無事にオーズライドウォッチを継承したリュウト達、残すライドウォッチは後7つ。
打倒アーマを掲げるリュウトの行く手をワーム達が阻む
『キャストオフして超加速! ビートルのライダーは·····
』
空を彩る満天の星空の下、僕は家のベランダでいつもの様に星を眺めていた。
星を見るのは好きだ、どんなに嫌な事があっても綺麗さっぱり忘れることが出来る····· けど、その日は違った。
思い返すだけでも頭が痛む·····
『やめて····· 痛いよ!』
『おい、早く立てよ····· 立てつってんだろ!』
僕の脳裏の奥にしまっていた記憶がフラッシュバックし、思わずその場にうずくまる
『なんでお前生きてんの?』
「やめろ·····」
『学校にお前の居場所はありませーん笑』
「やめろ·····!」
『次俺達の前に姿を表したら····· 殺すからな』
「やめろおおおお!!!」
僕は地面を拳で殴り、フラッシュバックした光景をかき消すように大声をあげる
消えろ····· 消えろ····· 悪い記憶·····!
「消えろ·····! 消えろよ!せっかく消し去ったのに!」
怒りに燃える僕はただひたすらベランダの床を殴り続ける
なんで僕だけこんな思いを····· なんで僕だけ虐められるんだ·····!
嫌いだ·····
人間なんてゴミばっかりだ·····
いっそこんな世界なら·····消えてしまえばいい·····
「僕にこの世界を消せる力があれば·····」
「あるよ。」
ポツリと呟いた独り言に思わぬ返答があり、僕は驚いてその場に倒れ込む。
綺麗に星空に浮かぶ月を背景に、綺麗な顔をした僕と同じくらいの少年がいつの間にか僕の家のベランダに立っている
「だ、誰だ!君は!?」
「僕は君の願いを叶える力を与えられる。もし君が僕と契約することを望むなら····· その力を君に託すよ」
「願い····· 」
僕の願い····· 復讐? それとも·····
いや、僕の願いはそんな甘いものじゃない····· もし本当に彼の言う力で僕の願いが叶うなら·····
「その力は····· 本当に僕の願いを叶えてくれる?」
「·····叶えるとも。」
「け、契約するよ!」
「フッ·····いい子だね。」
タイムジャッカー ウールはポケットからアナザーライドウォッチを取り出し妖しく笑うと少年へと埋め込んだ
『カブト·····!』
「なんだ·····これ、 う····· うわあああああ!!!!」
『カブト·····!』
「おめでとう、歴史が変わって今日から君が·····仮面ライダーカブトだ!」
星空が綺麗な静かな夜の住宅街にウールの笑い声が響き渡った
·····················································································
「後を誰かに尾行されてる気がする?」
「うん·····」
昼休み、学校の屋上でいつも通りに俺はゲイツとツクヨミの2人と話をしていた
話題は俺の最近の出来事。
1週間前の国会議事堂占拠事件以降、俺は何かに後ろを尾行されている感じが続いていた。
どうせお前の思い違いだ とゲイツには言われた時はそうなのかも·····と思っていたが、やはりどう考えても何者かよって尾行されている気がしてならない。
それに怪しい点がある。火野映司と再会した帰りに見かけた黒いバンを帰宅する際によく目撃している、それも出会うのは全て同じナンバーだ。
偶然にしてはあまりにも出来すぎている気がしてこうして俺はツクヨミに相談をしている。
「うーん·····今日実際にリュウトに着いて行って見るしかないわね·····」
「そうしよ! きっと今日もあの黒いバンがついてくるはず!」
放課後、ゲイツとツクヨミの2人と共に下校する事を決め俺達は午後の授業へと戻った。
·····················································································
〜放課後〜
「ほら·····あの黒いバン·····」
「確かにずっと私たちの後ろを着いてきてる·····」
「気のせいだろ·····」
学校を終え、帰路に着く3人の背後をリュウトの言う通り黒いバンが追っている
ここでツクヨミの提案で1度公園へと向かい、黒いバンに乗っている人間を1度外まで誘導してみる という作戦を決行。3人は近くの公園へと向かい、黒いバンに乗る人間の出方を伺う。
「きた·····」
ツクヨミの狙い通りだ。黒いバンからスーツ姿の男が1人降りると、こちらへと接近している
だが、俺達も何も考えず誘導した訳じゃない!
