仮面ライダージオウ 〜もう1人の魔王〜   作:ももももると

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〜前回まであらすじ〜

一度はジオウの力を失ったリュウト、しかしウォズが最後に託したビヨンドライバーで仮面ライダーウォズへと変身しゲイツと共に最終決戦へと身を投じる。

19のライドウォッチを巡る戦いを経た二人による、世界を元に戻す為の最後の戦いが幕を上げる。
戦いの先に待つのは希望か…? それとも…?



───────祝え!もう一人の王の誕生を!




「FINAL TIME もう一人の魔王」

『彼の名前は時崎リュウト。 彼には魔王にして時の王者 オーマジオウとなる未来が待っていた。 一時はライダーの力を失った時崎リュウトだったが、託されていたビヨンドライバーで仮面ライダーウォズへと奇跡の変身。仮面ライダーゲイツと共にグランドジオウへと勝負を挑むとアナザーオー…… おっと、先まで読みすぎました。』

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「来い!アマダム! 未来はお前に渡さない!」

 

仮面ライダーゲイツそしてウォズ。対するはかつての自分の力グランドジオウ。

この二対一の構図に、リュウトは何処か既視感を覚えていた。

 

「(そうだ……! あの時の!)」

 

今置かれているこの状況。それは、かつて未来視で見たグランドジオウVSゲイツ&ウォズの構図そっくりそのままだった。(※魔法使いからの挑戦状2020)

あの時点でこうなる事が分かっていたならば色んな手が打てた筈だ、きっと……ウォズが戦線離脱を余儀なくされる事も無かった。

しかし今更悔やんでも仕方がない。今は、ジオウの力を取り返すの先だ。

 

「行くぞゲイツ」

「ああ……ジ…… ウォズ!」

 

ジカンデスピア ジカンザックス片手にグランドジオウへと立ち向かう二人。

一方のジオウもそれを迎え撃つべくキバのライダーレリーフへと触れると、ザンバットソードを召喚して二人の一撃を受け止める。

 

「時崎リュウトォ!貴様から奪ったこの力は素晴らしい…!お陰で、世界の半分を消滅させることが出来た!」

「これ以上…… ライダーの力をそんな事には使わせない!」

 

ウォズはザンバットソードをジカンデスピアで弾き、怯みを見せたジオウの胴部へとジカンデスピアを突き刺す

しかしその一撃が当たる寸前でグランドジオウによる"巻き戻し"によって"無かった事"にされ、攻撃を仕掛ける前へと戻されてしまう。

 

「どうだ? これがあのオーマジオウに近い時の王の力! 力というのは持っているだけでは意味が無い こうして活用しないとなァ!」

 

「焦るなジオウ!きっと打開策はある」

「そうは言ったって……!」

 

グランドジオウの能力は大きく分けて5つ。

・ライダーの召喚

・ライダーの武器召喚

・ライダーの能力使用

・未来視

・巻き戻し

 

持っている能力のどれもが厄介極まりなく、相手にとるとここまで面倒なのかの頭を抱えさせられる。

最も、まさかグランドジオウを相手取るなど微塵も考えていなかったのだが。

 

「さて…… さっさと決着をつけてやるか 最期はライダーによって殺されるといい」

 

アマダムはそう言うと共に、クウガ 龍騎 電王 オーズ 鎧武のライダーレリーフへと触れると彼の隣にゲートが開き、中からライダーが召喚されゲイツとウォズの前に立ち塞がる

 

「行け!私のライダー達よ! ウォズとゲイツを殺せ!」

 

ゆっくりとこちらへと近づいてくる召喚されたライダー五人。

二対一の戦況から一気に二体六へとひっくり返され、もはや万事休す……

ましてや相手はあのレジェンドライダー達。

リュウトにとって、自分に力を託してくれたレジェンドライダーと戦うのが何よりも苦痛で仕方なかった。

 

 

1歩、また1歩と近づく五人のレジェンドライダー。

ウォズとゲイツまで残り五歩と言った所で、あろう事か5人のライダーは消滅した。

 

「……?」

 

「何故だ!?」

 

突然消滅したライダーに驚いた様子を見せるアマダム。再びクウガのライダーレリーフへと触れて召喚を試みるも、ライダーを呼び寄せるゲートは現れてもクウガが出て来ることは無かった。

