僕はあなたを愛して 僕は愛に溺れ錆びていく   作:迷子の鴉

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アンケートの結果、多重人格について書くことになりました

全ては書けませんが発端くらいは書いておきます。


十二話 とろけるMind

 グチャ、グチャグチャ。

 脳の奥から腐った肉が落ちて弾ける音が聞こえる。

 ムカデがシャリシャリとズズズと蠢き、脳内を破壊する。

 

 

 目を開けても変わりない天井の無機質な色とつなぎ目。

 

 目から暖かい液体が流れ、頬を通って床に落ちる。

 

 子音がカスレカスレに響いていく。

 

 203"2は僕を放す気なんてサラサラない。ある程度の期間を放しながらの拷問は少しずつ。僕の心を疲弊させていった。

 

 

 希望とは何か、絶望とは何か、あいつはそればかりを聞いてきた。

 爪を剥がし、薬品を投与し続け、壊れてきたら超再生薬で体を修復させて、また拷問。

 

 拷問とは多くの意味で暴力を使ってある情報を引き出す事に使われるが、あいつの場合はもうただ単純にその行為を楽しんでいるにしか見えない。

 

 皆は無事だろうか。

 

 

 あいつは外のことを何も話さないから状況が分からない。

 もし、みんながもういなくっていたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぼくは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャ

「やぁ何時間ぶりかな、苗木くん」

 部屋に黒髪の青少年が入ってきた。

 背は176センチで優し気な好青年。

 姿からの推測ではない。以前聞いたことがあった。

「……」

「つれないなぁ。まぁ、君のそういう意固地な部分も魅力的だけどさ、少しは僕に協力的に接してくれないと」

「……拘束を外せよ。痒いところもかけない」

「アハハ、確かに」

 そう言って彼は苗木の拘束を足だけに固定し、上半身を起こさせた。

 

「じゃあいつもの時間のやつね〜」

「また、薬か」

 まだ少年期の声の苗木の声帯からできる限りのどす黒い声が出てくる。

「いや、薬は今後控えようかと思っててねぇ。なんせ昨日だけで5回くらい痙攣や動悸起こしたでしょう? 流石の僕も君にそれ以上負荷をかけたら今後が大変だということで今日は別のものにしてみましたァ! (๑´ω`ノノ゙ぱちぱちぱち✧」

「そのウザイ口調今すぐ止めろ。反吐が出る」

「アハッ。君って普段は温厚だけど気に入らないことがあると直ぐに口調が変わるよね! ホント、長い付き合いだからもう少し優しくしてよー」

「それほど長くはない」

 相変わらずの紙ボンドで貼りつけたような笑顔で彼は左手で弄んでいた小箱を開け始めた。

 

 

「今日は君とゲームをしたいと思ってね」

「ゲーム?」

「そうそう」

 

 軽く中から目玉を取り出した。

「……」

「これぐらいじゃもう微動だにしないかぁ」

「もう、見慣れた」

 

 自分の目玉を抉り取られたりしたのが何十回と行われたせいか妙に見慣れてしまった。

 

「ゲームっていうのは?」

「この目玉を食べる」

「どこがゲームなんだよ」

 

 文句を口に出し203"2に歯向かう。

「ここからだよ。内容は簡単。この目玉を食べて誰の者か当てる。それだけだよ」

「えげつないゲームだ。どうせそれ偽物だろ」

 

 苗木の推論を聞いた彼は、そのまま捨ててしまった。

 

「うんうん。僕はうれしいよ苗木クン。僕のことをしっかり覚えていってるね」

「こんなくだらないことばかり、時間をかけるお前はイカれてるよ」

「ああ、僕は自分がイカレテいるって自覚してるよ。下手したら江ノ島「あいつのことを口に出すな」……」

 

 ため息をつき、部屋の隅に置いていた折り畳み式椅子を開き、苗木と向かい合うよう背もたれに体を後ろに置き話を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここに閉じ込めて、どれくらい経った……?」

「恐らく10、いや17くらいかな。日数は一か月もいってない」

「絶望は、君の管理下か」

「あんな思考放棄の爆弾共は僕のそばに置いてない。使ったやつらは全部廃棄した」

「家族、同級生、先輩」

「例の77期生以外はほぼ全滅。霧切仁は()()()()()()()()()、江の島も()()()。君の家族は……他の同級生の親族。共に塔和に保護されてる。未来機関の屑共が気づくのは何年か先になるね」

「どうやって、江の島を欺いたのぉ……?」

「彼女、思ったより僕を重要視してなくてね。御手洗のニートと戦場の目を欺けば僕はいつでも反撃できた」

「……カムクラ」

「先に手を打っておいたよ。分かるだろ? 彼の()()は主に僕だったからさ」

「やっぱり、完成させてたのか」

「ああ、僕のてぇんさい的な発明で世界は大きく変わる」

 

「人も、希望も、絶望も。全ぶ壊すつもりか」

「ああ、その前に君を壊させてもらう

 

 ゆっくりと立ち上がり彼は告げる。

 

「君は大切な()()の雛なんだ。簡単に死なれたら僕の愛と平和が実現できない」

 

「だから悪いけど、君という『苗木誠』を破壊させてもらう」

 

「希望も絶望もなくなった世界で唯一人に本当の光を与える存在に」

 

「愛と平和をもたらす英雄(ヒーロー)を僕に見せてくれ」

 

「偽りに塗られた世界を破壊して来てくれ」

 

「他でもない。僕の初めての大親友として」

 

「希望に現れたイレギュラーとして」

 

「愛する人を守るためにみんなを見捨て今でも騙し続けている罪人として」












なにこれと思うかもしれませんがこれが今作の苗木がおかしくなっている原因の一つです。


改めて申し上げるとこれは霧切デッドエンドからの続きとして書いていますが、あくまで枠の中の話です。

ゆっくりとこの作品がどういう世界観、歴史を辿っているのか明かしていきます。

知りたいことは?

  • 多重人格
  • 物語が飛ばし飛ばしで進む
  • 性格がねじり曲がっている
  • Aルートって何?
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