アナザー響鬼として立ち塞がる猛士と猛士を救うべく装甲響鬼へ姿を変えた響鬼の活躍もあってアナザー電王 アナザー響鬼を撃ち破り、リュウトは響鬼ライドウォッチを継承する。
手に入れたライドウォッチは10個、残すライドウォッチは後9つ·····
闇夜に包まれた廃工場へと、ボロボロの身体で向かう1人の男がいた
男の名はティード。
ご存知の通り、タイムジャッカーの1人である。
ジオウllの猛攻に敗れたが間髪逃げ切り何とか生きている、とはいえ身体は既にボロボロ いつ倒れてもおかしくない。
戦極ドライバーはあの戦いで失われ、もはや自らにはライダーとしての力はない。
半壊したフィフティーンロックシードを地面に叩きつけると、その場に倒れ込む。
仰向けに横になったティードの瞳に映り込む巨大な満月
落ちる所まで落ちた自らを嘲笑いながら、ティードは月を見つめていた。
すると突然、一気に鳥肌が立つ程の冷気が吹き抜けると同時に黒い外套の男がティードのすぐ側に立っていた。
「お前か····· アーマ。」
「·····」
外套を纏う男の名を口にするティード。
相変わらず反応が薄い外套の男に少しばかり苛立ちが募る
「ジオウに破れた様だな。フィフティーンの力を私から与えられておきながら。」
「·····」
ティードが仮面ライダーフィフティーンへと変身できたのはアーマか力を渡していたからだった
「本当にあの魔王もどきを殺したいなら、俺にもっと強い力をよこせ·····!」
ティードは立ち上がり外套の男の胸ぐらを掴む
「ククク····· いいだろう····· あの魔王を倒せる力をくれてやる」
アーマは笑いながらティードへと告げると、自らの外套からティードの手を離させる
「さっさと渡せ。 今度こそ·····俺が王に相応しいという事を教えてやる·····!」
「まあ、焦るな····· スウォルツ。」
アーマの呼び掛けに応える様に廃工場からスウォルツが現れ、ティードの元へと近づく
「お前が持ってんのかスウォルツ、さっさと渡せ!」
スウォルツは片手に握っていたアナザーウォッチを取り出すと、ティードには渡さず自らの手で起動した
「!?」
『ディケイドォ·····』
スウォルツの姿は瞬く間にアナザーディケイドへと変わっていき、そのままティードの首を掴む
「ティード、もう君は私の物語には不必要だ。 強大なる力の贄になるがいい」
「裏·····切る·····の·····か·····?」
首を絞められ、息が絶え絶えになりながら自らを裏切ったアナザーディケイドとアーマを睨みつけて問いかける
「裏切る·····? 勘違いしてもらっては困る。 私は1度たりとも君を仲間とは思ったことはない。 さらばだ、王を夢見た愚か者·····」
「嫌だ····· 嫌だ····· 俺は····· こんな所で·····! 王になる俺の夢が·····」
アナザーディケイドの力でティードはアナザーワールドへと送られその場から姿を消す
「楽しむといい····· アナザーワールドで、君が王となる世界をね。」
アナザーワールドへと送られたティードを嘲笑う様にアーマは一笑すると、スウォルツとアーマの前へと1人の青年が現れた
「この世界へようこそ····· 救世主。」
アーマが救世主と読んだ少年の腰にはジクウドライバーが巻かれていた。
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「いってきまーす!」
行ってきますの挨拶を済ませたリュウトは自転車へと跨り走り出す。
時刻は7時50分
何時もより数分遅く家を出たリュウトは心做しか焦りの気持ちで自転車を漕ぎ学校を目指す。
「夏休み前だってのに遅刻してたまるかよ!」
今日は夏季休暇の前最後の学校。
最後の最後に遅刻なんてかっこ悪いと思うと、自然と自転車を漕ぐ足に力が入る。
今日さえ乗り越えれば明日からは1ヶ月を超える長い休み、そして高校生活最後の夏休みだ。
とは言っても·····自分が置かれている状況を思うと休んでる場合では無いのかもしれないと思ってしまう。
「あー! 余計なこと考えんな俺! とりあえず遅刻だけは回避しねえと!」
リュウトはさらに自転車のスピードを上げて学校へと向かった。
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〜放課後〜
友人達と別れたリュウトは自転車を押しながら河川敷を歩いていた。
今日はもうする事もないしゆっくり帰ろう
リュウトは歩きながらココ最近の出来事を思い出す
鏡の世界の自分と出会い、オーマジオウに近い力 ジオウllになったこと。
過去の時間で響鬼や電王に会ったこと。
ココ最近だけでも様々な出会いや別れがあった。
「残るライドウォッチは9こ か·····」
数的に言えば折り返し地点だ。
しかしこれからタイムジャッカーの妨害も凄まじいものになるはず、更にはまだあの黒い外套の男の正体も掴めていない·····
戦いはまだ長くなりそうだ。
「あっ。」
リュウトが足を止めた先に立っていたのは ゲイツだ。
「あれ?ゲイツ、ツクヨミと一緒じゃないの?」
「お前が仮面ライダージオウだな?」
「は? いやいや、今まで一緒に戦ってきたから知ってるでしょどうした?」
目の前のゲイツに対して何処と無く違和感を覚えるリュウト。
姿は完全にあのゲイツだが、目の前のゲイツから普段とはひと味もふた味も違う殺気のようなものを強く感じ取れる。
こいつは····· 俺が知ってる明光院ゲイツじゃない?