それは別のライダーも同じ。幾らライダーレリーフへと触れても、19の平成ライダーが召喚に応じることは無かった。

 

「何故だ……? 何故だあああ!!」

 

 

 

 

 

 

「決まってるだろ」

 

突如、グランドジオウの胸部が火花を吹いて怯む。

突然の事に驚いて後ろを振り返ったゲイツとリュウトの視線の先には、ディエンドライバーの銃口をグランドジオウへと向けた海東大樹と、その隣には門矢士が立っていた。

 

「仮面ライダー……ディケイド! それにディエンド!」

 

「悪いね、僕は士の方につくことにしたよ」

 

グランドジオウへと向けた銃口が、何よりもアーマを裏切った証拠。先程の攻撃は恐らくディエンドによる物だろうか。

 

「なぜかライダーが召喚出来ない って感じだな アマダム」

「……ッ!」

 

「なんで俺たちライダーが、時崎リュウトに力を託したと思う? 」

「そんな事……知るものか!」

「だろうな、なら教えてやる 俺達ライダーがコイツに力を託したのはな"時崎リュウトを信じていたから"だ!」

 

「……」

 

「コイツはお前に魔王となる未来を強いられながらも必死に戦ってきた 誰よりも強い男だ! そんなコイツならきっと世界を救えると誰もが信じたからこそ、ライダー達は時崎リュウトにライドウォッチを託した!」

 

『後のことは託したぞリュウト』

『これからの未来 お前らに託したぜ』

『戦えなくなる俺の代わりに、お前が未来を掴め。』

 

『この世界にとって、ジオウ 君が最後の希望だ』

 

そうだ…… これまで出会ったライダー全員が自分を信じて力を託してくれたんだ……

 

「だから……私の召喚には応じないだと……?」

 

「当たり前だ、ライダー誰一人としてお前なんかを信じちゃいない。 時崎リュウトから力までは奪えても…… "コイツを信じて力を託したライダーの意思"を嘘で欺けると思うな!」

 

門矢士の言葉と共にグランドジオウの変身が強制的に解かれ、その姿はグランドジオウではなくアマダムへと戻される。

 

「ならば……もはやベルトなど必要ない!」

 

アマダムは巻いていたジクウドライバーを外し、グランドジオウウォッチのみを抜き取るとベルトを投げ捨てる。

リュウトは投げ捨てられたベルトを回収すると、アマダムを睨みつけた

 

「ライダーとしての力はなくとも、私にはこれがある……」

 

そう言ってアマダムが取りだしたのはアナザージオウllライドウォッチ。

あれこそがこの世界を変えた元凶……。

 

「刮目するがいいライダー共、世界は私のモノとなるのだ!」

 

そう言うと、アナザージオウllウォッチとグランドジオウウォッチが融合。

アーマの周辺を禍々しい黒き波動が包み込み、ゲイツとウォズの2人は近づけない。

 

「何をする気だ……!?」

 

……ウォッチの融合が完成した時、アマダムは高笑いをした後に叫んだ。

 

「遂に…… 遂に完成した! オーマジオウに並ぶ"最凶の力"が!」

 

アマダムの手に握られた"最凶の力"……

それは "アナザーオーマジオウウォッチ"。

かつて別世界である男が手に入れた力を、アマダムはオーマジオウに近しい力を持つグランドジオウウォッチと、アナザーライダー最強の力を持つアナザージオウllウォッチを融合させる事で再現して見せたのだ。

 

「今度こそ、貴様らライダーの息の根を止めてやろう……」

 

アマダムはそう宣言してウォッチを起動。未だかつて見た事ない黒き闇が彼の体を包み込み、その身を、オーマジオウを歪めた様な姿をした"最凶のアナザーライダー"アナザーオーマジオウへと変えたのだ。

 

「あれが……!」

「アナザーオーマジオウ……」

 

「もはや3日も待つ必要は無い 破滅の刻を進めるとしよう」

 

アナザーオーマジオウは右手を上げると同時に、地中から巨大な時計を模した像が姿を現した。

IからXIIのローマ数字が刻まれた大きな時計……

XIIを指していた針が早速lを刻んだ時、かつてクウガ アギト 龍騎が倒したグロンギ アンノウン……そしてミラーワールドからミラーモンスターが現れ、まだ人々が暮らしている街へと侵攻していく

