仮面ライダージオウ 〜もう1人の魔王〜   作:ももももると

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アーマの策略でヘルヘイムの森へと幽閉されたリュウトの元へと現れたのは始まりの男 仮面ライダー鎧武だった。この世界の自分はアナザー鎧武誕生の影響により記憶と力を失っていると考えた葛葉紘汰は自らリュウトの世界へと現れて鎧武ウォッチと辛島が生きている事を告げた後、歴史改変の影響で消滅してしまう。
最後の切り札であるグランドジオウウォッチ完成へ向け次なるライドウォッチ継承を急ぐリュウトだったが、病院に運ばれたゲイツとツクヨミの2人にタイムジャッカーの魔の手が忍び寄る…


『ゲームの力で戦うドクターライダーは…』




「ドクターゲーマー2020」

アナザー鎧武を倒し、鎧武ウォッチを継承して2日経った。

ツクヨミとゲイツの2人は懸命なリハビリを行い戦線復帰に努めているらしいが、今日の俺はそんな2人とは別行動で、ある場所へと向かっている

 

「見えた… 懐かしいなあ…」

 

電車の窓から映る巨大なタワーを見て思わず声が零れる

今日俺が向かっているのは何を隠そう風都である

と言ってもここに来たのはただの観光では無い、ある人物に会いに来た。

 

電車を降り、駅から出て直ぐにその人物は俺を待っていてくれている

相手はまだ自分に気づいていない、俺は手を振りながらその相手の名前を呼び駆け寄った

 

「おーい!翔太郎さんー!」

 

「おっ!久しぶりだな、リュウト。」

 

俺が風都まで来て会いたかった人物…それは左翔太郎さんだ。

彼はこの風都の街で探偵をしているだけでなく、仮面ライダーWのライドウォッチを俺に預けてくれた人物だ。

 

「それで…早速だがわざわざ俺に会いに来た理由ってのは… ってここじゃなんだから俺の事務所行くか」

 

……………………………………………………………

 

場所を移し、左翔太郎が経営している探偵事務所へとやってきた俺は出された飲み物を飲み干して本題に移る。

 

「この人を探して欲しいんです」

 

俺はポケットから取り出した辛島進の写真を翔太郎さんの前へと差し出す

 

「こいつなんかで見た顔だな…」

「C.O.M.という研究所の所長…という事だけ分かっています。ある日を境に突如失踪しました」

「そうだ…! だいぶ前の研究所の所長失踪事件の! で、なんでお前がこいつを?」

「僕は5歳の時の記憶がないんです。消えた記憶にこの人が関わっている…らしいんですけど確証がなくて。」

「分かった、俺のツテを使って探してみる。だが見つかる確証は無いぞ それでもいいか?」

「はい! お願いします!」

 

俺は翔太郎さんに礼を言い、探偵事務所を後にした

帰りの電車に乗るため、駅に向かう俺の元へと1本の電話が。

ツクヨミからだ

 

「もしもし? どうした?」

「アナザーライダーが…! 病院に!」

「本当か!?」

「ゲイツは眠ったままだし…このままじゃ きゃあ!」

「ん…? おい!ツクヨミ? おい!! クソ!!!!」

 

ツクヨミの叫び声と共に通話が途切れ、俺はスマホを握りしめる

まさか病院を襲いに来るとは… アナザーワールドの俺を使ってゲイツとツクヨミを消しに来た事と言い余程2人の存在が邪魔らしい…

 

「タイムマジーン!」

 

電車で帰る予定を辞め、近くの空き地へとタイムマジーンを呼び出して乗り込むと、ツクヨミとゲイツが入院していた病院へ向けて急いで向かう

 

……………………………………………………………

 

病院に到着した俺の目に入ったのは、入口に立ち入り禁止テープが貼られ現場検証の為、大量の警察官が並ぶ光景だった。

俺は現場を一目見ようと集まる野次馬の中を割って入り、近くの警察官へと事情を聴く

 

「すみません!ここで何が!?」

「病院内で怪物のような者が手当り次第に人襲ったんです 危険ですから中に入らないでください!」

「その怪物は!?」

「姿を消しました。まだ近くにいるかもしれません兎に角ここから離れてください!」

「俺の友達が襲われたっぽいんです! 襲われた人達は何処に居るんですか!?」

「怪物に襲われた患者の方々は皆 聖都大学付属病院に運ばれました 」

「ありがとうございます!」

 

俺は野次馬の群衆から離れ、スマホを取りだしてSNSを確認する

あった… 病院内の動画だ

「病院に化け物現る!」というツイートと共に掲載されている動画にはピンク色の怪物が病院内に押し入り暴れている様子が流れている

この見た目…恐らくアナザーライダー…

 

「我が魔王。」

 

背後から聞きなれた呼び方

スマホを仕舞い振り返ると、そこには申し訳なさそうな顔をするウォズの姿があった

 

