魔法科高校の劣等生 Missing_number 作:イオハ
思いの丈をぶちまけただけの作品ですのでよろしくお願いします。
文章構成の仕方とかよくわかってないです。
Missing No.0-0 前触れ
某年12月下旬。年越しのために家の大掃除で忙しくなる時期、とある一軒の家では別の意味で忙しなかった。
その家は魔法師の中でも百家の家系であり、魔法師界隈では珍しくも「四」の数字の入る家系の
四々舞家は二階建ての一軒家に加え、敷地内に道場がある。その道場内では少年と壮年の男性が木刀を構え、相対していた。
二人は構えを解き、少年はへたり込み壮年の男性はそのまま立ったままだった。
「……やはり父上にはまだ勝てないようです」
「まだまだ若者に後れをとるほど
少年――四々舞
四々舞家現当主である四々舞武雄は近接格闘剣術の達人であり、自己加速術式や硬化魔法を好んで使用していた。第三次世界大戦でもその剣の腕と継続戦闘能力から「
一方の四々舞兼はと言うと、武雄にはまだ及ばないものの、現段階で同年代又は現役の魔法師にも引けを取らない技術を持ち合わせているのもまた事実であった。
つまり、兼はある意味では戦闘魔法師として中学生の身でほぼ完成していた。
「……兼、お前はあの時に変わったよ。何がどうなったかは皆目見当もつかん。ただ、私は今のお前の方が扱き甲斐があっていいとは思うがな。」
修練終わりに汗を拭いていた兼に武雄はぽつりと呟く。
そう。少し前までの兼はここまで優等生ではなかった。どちらかというとろくでなしの部類に入っていた。
――3年前の兼の誕生日の外食の帰り道、兼は交通事故で意識不明の重体になった。
それまでの兼はろくに修行もせず怠惰に生活していたため、魔法の使い方は知っていても実際に発動したことが無かったために、発動が間に合わず、自前の情報強化すら展開していなかった結果である。
家族の適切な応急処置のおかげで救急車が来るまで持ち、病院で一命を取り留める。しかし頭を打っていたのか記憶の混濁が酷かった為に落ち着くまで面会謝絶となった。
数日で記憶の混濁も落ち着き、普通に会話もできるようになったがその時には性格ががらりと変わっていたのだ。
しかし、入院時最後のメディカルチェックでも異常は無かったためそのまま退院する運びとなった。
退院するとしばらく自室に籠もり、勉学に取り組むようになり、
――と言うのが武雄の発した言葉の意味である。
「……なんてことはありません。事故に遭ったことで自分の未熟さや命の大切さに気付き、真面目に生きようと決めただけのことです。」
と、まともに聞こえる回答をする。しかし――
(実は貴方の息子さんは3年前の事故で亡くなっていて一命を取り留めたのは私が何故かその息子さんの中に入ったからなんです。なんて伝えられるわけないよ……。)
――そう。そこにいる四々舞兼は四々舞兼に非ず。見た目だけ一緒の別人と言っても過言ではない存在なのである。しかも――
(まさかこの世界が実在するとはなぁ・・・・・・魔法科高校の劣等生の世界。)
前世の記憶持ちでこれから起こることを記憶しているのである。
彼は生前、ごく普通のライトノベルが好きな大学生だった。日課の本屋巡りと図書館巡りの途中、兼同様に交通事故に遭い他界している。
本人も車の勢いから死ぬことを察していたが、気が付けば病院でその上で、しかも見た目も世界も何もかもが違えば混乱もする。医者も事故による記憶の混濁があって当然と判断し、容体が落ち着くまで両親も含め面会謝絶をしてくれた。
そのおかげで状況の整理と気持ちの整理、そして兼の記憶を辿る余裕ができたことは大きかった。ナイス先生。
しかし前世に未練がなかったわけではない。だが死んでしまったものはどうしようもない上に新しい人生を歩めることは奇跡と言っても過言ではないと区切りをつけ、この世界で生きていくことを決めたのだ。
――父武雄の一言から自分の境遇を再確認する兼。
「儂としては兼との修行はとても有意義だったぞ。
そんなことを知らない武雄は朗らかに笑いながら兼にいつも通り話しかける。そしてその話を聞いた兼は苦笑していた。
「……ところで兼よ。おぬし高校は第一高校に入学する予定であったな?」
自分では上手く方向を変えたの思っている武雄ではあるが、周りから見れば違和感のある話題の切り替え方だった。
「はい。来年の春に魔法大学付属第一高校に入学する予定です。既に志願書も書き終え、後は提出し試験に臨むのみです。」
突然の話題転換に兼は疑問を持ちつつも、すぐに返事をした。
「そうかそうか……実は先日、
本家とは四葉家のことを指す。四々舞家は表向きは百家の源流ということになっているが、本当は十師族である四葉家の分家の一つである。
ここ最近で一番動いている分家と言えば黒羽家であるが、少し前までは四々舞家も実働部隊としてよく動いていた。
兼は前世の記憶持ちとして考えられることとして真っ先に思いついたのは、とある兄妹の事だった。
「なんと連絡があったのですか?」
