彼らを追うように翔太郎とリュウトは2009年へと飛ぶと殺人事件の真犯人は依頼人の夫婦だったと知る。
翔太郎から受け継いだ仮面ライダーWの力を使い、ダブルアーマー、ダブルフォームへと変身したジオウは無事にアナザーWを撃破するのだった。
手に入れたライドウォッチは5つ
次なるライドウォッチを探すリュウトの前に現れたのは·····
『古代のベルトで超変身!笑顔を守るライダーは…』
時刻は朝6時、珍しくこんな時間に起きた
と言っても今日は土曜日
特に予定がある訳でもないのだが、何故かこの時間に目が覚めてしまったのだ
アナザーWを撃破してかれこれ4日経ち、
事件その物が未遂に終わった今、あの事件が載っていた新聞の記事を見ても殺人事件の事は消え、別の話題に変わっていた。
これで良かったんだ·····
歴史を変えた事が本当に良かったのかはさておき、リュウトはそう思う
今日はしばらく続いていた戦いの疲れを癒すためにのんびり過ごそう·····
そう決めたリュウトはまず目を覚ます為に洗面台へと向かった。
目もぱっちり冴え、朝食を摂るためにリビングへ向かう
食パンをトースターへと入れ、パンが焼けるまでの時間を潰す為にテレビの電源を入れると、ちょうどニュースをやっている
『次のニュースです。遺跡調査に向かっていたとされる男性が三日前から行方不明となっています。 行方不明になっている男性は長野県在住の吉原晋助さん43歳。警察の調べによると、遺跡付近から飛び立つ赤色の巨大な虫のような物を見たという目撃例が複数あり、続けて調べを進めているとのことです。』
「巨大な虫のような物·····?」
アナザーライダー関連かを疑うリュウト、しかしこれまでに出会ったアナザーライダーはどれもほぼ自分と同じサイズ。
もし仮にこれがアナザーライダーとすれば今までの敵よりも厄介な物となる。
特に目撃例にもあった飛行が可能なら尚更だ。
「ツクヨミとゲイツにも言わないと·····」
リュウトは急いで食事を済ませると服を着替えて家を出た。
am 07:13
家を出たリュウトを待ち構えていたように、ゲイツとツクヨミが玄関に立っていた。
「ツクヨミ!ゲイツ!ちょうどいい所に! 長野で····· 」
「私たちも見たわ」
「奴は恐らくアナザーライダーだ·····」
「やっぱりそうなのかな·····」
確かに言われてみればあれほど巨大な虫などいるはずも無い。
万が一あれが本物の虫なら、虫嫌いな自分は見たら失神するだろう
だが、もしあれが本当にアナザーライダーなら·····
「俺····· 気づいたことがあるんだ·····」
「なんだ」
「アナザーファイズの時もアナザーWの時もそうだったけど、アナザーライダーが居るところにオリジナルの力を持つ人が居た」
「つまり·····アナザーライダーとオリジナルの力を持つ者は引かれ合うってこと?」
「うん、まだ確証はないけどね。 とにかくあの遺跡まで行こう!」
この事件の犯人がアナザーライダーなのかどうかを知る為に3人はタイムマジーンで三日前へと飛ぶ。
am 11:37
男性が行方不明となった現場へと到着した3人が目にしたのは、既に崩壊した遺跡だった。
入口は瓦礫で塞がれ、簡単に入れそうにもない
「ひどい有様だ·····」
崩壊した遺跡を目の当たりにしてリュウトはポツリと呟いた
「少し遅かったな。」
崩壊した遺跡の上へと1人の男性が座り込み、3人へと声をかけた
「あんたは?」
リュウトは声をかけてきた男性へと問いかける。
男はニヤリと笑うと、3人の前へと瞬間移動してみせる
唐突の事に身構える3人
この男がただの人間ではないと3人は直ぐに確信した。
「そう睨みつけるなよ····· お前らが探してるのはこれだろ?」
男は笑いながらライドウォッチを取り出して3人へと見せつける
「あれは·····!」
間違いない、今までアナザーライダーにされた人間が共通して持っていたアナザーウォッチだ·····
「貴様····· タイムジャッカーか?」
男を睨みつけながら、ゲイツライドウォッチへと手をかけるゲイツ
「ふっ····· 一足遅かったな、既にアナザークウガの力は貰った」
「アナザークウガだと·····」
「来い·····」
男の呼び掛けに答えるように遺跡の影から生気を失った男性が現れると、3人の前へと立ち塞がる
「この人は·····!」
朝のニュースで紹介されていた行方不明の男性の写真にそっくりの人物が目の前に。
恐らくこの男にアナザーライダーとしての力を与えられたのだろう。
つまりあの巨大な赤い虫のような姿の正体は目の前の男性が変身した姿だったのだ。
「お前らが遅いから平成仮面ライダーの歴史は俺のこの手で消えたよ···· 」
「どういう事だ!」
