GOD SPEED STRATOS   作:ジャズ

8 / 18
どうも皆さん!ジャズです。
前回、鈴の設定を変えると言いましたが、すみません!
鈴の設定は原作通りで行きます!なので前回の鈴のセリフは後ほど変更させていただきます!
そして、お気に入りが100を突破しました!!みなさん、本当にありがとうございます!こらからも頑張ります!


第七話 転校生はチャイナ娘

一夏のクラス代表就任式から一夜明けてーー

 

一夏「ーー二組のクラス代表が変更になった?」

 

箒「ああ、なんでも中国からの転校生に変わったそうだ」

 

一夏と箒、セシリアと大牙は総輝のテーブルを中心に集まっていた。クラス代表決定戦以降、このメンバーが固定になって来ている。

そして今日の話題は、二組のクラス代表についてだった。

 

大牙「え、転校生?なんだってこの時期に」

 

セシリア「ふふん!私の存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら?」

 

総輝「確かに、セシリアも含めてこのクラスには色々固まりすぎている。世界でたった三人のIS操縦者、そしてIS国家代表候補。これだけのメンツが全て一組に固まっている。まあ、だからこその織斑教諭なのだろうが……」

 

すると周りに集まっていた女子が

 

「でも専用機持ちは一組と四組だけだし、余裕だよね!」

 

と口にする。

その時だった。

 

???「その情報、古いよ!!」

 

と元気な女子の声がクラスに響く。

全員がその方へ視線を向けると、そこには黒髪のツインテールの長髪に、肩を露出させた独特の制服を身につけた少女が得意げな顔で立っていた。

 

???「二組も専用機持ちがクラス代表になったから、そう簡単に優勝出来ないから!!」

 

一夏「鈴……?鈴なのか?!」

 

???「そうよ!あたしは中国の代表候補生、《凰鈴音》!今日は宣戦布告に来たってわけ!」

 

そう言って、鈴は一夏を指差す。

 

総輝「(……あれが二組の代表……)」

 

一夏「…鈴、何カッコつけてるんだ?全然似合わないぞ?」

 

と、一夏が吹き出しそうなのを必死に抑えながら言う。

 

鈴「な、何てこと言うのよあんたは?!」

 

すると、総輝が鈴を指差して

 

総輝「凰鈴音と言ったか?後方注意」

 

直後、鈴の頭に黒い物体が勢いよく振り下ろされる。

 

鈴「痛っったあぁぁぁ!!!」

 

涙目で振り返ると、そこには千冬が鈴を見下ろしていた。

 

千冬「もうSHRの時間だぞ。さっさと教室に戻れ」

 

鈴「げっ、千冬さん?!」

 

千冬「織斑先生と呼べ」

 

千冬はそう言いながら鈴の横を通り過ぎ教室に入る。

 

鈴「……っ!また後で来るからね!絶対逃げんじゃないわよ!!」

 

そう言って鈴は逃げるように一組の教室を後にした。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

昼食時、総輝と大牙、一夏たちはいつも通り食堂に来ていた。

しかし、彼らがいつも座る席には鈴が座っていた。

 

鈴「待ってたわよ一夏!」

 

腕を組んでこちらを見ており、テーブルにはラーメンが乗っている。

 

一夏「おう鈴!悪いな待たせて」

 

一夏もトレイに料理を乗せて鈴の待つテーブルに座る。

総輝と大牙、セシリア、箒は隣の席へと座る。

 

一夏「ところで、いつ日本に帰ってきたんだ?戻るなら連絡くらいしてくれればいいのに」

 

鈴「それだと劇的な再会が台無しでしょう?てゆうかあんた達こそ何でIS動かしてんのよ。あんたが動かした時はそりゃ驚いたけど……」

 

一夏「まあ、俺もこんなところに入ることになるとは思わなかったんだけどな」

 

そんなやり取りを隣の席から見ていた箒がついに立ち上がり、

 

箒「一夏!そろそろこの女との関係を教えろ!」

 

一夏「ああそうか、箒とはちょうど入れ違いだったんだよな。こいつは《篠ノ之箒》。前に話しただろ?箒が《ファースト幼馴染》で、鈴が《セカンド幼馴染》ってとこか」

 

箒「ファースト……ファーストか!」

 

ファーストと聞いて、箒は少々嬉しそうだ。

 

鈴「…初めまして。これからよろしくね」

 

箒「…ああ。こちらこそ」

 

笑顔で言う彼女たちだったが、何故かその額の間には火花が飛び散っているように見えた。

 

鈴「…ところで、そちらの男子たちの事も聞きたいんだけど?」

 

