仮面ライダージオウ 〜もう1人の魔王〜   作:ももももると

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未来から来た青年 紅正夫と出会ったリュウト達
仮面ライダーキバでもある彼と協力してツクヨミ奪還へと向かう彼らの前に立ち塞がるイマジン ファンガイア ティードによる3連合。
黒崎レイジ G電王や桜井侑斗 仮面ライダーゼロノス モモタロスの助けもありリュウト達はジオウトリニティという新たな力を得てアナザーキバを破った

残すライドウォッチは後2つ
グランドジオウウォッチ完成を急ぐリュウトの前に魔法使いからの挑戦状が…


『魔法の指輪でショータイム! 宝石のライダーは…』


「魔法使いからの挑戦状2020」

「さみぃ〜!」

 

昼休みの時間、リュウトは誰もいない屋上で1人震えていた

月日は過ぎ、今は12月。はっきり言ってこの時期にわざわざ寒い屋上にいる方がおかしいのだが、リュウトは屋上から見える景色を見ながら食べる弁当が好きな為、この寒い時期にも関わらず1人で震えながら食事をとっていた。

自販機で買った温かいココアを飲みながら体の芯から温める。 これこそ冬の楽しみの一つと言えようか

アナザーキバ撃破から1ヶ月以上過ぎたがアナザーライダーによるものと思わしき事件はバッタリ消えた。

当然、俺達はいつ何が起きてもいいように心の準備はしている。

残されたライドウォッチは2つ。

19のライドウォッチ継承というゴールは既に見えている、だがグランドジオウウォッチ完成が終着点では無い。

俺は…この世界でアーマの野望を終わらせる。

脳裏に浮かぶ黒い外套の男を思い出しながら再び心に固く誓った。

 

「ジオウ!」

 

突如として屋上への扉が開くと共に俺の別の名を呼ぶ声がした。

ゲイツだ。

いつものハーネス姿とは違い、この学園の制服を着た彼は何か言いたげな顔をしながら俺の元へとやってくる

 

「教室を訪ねても居ないかと思えば…この寒い中1人で食事か?」

 

「別にいいだろ、俺がどこで飯食おうなんて。 それより、何か急用か?」

 

ゲイツはそうだった!とも言うような顔で持っていたスマホの画面を見せる

 

「なにこれ?」

 

「いいから見ろ」

 

ゲイツが見せてきたのは某動画サイトに上げられた動画だった

タイトルは… 「仮面ライダージオウへ」!?

俺は驚きながら動画を再生する

そこには覆面の様な物を被りながら何かを語る男の姿があった。

 

『仮面ライダージオウ、私は"カラス" これは君達への挑戦状だ。 私はこれから人の手では有り得ない方法で人を殺める。 止めれるものなら私を止めてみたまえ、私は君の正体を知っている 同時に君も私の正体を知っている筈だ』

 

カラス そう名乗った男はジオウの正体を知っている、それに俺は奴の事を知っている?

 

「思い当たる節はあるか?」

 

「ない。」

 

全くない。 そもそも知り合いが少ないというのもあるがわざわざ動画サイトで挑戦状を叩きつける程アグレッシブな事をする知り合いは存在しない

質問してきたゲイツも『だろうな』と言いたげな顔をしている

 

「とにかく、こいつが言ってることが本当なら…」

 

「ああ、アナザーライダー絡みだろうな」

 

…………………………………………………………

 

「ここは…?」

 

気づくと俺は見覚えのある街に居た

そっくりそのまま、俺が暮らしている街だ。

しかし何かが違う感じがする… 日は出ている、時刻は分からないが空を見る限りは昼過ぎ位だろうか?

なのに… 何故か街には人の姿が全く見えない

不思議に思った俺は歩き出し散策するが本当に誰もいない。 いつもは待ち合わせ場所として人がたくさんいる銅像の前も、買い物客で賑わう商店街も、まるでこの世から人という概念が全く無くなったように静寂に包まれていた。

 

「どうなってんだよ…!?」

 

何かが聞こえる… 耳を澄まして聞いてみると、何かと何かがぶつかる音がした

聞こえてくる音だけを頼りに歩き出す俺。 そんな俺の目に入ってきたのはジオウと戦うウォズとゲイツの姿だった。

 

「…ジオウ?」

 

ジオウと言っても普通の状態でもジオウllでもない。

恐らく俺が全てのライドウォッチを継承した果てにたどり着くジオウの姿、グランドジオウだろうか?

そのグランドジオウはどういう訳か仮面ライダーウォズと仮面ライダーゲイツの2人と戦っている

 

「なんでジオウかゲイツやウォズと…?」

 

答えを得ようと近づく俺の目の前が突如として真っ暗にになりこの夢は終わった…

 

………………

 

……………………

 

…………………………

 

………………………………

 

「やっぱ夢か…」

 

目を覚まし起き上がった俺は真っ暗な部屋でポツリと呟く。

枕元のスマホを開き時刻を確認。……午前3時

起きるには大分早すぎるが、変な夢を見たせいで眠気が吹き飛んでしまった。

まず思った事。 何故俺はグランドジオウ?の姿を知っている?

