仮面ライダージオウ 〜もう1人の魔王〜   作:ももももると

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次なるライドウォッチ継承の為、二手に別れて手掛かりを探すリュウト達。
そんな中、リュウトの前に現れたのは過去に1度戦ったタイムジャッカーのティードだった。
アナザー電王を使い、過去の時間へ介入したティード達はリュウトがジオウとなるはずだった6月7日へと飛び過去を改変しリュウトはジオウの力を失ってしまう。
そんな窮地のリュウトの前に現れた時の列車 デンライナーと仮面ライダーゼロノスだった。
一方のゲイツ達は戦国時代に響鬼が存在した事を知り、過去へ向かおうとするも時間警察の黒崎レイジが立ち塞がる。タイムジャッカーと共謀して時崎リュウトを襲った罪を被せられたゲイツと黒崎レイジの変身するG電王は対立、G電王の圧倒的な力に1時は敗れるもツクヨミがゲイツの窮地を救い、2人はそのまま戦国時代へ。
果たして3人は電王ライドウォッチと響鬼ライドウォッチを継承できるか·····


『時の列車に乗ってイマジンと戦うライダーは····· 』



「時の列車と戦国の鬼2007」

「遂に見つけたぞ、デンライナーぁ!」

ティードとアナザー電王が乗るアナザーデンライナーは執拗にデンライナーへと体当たりを行い、リュウト達の乗るデンライナーは衝撃で車内が激しく揺れる。

「これはこれは·····大変な事になりましたね····· もうすぐ目的の時間に到着するのですが。」

冷静に語るオーナーとは裏腹に焦るリュウト。

ジオウの力がない今、タイムマジーンを呼ぶ事も出来ず反撃の手立てがない。

「どうすれば·····」

 

すると、アナザーデンライナーの背後から緑色の列車が現れると列車先端部のドリルでアナザーデンライナー目掛け突撃を試みる

 

「侑斗ー!」

 

デンライナーの中からデネブは緑色の列車へとそう叫ぶ

「全く、世話が焼ける奴らだ!」

「邪魔ばかり!」

アナザーデンライナーはゼロライナーのドリルを間髪避け、標的をゼロライナーへと変える

「奴らの狙いは俺に変わった! 今のうちに行け!」

 

アナザーデンライナーの執拗な追跡をゼロノスのお陰で振り切り、リュウト達は遂に6月7日へと到着する。

 

················································································

 

〜2019年6月7日〜

 

「何だか、懐かしいなあ」

無事に6月7日へと到着したリュウトは住宅街を歩きながらそう呟いた

「てか····· めちゃくちゃ目立つなお前ら·····」

リュウトの後ろをぞろぞろと歩く4人のイマジン達。

平日のこの時間は人気がないからいいが、休日ならば目立ちに目立って大変な事になりそうだ。

「てか!ウォズは!?」

また忽然と姿を消した····· 全く動きが読めない男だ·····

 

「それで、お前はなんで自分が力を失ったか知ってるのか?」

赤いイマジン、 モモタロスがリュウトへと問う

「恐らく、俺やデンライナーを襲ったあの男がこの時間の俺に介入して力を失った····· アナザー電王を何とか食い止めればジオウの力も戻るはず·····」

「で、お前はその俺様の偽物に対抗できる力はあんのかよ? 」

「それは·····」

デンライナーでこの時間に来たものの全くその事を考えていなかった·····

モモタロスの言う通り、ジオウの力もないままアナザー電王にかなうはずもない·····

「しっ·····誰か来るよ·····」

ウラタロスの制止で動きを止める5人。

住宅街に現れたのは何かから逃げ惑うリュウトの姿だった。

「そうだ·····俺この日ゲイツから逃げてたんだった·····」

逃げるリュウトの後を追うように走る仮面ライダーゲイツ。

「あれがアナザー電王って奴か? 全く姿形は俺たちとは似てないじゃねえか!」

「あれじゃない、追うよ!」

仮面ライダーゲイツの後を追うように走り出す5人を塞ぐ様に、アナザー電王とティードが現れた。

「ティード·····!」

「恐らく未来からジオウの力を失うのを防ぎに来たんだろうが·····そうはさせない。 行け、アナザー電王」

 

ジリジリとリュウトへと近づくアナザー電王

「ったくよぉ····· 世話が焼ける野郎だ! 身体借りるぞ」

「ちょちょ!え!?」

モモタロスが飛び上がり、リュウトの身体へと乗り移る

 