じわじわとこちらへと向かってくるスーツに男の背後からゲイツが襲いかかる
「貴様····· ジオウに何の用だ!?」
「ちょ! ちょっと待ってくれ!俺達の話を聞いてくれ!」
ゲイツに背後からヘッドロックを決められた男は俺達2人に助けを求めてきた
「あんた達は一体誰だ!? なんで俺を尾行してる!?」
「そのことについて話にきた! だからこの子を!」
「ゲイツ!1回離してあげて!」
ツクヨミの提案に渋々従いながらゲイツは男にかけていたヘッドロックを解いた
·····················································································
「ZECT·····?」
場所を変え、喫茶店へと移動した3人はスーツの男から渡された名刺に書いてある組織名に首を傾げる
「対ワームのために発足された組織だ。 俺はそこのメンバーの加賀美新。」
「それで、そのZECTとやらの人間が俺達に何の用だ?」
「ちょ·····ゲイツ。睨むのやめなよ·····」
「·····確かに君を尾行するような真似をしたのは悪かった····· けど、俺達は君達に力を貸してもらいたくて来たんだ。」
「協力? 俺達に何が」
「この前の国会議事堂占拠の時に人質奪還の為に内部に侵入したのは君達だろ?」
なんてこった····· 監視カメラに映っていたことがバレバレだ。
こんな事になるなら破壊しとけば·····
「別に君達を責める気はない。 警察も迂闊に手を出せない状況で動いてくれた君たちには俺達も感謝している。」
「つまり·····俺達の持っている力も·····」
「ああ、全て監視カメラに映っていた。 君達がマスクドライダーシステムに似た何かで姿を変えてテロリストと戦っていた映像が。だけどこのことはまだ内密になっている。 そこでだ、是非君達にはワーム殲滅のために一緒に戦って欲しい!」
「要は体のいい脅しだろ? 俺達がそんなものに屈すると思うか?」
「ちょ·····ゲイツ·····」
「確かに·····脅しみたいになるかもしれない。 だけどこのままじゃ世界が滅ぶ可能性だってある! これを見てくれ!」
加賀美新が見せたタブレットには巨大な隕石のようなものが写っている
これは····· そういえば·····!朝見たニュースに巨大隕石が接近という話題があった気がする!
「この隕石はただの隕石じゃない。 隕石の内部に未確認生物であるワームの存在が認められた」
「さっきから気になってたけど、ワームって何?」
「私がお教えしよう!」
ワームという聞きなれぬワードに困惑するリュウトの元へとまたしても唐突にウォズが姿を現した。
「ワームは仮面ライダーカブトが戦っていた地球外生命体の1つ。サナギの様な見た目をしておりその見た目の通り、成長して手がつけられなくなる怪物····· それ以外にも人間に擬態することも可能····· 違うかい?」
「大体あってるよ。 それで、ココ最近再びワームが都内で確認されている。 何としてもこれ以上犠牲者を増やさないためにも是非力を貸してほしい!頼む!」
加賀美新は俺達に頭を下げ始めた
ワーム····· 実力が未知数な相手故に何が起きるか分からないが誰かが犠牲になる前に駆逐するべき相手なのは理解した。それに····· もしかしたらアナザーライダーが関わっているかも·····
「手伝います!俺!」
「リュウト·····」
「世界が危ないんだ、手を貸しますよ!」
「·····ありがとう!」
「でも、隕石はどうするんですか? その隕石の中にワームが潜んでるなら地球にぶつかる前に破壊しないと·····」
それに隕石は映像で見る限りかなり大きい。
もしあれが地球に落ちようものならワーム関係なく損害は計り知れない
「それは·····」
「それに関しては私に案がある。」
「ウォズ?」
「都合がいいことに隕石を迎え撃つには必要な力が揃っている。 1つは宇宙に行く為のフォーゼライドウォッチ。2つ目は隕石に穴をこじ開けるためのビルドライドウォッチ。そして·····最後に私の "ギンガミライドウォッチ" 」
ウォズが取り出したのは今まで見たことも無い形のライドウォッチだ。
ギンガミライドウォッチ····· これが隕石撃破の最終手段·····