夢の中でゲイツとウォズが対峙していたのは恐らくジオウ。腰には同じジクウドライバーが巻かれ、俺が持っているのと同じジオウライドウォッチが装填してあった。

あの姿のジオウは正しく全てのライドウォッチを継承した果ての姿。身体の所々にはこれまでに出会ったライダーと思わしき姿が刻み込まれていた

 

次に何故ジオウはゲイツとウォズと戦っていた?

ゲイツとウォズの2人は俺の大切な仲間だ。もし仮にあのジオウが俺だったとして何故俺は彼等と戦っていたのか。

理由があっての対立…?

分からない。 先程見たのが単なる悪夢程度ならいいが予知夢としたなら最悪だ。

俺は既にいつも見ていた悪夢が現実になった経験をしている。 先程の夢が予知夢だとしたら…俺はあの二人と近いうちに対立する事になる…

 

 

「やーめた」

 

深く考えるのはよそう。 今はとりあえず悪い夢を見た程度に考えることにして、再び毛布の中へと潜った。

 

………………………………………………………

 

「おはよー」

 

大きな欠伸と共にリビングへと向かう俺

結局あの後一睡も出来ずに朝を迎えた。

食卓に並んだトーストを1枚取って齧りながらテレビをつける

相も変わらず興味のないニュースばかり、芸能人の不倫 政治家の汚職…そんなものはどうでもいい。

俺が知りたいのは自らを カラス と名乗った男による凶行だ。

 

『次のニュースです。 昨晩渋谷区の路上で溺死死体が見つかり、警察は捜査を続けています』

 

ニュースに映し出されたのは被害者が倒れていたとされる現場。

ここは何度か通った事があるため周辺の様子は大体分かるが、近くに川がある訳でもない

周辺に水気の物がない街の中心で溺死死体が見つかるなんて死体遺棄か何かだろうか

ふと脳裏にカラスの犯行予告が過ぎる

 

『"私はこれから人の手では有り得ない方法で人を殺める"』

 

…正直これだけでカラスの犯行だとは断言し辛い

てか、カラスが言ってた 『君も私の正体を知っている』という言葉に引っかかりを感じる

 

「…分かんねえ」

 

俺はトーストを胃に押し込むと、コップ1杯の牛乳を勢いよく飲み干して、出かける用意を始めた。

 

 

世間はクリスマスムード1色。

街にはクリスマスツリーやイルミネーションの飾りが見て取れる。

高校生活最後のクリスマスだと言うのに… 彼女もいなければ、クリスマスに現を抜かす余裕もない。

全く最悪のタイミングで厄介に巻き込まれたな…

初めてゲイツとツクヨミと出会った事、初めてジオウとしてアナザービルドと戦った事を思い出しながら街を歩く。

数時間後 用事が終わり帰路へとつくリュウトは1人で河川敷を歩く

今日も相変わらず寒い。

しっかりと上着を着込んで来たはずだがビュービューと容赦なく吹く風に苦しめられる

 

「それにしても…風強くないか?」

 

家を出た時と比べて風がとてもなく強くなっている

天気予報に強風警報などなかったはずだが…

 

『キャー!!』

 

悲鳴だ。 辺りを見渡すと竜巻が突如として発生し人々を呑み込もうとする様に動き出す

 

「竜巻!? 」

 

強い風の原因はこれか!?

どうする…? 竜巻相手にしたことなんて無いし…

リュウトがどうこう考えている間にも竜巻は威力を増して街の方へと向かおうとしている

 

「ああ!くそ!」

 

俺はジクウドライバーを腰に装着するとジオウライドウォッチを起動させながら単身、竜巻へと向かっていく

 

「変身!」

 

『ライダータイム! 仮面ライダー…ジオウ! アーマータイム! サイクロン!ジョーカー! Wー!』

 

ダブルアーマーへとその身を変えた俺は移動する竜巻の前に立ち塞がるとフィニッシュタイムの構えに入る

 

「同じくらいの威力ぶつけて… かき消してやる!」

 

『フィニッシュタイム! マキシマム! タイムブレーイク!』

 

じわじわと迫ってくる竜巻へと向けて渾身の回し蹴りを放ち、同じサイズの竜巻を発生させてぶつける

ジオウの狙いは的中、ぶつかりあった竜巻同士は一つになると消滅し事なきを得た

 

「やっぱり… お前か」

竜巻が消滅した場所に何かが立っている

ジオウは即座にそれが何を理解して戦闘態勢に入った

 

「お前がカラスとやらか?」

 

「仮面ライダー…ジオウ 」

 

目の前に立つ赤い怪物。

恐らくアナザーライダー。残された2つのライドウォッチの一つ 仮面ライダーウィザードのアナザーライダーだろうか。

 

「はああああ!!!」

 

