そして迎える最終局面、グランドジオウウォッチを奪うべく動き出すアーマ 目的のためにライダーを倒すべく戦いを挑むスウォルツ そして、世界を元に戻すために両者に立ち塞がるジオウ達…
混沌とする戦況… それぞれの思惑が交差する中で世界の崩壊が始まった。
最後のライドウォッチ ブレイドの力を継承したリュウト達。
近い内に起こるであろう最終決戦へと向け、リュウトは束の間の平和な日常を楽しんでいた。
◇◆◇◆◇◆◇
「おはようー……」
大きな欠伸と共に静まり返ったリビングへとやって来たリュウトは、ソファへと腰掛けてテレビの電源を入れると、ぼーっとニュースを見ていた。
今日は両親二人とも揃って朝早くから家を空けているので、机には『起きたら食べてね』というメモと共に、すっかりと冷めきった朝食が置いてあった。
巻かれていたラップを剥がし、リュウトは食パンに齧り付きながらテレビを見ていると、あるニュースが目に入った。
『風都に謎の森!?』
という大々的なスクープ。
内容をよく見ると、かつて何度か訪れた事のある風都の街の中心部へと、昨日までなかったはずの木々が生い茂り、森と化しているというニュースだった。
はっきりいって有り得ない話。半ば半信半疑でニュースを見ていたリュウトだったが、テレビの画面に映ったその森の様子には何処か既視感を覚えた。
「ここ…… どっかで……?」
その直後、頭が割れるような強い頭痛と共にある光景が脳裏へと流れた。
血塗れた鎧武者が男性へと襲いかかり、男性を怪物に変える様……
思い出した、あそこは…!
「ヘルヘイムの森……!」
ヘルヘイムの森、かつてアナザー鎧武によって連れ去られた場所。あの時は別世界からやって来た仮面ライダー鎧武 葛葉紘汰の手助けによって脱出したのだが、なぜあの森が突然風都の街に…?
まずいことが起きている。胸の辺りがザワつく。
まずはゲイツやツクヨミへと連絡を…
そう考えてスマホへと手を伸ばそうとしたリュウトだったが、机の上に置いていった自分のスマホヘと手が届く前に意識が暗闇へと呑まれた。
◇◆◇◆◇◆◇
「…」
「…」
「…ん」
自分の顔を照らす眩しい何かに意識を呼び起こされ、リュウトはムクリと起き上がると、何故か荒野の真ん中へといた。
荒野に居ることに気づいた時には驚いたが、直ぐにここが何処か理解し、何も言わずに立ち上がると辺りを見回す。
『若き日の私よ…』
突然背後に感じ取った気配に振り返ると、そこには案の定未来の自分 オーマジオウが立っている。
そう、ここは2068年。
リュウトは意識のみが時間を超えたのか、もしくは身体事2068年へとやってきたのかを知る為、とりあえず自分の頬を抓る。
「痛っ」
どうやら夢じゃない、身体事この時代へやって来たらしい。だとすれば、連れてきたのはオーマジオウか。
「折角の休日に、何の用だ?」
『警告だ』
「警告?」
『グランドジオウウォッチを完成させたのは褒めよう、よくやった若き日の私よ』
まさか褒められるとは思っておらず、何だが少し照れくさい。しかも未来のとはいえ自分にだ。
「俺を褒めるためにわざわざ2068年まで呼んだのか?」
『……お前は、ライドウォッチを継承する事がどういう事か理解しているか?』
「そのライダーの記憶や力を受け継ぐんだろ?」
『それだけでは無い、ライダーが存在した という事実すら継承するのだ 現に、この世界から19人のライダーの存在はジオウが継承したことにより消えた』
「なっ……!」
『ライダーが存在する事により均衡を保っていた世界からライダーが消えた事により、世界に不具合が産まれている』
「まさか今朝のアレも…!?」
風都にヘルヘイムの森が現れたのは、どうやらこの件の関係があるらしい。
この世界は元々、アーマによって『仮面ライダーが存在する世界』へと書き換えられた物。
そのライダーが、ライドウォッチ継承と共に存在が消えたことによって、おかしな事になっているらしい。
「どうすれば…!」
『どうもこうもない、我々の目的はアーマを破る事だ グランドジオウウォッチが完成した事により奴は本格的に動く 世界が崩壊へ向かう前にアーマを破り、世界を元に戻す』
「遂に決着の時って事か」
『ああ。』
リュウトとゲイツは全てのライドウォッチを揃え、アーマやタイムジャッカーへと対抗できる強力な力を得た。
後はこの世界でアーマの野望を止めるだけ。
出来るのか、俺に…?