 

「まさか……」

 

針は続いてllを指した。仮面ライダーオーガがオルフェノクとライオトルーパーの軍隊を引き連れ登場。さらに世界の各地へとモノリスが降臨し、コックローチアンデッドが世界中を覆う

 

「この時計の針が時を刻むと同時に……残された世界は崩壊へ進む。 XIIを刻んだ時は世界の破滅を意味するのだ。」

 

アナザーオーマジオウが破滅の刻を説明したと同時に時計の針がIIIを刻んだ。

日本中にかつて響鬼達鬼が退治していた魔化魍が現れ、更にはモノリスと同じ様に各国へと隕石が降り注ぎ、中からワームが誕生する。

 

「ディケイド! 街を頼む!俺とゲイツでアナザーオーマジオウは止めるから!」

「出来るのか……?」

「やるしかない! あれがXIIを刻む前にアイツを止めないと……」

 

「行こう士 このままじゃヤバいかもよ」

「……分かった 死ぬなよ魔王」

「そっちもな!」

 

門矢士と海東大樹の2人はアナザーオーマジオウの相手をリュウトとゲイツに任せ戦線離脱。

街に溢れかえったグロンギ アンノウン ミラーモンスターの相手に向かう。

 

「ゲイツ行こう 本当に最後の戦いだ」

「分かっている"リュウト"」

「……やっと ジオウ じゃなくて俺の名前呼んでくれたな」

「よく考えたら、今のお前はジオウじゃなくてウォズだからな」

「それもそっか!」

 

二人はジカンデスピアとジカンザックスを強く握り、目の前の敵を睨みつける

 

「まさかこうして世界の終わりを一緒に見るのがお前だなんてな」

「それはこっちのセリフだ だが、世界は終わらせない」

「そうだな…… 行くぞゲイツ!」

 

「無駄だ、お前達は私に触れる事すら叶わん!」

 

アナザーオーマジオウがこちらへと手を翳す。同時に黒い波動が放たれ、まともにソレを喰らった二人は後ろへと叩きつけられた。

 

「ライダーの意思…… 歴史……そんなくだらない物はここで終わり告げるのだ。もはや私を倒せるのはジオウの力のみ…… だがグランドジオウの力は私の手中にある以上不可能…… もはや私を止める事は出来ん……」

 

「まずは時崎リュウト、貴様から始末させてもらう。」

 

衝撃によってまともに動けないリュウトへと、アナザーオーマジオウは狙いを定め、禍々しい力を帯びた光弾を放つ。

 

 

 

これを喰らえば、きっと俺は死ぬ。

 

門矢士に対して『死ぬなよ』なんて言った自分が真っ先に狙われて死ぬなんて……

死ぬ直前だからだろうか、こちらへと迫ってくる光弾がゆっくりに見える。

 

あぁ、ウォズ悪い、お前から力を託されたのに。何も出来なかった。

父さん母さんごめんなさい、『生きて帰る』という約束は守れそうにない。

ゲイツ、ツクヨミ。もう無理みたいだ。

 

そして、マモル。今からそっちに行くよ。

 

 

結局無理だったんだ、グランドジオウウォッチを失った時点で。

 

 

 

そして俺は、目を閉じて終わりを受け入れた───────

 

 

 

ドオオオオオオオオオオン

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

──────終わりが来ない。

 

俺は死んだはずなのに、未だに身体に痛みはない。

目を閉じているから状況は分からないが、瞼の裏がなんだが眩しい。

 

恐る恐る目を開いた俺が目にしたのは、見覚えのある荒野だった。

 

どこまでも広がる青い空に、緑のひとつも見えないこの荒れ果てた大地。

聞くまでも、考えるまでもなく、ここが何処なのかはもう分かっている。

 

 

『若き日の私よ。』

 

この年老いた俺を呼ぶ声。間違いない、俺は2068年に居る。

 

「俺は死んだのか」

 

『死んではない、正しく言えば死ぬ直前だった……と言う方が正しいか』

 

「お前が俺を……助けたってことか?」

『如何にも、私の偽物が放った光弾が直撃する前にオーロラでこの時代へと逃がした。』

「そっか…… 俺まだ生きているんだ」

 

