「来るなら来い·····! 俺はここから絶対に脱出してやる!!」
武神鎧武とアナザー鎧武を睨みつける俺はジオウライドウォッチをベルトに差し込み回転させ、仮面ライダージオウへとその身を変えると雄叫びと共に目の前の2人へと突っ込んでいく
しかし戦況は2対1。 1人を相手をしている間にもう1人の方からの攻撃が放たれ思うように戦えない
だが·····ここで諦める訳にはいかない·····!
ウォズの加勢があるとはいえ、森の外では怪我をしたゲイツとツクヨミが危険な目に合っている·····
ジオウはジカンギレードで武神鎧武の無双セイバーの一撃を受け止めつつ隙を突いて攻撃を仕掛けようとするが、アナザー鎧武の持つ巨大な刀の一撃を背後からまともに喰らって吹き飛ばされ、身体を近くの木々に叩きつけられてその場に倒れた
一瞬目眩がして気を失いそうな程の衝撃がリュウトへと襲う
ズキズキと痛む身体を抑えながらも諦めることなく武神鎧武とアナザー鎧武へと向かっていくが、彼の攻撃は容易く受け止められ逆にカウンターの一撃を叩き込まれる事となる
はっきり言ってもう身体は限界。仮面の裏で口と鼻から流れる血が火照った身体には冷たく感じる
それでも····· 俺は·····!
再び立ち上がるジオウ。絶対にここから脱出する、その思い1つだけで彼は何度でも立ち上がる
その時だった。ジオウの前へとジッパーのような物が現れ、中から白い髪の男が現れたのだ。
「アンタも····· 俺も敵か?」
男を睨みつけるリュウト。目の前の青年に敵意を向けられていることを理解した男はにっこりと笑うとこう語った
「逆だ。 助けに来たんだ、時崎リュウト。」
「どうして俺の名前を·····」
「話は後だ、まずはここから逃げよう」
男は再び空間にクラックを開く。ジッパーの隙間には明らかに森の外の風景が拡がっている。
俺は男の言葉を信じ、勢いよくジッパーの中へと入って行くと、男もその後を追って2人はヘルヘイムの森から何とか脱出した
······················································································
「·····ん?」
再び目を覚ました俺が居たのは、アナザー鎧武によって連れ去られた時に居た住宅街だ。
あれからどれだけ時間が経ったのかは知らないが自転車もそのままらしい。
「目覚ましたか?」
俺は背後からの声に振り返ると、そこには先程の白い髪の男に似た男性が立っている
「もしかしてアンタは·····さっき俺を森から逃がしてくれた·····」
「そう、俺は葛葉紘汰。さっきと姿が違うかもしれないけど地球ではこの格好なんだ」
葛葉紘汰と名乗った男の言う通り、先程と違い服装も髪の色も違う
それに····· 地球では と言った?