「最低最悪の魔王····· 再び、ここで討つ。 リバイブの力で·····! 変身!」
『仮面ライダー····· ゲイツ!』
目の前のゲイツは仮面ライダーへと姿を変えると、ジカンザックス片手にリュウトへと襲いかかる
「おい!」
リュウトは咄嗟に押していた自転車を盾にするも、ジカンザックスによっていとも容易く真っ二つされてしまう
「お前····· 俺の自転車に何してくれてんだあああ!」
『仮面ライダー····· ジオウ!』
ゲイツに対抗するようにリュウトもジオウへと変身し、ジカンギレードでジカンザックスの一撃を受け流す。
互角に見えた2人の戦いだったが、次第にゲイツに押され始める
ゲイツと対峙するのはこれが初めてではないが、今まで戦った中でもトップクラスの相手だ·····
こちらが1つの攻撃を放ったとしても、相手はその2倍の攻撃で返して来るだけでなく、一つ一つの動きに一切の無駄がない。
対峙しているのはただの復讐に燃える戦士では無い····· ただひたすらに、そして確実にジオウを殺すために戦う戦士だ。
「強い·····」
「この世界のジオウは所詮この程度か·····!」
「この世界·····?」
ゲイツの放った言葉に違和感を覚えながらもジオウは放たれるゲイツの一撃をただひたすらに受け流す他ない
このままではまずい·····! そう思ったジオウへと突然マフラーの様な物が包み込むと、リュウトはその場から忽然と姿を消した。
「邪魔が入ったか····· まぁいい、相手の実力は理解した。」
ゲイツは変身を解くと、真っ二つになったリュウトの自転車を数秒見つめてその場から去っていった。
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「ん·····?」
目を覚ましたリュウトが居たのは見覚えのない高架下だ。
起き上がって辺りを見渡すと、そこには見慣れた格好の男 ウォズが立っていた。
「気分はどうだい? 我が魔王」
「もしかして·····助けてくれたの?」
「家臣が王を助けるのは当たり前だろう? それより、大変なことになったね·····」
「もしかして、あのゲイツ事?」
リュウトの言葉にウォズは静かに頷く。
「あのゲイツ君は君が知っているゲイツ君じゃない」
「この世界のジオウ って言われたんだけど、つまりあのゲイツは·····」
「彼はアナザーワールドから来た明光院ゲイツだ。 オーマジオウを倒した世界のね。」
ウォズの口から出た言葉にリュウトは言葉を失う
しかし同時に納得がいく。
あの戦いからしてまるでこちらの手が読まれているような戦い方だった。 もし本当にオーマジオウを倒した世界のゲイツならこちらの手が読まれているのは有り得る話だ。
「恐らく、タイムジャッカーが君を消す為にこの世界に呼んだんだろう。 それにしても、よりにもよって彼を呼ぶとはね。」
「見つけたぞ、仮面ライダージオウ。」
高架下にジオウを追うゲイツの声が響き渡る。
「見つかっちゃったか·····」
リュウトは立ち上がるとゲイツの前に立ち塞がる
「我が魔王! 今の君があのゲイツ君と戦うのは危険だ!」
「分かってる! けど····· 逃げたってこいつは俺を必ず殺しにくる····· なら、ここで!」
「ほう····· 随分と威勢がいいな····· だが、楽には殺してやらん·····!変身!」
『仮面ライダー····· ゲイツ!』
「望む所だ·····」
『仮面ライダー····· ジオウ!』
再びぶつかり合う2人。
混じり合う拳と拳が辺りに凄まじい程の風を巻き起こす
しかしパワーはゲイツの方が上、ジオウはそのまま近くの壁へと強く叩きつけられる
「お前に教えてやる····· リバイブの力をな!」
「あれは!」
『スピードタイム! リバイリバイリバイ!リバイリバイリバイ! リ・バ・イ・ブ 疾風〜 疾風!』
あろう事かゲイツリバイブウォッチを使ったゲイツはその身をゲイツリバイブへと変えた
これこそ、オーマジオウを葬った救世主の力。
「ゲイツ····· リバイブ·····」
「そっちが救世主なら····· 俺は·····!」
『ジオウ·····ll ! 』
『ライダータイム! 仮面ライダー····· ライダー! ジオウ····· ジオウ! ジオウ!! ll !』
ゲイツリバイブに対抗するように、ジオウもその身ジオウllへと変えてゲイツリバイブの前に立ち塞がった。
「魔王擬きの力で俺と戦おう等····· 如何に無意味な事か教えてやる!」
ゲイツリバイブは目にも止まらぬスピードでジオウllへと襲いかかり、翻弄するようにジオウを追い詰めていく。
「このぉ·····! 読んでやる、お前のその動き!」
ジオウは未来視でゲイツの動きを読み取り、読み切った未来通りの動きのゲイツリバイブへとジカンギレードとサイキョーギレードの二刀流による攻撃を叩き込もうとするが·····
「甘い!」
最後の最後で、ゲイツリバイブは未来視で見た動きとは全く違う動きをして、逆にジオウへとジカンジャックローの連撃をその身へと叩き込む
「どうして····· 未来視で見たはずなのに·····!」
「俺はお前の予想した未来を超える····· これこそが救世主の力だ!」
凄まじい威力の攻撃に思わず倒れ込むジオウ。
悔しいが····· 強い·····!