何処か安堵した俺は空を見上げる。容赦なく降り注ぐ太陽の熱で頭がイカれそうだ。

と、こうしてボーッとしている暇はない。こうしている間にもゲイツが危ない筈だ。

俺を殺したと確信しているアマダムは次にゲイツを狙うはずなのだから。

 

「今すぐ俺を元の時代に返せ」

『また死にに行くのか?』

「……っ」

 

未来の俺の言葉は的確で、図星だった。

このまま元の時代に戻ってもおそらく俺は何も出来ないまま奴に殺される。

だけど、だからと言って、このまま仲間が死ぬのを黙って看過出来るわけない。

 

『……私がお前を助けたのは、お前を再び死にに行かせる為ではない。 お前に託すものがある。』

 

オーマジオウはそう言うとブランクライドウォッチを取り出して、自らの力を全て込めた。

 

「お前……」

『受け取れ、これが私がお前に託せる最後の力だ。』

 

────オーマジオウウォッチ。オーマジオウがリュウトに託した最後の力。そしてアナザーオーマジオウ撃破の最後の鍵。

リュウトはそれを受け取り、そして最後にある言葉を未来の自分に告げた。

 

「……なぁ、前にお前が言ってた事に対する答え、出たよ。」

 

『……』

 

「俺にあって、お前に無い物…… それは一緒に戦ってくれる仲間の事だったんだな」

 

『答えに辿り着いたか……』

「ああ。だからさ、俺は信じるよ仲間の事 お前にならない様に。」

『ふん…… それでいい 頼むぞ……私が守りたかった世界を。私が愛したライダーの歴史を。』

 

「その想い、俺が確かに"継承した"」

 

時崎リュウトが最後に受け継いだのは、未来の自分が孤独に戦いながらも秘めていた想いと、オーマジオウの力だった。

受け継いだ力と想いを胸に、リュウトは最後の戦いへと臨む。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

リュウトがオーマジオウの介入により2068年へと到着した同刻。

 

 

「時崎リュウトは死んだ、次は貴様の番だ明光院ゲイツ。」

 

「リュ……ウト……」

 

ゲイツの目の前で、時崎リュウトは確かに光弾に呑まれ、跡形もなく消えた。

それも、身体の一部も残さないままだ。

そしてその事実はゲイツから戦意を失わせるには充分すぎるものだった。

 

「ゲイツ!立って!」

 

傍から見守っていたツクヨミも、戦意を失ったゲイツの元へと駆けつけ声をかける

このままではゲイツまでもがやられしてまう…… そう思って取った行動だった。

 

「リュウトが……」

「だけど、このままじゃゲイツまでやられちゃうよ!」

 

「ツクヨミ、明光院ゲイツ。未来からやって来た者同士ここで死ね!」

 

二人に向けて、先程時崎リュウトを消し去った光弾を放つ為に狙いを定める。

その時……

 

 

 

「待て!」

 

「!?」

 

 

「俺はまだ死んでない」

 

ここで、未来から帰還したリュウトが何とか間に合った。

まだゲイツとツクヨミが生きている事にリュウトは安堵し、二人の元へと駆け寄り、チラリと破滅の刻を見る。

 

破滅の刻は既にVIを刻んでいる、世界崩壊までおおよそ半分を切った。

 

「何故だ…… なぜ貴様が生きている……!?」

 

「未来の俺が助けてくれてな」

 

「オーマジオウか……!」

 

 

「ゲイツ、まだ立てるか?」

「……当然だ そっちは」

「アナザーオーマジオウの撃破の鍵を手に入れた、こっから本気で行くぞ ツクヨミ、街の人を安全な所に誘導してくれ」

「分かった! 二人とも絶対に勝ってね!」

 

「「 ああ! 」」

 

ツクヨミはリュウトに頼まれた通り、逃げ惑う人達を誘導すべくリュウトとゲイツの元から離れ、街へと消えていく。恐らく、これがツクヨミとの最期の別れになるかもしれない。

リュウトはそう考えながらも、立ち上がって再びアナザーオーマジオウの前に立ち塞がった。

 

「死に損ないが…… 今度こそ地獄に送ってやる!」

 

「地獄に行くのはお前の方だ!アマダム!」

「今度こそ俺達が倒す!」

 

リュウトは先程アマダムから奪い返したジクウドライバーを巻き、未来からの贈り物 オーマジオウウォッチを起動した。

 

『オーマジオウ!』

 

 