鈴が隣の席の方を向いてそう言う。

それに気づいた大牙が鈴の方を向いて

 

大牙「初めまして。《加賀美 大牙》だ!よろしくな!!」

 

鈴「ええよろしく…すごい熱血漢ね」

 

総輝「…《天道 総輝》。“天の道を往き総てを輝かせる太陽”だ」

 

鈴「…よ、よろしく……(な、何?この超俺様系男子は?!)」

 

鈴は総輝のオーラに圧倒される。

 

大牙「…まあ、こいつはいつもこんな感じだから早く慣れてくれ」

 

それに気づいた大牙が気を利かせてそう言う。

 

鈴「ぜ、善処するわ……」

 

セシリア「私はイギリス代表候補生のセシr」

 

その時だった。一夏が時計を見て

 

一夏「やべっ、あと10分しか時間がない?!」

 

大牙「マジか?!」

 

箒「急ぐぞ!!」

 

皆が急いで料理を食べる中、総輝は一人席から立ち上がった。

 

大牙「総輝?!もう食べたのか?!」

 

総輝「お前達が喋り込んでいる間も食べ続けてたからな」

 

鈴「ちょ、ちょっとまってよ!私ももう少しで食べ終わるから!!」

 

総輝「それは無理な相談だ。先に行ってるぞ」

 

「「「「「この薄情者〜!!!」」」」」

 

セシリア「私の自己紹介はどうなったんですの〜?!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

場所は変わって、とある施設の中に三つの黒いISが鎮座しており、そこから繋がれたコードが一つのコンピュータに繋がっている。

そして、そのコンピュータのキーボードを目にも止まらない速さで打ち込むひとりの女性。紫がかった長髪にうさ耳のカチューシャ、不思議の国のアリスを連想させるエプロンを身につけた女性。

彼女はISの生みの親である《篠ノ之束》である。今彼女は、この三つのISの開発の最終段階に来ていた。

その瞳はいつもの気だるげで緩い目ではなく、真剣でキリッとした研究者のそれだった。

 

束「……これでよし。あとは……」

 

その時、扉が開かれ、白い長髪の少女が入ってくる。

彼女の名は《クロエ・クロニクル》。束の使用人のような人物だ。

 

クロエ「束様。コーヒーをお持ちしました」

 

束「ありがとうくーちゃん。そこ置いといて」

 

束はクロエに見向きもせずに礼を述べる。

しかし、コーヒーに手をつける様子はない。

 

クロエ「…束様、そろそろお休みになった方がよろしいのではないでしょうか。もうすでに3日は徹夜で作業をされています。これ以上続行されると……」

 

束「…心配かけちゃってごめんね?でも、どうしてもやらなくちゃいけないんだ。あたしは超えたい……超えなくちゃならないの。彼らに……《仮面ライダー》に」

 

クロエ「…なぜ、そこまで《仮面ライダー》に拘るのですか?」

 

束「あたしはね、くーちゃん。ISを開発したのは、宇宙へ進出するのと同時に、もう一つ目的があったの。昔、《仮面ライダー》は男性の力の象徴といってもいい存在だった。でも、女性にはそんなのはない……だからあたしはISを作ったの。女性でもヒーローになれる……いわば、女性版の《仮面ライダー》……それが《IS》なんだよ」

 

クロエ「……つまり、束様にとって《仮面ライダー》は、あってはならない存在……いえ、はっきり申し上げると“邪魔な存在”だと…?」

 

束「そんな事ないよ?確かに、仮面ライダーが現れたのは束さんもびっくりだけど、あたしは単純に知りたいだけ。仮面ライダーの、かつてあの国を影で守り続けた、ヒーローの力を」

 

クロエ「…だから、クラス対抗戦に乱入させる形で、無人機を襲撃に向かわせると」

 

束「無人機が襲撃してきたとなれば、確実に生徒に危害が及ぶ。だとすれば、彼らは必ず現れる。目的はいっくんでも、あの中国の代表候補生でもない……《天道 総輝》と《加賀美 大牙》……《仮面ライダーカブト》と《仮面ライダーガタック》だから」

 

そして、ついに無人機の開発の最終段階が完了し、その瞳が光り、生命が宿る。

 

束「……さあ、行っておいで。彼らを……《仮面ライダー》と戦うために……」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

その夜、総輝が少し夜風に当たるために外に出ていた時だった。

 

???「……うっ……えぐっ……」

 

誰かの啜り泣く声が聞こえた。音がした方向に歩いてみると、階段に座り込んで泣いている少女がいた。

彼女は総輝の知る人物だった。

 