最初に動いたのはジオウだ。

目の前に静かに佇むアナザーウィザードへとジオウは殴り掛かる。対するアナザーウィザードは、ジオウの拳が後数メートルで当たるという寸前にその場から姿を消した

「逃げた!?」

 

空振りするジオウのパンチ。 相手を失ったジオウの拳は虚空を切る

 

「後ろだ。」

 

声がした直後、振り返ったジオウへとアナザーウィザードのパンチが顔面へと入る

その凄まじいパワーによって吹き飛ばされるジオウ。

 

「それなら!」

 

ジオウは吹き飛ばされ仰向けになった体勢のまま、ジュウモードのジカンギレードでアナザーウィザード目掛けてありったけの銃弾を叩き込む

 

『ディフェーンド!』

 

地面に現れた黄色い紋章と共に岩の壁がアナザーウィザードを守ると、弾丸は岩の壁にめり込み、アナザーウィザードに傷1つつかなかった

 

「時の王者とやらは…この程度か」

 

「てめえ…!さっきから魔法みたいなことばっかりしやがって…!!」

 

「魔法みたいなことでは無い。 魔法だ。」

 

『バインド!』

 

突如として鎖の様なものがジオウを縛り、リュウトは全くもって身動きが出来なくなる

どれだけ力を入れてもビクともしない鎖。

そんな彼へと迫るアナザーウィザード。

まずい…!そう思った瞬間、アナザーウィザードの背後へと銃弾が命中し、意識が彼の背後へと向く

 

「ゲイツ!」

「こいつがあのカラスとやらが変身したアナザーライダーか」

 

そう語るゲイツの後ろにはファイズフォンXを構えるツクヨミの姿もあった

 

「余計な邪魔を…」

 

『テレポート!』

 

「待て!」

 

ゲイツ達の乱入に興ざめしたのだろうか、アナザーウィザードはテレポートでその場を去り消え去った

どうであれ助かった、身体を縛っていた鎖は何とか断ち切れ、思うように身体を動かせるようになった

 

「あれがアナザーウィザードか」

 

「ああ、厄介な相手になりそうだ」

 

リュウトはアナザーウィザードが魔法を駆使しながら自らを追い詰めた事を思い出しながらゲイツへと告げる

っと、スマホに着信が入ってる。誰からだろう

 

「もしもし…」

 

『俺だ』

 

「その声… 翔太郎さん!お久しぶりです!」

 

電話の主は左翔太郎だった。

彼とは数ヶ月前に風都で出会った以来。

彼から電話があったということは"あの件"だろうか

 

『辛島進の事だ。 悪いが俺のツテを辿っても見つからなかった』

 

「いえいえ、わざわざ探してくれてありがとうございました! あとは俺が探します」

 

『力になれなくて悪ぃな、また頼みたい事あったら遠慮なく言ってくれ』

 

「はい!ありがとうございました!」

 

「誰から?」

 

「翔太郎さん、。ほら、アナザーWを追ったときに一緒に戦った…」

リュウトはゲイツとツクヨミに翔太郎へと頼んでいた依頼の事を話す。

 

「つまり…お前はその辛島進とやらに会いたいのか?」

 

「まぁ、命の恩人らしいからね。 俺にはその記憶が無いけど」

 

俺は5歳の時の記憶が欠落している。 交通事故にあい、死の淵をさ迷っていた俺を辛島進という男の考案した研究によって一命を取り留めたのだ。

その礼が言いたい、ただ辛島進は長い間行方不明になっていた。

 

『辛島進は生きている』

 

リュウトは葛葉紘汰に言われたあの言葉を思い出す

辛島進… ん?

辛島 進

カラシマ ススム…

 

「まさか…!?」

 

俺の中で点と点が繋がった気がした

 

『私は君の正体を知っている 君も私の正体を知っている筈だ』

 

「どうしたジオウ」

 

「カラスの正体が分かった…」

 

…………………………………………………………

 

「…ここは?どこだ?」

1人の青年が街を彷徨っている

気づけば全く知らない街に居た、そんな風に辺りをキョロキョロと見回す

ここに辿り着くまでの事を思い出せ…

そう考える青年の背後から聞き覚えのある声が聞こえた

 

「仮面ライダーウィザード、操真晴人だな」

 

操真晴人、そう呼ばれた青年は自らの名を知る男の方へと振り向く

 

「アンタ… 魔宝石の世界に居た…!」

 

「ようこそウィザード、ジオウの世界へ」

 

門矢士はそう語ると微かに笑った

 

 




ジオウの世界へと迷い込んだ操真晴人 仮面ライダーウィザード。この世界の自分が力を失い、別の人間がウィザードへと成り代わり悪事を働こうとしていることを知る。
一方、カラスの正体を知ったリュウトは答えを得るためにアナザーウィザードを追う。
果たしてリュウトは操真晴人からウィザードウォッチを継承できるか
答えを得る為の戦いが幕を開ける。

次回、「最後の希望2020」
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