「すまない… 私が彼らの元にいればこんな事には…」

 

「いや、ウォズは悪くないよ。悪いのは病院にまでアナザーライダーを向かわせた奴らだ。 それに奴らはついに超えちゃいけないラインを超えた。 奴らにも最低限の良心があるなんて信じてた俺が馬鹿だったんだよ」

 

今回の事でやはりタイムジャッカーは1人残らず潰すべきだと確信した

どれだけ悪いことをしてきた人間だとは言え、病院を襲うのは度を超えている。あってはならない。

 

「ウォズはあのタイムジャッカーに心当たりがある?」

 

「勿論、あれはアナザーエグゼイド。恐らくだがゲイツ君達をバグスターウイルスに感染させるのを目的にここに送ったはずだ」

 

「バグスターウイルス…?」

 

「ゲーム病という病気を発症させるウイルスでね、手遅れになれば肉体が崩壊してしまう恐ろしい病だ。現状、克服する手段は1つ… ゲイツ君達の肉体が消滅する前にアナザーエグゼイドを倒すしかない 不幸中の幸いか、エグゼイドの力の聖都大学附属病院にあるすぐに向かおう」

 

「ああ!」

 

俺とウォズの2人は急いで2人が運ばれた病院へと向かった

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「明光院ゲイツとツクヨミがバグスターウイルスに感染した… ここまでは貴様の狙い通りという訳か。」

 

「如何にも。」

 

廃工場の暗い工場内ではアーマとスウォルツによるこれから先の動きに関する話し合いが行われていた

この場にはウールとオーラは居ないが。

 

「ゲイツが戦えない今こそこのアナザーディケイドの力でジオウとウォズを潰すべきだ」

 

「何度も言わせるな… ジオウにはまだ利用価値がある。 少なくとも大いなる力を生み出すまではな。 ただし明光院ゲイツは別だ、私がこれから描く物語に奴らは必要ない。 ウォズも同じだ。」

 

あくまでもアーマのジオウはまだ殺すべきでは無いという意思は変わらない。

一方のスウォルツはゲイツ共々ジオウを消すべきという考えを持っている

 

「やはり貴様とは考えが合わないようだな… アーマ。」

 

「それはこちらのセリフだ だが、だからどうするという? 私が与えたその力で私をアナザーワールドに送るか?」

 

スウォルツの手に握られたアナザーディケイドウォッチを見つめ冷酷に言い放つアーマ

スウォルツはしばらく沈黙を続けた後に口を開く

 

「はっきり言おう、貴様からこの力を得た時点でお前は用済み…。 お前はジオウを利用しオーマジオウに近しい力を得ようとしているようだが、その夢は叶わん」

 

「何…?」

 

自らの本心をさらけ出しニヤリと笑うスウォルツに対してフードの下から怪訝な表情を浮かべるアーマ

 

「世界に王は1人でいい。だがその王になるのはアーマ、お前でもジオウでもない。 この私なのだよ!」

 

『ディケイド…。』

 

アナザーウォッチの力がスウォルツを包み込み、その身をアナザーディケイドへと変えるとアーマの首を掴みあげる

 

「愚かだ…お前は…! 貴様は所詮、私が生み出した舞台装置でしかないというのに…! この私に楯突くとは!」

 

「何が言いたいかは知らないが… もはや貴様の助言も意見も聞かん。ここで死ね」

 

そう語るスウォルツによるアーマの首を絞める力は次第に強くなっていく

このまま行けば首の骨が折れ、まもなくアーマが死に絶えるというその時、アーマの首を絞める手へと銃弾が命中。突然のことに力が緩み、アーマは遂にアナザーディケイドの手から解放された

 

「誰だ… オーラか ウールか!?」

 

暗闇の中から2人の元へと歩み寄る者。

次第に強まる靴の音と共に暗闇から金髪の青年がディエンドライバーを構え、現れる。

 

「僕の雇い主を殺すのはやめて貰えるかな?」

 

「貴様、何者だ」

 

スウォルツの投げかけに対してフッと笑い

ディエンドライバーをクルクルと巧みに回してライダーカードを取り出すとこう告げる

 

「仮面ライダーディエンド、怪盗さ」

 

『カメンライド… ディッエンドー!』

 

「まさか仮面ライダーディケイドの仲間か!?」

 

「悪いけど、その質問に答える気はないよ。急いでるんでね!」

 

『カメンライド! ライオトルーパー!』

 

ディエンドによって召喚された三体のライオトルーパーは一目散にアナザーディケイドの元へと向かい、スウォルツは応戦。

その間にディエンドはアーマの元へと駆け寄るとインビジブルで共にその場から姿を消す

ライオトルーパーは瞬殺するアナザーディケイドであったが気づいた時には既にその場にディエンドとアーマの姿はなく、スウォルツは完全に2人を取り逃がすこととなった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

