嫌斜めなんだね」
簪「……大牙のバカ…」
簪は俯きながらそう呟く。
シャル「あはは…でも、大牙も別に、悪気があってやったことじゃないと思うんだ……いや、というかそれ8割はラウラに原因があるよね…」
簪「むぅ〜…でも…」
簪は納得できていなさそうに頬を膨らませる。
シャル「大牙はね、試合の時に自分の全てを賭けてラウラを助けたんだ。だからラウラもあれだけ大牙に懐いたんだと思う。簪も、大牙が助けてくれたら嬉しいでしょ?大牙は別に、簪のことを蔑ろにしようとかそんな事は思ってない。大牙はみんなのヒーロー、《仮面ライダー》なんだよ」
簪「………」
簪はシャルロットの話を聞き、どこか思い詰めた表情になる。
すると、総輝たち四人に一人の女性が近づいてくる。
「ねえあなた達、今って暇?」
大牙「へ?」
シャル「え?えっと……まあ、暇かと言えば、暇ですね」
彼らの回答にうんうんと頷く女性。
「ねえ、少しバイトしてみない?」
総輝「……バイト?」
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総輝と大牙は執事服に着替え、シャルロットと簪はメイド服に着替えていた。
彼らに話しかけた女性はこの店のオーナーなのだが、人手が足りず少し頭を抱えていた。そんな時、店の中で一際輝く二組の男女カップル。少しでいいので彼らの力を借りられればと考えての行動だった。
特に断る理由もない彼らは二つ返事で了承、そのまま店の制服に着替えていたのだった。
シャル「ど、どう?変じゃ、ない…かな…?」
シャルロットはメイド服のスカートをひらつかせながら総輝に尋ねる。
総輝「ああ。よく似合っているぞ、シャル」
シャル「そう?え、えへへ…///」
シャルは頬を赤らめ、ニヤついた顔になっている。
大牙「おお簪!お前もよく似合ってんじゃねぇか!」
簪「ほ、褒めたって何も出ないから……///」
簪も頬を赤らめてモジモジとしている。
シャル「総輝も、すごく似合ってるよ?」
総輝「そうか。ありがとうな」
大牙「てかお前、違和感無さすぎんだろ。もう普段からそれで行けば?w」
大牙は冗談まじりでそういうが、総輝はため息をついて
総輝「…そんなことをしたら目立ちすぎて周りからの視線が痛いだろう。主に女性からの」
大牙「似合ってる自覚あんのなお前!!」
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着替えを終えた彼らは、早速仕事に入った。
主に出来上がった料理を客へ運んでいくホールの仕事だ。
総輝「お待たせしました、お嬢様。《ミニトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ》で御座います」
「あ、ありがとう、ございます…///」
総輝と大牙の男性チームは専ら女性客に料理を運ぶ。
総輝を見る女性客は皆顔が真っ赤だ。
シャル「本当に違和感がないね、執事服の総輝」
大牙「まあ、あれも爺さん譲りだな」
シャルロットと簪の女性チームは主に男性客に料理を運ぶ。男性客は皆、シャルロットと簪のメイド姿にすっかり虜になっているようだ。
店は彼らの活躍もあっていつも以上に繁盛しており、彼らは休む間も無く接客を続けていた。が、四人ともその表情は生き生きとしていた。
そんな彼らの臨時のヘルプももうすぐ終了の時刻が近づいてきた時、総輝は二人の男性客に違和感を感じていた。
総輝「(……あの客……何故この時期にあんな厚いコートを?)」
今はもう7月。あまりにも時期外れな格好に総輝は不信感を捨てきれなかった。
その時だった。
「お前ら動くんじゃねぇ!!!」
突如その男性客達は立ち上がり、コートを脱ぎ捨てその中からショットガンを取り出し天井に向けて発砲したのだ。
当然店内は騒然とし、総輝はテーブルの陰に隠れる。
しかも、その男性客のカバンにはどうやら他にも拳銃などが入っているのが見える。
一方、別の場所に隠れている大牙と簪、シャルロットの三人。
簪「あ、あれって本物……?」
シャル「どうだろうね……少なくとも下手に手出しするのは得策じゃなさそう」
大牙「そうだな……でも、なんとか隙を見てあいつらを……」
彼らがそう話している間、実行犯にゆっくりと近づいていく人物がいた。
店長の女性だ。
「お、お客様。お願いですから、どうか落ち着いてください。ここには他のお客様もいらっしゃいますし……」