「多分察してると思うけど、俺は普段は地球には居ない。 どっちかって言うと·····さっきの姿が普段の姿」
「それよりもどうしてヘルヘイムの森に?」
「俺は君にこれを託しに来たんだ」
葛葉紘汰が差し出した手にはライドウォッチが握られている
つまりこの人は‥‥
「これは·····!」
「どうやらこの世界の俺はアナザー鎧武の誕生によって力と記憶を失っている。 だからあらゆる世界に干渉出来る俺が直接これを届けに来たって訳だ。」
そう語る葛葉紘汰は明らかに様子がおかしい、体の一部が消えかかったり元に戻ったりを繰り返している
葛葉紘汰は間違いなくこの世界のアナザー鎧武誕生の影響を受けている。
「やっぱり歴史改変には抗えないか…」
やっぱりか… という表情を浮かべる葛葉紘汰
その背後でクラックが開く音とともに、空間に先程と同じようにファスナーのようなものが開いて中から誰かが出てくる
「来やがったか·····!」
中から姿を現したのはアナザー鎧武と武神鎧武の2人
森から逃げ出したリュウトを追い、ついに森の外へと出てきたようだ。
「行こうリュウト、こいつらを倒すんだ」
「はい!変身!」
『仮面ライダー····· ジオウ!』
「いつまで身体が持つか分からないが····· 2人で行くぜ! 変身!」
『オレンジ! ロックオン····· ソイヤ! オレンジアームズ!花道オンステージ!』
「さて·····ここからは·····」
「俺たちのステージだ!」
鎧武とジオウ、2人のコンビは目の前の武神鎧武とアナザー鎧武へと向かい、それぞれの戦いが幕を開ける
鎧武は武神鎧武と、ジオウはアナザー鎧武と。
先程の2対1とはうってかわり2対2のフェアな戦況へと変わった。
巨大な大剣のような物を振り回し、迂闊にジオウを近づかせないようにするアナザー鎧武。
その巨大な刀身はジュウモードのジカンギレードによる射撃も容易く受け止め、まさに攻守揃った万能武器と言えるだろう
迂闊に近づけば大剣の餌食、かと言って離れて攻撃しても容易く受け止められてしまう…
どうすればアナザー鎧武の隙を突いて怯ませられるか…
「そうだ…これ使ってるか!」
ジオウはあるライドウォッチを取り出すと起動させてベルトへと差し込む
『アーマータイム! CHANGE BEETLE! カブト!』
悩みに悩んだリュウトが出した対抗策はカブトアーマー
。
ジオウはガタック達がやったようにクロックアップで加速するとあっという間に距離を詰めてジカンギレードをで幾度となくアナザー鎧武の鎧を切りつける
誰も追いつけないスピードで動き攻めるジオウ、クロックオーバーで時間が元に戻る前に1度引き、アナザー鎧武への攻撃のに効き具合を確かめる
『クロック オーバー』
クロックアップが終わり、時間が元通りの流れとなったと同時にその場に膝を付くアナザー鎧武
カブトアーマーによるクロックアップと連撃によるコンボは確実にアナザー鎧武を追い込んだようだ。
「これで終わりだ!」
ジオウはライドウォッチをカブトウォッチからジオウllウォッチへと差し替えてその身をジオウllへと変えると高く飛び上がりベルトを回転させる
『フィニッシュタイム! トゥワイズ タイムブレーイク!』
高く飛び上がったジオウllによるキックを空を裂きながら確実にアナザー鎧武へと命中し、アナザー鎧武はその場で爆発。
舞い上がる爆煙の中から転がったアナザー鎧武ウォッチはその場で粉々になり破壊された
「よっしゃあ!!」
アナザー鎧武を打ち破り喜ぶリュウト
喜ぶのも束の間、ジオウll目掛け無双セイバーの銃弾が放たれ、ジオウllは咄嗟にその場に伏せる
戦いはまだ終わりじゃない…
改めてそう確信させるように爆煙の中から鎧武でも武神鎧武でもない、もう1人の鎧武が姿を現す
「お前… 誰だ?」
「…」
無言のまま無双セイバーをジオウllへ向けるとそのまま走りながら襲いかかる鎧武?