総輝「……こんなところで、何で泣いてるんだ?鈴」

 

鈴「えっ?」

 

鈴はこちらに気づくと、真っ赤になった目を丸くして総輝を見る。

 

鈴「……総輝?何でこんな所に?」

 

総輝「少し夜風に当たりにな。お前こそ、一体何があったんだ?」

 

鈴は総輝から目を逸らして

 

鈴「……笑わないって、約束してくれる?」

 

総輝「ああ。泣いている女の子の話を誰が笑えるんだ?」

 

そして鈴は、ポツリポツリと語り始めた。

曰く、一夏と離れ離れになる際、鈴は一夏に告白をしたそうだ。内容は、「料理が上達したら毎日酢豚を食べてもらう」と言う、俗に言う味噌汁プロポーズだった。

 

総輝「…つまり、お前が勇気を出して言った告白を、一夏は履き違えて解釈していた、と言うことだな」

 

鈴「そうよ!!私の一世一代のプロポーズを、“タダメシくれるんだろ?”ってあいつは言ったのよ!!あーもう!!ホントにムカつくわあの唐変木の朴念仁め!!」

 

鈴はそう言うと立ち上がり、

 

鈴「あー!思い出したらなんかムカついてきた!!クラス対抗戦であいつと当たったらぶっ飛ばしてやるんだから!!!」

 

総輝「……フッ」

 

鈴「なっ!あんた……笑ったわね?!」

 

総輝「いや、 漸くお前らしくなったな、と思ってな」

 

鈴「何よ?私が失恋で泣くのは良くないって言うの?」

 

総輝「お祖父ちゃんが言っていた。“人は人を愛すると弱くなる。けど恥ずかしがることはない、それは弱さじゃないから。弱さを知る人間だけが強くなれるんだ”ってな」

 

鈴「弱さを知る人間だけが…強く……」

 

総輝「一夏の唐変木ぶりには、俺も少々呆れている。クラス対抗戦で当たれば、お前の思いを全てあいつにぶつけてやれ」

 

鈴「……うん。そうね、そうするわ」

 

総輝はどこか吹っ切れた表情の鈴を見て安心したように笑い、

 

総輝「それじゃあな。もうすぐ消灯時間だ。早く戻らないと、織斑先生の鉄拳が落ちるぞ」

 

鈴「それは勘弁願いたいわね」

 

そして寮に戻り、それぞれの部屋に行くため別れる時、

 

鈴「さっきは、ありがとね。励ましてくれて」

 

総輝「俺は何もしていないぞ。ただお祖父ちゃんの言葉を言っただけだ」

 

鈴「それでもよ。あんたがそばにいてくれたから、あたしは立ち直ることができた。明日は一夏をボッコボコにしてやるんだから、しっかり見てなさいよ!」

 

総輝「俺は一組だからな。一夏に負けられては困るんだが、まあ心の中でお前を応援してる」

 

鈴「ふふっ、ありがとね。それじゃお休み!」

 

総輝「ああ、お休み」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

〜クラス対抗戦当日〜

 

アリーナには学校中の生徒が集まっていた。

そして一回戦は、一組対二組、つまり「一夏対鈴」の対戦が始まろうとしていた。

ピットには、準備をする一夏と、その見送りに来た箒とセシリア、大牙が来ていた。

 

箒「頑張ってこいよ、一夏!」

 

セシリア「一夏さん、練習通りにやればきっと勝てますわ!」

 

大牙「一夏ぁ!負けんじゃねぇぞ!!」

 

一夏「ありがとう箒、セシリア、大牙」

 

『発進準備が完了しました』

 

音声が流れ、一夏はカタパルトへ足をのせる。

 

一夏「織斑一夏、《白式》行きます!!」

 

ーーーーーーー

 

同時刻、反対側のピットには鈴と、彼女を見送るため総輝が来ていた。

 

総輝「…まさか、初戦からあいつと当たることになるとはな。ちょうど良かったじゃないか」

 

鈴「…一応あたしとあんたは敵なんだけどね?まあ頑張るけど」

 

総輝「お祖父ちゃんが言っていた、“戦いはへそでするものだ”ってな」

 

鈴「はいはい、天道語録をありがとう」

 

『発進準備が完了しました』

 

そして鈴は両足をカタパルトに乗せる。

 

鈴「凰鈴音、《甲龍》出るわよ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アリーナに出た二人は、空中で向かい合う。

 

一夏「鈴!俺が勝ったら、昨日鈴が怒った訳を聞かせて貰うからな!」

 