 

 

「……変ッ身!」

 

 

 

 

 

 

『キングタイム!』

 

『仮面ライダージオウ! オーマー!』

 

───────仮面ライダージオウ オーマフォーム。

未来の自分から受け継いだ想いと共に辿り着いた力この力こそ、アナザーオーマジオウ撃破の最後の鍵。

 

 

 

「俺も遅れを取るものか……!」

 

 

 

『ゲイツリバイブ 疾風!』

 

「変身……!」

 

『ライダータイム!』

『仮面ライダーゲイツ! アーマータイム! リバイブリバイブリバイブ! リバイブリバイブリバイブ! リバイブ!疾風! 疾風!』

 

 

 

そして今ここに、救世主と王の力が揃った。

世界を破滅へと導く偽りの魔王を破るべく、最後の戦いが始まる。

 

 

 

「俺は世界中の人々を救いたい!だから、力を貸してくれ!仮面ライダー!」

全てのライダーの王 ジオウの声に応えるよう、世界中に溢れかえる怪人相手に、クウガからビルドまでのディケイドを除いた18のライダーがゲートを介して現れ、怪人相手に戦いを挑む。

 

「貴様がジオウの力を取り返そうと……私は倒せない!」

 

「それはどうかな!」

 

アナザーオーマジオウはジオウとゲイツリバイブ相手に、再び波動を放つ。しかしそれに対してジオウも波動を放ち、相殺すると、その隙に二人はアナザーオーマジオウへと接近。

二人が放つ、ジカンジャックローとサイキョージカンギレードの連撃に、圧倒的力の差を見せつけていたアナザーオーマジオウはついに膝をついた。

 

「何故だ……!?ジオウならまだしも……何故明光院ゲイツの放つ攻撃が私にこうもダメージを与えるのだ!?」

 

「忘れたかアマダム!このゲイツリバイブの力をどうやって手に入れたのかをな!」

「何……?」

 

「このゲイツリバイブの力はな、『オーマジオウを破った世界』から来たゲイツリバイブの力その物だ。 オーマジオウと同じ力を持つ今のお前に対して、これ以上無いほど俺の攻撃は効くはずだ!」

 

かつて、アーマがアナザーワールドから呼び出したもう1人のゲイツ。

そんな彼から手に入れたゲイツリバイブの力は、アナザーオーマジオウに対しての切り札。

奇しくも、アーマは自分がかつて呼び出したゲイツが持っていた力に追い詰められている事となった。

 

「ウォズが言っていたんだよ、ゲイツをどうにかしてでも守れ!って。 今ならその意味が分かる!」

 

「おのれ……仮面ライダーああああ!!!」

 

 

「行くぞゲイツ! これで決着をつけよう!」

「ああ!」

 

飛び上がったゲイツとジオウ。

2人が放つキングタイムブレイク&タイムバーストに対して、アナザーオーマジオウも渾身のパンチを放つ。

 

ぶつかり合う二人のジオウの力。片方は偽りと言えど同格かそれ以上の力を持つ者。しかし、ゲイツという仲間と、自分を信じて力を託してくれたライダーや未来の自分の力の想いを乗せた時崎リュウトのジオウの力は、そんなアナザーオーマジオウの一撃をも破った。

 

見事にキックはアナザーオーマジオウに命中。そして二人は着地と同時に、ジカンジャックローとサイキョージカンギレードによる斬撃でアナザーオーマジオウの身体を斬り裂いた。

 

「……お前の王様ごっこは終わりだ、アマダム!」

「俺達の勝ちだ!」

 

キックに加え、斬撃までまともに喰らったアナザーオーマジオウは敗北。

最凶の偽りの王の力は、再びアナザージオウllウォッチとグランドジオウウォッチへと分裂し、アマダムは元の怪人態へと戻された。

 

 

 

「私の野望は……終わらん……!」

 

地面を這いつくばり、アナザージオウllウォッチへと手を伸ばすアマダム。

しかしその手が届く前に、生命活動の限界が来ようとしていた。

 

「ジオウ、ウォッチを破壊しろ それで全てが終わる」

「ああ……」

 

ジカンギレード片手に、ジオウはアナザージオウllウォッチへと近づく。

 

「良いのか……?それを破壊すれば貴様と明光院ゲイツはもう会えない…… この世界は、ライダーになりたい というお前の夢を元に形成された世界だ…… お前は……それすらも投棄てるというのか……!?」