そしてそんな鎧武?の背後から葛葉紘汰が変身する鎧武が鎧武?へと飛びかかりそのまま地面へと押さえつける
「リュウト! お前は仲間の所へ行け!こいつは俺に任せろ!」
「わ、分かりました!」
葛葉紘汰の指示通り、その場を去るリュウト
そんな彼の背後を見届けると、視線を目の前のもう1人の鎧武へと移す。
「武神鎧武の次は…コウガネに操られた時の俺か。それなら俺も本気で行くか!」
『フルーツバスケット! 極アームズ! 大・大・大・大・大将軍! 』
宣言通り本気モードの葛葉紘汰はその身を究極の姿 極アームズへと変え、目の前に佇む過去の自分 鎧武・闇へと向けて襲いかかる
……………………………………………………………
「これで…終わりだ!」
『フィニッシュタイム! タイムブレーイク!』
「ぐわあああああ!!!!」
アナザーワールドジオウの放つフィニッシュタイムが疲弊するウォズへと命中し吹き飛ばされるとそのままウォズの変身が解かれてゴロゴロと地面を転がりその場に仰向けに倒れ込む。
「やれやれ… 頭の中では別の世界の我が魔王だと理解していても… ハァ… どうしても加減してしまう…」
「この後に及んでまだ減らず口か? お前が本気を出したら俺に勝てるとでも? 笑わせるな!」
「…フッ」
「…何がおかしい。」
微かに笑ったウォズに苛立ちを募らせジカンギレードの剣先を喉元に突きつけるアナザーワールドジオウ。
そのまま剣先はジリジリと喉元へと迫り、ウォズの喉元に金属の冷たい感覚が伝う。
「私から1つ忠告しておこう…別世界の我が魔王。 獲物を前に舌なめずりする行為は…」
ウォズの言葉が終わる前に何かがアナザーワールドジオウの背後を取ってウォズから引き離し、ジオウの腹部へと力を込めたパンチを叩き込み怯ませる
「詰めが甘い奴がする行為だ! …ウォズ、大丈夫か!?」
「我が魔王… そちらこそよくぞご無事で…」
「ちょっとした援軍があってね!」
「チッ… どうやってヘルヘイムの森から抜け出したかは知らないがやはり来たか」
「ああ!来てやったぞ! たとえお前がもう1人の自分だとしてもお前がやった事は絶対に許さない!」
『ジオウ…ll!』
「この世界にジオウは1人だけでいい。 消えるのは俺じゃない、お前だ!」
『ライダータイム! 仮面ライダー… ライダー! ジオウ… ジオウ! ジオウ!! ll!!!』
「我が魔王、私も一緒に戦おう。 君がここにいるならわざわざ手加減しなくて済む」
「え?身体大丈夫なの?」
「ええ勿論。」
『ウォズ!』
「変身。」
『フューチャータイム! スゴイ! ジダイ! ミライ! 仮面ライダーウォズ! ウォズ!』
ジオウllとウォズ。 そして対するはアナザーワールドのジオウ。
睨み合う両者は同時に駆け出し、戦いの火蓋が切って落とされる
ジカンギレード サイキョーギレードの二刀流でもう1人の自分を相見えるジオウllは、アナザーワールドジオウのジカンギレードの攻撃を容易く受け止めるとその隙を突いてウォズの一撃がアナザーワールドジオウを怯ませ、サイキョージカンギレードとなった大剣の一撃がゲイツ ウォズの連戦で疲弊するアナザーワールドジオウへと直撃し、さらに追い込んでいく。
「…貴様ァ!」
激昴するアナザーワールドジオウはジカンギレードをジュウモードへと変形させ2人目掛けて乱射しようと構えた瞬間
「見えるぞ、お前の未来!」
ジオウllの未来視でこれから起こるアナザーワールドジオウの動きを全て読み取り、こちらへと飛んでくる銃弾全てを軽々躱しながらあっという間に距離を詰めてサイキョージカンギレードの一撃を叩き込む
「ウォズ!」
「ええ!」
『ビヨンドザタイム!』
怯んだアナザーワールドジオウの背後にキューブ状の時計のようなエネルギーが現れると、ウォズのキックでその時計型エネルギーにアナザーワールドジオウを閉じ込める
そしてその隙にジオウllも高く飛び上がりベルトを回転させフィニッシュタイムの構え
『フィニッシュタイム! トゥワイズ タイムブレーイク!』
