僕はあなたを愛して 僕は愛に溺れ錆びていく   作:迷子の鴉

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学級裁判まで捜査期間を設けます。
皆さん、捜査を行なって
学級裁判で推理を披露してください。


時間がたっぷりあるからって、不純異性交遊はやめろよ!



七話 捜査中

「昨日の夜山田君見た人、手を上げてぇー」

 食堂に集まっていた人たちに僕は声をかける。

「えぇと、私は見かけなかったよ」

「不二咲さんは無しね。はい、次」

「あ、私食堂で山田見かけたよ!」

 朝日奈さんが証言を出す。

「何時、具体的にどこらへんの位置で?」

「えっと、確かさくらちゃんと紅茶の用意をしている時に食堂に来たんだよね」

 

 

『付き添ってくれたお礼にロイヤルミルクティーを作るからね』

 昨日の19時くらいに朝日奈さんたちはミルクティーを作っていた。

 ガチャ

『あれ、山田。どうしたの』

 ミルクティーを淹れている途中に山田君が厨房のドアを開け、中に入ってきた。

『おや朝日奈殿こんばんわ。いや何、夜食にフルーツをと思いまして』

『あ、フルーツならそこにあるから』

 朝日奈は目線で示す。

 それが19時の目撃証言。

 

 

 

(ボクが舞園さんと部屋の交換をしたのが18時。山田君はその一時間後に来たようだけど今のところ関係性は見当たらないな)

 証言と昨日の出来事を組み合わせていき、時系列を整えていく。

「ハイ次、セレ、スさん?」

「何故そこで言い淀むのです。……まぁいいでしょう」

 セレスさんが回想を始め、証言を発していく。

 

 あれは私が

『山田くん、ロイヤルミルクティー作ってくださいませ』

『えぇぇ。ボクチンこれから予定がありまして』

 夜時間になる前でしょうか。私、喉が乾きまして部屋に戻る前に山田クンにミルクティーを作ってもらおうと思いまして、食堂にいた山田クンに声をかけましたの。

 

 ですが、

『いや、あのボク先約がありまして』

『作れって言ってんだろブタ。加工場でミンチにされたいか』

『ブヒイィィィ!! ヤダァァ! ボクお茶しに行くんだもん!』

『待てこらびちグソがァァ』

 

 

「ということがありまして」

「豚に同情を贈るよ」

「豚はひどすぎるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 食堂を離れて、体育館へと赴く。

 今ここで手に入れている言弾を確認してみようと整理していく。

 

言弾一覧

「部屋のにおい」

 苗木の部屋でかぎ取った匂い。バスルームの匂いに似たような感じ。

 

「シャツの刺しあと」

 山田君はシャツの上から刺されたようだ。

 心臓付近に二箇所。

 腹部に三箇所。

 その他多数。

 

「ドアの内側の傷」

 爪で引っ掻いたような傷。舞薗との部屋交換時にはなかった。

 血が滲んでいる。

 

「朝日奈の証言」

 19時ごろ、山田は食堂にフルーツを取りに訪れていた。

 大神と確認済み

 

「セレスの証言」

 夜時間(22時前)に山田と遭遇。

 山田は誰かとお茶の約束をしていたようだ。

 

「包丁の本数」

 5本あった包丁が4本になっていた。

 

「舞園の行方」

 朝の会食に来ていなかったようだ。

 体育館での集合も一同の後ろにいた後、足早にどこかに消えてしまった。

 

「桑田の状態」

 朝の会食に来ていたが、顔色がひどく悪く挙動不審だったようだ。

 

「モノクマファイル」

 被害者 山田一二三 超高校級の同人作家。

 死因 不明。

 発見者 苗木誠、霧切響子、石丸清多夏。

 死亡推定時刻は、深夜0時30分から1時30分

 

 

「桑田君はまぁ、舞園は予想外だったな」

 僕の捜査を妨害すると思っていたがと、疑念を感じる。

 だが恐らく舞園さんが犯人とみて今のところいいだろう。僕の部屋に入れたのは彼女くらいだ。

 