「お前の持つライドウォッチを見てみろ·····」
言われた通りにライドウォッチを取り出すリュウト
しかしこれまで集めたライドウォッチの力は男の言葉の通りに失われ、ブランクライドウォッチへと姿を変えている
「なんで·····!」
「貴様·····何をした!」
「仮面ライダークウガから始まった数多の仮面ライダー歴史、だがそれは俺からしたら邪魔でしかない。 タイムジャッカーのやつらはアナザーライダーを産み、オーマジオウに対抗する王を生み出そうとしているが····· そんなことをする必要はない·····! 何故ならぁ この俺自身こそが王になるんだからな·····」
男はそう言い放つと共にニヤリと笑う
「この世界から仮面ライダーの歴史は消えた。あとはジオウ、お前を消してオーマジオウすらも歴史から消せばこの俺·····ティードが、王だ。」
自らをティードと名乗った男は笑いながらアナザークウガウォッチを起動させると、目の前の男性へと埋め込んだ。
「さぁ!仮面ライダーを殺せ!アナザークウガァ!」
男性が変身したアナザーライダー アナザークウガはリュウト達の何倍もの大きさをしており、その巨大な姿と圧倒的な存在感を3人へと見せつける
これこそがニュースに映っていた巨大な虫のような者の正体だった。
「デカい·····!」
「怯んでる場合か!」
目の前にアナザーライダーがいるというのに固まったままのリュウトを一喝するゲイツ。
「分かってるって!」
リュウトも遅れを取り返すようにジオウライドウォッチを構えた
「「変身!」」
ライダータイム! 仮面ライダー ジオウ! ゲイツ!
ジカンギレード!
ジカンザックス!
ジカンギレードとジカンザックスをそれぞれジュウとユミへと変形させアナザークウガへと遠距離から攻撃を叩き込むジオウとゲイツ
ツクヨミも同じようにファイズフォンXで応戦する。
しかし3人の攻撃はあまり効いている様子はなく、アナザークウガの長い腕による攻撃でジオウとゲイツは吹き飛ばされてしまった。
「こうなったら!」
「タイムマジーンで対抗だ!」
ジオウとゲイツの呼び掛けに応えるように上空から姿を現す2機のタイムマジーン。
2人はそれぞれ乗り込もうとするも·····
「アナザークウガ、あの機械を撃ち落とせ。」
ティードの命令通り、アナザークウガは火球を放って2機のタイムマジーンを撃ち落としてしまう
まさかの事態に困惑するライダー達。
そんな様子をティードは楽しそうに見守る
地に降り立ったアナザークウガ。
タイムマジーンを失ったゲイツとジオウへと近づいていく
「さて····· 遊びは終わりだ。 ジオウ、ゲイツ。」
「くっ·····!」
タイムマジーンをやられ、ライドウォッチを失った今、もはや目の前のアナザークウガへの対抗策はほぼないと言っても過言ではない。
何か策はないかを考えるあいだにも、アナザークウガはこちらへと向かってくる
「随分とゆっくり進む奴だ。」
「誰だ!?」
聞き覚えのある声がリュウトへと聞こえると共に
ファイナルアタックライド ディディディディケイド!!
突如として現れたカード様な物がアナザークウガ目掛けて何枚も現れると、そのカードを通り抜けながら何者かがアナザークウガへとライダーキック叩き込む
突然のことに対処が遅れたアナザークウガはその攻撃を受けてしまい、衝撃でその大きな巨体は倒れ込んだ。
「誰だ·····!」
ティードは怒り気味の声でアナザークウガへと蹴りを叩き込んだ者へと問いかける
「通りすがりの仮面ライダーだ。 別に覚えなくてもいい」
「お前は·····!」
間違いない、目の前のライダーはリュウトへとディケイドライドウォッチを渡したあのライダーだ。
「何故クウガ以降の仮面ライダーが居る·····!お前らは消えた筈だ!」
目の前のライダーの姿を見たティードは激高しながら 仮面ライダーディケイド へと問いかける
「確かにクウガ以降の平成仮面ライダーの歴史は消えた····· この‴世界‴はな。」
「何が言いたい·····」
「俺はこの世界のライダーじゃない。ただの通りすがりだ。」
「貴様ァ·····!」
「一旦引くぞ。」
目の前のディケイドの言葉と共にオーロラのようなものが姿を現すとジオウ達3人を呑み込みその場から姿を消した
「クソがァ!」
ティードは激高しながら地面を強く蹴った。
「ここは·····!?」
目を覚ましたリュウトは起き上がり周囲を見渡す
見覚えのあるこの光景····· ここは俺の住んでいる街·····
「やっと目覚めたか·····」
起き上がったリュウトへとカメラを向ける男
「やはり·····この世界も俺を嫌っている·····」
目の前の男は撮った写真を見ながらそう呟いた。
「あんたは·····確か·····」
