仮面ライダージオウ 〜もう1人の魔王〜   作:ももももると

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かつて倒したはずのアナザーライダーが次々と復活する中、リュウトとゲイツはこれまでに手に入れたライドウォッチを使いアナザーライダー達を打ち破っていく。
この事件の元凶、ウォズの変身するアナザージオウに苦戦しながらもゲイツは遂にゲイツリバイブへと変身し、仲間と認めたジオウllと共にアナザージオウを破った
そしてついにウォズは自らの正体を·····




「全ての始まり2007」

『ねぇ?■■■■は将来何になりたいんだっけ?』

 

1人の女性がビデオカメラを持ちながら幼い男の子の動画を撮りたがら語りかける

彼女の息子だろうか、女性の背後には夫らしき男性の姿もあり、おそらく子供の成長を記録する為の映像を撮っているのだろう

そして撮られている男の子は母親からの質問にカメラへと顔を向け笑顔で語る

 

『僕、■■■■■■になる!』

 

 

·····················································································

 

「·····」

 

懐かしい記憶だ。いつしか忘れていた遠い記憶

先程見た夢を懐かしさを覚えながら私は無言で立ち上がると空を見上げた

果てしなく広がる青空と容赦なく照りつける太陽

変わらない····· この空だけは·····

あの日から····· ずっと·····

 

「若き日の私よ····· 時が来た時、お前はどうする·····? 」

 

荒地の中心で空を見上げる時の王は虚空へと尋ねる

帰ってくるはずのない返答を待ちながら

 

 

·····················································································

 

一方のリュウトは夏季休暇が終わり、普段通りの学校生活が再び始まった

同じように学校の屋上で空を見つめながら考え事をしている

マモルの死から2週間。 今でも夜空を見る度、最後の会話を思い出し少しばかり涙が込み上げてくる。

 

「マモル·····」

 

俺はあの日から誓った。必ず·····タイムジャッカーに報いを受けさせると·····

手に握られたジオウウォッチを握りしめながら失くした友を思い誓う

 

「何を考えているんだい?」

 

空を見つめながら拳を強く握る俺の様子を心配したのかウォズが声掛けてきた

あの一件以来、ウォズは度々姿を現すようになった

理由は分からないが、ウォズは自らについて語ると決心したのに関係があるのかもしれない

まぁ、まだ本人からその件について語られていないが·····

 

「何でも····· てかそれより、なんでお前が学校にいるんだよ。 バレたら警察呼ばれるぞ·····」

 

学校はあくまでも部外者立ち入り禁止、更にいかにも怪しい格好をしているウォズがここにいることがバレれば下手すりゃ警察沙汰だ。

 

「約束したじゃないか、全てを話すと。」

「·····!」

 

遂に決心したのだろうか。ウォズは自らの事、そして目的を話始める

 

「なら聞きたいことが幾つかある。全部答えてくれるんだよな?」

「もちろん。何が聞きたいんだい?」

 

山ほどある聞きたい事の中からまずはウォズの正体を聞くことにした

 

「お前、この世界の人間か?」

「君の思っている通りさ、私はこの世界の人間じゃない。 連れてこられたのさ、未来の君に」

「·····! オーマジオウがウォズを·····?」

 

想定外の答えが帰ってきた。 未来の俺····· オーマジオウが何故ウォズをこの世界に?

目的が読めない·····。

 

「何故未来の君が私を·····?という顔をしているね。これはあくまでも私の想定だがお話するとしよう。 オーマジオウにはあらゆる平行世界や別の時間の自分と意識を共有する力がある。恐らく、未来の君はある目的の為に別の世界でのジオウの活躍を目撃し、それを導く為に私を呼んだのだろう」

「目的·····? それに、もう1人のジオウ?」

「んー……どれから話すべきか·····。 まずは目的について話そうか。君やゲイツ君達はオーマジオウを敵のように思っているのかもしれないが·····それは違う」

「未来で罪のない人々を殺めた奴が敵じゃないと言いたいのか? 俺はこの目で見た、荒廃した大地やオーマジオウに怯える人々を、未来の俺の暴虐の限りを尽くした行動があったからこそゲイツ達が過去に来たんじゃないのかよ!」

「君は何も知らないからこそそうやって未来の君を憎める。」

「何·····?」

「確かにオーマジオウは未来で沢山の人々を殺めた。 だが、それはあくまでも最悪の未来を、今を変える為に必要な行動だった。君やゲイツ君が怒るのも仕方ない。だが、必要だったんだ、彼を倒すにはね」

「彼·····?」

「君もであったはずだ。外套の男に」

 

外套の男。 門矢士からディケイドの力を奪った張本人であり過去に2度程出会っている

まさかオーマジオウが警戒するほどの相手だったのか·····?