 

アマダムの言う通り、全ての元凶であるアナザージオウllウォッチを破壊すれば、書き換えられていたこの世界は元に戻り、ゲイツやツクヨミ、そしてライダーが存在したこの世界は消えてなくなる。

しかし、既に答えはとっくの昔に出ていた。

 

 

 

 

 

 

「……悪いな、そんな事覚悟の上だ」

 

 

ジオウはジカンギレードを振り下ろし、アナザーウォッチを破壊。そしてそれを目の当たりにしたアマダムも遂に息絶え、塵となって姿を消す。

 

こうして、1つのアナザーウォッチから巻き起こった、世界すらも書き換えた大事件は終息を迎えた。

ウォッチによって歪められていた世界は、元の姿を取り戻そうと、光に包まれ始めた。

 

 

 

「ゲイツ、これでお別れだな」

 

「ああ。」

 

 

 

元の世界に存在しないゲイツも、光に包まれ消えようとしていた。

 

「今までありがとう、ゲイツ」

「……お前と戦った時間 悪くなかった」

「今頃デレるなよ 遅すぎる だけど、それは俺も同じだ。」

 

「今度こそお前は自分の好きなように生きろ もうライドウォッチに人生を狂わせられるなんて事は無いはずだ」

「そうさせてもらうよ そっちがどうなるかは知らないけど、ツクヨミとウォズによろしく」

「ああ 元気でな 時崎リュウト」

 

 

世界を包み込む光は次第に増していく。

終息を迎えた19のライドウォッチを巡る戦い。

様々な別れや出会いがあって……時を越えたり、もう一人の自分に出会ったり…… この一年、あっという間に時が過ぎた。

次第に薄れ行く意識の中、リュウトは最後にジオウライドウォッチを握り締めてこう呟いた。

 

 

 

 

「ありがとう、仮面ライダー そして、さようなら」

 

 

 

 

ジオウライドウォッチへと最期の別れを告げた次の瞬間、リュウトの意識は深い闇の底へと落ちた。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

2019年6月4日午前7時。

スマホのアラームによって目を覚ましたリュウトは、大きな欠伸と共に部屋のカーテンを開け、伸びをした。

眩しい太陽に、綺麗な青空。

なんだか長い夢を見ていた様な気がした。この青空を見るのもなんだか久しい感じがする。

 

「さ、朝の支度するか」

 

 

 

 

学校へ向かう支度をして家を出たリュウトの元へと青年が一人。

リュウトとは別の高校に通う幼なじみマモル。

 

「おはようリュウト!」

「おはようマモル 今日も元気だな」

 

マモルはかつて病弱な身体だったが、今は克服し元気に学校へと通ってるらしい。

 

「そういえばマモル、進路決まったの?」

「そりゃまぁ宇宙飛行士目指してるから進学するよ」

「まだ目指してたんだな宇宙飛行士」

「そう言うリュウトは将来何になりたいんだよ?」

「俺か? 俺は……仮面ライダーみたいな 誰かを助けられる様なそんな人かなぁ」

「まだ好きなんだ、仮面ライダー」

「そりゃ、永遠の憧れだからな俺にとって」

 

そう、仮面ライダーはいつだって俺の憧れだ。

これまでもそう。そして、きっとこれからも。

 

 

 

 

ライダーが再び虚構の存在となったこの世界で、時崎リュウトは今度こそ一人の普通の青年として生き続けていく。

 

 

 

 

 

『彼の名前は時崎リュウト。 彼から魔王にして時の王者 オーマジオウとなる未来は"消滅"した。 元通りとなったこの世界で、彼がどのように生きるのかは私にも そして彼にも分かりません。 何故なら、"未来は誰にも分からない" から。 ご清聴ありがとうございました。』

 

 

"正解は一つじゃない"

 

 

 




『もう1人の魔王』これにて完結です。
ジオウ終盤から書き始めたこの妄想戦記も、まさか書き終えるまでにゼロワンが終わり、セイバーが最終局面を迎えるとは思ってませんでした。
読みにくい文 等あったかと思いますが、2年間の不定期更新の中コメントやお気に入り登録して頂きありがとうございました。
更新はこれで終わりになります。
繰り返しにはなりますが、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。

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