勝てない·····
これまで様々な敵と戦ったがこれ程に追い込まれるのは初めてだ
増してや敵は別世界の人間と言えどゲイツ本人、別人とは自覚していても自然と攻撃の手が緩んでしまう。
「くっ·····!」
「終わりだ、魔王。」
じわじわとトドメを刺すために近づくゲイツリバイブ、すると突如ゲイツリバイブの胴体が火花を吹く。
突然の事に驚くジオウが後ろを振り返ると、そこにはファイズフォンXを構えるツクヨミと仮面ライダーゲイツの姿があった。
「リュウト!」
「ツクヨミ!それにゲイツ!お前らどうして
·····」
「私が呼んだんだ、我が魔王。」
「ウォズ····· ありがとう·····!」
「ほう、しかし数が増えた所で変わりはしない。まとめて貴様らも地獄に落としてやる。」
ジオウ ツクヨミ ゲイツ ウォズへとそう語るゲイツリバイブ。
同時にジクウドライバーの砂時計のような形をしたゲイツリバイブウォッチを反転させ、その身変えた。
『パワードタイム! リ・バ・イ・ブ剛烈 剛烈!』
ゲイツリバイブのその身は先程とは打って変わり、俊敏性のある姿から胸部アーマーがごつくなった攻撃と防御に特化した姿へと変わった
「行くぞジオウ·····。」
「ああ!」
同時に駆け出したジオウとゲイツは高く飛び上がり、ベルトを回転させる
『『フィニッシュタイム!』』
『タイムブレイク!』
『タイムバースト!』
ジオウllとゲイツによる2人のキックはゲイツリバイブ目掛け放たれるがゲイツリバイブは避ける様子もなく、両手を広げ、キックを受け入れる。困惑する2人だったが、そのまま放たれた2人のキックがゲイツリバイブへと命中し辺りに凄まじい衝撃が起こり、巻き起こった爆風でツクヨミとウォズは視界を封じられ、吹き飛ばされないように耐えるしかない。
次第に収まる爆風にようやく視界制限が解け、2人が目にしたのは何事もなく佇むゲイツリバイブの姿だった。
「効いてない·····!」
「嘘だろ·····。」
ゲイツリバイブが2人のキック避け無かったのは2つの理由がある。
1つは剛烈の強大なる防御力で例え2人分だろうがキックを耐えきれる事を知っていたから。
もう1つは敢えて2人分のキックを耐えきる姿を見せつけることで4人に自分は簡単に倒されないという絶望を植え付ける為。
ゲイツリバイブの目論見は完全に達成され、ジオウとゲイツへと自分達では倒せないという心を植え付けた。
「俺たちじゃ·····勝てないのか·····!」
「これで終わりか?」
ゲイツリバイブはジオウllを掴みあげて無理やり立ち上がらせると、その腹部にパワードノコ状態のジカンジャックローの一撃を叩き込む
「ぐああああああああ!!!!!」
腹部へと今まで感じたことの無い強い痛みが起こり、絶叫に近い声を上げるリュウト
ゲイツはジオウからゲイツリバイブを離させようと試みるが今度はゲイツの胸部へとジカンジャックローの連撃が叩き込まれ、その場に倒れ込んでしまう
「予定変更、まずはお前からだ。」
『フィニッシュタイム! 一撃タイムバースト!』
高く飛び上がったゲイツリバイブは倒れ込むゲイツを捉えるとキックの構えに入る
同時にリュウトは凄まじい頭痛に襲われ、頭の中に見覚えのない映像が流れ込む
「(見えた····· 未来が!)」
何かを決心したジオウllは最後の力を振り絞り、走り出すとゲイツの前へと立ち塞がり庇う
「ジオウ·····! お前何を·····!?」
突然の事に驚くゲイツ。
「ゲイツ、後は託した。」
最期にゲイツへとそう語るとゲイツリバイブのタイムバーストを喰らい吹き飛ばされると、変身が解けた状態で地面へと叩きつけられた。
「ジオウ!!!!」
「リュウト!!」
「我が魔王!」
3人のリュウトの名を呼ぶ声が虚しく高架下へと響き渡った。
ゲイツリバイブのタイムバーストをまともに喰らい倒れたリュウトは昏睡状態で病院に運ばれ意識不明の重体となる。
今度こそジオウを殺すことを誓うゲイツリバイブと敵討ちに燃えるゲイツ。
そんなゲイツに協力するように遂にウォズが動いた。
次回、「フューチャータイム ウォズ!2020」