『へへっ! お前が俺様の偽物か 今からぶっ飛ばしてやるよ!』

「ちょ!お前何勝手に俺の身体使ってんだよ!」

『うるせぇ! 折角俺様が力のないお前を助けてやろうってんだ! 大人しくしとけ!』

「ぐぬぬ·····」

リュウト(モモタロス)はデンオウベルトを取り出して腰に巻くとライダーパスを取り出す。

 

『変身!』

「変身!」

 

『ソードフォーム』

 

『俺、参上!』

決めポーズを決め、デンガッシャーを構えると電王はアナザー電王目掛け突撃する

『俺様の偽物を気取るなんて、100年はええんだよ!』

デンガッシャーでアナザー電王を切りつけていく電王

オリジナルの力に圧倒されるアナザー電王も反撃をするが、容易く電王に返されてしまう

『いいか、戦いってのは力じゃねえ ノリがいい方が勝つんだよ!覚えとけ!』

『モモタロスばっかりずーるーいー! 僕もやるー!』

『っておい!いい所なのに邪魔するんじゃねえよ!』

今度はリュウタロスがリュウトへと乗り移り、モモタロスは押し出された

 

『ガンフォーム』

 

『お前、倒すけどいいよね? 答えは聞いてない!』

デンガッシャーをガンモードへと切り替え、弾丸をアナザー電王へと撃ち込む。

『それそれぇ!』

ダンスの様な動きでアナザー電王を翻弄しつつ確実に撃ち込むリュウタロス

流石のこれにはアナザー電王も翻弄されるままだ

『よっしゃあ!次は俺や!』

今度はキンタロスがリュウトの身体へと乗り移り、リュウタロスが押し出される

 

『アックスフォーム』

 

『俺の強さにお前が泣いた 涙はこれで、吹いとけぇ!』

 

今度はアックスフォームへと変身した電王はデンガッシャーをアックスモードへと切り替えて、アナザー電王へと重い一撃を叩き込む。

力が4人のイマジンの中でも飛び抜けて高いキンタロスによる攻撃はアナザー電王を苦しめていき、アナザー電王の足元は次第にふらつき始めた。

 

『さてと、今度は僕の番·····』

 

今度はウラタロスがリュウトの身体へと乗り移り、リュウトからキンタロスを押し出した。

 

『変身! 』

『ロッドフォーム』

 

『お前、僕に釣られてみる?』

 

デンガッシャーをロッドモードへと切り替えたウラタロスはデンガッシャーを釣竿でルアーを投げるような仕草をすると、何かがアナザー電王へと引っかかる

 

『かかった!』

 

まるで大物がヒットしたようにデンガッシャーを振り上げリールを巻くと、アナザー電王の身体が宙へと大きく舞い上がる。

 

『フルチャージ』

 

『オラオラぁ!トドメは俺だぁ!』

『ちょっ!先輩!』

 

モモタロスがリュウトに憑依していたウラタロスを押し出して再びリュウトの身体に乗り移るモモタロス。

 

『へへっ! おい!俺様擬き!こいつを喰らって消えやがれ! 俺の必殺技、Part2!』

 

ソードモードのデンガッシャーの剣先がアナザー電王へと飛んでいくと、十字にアナザー電王を切り裂いた

 

大爆発と共に地面に転がるアナザー電王ウォッチをティードは拾い上げる。

「チッ····· まあいい、まだ手はある」

ティードはそのままアナザー電王ウォッチを持ち、その場から逃げた。

「おい!待て!」

逃げるティードを追いかけようとしたリュウトの右手が光り出すと、その手にはジオウライドウォッチが力を戻していた

「ライドウォッチが!戻った!」

「それ····· 先輩!確か似たようなの持ってなかった?」

「あ? これの事か?」

モモタロスが持っていたのは正しく電王ライドウォッチだ

「ライドウォッチ!」

「なんだよ、こいつが欲しいのか? ほらよ·····」

モモタロスは電王ライドウォッチをリュウトへ向かって投げ、リュウトは何とかキャッチする

「ありがとう!」

モモタロス達イマジンへと礼を言うリュウトの携帯が唐突鳴り出した

「もしもし····· ツクヨミ! こっちはライドウォッチ継承したよ!大変だったけど·····そっちは?」

 

「こっちは今戦国時代にいる、響鬼がこの時代にいるらしいの それと·····時間警察って言う奴らに追われてる」

 

「時間警察·····?」

「なんだお前、時間警察がどうしたんだ」

リュウトの口から発せられた時間警察というワードに反応するモモタロス。

「いや、俺の仲間が時間警察って奴らに追われてるらしいんだ」

 