「……高校入学後、司波兄妹とコンタクトを取り、取り巻きの一人として仲良くする風を装いながら護衛せよ。だそうだ。」
兼としては半分予想通りで半分予想外の指令だった。
「……解せません。関わらずに遠巻きから護衛するのであればまだ理解できますが、どうしてそのようなリスクのあることを。」
それに気になることもある。父武雄は「司波兄妹」と言った。次期当主候補である司波深雪だけではなくガーディアンである司波達也も含めて守れと。
「お前の疑問も十分承知している。だが、これは当主様直々のご指示だ。」
おそらく父武雄もこの指示の意図を掴みきれていない様だ。兼自身もよくわかっていないが、取り巻きになれば遠くからできないフォローもできるだろうということなのかもしれない。
数多の推測をするものの、確信を持てる推測をすることはできなかった。わからないことを考えても仕方がないと思考を切り替える。
「当主様の指示にも相応の理由があるのだろう。我々はそのオーダーを遂行するのみだ。」
武雄も確信には及ばずともある程度の予測を立てたのだろう。呆ける時間はないと言わんばかりに話を切った。
「……解りました。それでは私はどちらになればよいでしょうか?」
魔法大学付属第一高校には定員が200人。そのうち上位100名を一科生、以下100人を二科生と呼ぶ。
一科生と二科生の差は教師の有無と制服のエンブレムの有無のみで、オンラインの授業に参加や、施設の使用、資料の閲覧などは可能である。
しかし、それでもやはり当の本人たちは格差を感じてしまうのだろう。一科生は二科生を蔑み、二科生は己を貶める。
兼はそのことをくだらないと思っているが、慣習になってしまっていることを態々逆らって悪目立ちをするのもよくない。
一科生になろうと二科生になろうと変わりはしないのだ、周りの評価など気にする必要はない。ただ穏便に事を為すまでだ。
「どちらでも構わん。本家からは条件等は付けられてなかったからな。」
条件がない。つまりそれなりに信頼されていると捉えることができるのだろう。珍しく武雄の顔が少し緩んでいた。
四々舞家は実力で物事を図る傾向にあるため、実力と権力の両方を兼ね備える真夜に信頼されているということは武雄も嬉しいのだ。
「そうですね……では、二科生で入学するとします。」
「ほう……理由を聞いてもいいか?」
兼の実力ならば成績上位を狙うことも可能だろう。しかし、敢えて二科生を選んだのには理由がある。
「はい。まず第一に自分の実力を隠蔽するためです。これにより第一高校に所属する面々に能力を誤魔化すことができます。いざというときは本気を出しますが、必要以上に力を見せることはリスクがあると判断したためです。」
百家の源流という表の顔を持っている手前、二科生になると白い目で見られるかもしれないがそれはそれだ。気にしなければいいだけのこと。
「第二に兄の達也の行動を監視するためです。」
「達也をか。彼には力があるのは知っているが監視する必要はあるのか?」
武雄は達也の力の一端を知っている。が、本家の使用人達や他の分家の人間からの扱いも知っているため、どう扱えばいいのかはっきりしていないのだ。
「必要です。達也と深雪さんのどちらをフォローすることが多いかというと確実に達也の方でしょう。深雪さんのフォローはガーディアンであり、何より兄である達也が確実に行うはずです。」
原作知識だと、達也はトラブルメーカーだ。彼を監視しフォローすることで達也ができるだけ目立ちにくくすことができるだろう。
「そして何より、深雪さんは達也のことを慕っている。言い方が悪いかもしれませんが、深雪さんのほうから達也のもとに向かうでしょう。」
まず前提として兼は男だ、男同士で友情を育むほうが自然だろう。逆に男女間の友情は少なからず存在するが少数派だ。初対面の年頃の女性に男から声をかけるということは周りから色恋と勘違いされかねない。
当人らはさして問題にしないだろうが、周りの面々はそうはいかない。確実に話題になる。変に勘繰られるよりかは大分マシと言えるだろう。
「ふむ……。お前の言い分は分かった。言っていない理由もあるだろうが、この際目を瞑ろう。」
言っていない理由を即座に看破されて少し恥ずかしいが表情には出さないようにする。
「この際だ、能力の隠蔽する訓練もつけてやろう。付け焼刃ではばれる可能性があるからな。」
そう言いつつ、木刀の素振りを始める武雄。兼は疲労が蓄積しているため立つのがやっとだった。
「何心配するな。二ヶ月もすれば完璧になる。お前は筋がいいし、なんせ私が教えるのだからな。」
そこには不敵に笑う無情の鬼(直喩)が立っていた。
――それから二ヶ月後。兼は能力の隠蔽技術を手に入れたが、短期間での激しい訓練が軽いトラウマになったとか。
読んでいただきありがとうございます。
後々主人公の家族構成などをまとめたものも出そうと思っています。
じゃないとわけがわからないですからね……。
更新はできるだけ早くしたいと思ていますが、現在多忙なため目途が立っていない状態です。
期待せずにま待っていただけると幸いです。