封じ込まれ身動きの取れないアナザーワールドジオウへとジオウllのキックが炸裂すると、アナザーワールドジオウを封じ込めた時計型エネルギーもそのまま爆発。
ウォズのタイムエクスプロージョン、ジオウllのトゥワイズ タイムブレイクをまともに食らったジオウは断末魔の声と共に爆発し、そのまま地面に倒れ込んだ
粉々になったジオウライドウォッチが2人の必殺技の威力を示すようだ
「お前の負けだ。 もう1人の俺。」
「フッ… やっぱり駄目か、1人じゃ。」
仰向けに倒れ込むもう1人のリュウトは空を見上げて微かに笑いながら、その瞳に涙をうかべる
「綺麗な空だな。 俺の世界じゃこんなに青い空なんて見れねえ。 全部俺が招いた事とは言え、こんなに青い空見んのはいつ以来だっけか」
「お前の世界じゃ青空なんてないのか?」
「俺は魔王になる道を選んだ。 そのために全てを捨てた 捨てる必要があった。仲間も家族も自分の国も。そうしないと守れなかった。 だけど、お前は違う。」
「?」
「俺とは違って今のお前には仲間も家族もいる。 俺が全てを守るために捨てたもの全部お前は持ってる 力も。 これは俺からの忠告だ… 仲間は大事にしろ。」
そう語るリュウトの身体は光始め、名残惜しそうに再び空を見上げる
「俺にもあったのかな。 最低最悪の未来を招かない選択肢が。」
「きっとあるさ、今でも!」
「そっか、そうだといいな」
アナザーワールドのリュウトの身体は光の粒となってその場から消え、粉々になったジオウライドウォッチだけがその場に残る
俺はそっとそのライドウォッチを拾い上げると、風と共に空の彼方へと散っていった
「俺は絶対にこの世界に最低最悪の未来を訪れさせない!」
……………………………………………………………
全てが終わり、病院へと運ばれるゲイツとツクヨミ見守るリュウトとウォズ。
幸いにも命に関わる程の怪我ではなかったようで俺は思わず安堵のため息が零れる
2人を乗せた救急車が走り去るのを見守るリュウトの背後から聞き覚えのある青年の声が聞こえ、リュウトが振り返る先には葛葉紘汰が居た。
「紘汰さん!無事だったんですね!」
「ああ、そっちも終わったようだな!」
「成程、ヘルヘイムの森に幽閉された我が魔王を救ったのは仮面ライダー鎧武…」
「リュウト、これを。」
葛葉紘汰はリュウトの手に今度こそ鎧武ウォッチを握らせる
「本当にいいんですか? これを渡したら貴方は…」
「これはお前が持つべきものだ! アーマとやらを倒す為に必要なんだろ?」
「なぜその名を…!?」
「リュウト、これからお前は幾度となく苦しみ選択を強いられる それでも戦うか?」
「はい… 世界を救う事がこの世界の俺に与えられた使命だと思ってます そのために俺はここまで戦ってきたんです。」
「そうか。 なら俺からの最後の助言だ。 お前達が探してる辛島という男は生きている。 そしてそいつが全ての鍵を握ってる」
「辛島が生きている…」
葛葉紘汰の言葉に思わず反応するウォズ
そして同時に葛葉紘汰の身体が光だし始めた
「そろそろ限界か… リュウト、これから先も仲間を信じろ。そうすれば必ず道は開ける。 そして自分だけでなく仲間を信じろ それこそが 王 だ。 ってお前と同じ力を持つ青年にかつて話したな…」
「(我が魔王…)」
「紘汰さん、短い間でしたけどお世話になりました!」
「頑張れよ、最高最善の王様。」
葛葉紘汰はそう語り笑うと、同じように光の粒となり消え去った
俺は空を見上げて鎧武ウォッチを握りしめる
「最高最善の王様か。 悪くないな!」
これで手に入れたライドウォッチは14個。
残すライドウォッチは…あと5つ。
鎧武ウォッチを継承したリュウトは次なるウォッチ継承の為動き出す。
ゲイツとツクヨミが運ばれた病院にタイムジャッカーの魔の手が忍び寄り、原因不明の謎の病気に蝕まれる2人
ゲイツとツクヨミを救う為、リュウトとウォズは謎のゲーム 仮面ライダークロニクルに参戦しそこで同じく原因不明の患者を救う為に戦う天才ゲーマーと出会う
次回、「ドクターゲーマー2020」