一方、聖都大学附属病院に到着したリュウトとウォズの2人。

2人は案内されるまま病院の地下へと連れていかれ、CR(電脳救命センター)へと辿り着いた。

内部はどういう理由があってか思ったより広大、そしてチラッとだが何故かゲームの筐体が置いてある

 

「こちらです。」

 

仮野と書かれたネームプレートを胸につけた看護士に連れられ入った個室には昏睡状態のツクヨミとゲイツが横たわっていた

 

「ゲイツ・・・ ツクヨミ・・・ ごめん・・・」

 

これまで共に戦ってきた仲間の弱り果てた姿を見たリュウトは思わずポツリと呟き、その場に膝から崩れ落ちる

その姿を憐れみの目で見守る看護士とウォズ

そんな3人の元へと1人青年がやって来た。

 

「2人の担当医の 宝生永夢 です。 よろしくお願いします。」

 

 

場所を変え、先程のゲームの筐体が置いてある部屋へと場所を移した4人。

そこには室内だと言うのにサングラスをかけたアロハシャツの男性が4人の到着を待っていた

 

「あの人は・・・?」

 

「同じくCRのメンバーの九条貴利矢先生です」

 

医者だと言うのになんというラフな格好なのだろうか

 

「あのここは…?」

 

「ここはCR、主にバグスターウイルスに感染した患者さんを収容する施設です。 本来は一般の方を入れることは殆どないんですけど貴方達をここに連れてくるようにと国の方から」

 

「国…? もしかしてその人国会議員でしたか!?」

 

「確か… 貴方達に力を貸してあげて欲しい と。」

 

誰だかはすぐに分かった。

アナザーオーズによる官邸占領事件の時に共に戦った火野さん・・・

なんてありがたい根回しをしてくれたのだろうか

 

「それで… アンタらは何者だ?」

 

こちらの正体を伺う九条貴利矢から問いかけが飛んでくる

 

「俺達は… 仮面ライダーです。」

 

「!?」

「…!」

「うそ…」

 

この反応…。恐らくだがこの人たちはライダーとしての記憶も力も失ってない

て事は、アナザーライダーはこの時代で産み出されたか

 

「あの二人を襲ったこいつを倒す為に貴方達の力を借りようと思ってここに来ました」

 

俺はスマホを取り出して3人へとアナザーライダーの動画を見せる

 

「永夢、こいつ お前のマイティアクションXに似てないか?」

「確かに…」

 

「そいつはアナザーエグゼイド、貴方の偽物みたいな者です。 そしてアナザーライダーは同じ力のライダーでしか倒せない。だから貴方達の力が必要なんです!」

 

「君たちがここに来た理由は分かった。俺達も手伝うよ!」

 

「…ありがとうございます!」

 

これでエグゼイドの協力を得た!

あとはアナザーエグゼイドを破るのみ・・・

 

「大変だ!大変だ!」

 

突如として開くドアから急いで現れる白衣の男性

余程急いでいるのか息が切れている

 

「院長、どうしたんですかそんなに急いで?」

 

「ま、街で… 」

 

「街で?」

 

急いでスマホを取りだした俺はSNSで何が起きているかを確認する

すると出てきたのは街に大量の"何か"が人々を襲っている様子だった

 

『ゾンビ現る!』

 

「なんだこれ… まるでゾンビみたい…」

 

「ゾンビ…? まさか…! 行くぞ永夢!」

「…はい!」

 

「ちょっ! 何処に!」

「我が魔王、私たちも向かおう」

「う、うん!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

街に向かった俺達が目の当たりにしたのは6体の怪人…とも仮面ライダーとも言えるような見た目の何か。

腰にはベルトのようなものが巻かれているのを見るに、もしかすると目の前で暴れているのはどちらかと言うと仮面ライダーなのかもしれない

 

「どうしてあの人達はゲーマドライバーを…! 持っているのは僕達と花家先生と鏡先生なだけなはず!」

 

「フハハハハハ!!!」

 

どこからともなく聞こえてくる男の高笑いに一同は振り向くと、そこにはスーツ姿の男の姿があった

 

「アンタは… 檀コーポレーションの…」

 

九条貴利矢の口から出た檀コーポレーションの名前

ゲームが好きなリュウトにとって檀コーポレーションは聞きなれた名前のゲーム会社の1つ。

という事は、目の前にいるのは…

 

「ついに…ついに完成した! これこそこの私が追い求めたゲーム… "ゾンビクロニクル"!!」

 

 

 

 




檀黎斗の手によって始まったゾンビクロニクルにより街は大パニック! 街に続々溢れかえるデンジャラスゾンビをレーザーとウォズが相手をする中、ジオウとエグゼイドはゲイツツクヨミ奪還に向けアナザーエグゼイドとついに対峙。 果たして2人はゲイツとツクヨミの運命を変えられるか

次回、「アイム ア 仮面ライダー! 2020」
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