迫る最終決戦を前に、リュウトはジオウウォッチを握りながら自分へと問うのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
『門矢士、決着の為 海東大樹の前に現れる』
同刻、時崎リュウトが近づく決戦へ向けて自らの意志を固める中、門矢士は宛もなくただ歩いていた。
『何故自分は意味もなく歩いているのだろうか』
そんな考えが頭に浮かびながらも、歩みは止まらない。
「士」
背後から掛けられた声に思わず足が止まる。
振り返らなくても、声の主は分かった。それに、"何故自分が宛もなく歩いていた"のかも。
「お前が俺を呼んだのか、海東」
「正解」
門矢士が振り返った先に、海東大樹は笑顔でかつて別世界で手に入れたお宝『未来ノート』を見せつける。
そしてそのノートには、『門矢士、決着の為 海東大樹の前に現れる』と記されている。
「アナザージオウllウォッチは手に入れたのか?」
「まだだ、君のベルトと交換条件を突きつけられてね」
「それで、俺からベルトを奪いに来た訳か…… 本当に奴が素直に応じると思ってるのいるのか?」
「まぁまずないだろうね、だけどお宝を手に入れる可能性があるなら試す価値はある」
海東大樹はそう言いながらネオディエンドライバーを取り出し、カードを装填。対する門矢士も、同じくネオディケイドライバーへとカメンライドカードを装填した。
「なら、答えは一つか。」
「ああ、悪く思わないでくれ 元はと言えば、君を助けたが故に失ったお宝なんだからね」
「「 変身…! 」」
『カメンライド…』
『ディケイド!』『ディッエンド!』
二人はネオディエンド ネオディケイドへとそれぞれ姿を変え、何も言わずにぶつかり合う。
飛び合うライドブッカーとネオディケイドライバーの弾丸、どれだけ身体から火花を吹いても、お互いの攻撃は止む様子は無い。
「たまにはこいつの力も使ってみるか…」
ディケイドはライドブッカーからカメンライドカードを一枚取り出すと、そのままベルトへと装填。
『カメンライド シノビ!』
別世界のミライダー 仮面ライダーシノビへとカメンライドしたディケイド。対するディエンドも、『仮面ライダーハッタリ』のカメンライドカードを装填し、仮面ライダーハッタリを召喚。
2対1の戦況となり、数の力でディケイド側は推されると思いきや、突然三人の近くで爆発が発生。
召喚されたハッタリは消滅し、ディエンドとディケイドの二人もまさかの一撃に吹き飛ばされ、地面を転がる。
「なんだ!?」
「やっぱり、彼のお出ましか…!」
ディケイドとディエンドへと攻撃を放った者の正体。
それはスウォルツが変身するアナザーディケイドだった。
「何とも都合がいい…… 仮面ライダーディケイド ディエンド… 貴様ら二人を殺しに来た」
そう言い放つと共に、アナザーディケイドが手を翳すと共に爆発が発生。
爆炎と共に二人は巻き込まれ、変身を強制的に解除されてしまう。
「これは……」
「まずいね……!」
海東大樹にとっても、アナザーディケイドの介入は想定外。スウォルツの乱入で計算が狂い、次の一手を模索している間も、アナザーディケイドは二人へとじわじわと近づいてくる。
「俺から奪った力で随分とイキイキしてるな」
「門矢士、お前には感謝している お前から得たディケイドの力のお陰で、私は世界を手に入れるほどの力を得た! だが、私の計画に貴様らライダーの存在は邪魔だ」
「力さえ奪ったら用済みって事か」
「その通り。だからこそ、ここで死ね」
突如としてアナザーディケイドの真隣に空間の穴が開くと、その中から一人の青年が姿を現す。
そして、その青年を見た門矢士と海東大樹は思わず言葉を失った。
「ユウスケ…!?」
アナザーワールドから現れた青年、それは……
「紹介しよう、『仮面ライダーディケイドを葬った世界』からやって来たライダー、仮面ライダークウガ 小野寺ユウスケだ」
腰に仮面ライダークウガの変身ベルト アークルを巻きいた青年… 彼こそ、かつて門矢士が共に旅をした仲間である小野寺ユウスケ本人だった。
「さぁ、クウガ ディケイドを殺せ。」
「…変身」
小野寺ユウスケの身体が黒き力に呑まれると共に、その身は仮面ライダークウガ ライジングアルティメット(ブラックアイ)へとその身を変え、両手を2人へと向ける。
クウガの構えを見るに、これは暗黒掌波動……
喰らえばひとたまりもない事は、経験から覚えがある。