「リュウト?そこに誰か居るの?」

 

「え?ああ····· 電王ライドウォッチをくれたモモタロス達だよ。 とにかく俺もそっちへ向かう」

 

「分かった、待ってるね。」

 

「よし····· 行くか。」

「お前····· 次はどこ行くつもりだ」

「え? 俺の仲間が戦国時代に向かってるんだ。だから俺も行くよ」

 

「そういう事なら····· 我々も着いていきましょう。」

 

「オーナー!」

「なんで俺たちがこいつについて行かなきゃなんねーだよ!」

「先程の戦闘、ずっと見ていましたが····· アナザー電王は完全に倒されていない·····」

「確かに·····彼がウォッチって呼んでる物は完全に破壊されていなかった····· つまり、また先輩の偽物が現れる·····」

ウラタロスはリュウトのライドウォッチを指さしながらそう語る

「あのティードという青年の狙いも気になります····· ここは我々もリュウト君に着いていくべきしょう·····」

「け!全くしょうがねえなあ····· 俺もあの俺様擬きを完全に倒してないってなると妙に腹立つ ここはついて行ってやるよ」

「本当? ならみんなで向かおう!」

 

オーナー リュウト イマジン4人組はデンライナーへ乗り込むと、ゲイツ達が居る時間へと向かった。

 

 

·····················································································

 

一方、戦国時代に到着したゲイツとツクヨミの2人は響鬼の手がかりを掴むべく人で溢れる城下町を歩き続ける。

2人の格好は時代に順応するような格好に変わっており、いつもとは見慣れない格好のお互いにツクヨミはニコニコ笑う

 

·············································

 

···································

 

「本当にこの時代に仮面ライダー響鬼が居るのか·····」

歩き疲れた2人は団子屋に入ると、団子とお茶で疲れた体を癒す。

「でもあの書物の通りならこの時代だった····· 絶対居るよこの時代に響鬼が」

「どうだか·····」

 

「あのー·····」

 

団子を貪るゲイツと優雅にお茶を飲むツクヨミの2人の元へと1人の少年が歩み寄る

「なんだ·····?」

「もしかしてお2人、響鬼さんを探してます?」

「響鬼について知ってるの!?」

「え、はい。」

「お前、名前は?」

 

「明日夢です!」

 

 

·····················································································

 

···········································································

 

·································································

 

···························································

 

 

団子屋で出会った明日夢に連れられて来たのは街から少し離れた所にある小さな村だった。

明日夢に迎え入れられるまま家に入ると、3人は座り込んだ

「それで·····お前は響鬼の知り合いか?」

「はい····· この村は少し前まで1年に1度、オロチに女の子を生贄に捧げないといけませんでした·····」

「生贄に·····!? 酷い·····」

「何故そんなことをしていた?」

「オロチはとても強い、村の人間では敵いません。それに、1度3人の鬼がオロチを迎え撃っても倒すまではいきませんでした····· そんな時に出会ったのが響鬼さんでした 元々僕と響鬼さんは因縁みたいなのがあって·····」

「因縁?」

「と、とにかくその響鬼さん達や他の鬼の皆さんのおかげでオロチや魔化魍を倒すことが出来たんです!」

「それで、響鬼は何処にいるの?」

「この村から少し離れた所にある小屋で修行してると思います。案内しましょうか?」

「頼む。」

 

·····················································································

 

明日夢が住む村を離れ響鬼の元へ向かう3人。

歩くにつれ、次第に小さな小屋が見えてきた。

「あれです!あそこに響鬼さんが!」

 

突如として銃声が鳴り響く。

 

 

「俺から逃れられると思ったか、明光院ゲイツ。」

 

 

ゲイツとツクヨミの目に入ったのは銃口をこちらに向けたまま3人の前を立ち塞ぐ黒崎レイジの姿だった

「時崎リュウトを襲うだけじゃ飽き足らず過去の時代に介入して一体なんのつもりだ?」

「全く·····執拗い奴だなお前は。」

「それはお互い様だろ? 大人しく捕まっていればよかった物を····· ツクヨミ、そして明光院ゲイツ。お前達はこの場で処刑する。」

「ツクヨミ!明日夢を連れて隠れてろ·····」

 

『ゲイツ!』

 

「「変身!」」

 

『ライダータイム····· 仮面ライダー ゲイツ!』

 