「いや、決めつけは推理の幅を狭めるって霧切さんが言っていたしなぁ。もう少し後付けのある証拠がないと」

 そうして辿り着いたのはトラッシュルーム。

 昨日の夜は18時に部屋の取り換えをしたあと、夜時間になる直前にモノモノマシーンで遊んでいた。

 モノクマメダルは以前より落ちている場所が多くなっていたため、比較的集めやすかった。

 そのおかげで色々と欲しいものも手に入った。

 

 いや、情景描写が少ないとは言わないで。一々二次小説で背景を描いていたら、時間がなくなるんだ。

 

 誰に発言したかわからないメタなセリフを浮かべ、トラッシュルーム辺りを調べる。

 

 だが中に入れず、シャッター越しに中を覗くだけの不十分な捜査になったが。

 

 事件前、山田君がゴミ当番を申し出てからがカギを所持していたが、彼の遺体からカギは見つからなかった。

 つまり犯人がトラッシュルームのカギを奪い、ここで証拠隠滅をしたと思っていたが中に入れないのではそれは難しいだろう。

 

「無駄足だったかなぁ。鍵がない以上調べられないし」

 他の場所に移って捜査しようと思い、トラッシュルームに背を向ける。

 

 

 

『えー、はい。聞こえますか? もうそろそろやっちゃっていいですよね、学級裁判! 

 皆さん校舎一階の赤い扉にお集まりください』

 

 

 

「……ッチ」

 まさかここで時間切れになるなんて。

 全く揃い集まってない言弾に拭いきれていない僕への不信感が漂うこの状況。

 分が悪すぎる。

 議論の途中で犯人が強引に投票に移ろうとする可能性が高い。

 

 状況をよくするために必要なことをせねば。

「遅刻するけど、生きる為には必要だよね」

 それを打開するために僕はあるものを作りに個室に向かった。

 

 証拠がなければ作ればいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コラァァァ苗木クン!! 遅刻とはどういう事じゃこれぇぇ!」

「ごめんモノクマ。少し必要な物があってさ」

 20分後、ほかの生徒たちがすでに集まった赤い扉の奥の部屋に苗木は遅れて入室した。

「苗木君! 皆はもう集まっていたぞ! いったい何処で何をしていたのだね説明を求める!」

「ゴメン石丸君。捜査に慣れてなかったから、夢中になって時間を食いすぎたみたいで」

 相も変わらず規律に厳しい石丸の遅刻に対する指摘に苦笑を浮かべて答える。

「フン。ど,どうせ……自分が犯人だから、お、怯えていたんでしょ」

「犯人じゃないんだけどなぁ」

 腐川の戯言をのんびりと逸らす。

 

「遅かったわね」

「うん。色々しなきゃいけないことがあってさ、時間がかかっちゃた」

 入室後、霧切は苗木に近づき話し始めた。

「その色々って、あなたが背負っているモノクマのリュックのこと?」

 霧切が差した苗木の背には大きく膨らんだリュックサックが背負われていた。

「やっぱり目立つ? これ」

「目立つわ」

「やっぱりか」

 予想より多くなっちゃってさぁとぼやきながら、左頬を掻く。

 

「苗木クン」と舞園が呼んでくる。

「何」と苗木は内心、煩わしく答える。

 

「……貴方のこと、……信じていたのに」

「苗木クン」

「学級裁判で貴方を」

 

 

 

 

 

 そこから先のことが耳に入らない。舞園さんに絶望したからじゃない。ツマラナイ訳でもない。

 

 

 

 

 

 初めて僕は生意気にも愚かしくも醜かろうと。

 

 

 彼女を初めてグシャグシャに叩き潰してやりたいと思った。

 

 僕の邪魔をするなら誰であろうと容赦はしない。うまくいかないでしょう。僕は普通だから。才能なんてこれっぽっちも持ち合わせていない。

 不平等で理不尽で無差別な戦い。

 駆ける本能。停滞する理性。刎ねまわる感性。

 

 脳を焼け切らせながら、ショート寸前までプログラムスタート。

 

 

 

 邪魔をするなら。

 

 食い潰してやる。

 

 

 

 


 

 ドロドロで拙い推理劇。

 宜しく頼みます。




僕の物語は僕だけのモノ

誰のものでもない僕だけの

僕が本物なんだ













      そこに意味なんて無いのに





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