ディエンドとディケイドの二人はそれぞれ別方向へと回避行動を取り、命中寸前に何とか回避。そして2人は再び変身して仮面ライダーへと姿を変えると、爆煙の中からクウガとアナザーディケイド目掛けて飛び出した。
「クウガ、この場は任せるぞ 私はジオウを消す」
スウォルツの言葉にクウガは静かに頷くと、二人の行く手を阻むように立ちはだかる。
「待て!スウォルツ!」
「貴様の旅もここで終わりだ、ディケイド」
スウォルツはそう言い残し、その場から姿を消すのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「大変な事になった…!」
2020年へと戻ったリュウト。
世界の崩壊を止めるべく、一刻も早くアーマが持つ『原因』を破壊しなければならない。そのためにもまずはアーマを探すために居そうな所を自転車で探し回っていた。
そして捜索を初めて2時間。当然、アーマの姿はどこにも無い。
正直簡単に見つかるわけがないとは分かりきっては居たが、改めてその現実を突きつけられる。
「なんでこんな事に……」
休憩がてらやってきた河川敷に寝そべり、綺麗な青空を見ながらリュウトはポツリと呟く。
思い返してみれば、ゲイツに襲われた事から始まったこの騒動。
この一年で色んなライダーと出逢い、色んな危険な目に逢い、色んな事を経験した。
悲しい別れもあれば、新たな出逢いもあって…… 本当に目まぐるしい一年だった。
ライドウォッチを巡る戦いもまもなく終わる。もし自分がアーマを倒し、世界が歪んだ原因を破壊した時、世界は…自分は…そしてゲイツ達はどうなるのだろうか?
「リュウト!」
突然名前を呼ばれ、起き上がって辺りを見回すと、ツクヨミとゲイツの二人がこちらへと向かってくるのが見えた。
「ジオウ!ニュースを見たか!?」
「ああ… オーマジオウが言っていた、ライドウォッチを全て継承した事によって、世界の崩壊が始まってるって……」
「……19人のライダーが消えた事で均衡が崩れたか」
「かもな」
「でも、どうしたら世界の崩壊を止められるの?」
「この世界には本当は仮面ライダーなんか存在しなかった、世界を書き換えるウォッチの力で『ライダーが存在する世界』に書き換わったらしい」
「つまり……」
「その『原因』を破壊して、世界を戻す。 元のライダーが存在しない世界にさえ戻れば崩壊も止まる筈だ」
「ならばやる事は1つだな」
「アーマを探して、原因となったウォッチを破壊する」
3人は改めて目標を確認、やるべき事は決まった。
アーマを倒して、世界を戻す
その目標を成すために動き出そうとしたその時…
「見つけたぞ、ジオウ」
三人へと迫る男が一人。
片手に握られたアナザーウォッチに、どこかニヤついた表情。
そうだ、アーマの前に倒すべき相手がいたのだった。
「タイムジャッカー…!」
「ジオウ、それにゲイツ。貴様らの存在は私の計画の妨げとなる」
「だから、殺しに来たのか?」
「その通り…… 決着を付けるぞここでな」
『ディケイド…!』
起動したアナザーウォッチの力がタイムジャッカー スウォルツを包み込むと、その身をアナザーディケイドへと変える。
「来い、私の忠実なる下僕!」
アナザーディケイドの呼びかけに応える様、空間に幾つかの穴が開くと、中からはアナザーライダー達が姿を現した。
「行こうゲイツ」
「ああ…」
『グランドジオウ!』
『ゲイツリバイブ!』
「「 変身! 」」
『グランドタイム! クウガアギト龍騎ファイズブレイド 響鬼カブト電王キバディケイド ダブルオーズフォーゼ ウィザード鎧武ドライブ ゴーストエグゼイドビルド〜! 祝え! 仮面ライダー!グランド ジオウ!』
『スピードタイム! リバイブリバイブリバイブ〜 リバイブリバイブリバイブ〜! リバイブ 疾風〜! 疾風!』
グランドジオウ そして ゲイツリバイブ
今の二人が出せる最強の力を使い、スウォルツとの最終決戦が幕を上げた。
続く。
ディケイドとディエンドの二人が小野寺ユウスケが変身するクウガと繰り広げている死闘の裏で、遂にスウォルツとの最終決戦が幕を開けた。
刻々と迫る世界の崩壊を前に、ジオウとゲイツはアナザーディケイドを破れるか…
一方、ウォズは単独でアーマの元へ…
次回、『破壊者オンザーロード 20██』
※約2ヶ月振りの更新となってしまいすみません 後二話で完結する予定なので今月か来月中には完結させます