 

「これもあくまで私の想定の範囲だが、あの男こそ世界がこうなった黒幕だと睨んでいる。 この歪み切った世界の。」

「ウォズ、俺に教えてくれ。この世界で何が起きてるんだ?」

「君は不思議に思わなかったかい? 昨日まで全く存在を知らなかったライダーが居る。それも1人じゃないジオウを除き19人もだ。だけど、君は知らなくても不思議じゃない。

 

 

なぜならこの世界に元々仮面ライダーは存在しなかったからだ」

「え·····?」

「いや、語弊があったね。存在はした。と言っても虚構としてだが」

「何、言ってるんだ·····?」

「急にこんな事を言われてもビックリするだろうね。だから私はこの謎の確証を得るためにある研究所に忍び込んだ。結果、それはタイムジャッカーの罠でアナザージオウへと仕立て上げられたんだが·····」

「ちょっと待ってくれ!ライダーが存在しない?虚構?何言ってるか分からない····· 分からないよ·····。」

「またしてもこれは仮説となるが、それでもいいなら君に話すとしよう?」

「構わない·····。」

「君は·····辛島という男を知っているかい?」

 

辛島、門矢士も同じことを聞いてきた。

だが、ニュースで名前を見ただけであり詳しくは知らない

 

「ニュースで名前を見ただけだそれ以上の事は知らない。」

「·····やはり君は5歳の時の記憶に欠落がある。 その様子だと君が植物状態になっていた記憶もないね」

「何·····?」

 

俺が植物状態に····? 確かに、俺には何故か5歳の記憶がない。入院していたことも、マモルとの最初の出会いも記憶になかった。思い出そうとしても、まるで5歳の時だけ空っぽのように記憶がなかった。それと辛島という男になんの関連が·····?

 

「君は5歳の時に生死をさまよう大事故にあった。それにより数ヶ月間意識がない植物状態になっていたのだがそんな君に接近したのが辛島だ。 彼は研究所で人の意識を仮想空間に移し治療するという装置の設計者だった。」

「装置?」

「ああ、ムネモシュネというね」

 

ムネモシュネ。ギリシャ神話で記憶を司る女神の名だ

 

「昏睡状態の君はそのムネモシュネの実験体第1号になった。 実験は成功、君は無事に意識を取り戻した。」

 

つまり、俺は辛島という男のお陰で今こうして普通に生きている·····

全くの他人だと思って見ていたニュースの男がまさか命の恩人だとは·····

 

「それと同時期だ。辛島はムネモシュネの実験成功と共に忽然と姿を消した。 妻と子供を残してね。」

「それで、どう関係があるんだ?」

「私は辛島という男の正体を知る為、色々と調べていた時にある事を知った。 私はこの世界の人間ではないと言ったね?」

「ああ」

「君が知らないだけでこの世界以外にも様々な世界線がある。 それも無限大にだ、君が目撃したアナザーワールドもそのひとつだ。 話を戻そう、こことは別の世界で辛島という男が事故で君と同じ植物状態になった息子を救う為に研究をするという事象を見た。」

「·····同じだ」

「そう、救いたい対象は違えど辛島は子供を救う為に研究をしていた。だが、その世界の辛島は研究に追われムネモシュネを悪用した。その結果が仮面ライダーの管理だ」

 

「辛島はムネモシュネを利用し仮面ライダーを従わせ兵器にしてある組織に売ろうとした。 結果的にそれは彼の妻とライダーによって砕かれたが····· もしかしたらその事象をこの世界で再び起こそうとした者がいる。虚構として存在した仮面ライダーを現実のものにしてまでも」

「まさかそれって·····」

「ああ、私はあの外套の男だと睨んでる。」

 

外套の男、ディケイドから力を奪った張本人であり過去に2度対峙している

そしてあいつは何故かライドウォッチでライダーを操っていた····· 確かに怪しさで言ったら間違いなさそうだ

それに·····

 

「あの外套の男、あいつは俺にライドウォッチを集める様に夢に出てくる度に言っていた·····」

「·····やはり彼は全てを知っているか····· ならば隠し通す意味もない····· 」

「なんだよ····· まだ何か隠すつもりだったのか·····?」

「ああ、けど状況が変わった全てを話すさ。 君は今11個のライドウォッチがある。後8つ·····これを全て揃えた時に生まれるライドウォッチがある。平成ライダーの全ての力を統べる偉大なるライドウォッチ」

「偉大なるライドウォッチ·····」

「それこそがグランドジオウウォッチ。 恐らく君にライドウォッチを集めるように彼が唆したのは彼もグランドジオウウォッチを狙っているから。その力があればライダーを自らの兵器のように操れる、それほどの力なんだ。だけど、彼を倒す為に必ず必要な力だ。 グランドジオウウォッチは悪用されれば本当に危険な力と同時に彼を倒す最後の希望だ。」

「だとしたら、そいつが本格的に動く前に·····」

「彼は頭が切れる、恐らく君がライドウォッチを揃えるまでは直接的に手は出さない、むしろ君がライドウォッチを揃えるのを手助けする可能性だってある」

「じゃあどうすれば····· ·····ライドウォッチをここで破壊すればグランドジオウの力は生まれないし奴も狙わないんじゃ·····」

「彼の事だ、この世界で失敗すれば "別の世界でまた同じ事が繰り返される" 恐らく彼の計画はこれが最初じゃない、君と同じ事を行った人間が何人と居るはず。それでも彼は諦めないはずだ この世界で終わらせよう、彼の目的を。そのために私は未来の君に呼ばれたんだ」

「分かった····· 止めよう、奴の計画を俺たちの手で!」

 

ウォズは笑顔で頷くと握手を求めてきた

 

「これで全てを話した。信じてくれるかな」

 

俺は無言でウォズの手を取り、

 

「ああ。 これからはお互い隠し事なしだ」

 

ウォズの手を握り返す

 

外套の男の狙いは何となく分かった。

これ以上の悲劇は繰り返させない、奴の計画はこの世界で止める·····!

 

 

 

 




国際テログループ REDENDが国会議事堂を襲撃、議員と総理と各大臣を人質に取り、自らの姿をアナザーライダーに変え国会議事堂を占拠。
アナザーライダーが関わっていることをテレビで知ったリュウト達は人質解放とアナザーライダー撃破の為国会議事堂へと向かう

次回、「王と欲望と力の器2020」
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