「門矢士だ。」
「あぁ!世界ぶっ壊すとか言ってた変なやつ!」
変なやつ呼ばわりされた門矢士は少しイラつきながら顔を背けた
「それより何故俺たちを助けた」
「俺の目的の為だ。 それに、この世界は今かなりやばいことになってる」
「やばいことになってるって····· 特に変わってるようには見えないけど·····」
「アレ を見てもか?」
門矢士が指を指した先に見えたのは、今までなかったはずの巨大な塔のような物だった。
「なんだ·····アレ·····」
「あのティードとかいう奴のせいでこの世界からお前と俺以外の仮面ライダーは消えた。奴は本気でこの世界を自分のものにするつもりだ。」
「ならあの塔に突入してティードとか言うやつを倒せば!」
「無駄だ。ライドウォッチを使えないお前が行けば精々奴らの罠にハマって死ぬだけだろ。」
なんだこいつ·····痛いところついてきやがる·····
「じゃあどうすれば·····」
「奴は2019年の時間でアナザーライダーを生み出した。それ故に恐らく力を失いながらもクウガとしての記憶はある筈だ。」
「それじゃあ仮面ライダークウガに接触してライドウォッチを貰えば!」
「アナザークウガを倒せる。」
「でも一体誰がクウガに·····」
「お困りのようだね、我が魔王。」
「ウォズ!」
いつもの通り、唐突にウォズが姿を現す
「この本によれば、仮面ライダークウガは2000年の時代に未確認生命体 通称グロンギと戦っていたライダーだ。 変身者の名前は五代雄介。 冒険家をしているらしい」
「五代雄介·····」
「とにかく、ティードとか言う奴を倒さない限りはどうしようもない····· ん?」
何かを見つけたのか、門矢士は何かを一点に見つめる
「早速俺達を消すつもりらしい·····」
門矢士が向く方向には、ティードが2人を消すため送り出した怪人がゆっくりとリュウト達の方へと向かってきていた
「なんだあいつら·····!?」
「さっさと蹴散らすぞ。」
ベルトを巻く2人はそれぞれライドウォッチとディケイドの顔が映ったカードを構える
「「変身!」」
カメンライド ディケイド!
ライダータイム! 仮面ライダー····· ジオウ!
仮面ライダーディケイド、ジオウへと姿を変えた2人は向かってくる怪人の群れへと突き進んでいく
確認できるだけで敵は30·····
一人一人の力は強くはないが、こうも束になってかかってこられると厄介以外何者でもない。
「さっさと終わらすか·····」
アタックライド····· ブラスト!
ライドブッカーを銃へと変えたディケイドは放った銃撃で次々と怪人の群れを蹴散らしていく
遅れをとる訳にはいかないジオウも負けじとタイムブレイクの構えに入ると、放ったキックで纏めて撃破してみせた。
「あの時よりはやるようになったじゃないか。」
「まあね。」
少し自慢げなリュウト
次々と攻撃を仕掛けてくる戦闘員や怪人との戦闘の中でリュウトはあの時行方不明になっていた男性の姿を捉えた。
「ディケイド! アナザークウガだ!」
「何!?·····」
リュウトの予想は的中、アナザークウガウォッチの起動音と共にアナザークウガの巨体が街へと姿を現す。
「やばい·····!」
「怯むな!」
標的を戦闘員からアナザークウガへ切り替えた2人だったが、アナザークウガの巨体故に思う様に攻撃が届かない。
更にはアナザークウガから放たれた火球を受けてしまいその場で倒れ込むディケイドとジオウ
目の前にはアナザークウガと無数の戦闘員達。
まさに絶体絶命
そんな2人の元へ警察のサイレンの音が響き渡る
「総員配置! あの未確認生命体と戦う2人を援護!」
複数のパトカーから降り立つと共に銃を構える部下へと1人の男性が指示を行う
「攻撃開始!」
その男性の合図と共に射撃を開始する警察達。
放たれた弾丸はアナザークウガと周囲への戦闘員へと命中する
「随分と手馴れた動きだな·····」
ディケイドはスムーズに行われた攻撃を見ながら静かにそう呟いた。
「なんかよくわからないけど····· 行ける気がしてきた!」
「とにかく終わらせるぞ。」
警察による援護と共にジオウとディケイドはアナザークウガへと向かっていく
そんな街の様子を見守る1人の青年。
その手にはクウガライドウォッチが握られていた
謎の男 ティードにより消えてしまった仮面ライダーの歴史。
平成仮面ライダーの歴史を取り戻すべくアナザークウガと対峙するジオウへと接触を試みる青年が居た。
一方、ティードを倒す為に1人でティードの元へと向かったゲイツ。
ゲイツを迎え撃つべく現れたティードは「平成仮面ライダーの力を使えるのはお前たちだけじゃない」と言い放つと共に戦極ドライバーを巻く。
次回、「15の力 2019」