「作戦決行が決まったらまた連絡する。何かあったらその名刺の電話番号に連絡してくれ。」
「分かりました。」
話し合いを終え、喫茶店から出ようとした時。店の外から女性の悲鳴が響いた
まずいことが起きている····· そう確信した俺達は喫茶店を出ると、そこには緑色の化け物 ワームが人々を襲っていた
「あれって·····」
「あれがワームだ····· 君達はそこにいて!あいつは俺が!」
加賀美新はリュウト達にその場で待つように言うと走ってワームの元へと向かうと、急に立ち止まって右手を高く上に上げた
「来い!ガタックゼクター!」
加賀美新の声に導かれるようにリュウト達の合間を縫って青色の何かが飛び、彼の手へと辿り着く
加賀美新の手に握れられているのは青いクワガタの様な形をした機械
「変身!」
『HENSHIN·····』
加賀美新はそのクワガタ型の機械をベルトに差し込み、その身を仮面ライダーガタック マスクドフォームへと変えた
「キャストオフ!」
『CAST OFF! Change Stag Beetle!』
更にその身を変えるように、装備していたアーマーを全て吹き飛ばすと重装甲のアーマーから身軽なライダーフォームへと変え、両手に握られたガタックダブルガリバーを携えて目の前のワームへと襲いかかる
2本の剣からなる連撃はワームをあっという間に追い込ませ、怯む暇すら与えない。
ワームがある程度弱ってきたその瞬間、ワームもガタックと同じように姿を変えると、先程とは比べ物にならないスピードで今度はガタックへと襲いかかる
「あれが·····」
「ああ、いわゆる成虫状態。先程のワームは虫で言うサナギみたいなものだ。」
「あんなスピードで·····どうやって倒すんだ·····」
「マスクドライダーシステムは対ワーム用。ちゃんと策はあるさ」
ウォズの指摘の通り、成虫したワームに対抗するようにガタックはベルトの左側のボタンの様な物を押し、ワームと同じ速度で動き始める
「あれがクロックアップ。 あれで成虫状態のワームの速度にも追いつける」
「ウォズ·····詳しいね」
「·····彼らに会うのは初めてじゃないからね」
「これで終わりだ! ライダーキック!」
『1 2 3····· RIDER KICK!』
ベルトから発せられたエネルギーが足元へと溜まると、ガタックは回し蹴りの体型のまま目の前のワームへとライダーキックを叩き込んだ
これでワームを撃破!
と思っていたのだが·····
「お前·····何者だ!」
ワームを庇うように、片手でガタックのライダーキックを受け止める何かがリュウトの瞳に映った
「あれは·····!」
「我が魔王、君の想定通りさ。 今回もアナザーライダーが関わっている」
「お前は·····カブト!? いや、違う! "アイツ"ならワームを庇ったりしない····· 」
「·····」
ワームを庇ったアナザーライダー、アナザーカブトは空いている片手でガタックの胴体目掛けてパンチを叩き込み、ガタックをリュウト達の元へと吹き飛ばした
「困るんだよ····· 僕の同士を殺されたらさ·····」
「お前····· アナザーライダーか·····!」
ガタックの元へと駆け寄った俺は目の前のアナザーカブトへと問いかける
「そうとも····· 君が話に聞いていた僕の"願い"の邪魔をする最低最悪の魔王とやらだね? 」
「お前の願いはなんだ」
「決まってるだろ? この下らない世界の破滅····· もうすぐ僕の同胞を乗せた隕石がこの地球に降り注ぐ·····」
「あの隕石はお前が!」
「そうさ、全ては僕の願いのため! その為にも·····僕の邪魔をする君達ライダーにはここで死んでもらうよ」
アナザーカブトが指を鳴らすと共に、5人の目の前に大量のワームが続々と現れ始めた
「さぁ····· 楽しませてね。 世界崩壊の序章だ!」
「お前·····!」
刻一刻と迫る隕石とアナザーカブトの出現·····
果たして世界はどうなる·····
刻一刻と地球へと迫り来る巨大隕石。 ゲイツとウォズはフォーゼとギンガの力を使い、隕石破壊を目論む中、地球ではガタックとジオウの2人がアナザーカブトと戦っていた
世界の破滅を願うアナザーカブトに苦戦を強いられる2人の前にカブトゼクターが·····!
次回、「天の道の征く者2020」