姿を変えた2人は同時に飛び出すとお互いに武器を取り出し、ぶつけ合うとジカンザックスとデンガッシャーがぶつかり合う音が周囲へと響き渡った

しかしG電王の戦闘能力の高さにゲイツは再び翻弄され始めると、ゲイツは一方的に苦戦を強いられ始めた。

「なら俺は·····!」

『ファイズ! アーマータイム! complete····· ファイズー!』

 

ファイズアーマーへとその身を変えたゲイツ

「ゲイツ!」

ツクヨミから投げ渡されるファイズフォンXを掴み取り、銃へと変えるとG電王へと光弾を撃ち込む

「甘いな·····」

しかしG電王は容易く避け、今度はゲイツがG電王が放った光弾を受けてしまう

「くっ·····!」

ここでタイムバーストを決め、何とか早期に終わらせたい所だが焦りは禁物

それにタイムバーストを放った所で前回の様に受け止められ反撃を喰らうのは目に見えている。

敵は凄まじく強い·····!

 

「ゲイツ!」

 

地面に膝を着くゲイツの前に現れたのはリュウトだ。

「ジオウ·····!」

「ごめん、遅れた!」

 

「時崎リュウト·····? 明光院ゲイツに襲われて命を落とした筈では·····?」

「は? 勝手に殺すなよ! 俺は生きてる! 」

「ジオウ····· あいつは強い、癪だが力を貸せ·····!」

「なんかよく分からないけど·····分かった! 行くぞゲイツ!」

 

『ジオウ! ライダータイム····· 仮面ライダー!ジオウ』

 

「気をつけろ、奴にタイムバーストを撃てば受け止められる。」

「それなら、俺達2人でタイムブレイクをぶつければいい! 受け止められない力をぶつければ破れるはず!」

 

『フィニッシュタイム! タイムブレイク!』

『フィニッシュタイム! エクシード タイムバースト!』

 

高く飛び上がった2人はG電王目掛けキックを放つ

 

「舐めるなあああ!!!」

 

『パーフェクトウエポン』

 

2人のフィニッシュタイムをエネルギー壁で受け止めるG電王。

しかしゲイツを苦戦させたG電王といえど2人のフィニッシュタイムを完全に受け止められる訳なく·····

 

「「はああああああああ!!!!」」

 

「ぐわああああああ!!!!」

 

エネルギー壁を撃ち破り、G電王へとライダーキックを叩き込むと遂に黒崎レイジも変身が解かれ、その場に倒れ込んだ。

 

·····················································································

 

「ん·····? 俺は·····」

 

ゲイツ ツクヨミ リュウト 明日夢に囲まれ目を覚ます黒崎レイジ。

「目を覚ましたか、黒崎レイジ。」

「黒崎レイジ、アンタに聞きたい事がある。」

 

「それより····· ゙お前らは誰だ·····?゙」

 

「なんだと·····? 人を犯罪者呼ばわりしてなんだその態度は!?」

「ちょ!ゲイツ!落ち着いて!」

「何も覚えてないの? 」

「ああ····· そうだ·····! ティード!奴は何処だ!?」

黒崎レイジの口から発せられたティードという言葉に反応するゲイツとリュウト。

「貴様、あのタイムジョッカーを知っているのか!?」

「知っているも何も、俺はあいつを追っていた。 ようやく追い詰めたと思ったら·····いつの間にか変身を解かれ、気がついたらお前らと戦わせられていたらしい·····」

「つまり·····操られていたってこと?」

「そうなるかもな····· 全く·····俺とした事が·····!」

これで全てに納得が行く。

ゲイツがタイムジャッカーと手を組みリュウトを襲ったという過去は操られていた黒崎レイジがティードよって見せられていた幻影という事になる。

「そうだ、俺 ティードと会ったんだ! あいつのせいで俺のライドウォッチが力を失って·····!」

「なんだと·····?」

「それに·····まだ手はある って言ってた。もしかしたらまだ企んでるのかも!」

 

「俺は一旦本部に戻りやつを追う。 今回は悪い事をした·····」

ゲイツ達へと頭を下げると、黒崎レイジはその場から消えた。

 

「私たちも響鬼に会いに行きましょう!」

「響鬼さんの居る場所は近くです!いきましょう!」

 

こうして4人は明日夢に連れられるまま響鬼の元へと向かう。

 

·····················································································

 

 




デンライナーやイマジンの協力の元、無事にジオウライドウォッチの力を取り戻し電王ライドウォッチを継承したリュウト。
ゲイツとツクヨミの2人もリュウトと合流し、響鬼へと接触する。
果たして3人は響鬼ライドウォッチを継承できるか、そしてティードとの決戦の果ては·····

次回、「音撃の戦士 2005」

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