店長の女性はなるべく彼らを刺激しないよう優しい口調で説得を試みる。しかし、
「うるせぇ!!」
「あっっ!」
男は銃の底で店長を思い切り殴った。そのまま店長はテーブルに激突し地面に倒れこむ。
「はっ!女尊男卑でもコイツの前じゃ何も出来ねぇようだなぁ!」
「お前らも余計なことすんじゃねぇぞ!さもなきゃコイツをぶっ放すからなぁ!!」
大牙「くそっ、あいつら…!」
大牙は物陰で悔しそうに吐き捨てる。
店長が殴られた事に強い怒りを抱いたが、相手が銃を待っている以上手出しは出来ない。
勿論、《仮面ライダー》に変身すれば一瞬で片付くがそんなことはできない。現在、あれは《IS》同様に扱われているため、外で使用するのは許されない。
どうする……必死に思考を働かせていた時だった。
「ぐおっ?!!」
突如、犯人が何者かに蹴飛ばされたのだ。
「くっ……何しやがんだてめぇ!これが見えねぇのか?!!」
もうひとりの男は相方を蹴った人物に対して銃を向けて脅しをかける。
しかし、犯人を蹴った男ーーー総輝はそれを気にとめることもなく、鋭い視線で犯人を睨む。
総輝「お祖父ちゃんが言っていた……《男がやってはいけない事が二つある。女の子を泣かせる事と、食べ物を粗末にする事だ》」
大牙達はその光景を見て一瞬思考が止まった。
大牙「(なああぁぁぁぁぁぁにをやっとんじゃああぁぁぁぁぁ?!!!)」
シャル「(そ、そうきいぃぃぃぃぃぃ?!!!)」
犯人は激昂し銃を向けながら喚き散らすが、一向に撃つ気配がない。それを見て大牙は何かを察した。
大牙「……そうか、あれはモデルガンだ」
簪「え?モデルガン……?」
大牙は頷き
大牙「ああ。さっきからあいつらは人に向けて一向に撃つ気配がねぇ。しかも、あいつらさっき天井に向けて撃ったよな?なら、銃弾の跡が残るはずなのにそれが無い。つまり、あいつらが使ってんのはニセモンだ」
シャル「なるほど…じゃあ…!」
大牙はシャルロットの言いたいことを察して
大牙「あいつらは俺と総輝に任せろ。シャルロットと簪は何か縛るもんを持って来といてくれ」
簪「わかった。気をつけてね、大牙」
大牙「おう!」
大牙は強く頷き、犯人へ向けて飛び出していく。
大牙「うおぉぉきゃくさまあぁぁぁぁ!店内での暴動はあぁぁ〜、おおぉひかえくださああぁぁぁい!!!」
大牙はそう叫びながら、銃を総輝に向けて構える男に思い切りボレーキックを食らわせる。
「ぐわああぁっっ?!!」
蹴られた男はその勢いで壁に激突する。
男は口元を拭った跡、険しい表情で総輝と大牙を睨みつける。
「てめぇら……こんな事して、タダで済むと」
大牙「それはてめぇらだあぁぁぁ!!!」
大牙はその男を後ろから羽交い締めにすると、そのまま持ち上げてドラゴンスープレックスを使い男を脳天からテーブルに叩きつける。凄まじい轟音と共にテーブルが破壊され、男は意識を失った。
「くっ……貴様ァ!!」
もう一人の男は総輝に殴りかかるが、総輝はそれを難なく躱す。
総輝「どうした?それで撃たないのか?」
総輝は口元に笑みを浮かべながらそうたずねる。
犯人は「ぐっ…」と唇を噛み締めながら尚も拳を振るい続ける。
総輝「…やはり、それはモデルガンなんだな。ならば残念だったな。本物でない以上こちらはお前を恐れることは無いし、何より……」
総輝はカウンターの回し蹴りを犯人に食らわせる。
「ガハッ……?!!」
総輝「そんな拳じゃ、俺は倒せん」
犯人は力尽きて地面にへたり込んだ。
その後、ロープを持ってきたシャルロットと簪が犯人を縛った。
大牙「……さて、あとは警察に任せて俺らはトンズラするか」
簪「うん。事情聴取とか面倒だし」
シャル「ここまでしたら、もう安心だね。早く学園に帰ろう」
そう言って、四人は少し駆け足で出口へ向かう。
「あ、あの!」
そんな彼らを、店長が呼び止める。
総輝と大牙はゆっくりと振り返った。
「あ、あなた達は一体……?」
その問いに対し、総輝と大牙はフッと笑い
総輝「……別に、俺たちは大した奴じゃ無い」
大牙「そうだな。ま、敢えていうとすれば……」
「「《通りすがりの仮面ライダー》だ」」
その後、一連の暴動を鎮圧した《通りすがりの仮面ライダー》は新聞で大きく報道されたのだった。
お読みいただきありがとうございます!
次回からはいよいよ臨海学校編!アニメ一期のクライマックスですので、精一杯頑張ります!!