鈴「ええいいわよ!言っとくけど、あたしが勝ったらあんたには何でも言うことを聞いてもらうからね!!」

 

一夏「勿論だ。行くぞ!!」

 

そう言って、二人は同時に飛び出す。

まず先制攻撃を仕掛けたのは一夏だった。右手の《雪片弐型》をスピードに合わせて一気に振り下ろすが、鈴も代表候補生とだけあって簡単には食らわない。

 

鈴「そんな見え見えの攻撃、当たるわけないでしょう!!」

 

鈴は後退しながら両肩のバルカンを連射する。

しかし一夏は、普段のセシリアと箒との特訓を生かし、それらをうまく躱しながら鈴に接近する。

鈴もある程度近づかれたところでバルカンでの牽制をやめ、近接武器である《双天牙月》を取り出し迎え撃つ。

そして、二人の距離が一気に縮まり、ぶつかり合おうとした時だった。

 

突如、上空から数本の光線が撃たれ、アリーナの地面に直撃して大爆発を引き起こす。

 

一夏「何だ?!」

 

煙の中から現れたのは、三つの歪な形をした黒いIS。

 

一夏「何……ロックされてる?」

 

鈴「一夏、あたしが時間を稼ぐから、その間にあんたは逃げて」

 

一夏「何言ってるんだよ?!相手は3機いるんだぞ?一人で倒せるわけないだろ!!」

 

鈴「あんたがやったって倒せないでしょ!!」

 

鈴がそう叫んだ直後、鈴に向かって太いピンクのレーザービームが撃たれる。

 

一夏「鈴!!」

 

一夏が咄嗟に飛び出して鈴を庇う。

直後、一夏はビームの奔流に呑まれ、大爆発を引き起こす。

 

鈴「一夏あああぁぁぁ!!」

 

一夏はISを解除され、そのまま地面に落下する。

それを確認した3機のISは、今度は鈴を標的に定める。

 

鈴「…よくも、やってくれたわね!!」

 

鈴はそう叫ぶと、《龍咆》を発射する。

直後、見えない力に弾かれたように、三つのうちの一つが弾き飛ばされる。これは、鈴のISである『甲龍》の最大の特徴で、空間に圧力をかけ砲身を作り、そのまま空気を圧縮して砲撃する衝撃砲だ。弾丸は勿論砲身も見えない為、発射タイミングがわからない為回避するのは非常に困難な兵装である。

これが有効と見た鈴は、続け様に龍咆を打ち出す。

しかし、敵ISはもう龍咆を見切ったのか、巧みに体を動かして回避する。

 

鈴「嘘でしょ?!」

 

直後、鈴に向けて三つのISからビームのガトリングガンが発射され、鈴はそれを避けることが出来ず、スラスターに被弾して墜落する。

 

鈴「きゃあああああっっ!!」

 

そして地面に落ちた鈴に、三つのISが近づく。

 

鈴「(あたしは……ここで死ぬの?一夏に何も言えず、守ることもできずに……)」

 

そして、ISのビーム砲が光を放ち始める。

 

鈴「……いや……いやだ……やめてよ……」

 

鈴の悲痛な声も届かず、光は徐々に強くなる。

 

鈴「だれか……助けて……!!」

 

その時だった。アリーナの側面の壁が大爆発し、大きな穴が開く。

三つのISがその方向へ視線を移し、鈴もそこを見て目を見開く。

煙が晴れると、そこにいたのは総輝だった。

 

鈴「総輝?!!何やってるのよ!!生身で出てくるなんて無謀過ぎるわ!!早く逃げて!!」

 

しかし総輝は余裕のある面持ちでアリーナの中央へ足を運び続ける。

 

総輝「お祖父ちゃんが言っていた……“太陽が素晴らしいのは、塵さえも輝かせることだ”ってな。よく見ておけ、鈴。これが太陽の輝きだ」

 

そして総輝は右手を掲げる。

すると上空から赤いカブトムシーー《カブトゼクター》が飛来し、総輝の右手に収まる。

そして総輝は、カブトゼクターを掴んだ右手を左肩の前に持ってくる。

そしてーーーーー

 

総輝「変身!」

 

《HENSHIN》

 

掛け声と共に、カブトゼクターを腰の銀のベルトにセットする。電子音声が流れ、六角形のパネルが総輝を覆っていき、分厚い銀の装甲を作り出す。

そして、変身が完了すると、銀の戦士ーー《仮面ライダーカブト》は三つのISと対峙した。

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます!
さて、次回は無人機とカブトの戦いです!!是非お楽しみに!!
小説の評価、感想などもお願いします!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。