魔法科高校の劣等生 Missing_number 作:イオハ
やはりイフ改でお猿さんになるのはよくないですね……。
今更ですが補足です。
達也の知識として
・四葉の分家に四々舞家が存在するのを知っている。
・勿論、兼の存在も知っています。
・ただ兼の具体的なパーソナルデータまでは知りません。
・四々舞家は表立って活動してる手前、接触はほとんどできなかった。
兼が気配を偽った経緯
・「達也の目を誤魔化すのであれば気配を消すのではなく気配を偽る必要がある」という知識を持っていたため
というのがあります。
高校生になって二回目の朝だ。
今日は普段通りに起き、朝の鍛錬をした後に学校へ向かう。
登校途中でレオと偶然合流し、そのまま一緒に登校する流れに。
「兼、今日は何をするか知ってるか?」
「今日は履修登録とか授業の見学じゃなかったっけ?」
そのまま教室に到着した後も会話は続き、席が近いこともありこのまま本鈴が鳴るまでお喋りをするかと思っていた時。
「……なぁ兼、あれ見てみろよ。キーボードオンリーで端末を操作してるやつがいるぜ。」
レオが顎で兼に後ろを見るように促す。
促されるままに後ろを向くとそこにはキーボードオンリーで端末を操作する達也の姿が。
何時来たのかわからなかったがこれは僥倖。兼が話を振るまでもなくレオが達也のほうに食いついてくれた。
「珍しい上にすげぇな。今どきキーボードだけでってのは。」
「たしかに……。俺もキーボードを使えなくはないが、あれだけの速さで操作するのは無理だな……」
レオは達也と初対面だが兼は(知識上)初対面ではない。だが、違和感のない接触をするためにレオの話に乗っかる。
ついでに補足だが、兼は前世の記憶に引っ張られる形で体に馴染むものや馴染まないものがある。その一つが端末操作だ。
この世界での端末操作にはキーボードの他に視線ポインタ脳波アシストなどがある。これらの技術は初見の操作性だけで言えばキーボードより優れているだろう。
それでも兼は前世の関係でキーボード操作のほうが馴染むという結果になった。
あくまで馴染むだけである。普通の人より早く打てる程度だ。例えるのなら、達也の3分の2程度の速度でならキーボード操作をミスなく行える。
一通り操作が終わったのか、達也は操作を止め端末の画面から顔を上げる。
その時にレオと兼と目が合う。
「……別にみられても困りはしないが。」
「あっ?ああ、すまん。珍しいもんで、つい見入っちまった。」
「珍しいか?」
「珍しくないか珍しいかで言ったら珍しいと思うぜ? 俺もキーボードを積極的に使うが俺以外でキーボード操作に精通してるやつは初めてだ。」
レオが見入ったことに対し軽く詫び、達也の疑問には兼が答える。
「慣れればこっちのほうが速いんだがな。視線ポインタも脳波アシストも、いまいち正確性に欠ける。」
「それには俺も同意するが、簡易的で安易的な操作性故にみんなそっちに流れてしまってるのさ……。」
「なるほど。そういう見方もあるか。」
兼と達也でキーボード談議に熱が入り始める。が、自己紹介をしていないことに気付き、レオと兼は話を一旦切り上げ名乗ることにする。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名前は西城レオンハルトだ。俺のことはレオでいいぜ。得意魔法は収束系の硬化魔法だ。そんでコイツが――」
「四々舞兼って名前だ。兼って呼んでくれ。よろしく。」
「司波達也だ。俺のことも達也でいい。」
「OK、達也。」
「わかった。改めてよろしく達也。」
そのあと軽く会話した後、レオが達也に得意魔法は何かと質問する。が、達也は実技が苦手で魔工技師を目指していると言う。
「え、なになに? 司波くん、魔工技師志望なの?」
「達也、コイツ、誰?」
達也の将来を聞き興味津々な明るい栗色髪のミディアムショートカット女子に対し、レオが引き気味に指を差しながら達也に訊ねた。
そして始まるレオとその女子との口喧嘩。ある意味すごいな……初対面の人間同士こうもいがみ合えるのは。
「……エリカちゃん、もう止めて。少し言い過ぎよ。」
「レオ、落ち着けって。今のはお互い様だし、口じゃ勝てないと思うぜ?」
今にも取っ組み合いを始めそうな雰囲気を醸す二人を、黒髪のやや長めのボブカットの眼鏡をかけた女子と兼の二人が仲裁に入る。
仲裁が入った後もいがみ合う二人。それをどこ吹く風と言わんばかりに再び端末の操作を再開する達也。
そんなやり取りをしつつも、先ほどの女子二人とも互いに自己紹介を終え(栗色ミディアムショートは千葉エリカ、黒色セミロングボブは柴田美月というらしい)あれやこれやしていたら予鈴が鳴った。
皆、各々の席に座り作業を始める。本鈴が鳴り、オリエンテーションが始まる。
◇ ◇ ◇
入学二日目にして行動を共にするメンバーが固まったであろう兼たち。
午前中に工房を覗きに行った時は問題なかったが、昼食時に達也の妹であり一科生ある深雪さんが達也と一緒に食事をしようとしたところで多少問題が発生。
グループ内での問題ではなく外からの問題ではあるが・・・・・・。
深雪と一緒にいた彼女のクラスメイト達が遠回し(最終的にオブラートに包む気も見せていなかったが)に兼たちが邪魔だと言ったのだ。
最初は問題なかったが、一科生の身勝手で傲慢な言い種に沸点の比較的低いであろうエリカとレオが今にも怒りを爆発させそうだった。
その時兼は二人を窘め、達也は急いで食べ終わり兼達に断りを入れて席を立ち、その場から離れて最終的な解決とは行かないが場を納めることができた。
その後、深雪は兼達に目で謝罪し、達也とは逆方向に去っていった。
午後にも一幕あったものの、こちらは割愛。何故かというと悪目立ちしただけだからだ。一悶着あったというわけではない。
放課後、兼達五人グループは一緒に下校する流れだったが、そこで深雪さんが合流した。
そこまでは良かった。問題はその深雪さんにくっついてきたクラスメイト達が難癖を付けてきたのだ。
「いい加減に諦めたらどうですか? 深雪さんは、お兄さんと一緒に帰ると言っているんです。他人が口を挿むことじゃないでしょう。」
一科生の理不尽な行動に最初にキレたのは、意外にも美月だった。
美月は達也たちの前に出て一科生を相手に雄弁をふるっている。それに付き添うようにエリカとレオも一緒にいる。
一方で達也と兼、そして深雪はその少し後ろから状況を見守っていた。
「別に深雪さんは貴方たちを邪魔者扱いなんてしていないじゃないですか。一緒に帰りたかったら、ついてくればいいんです。何の権利があって二人の仲を引き裂こうとするんですか。」
美月が言っていることは間違っていないし正論だ。ただ……――
「引き裂くと言われてもな……」
「言ってることは間違っちゃいないが、微妙にずれてる気がするな……」
――達也も兼も、美月の言葉に決定的に何かがずれている気がするのを感じ取っていた。
その隣で深雪は何故か顔を赤らめ慌てていた。
それに気付き、理由を問い質している達也。
「いやぁ……青春だねぇ……」
そしてすべてを知っているが故に余裕を
誰しもが止めに入ろうとしなかった。
場は混沌を極めていた。
言い争いがヒートアップする。感情的に物を言う一科生たち。それを冷静に正論で叩き返す美月達(主にエリカとレオ)。
このまま場が収まるのならいいのだが、それで収まるほど彼らは大人ではない。
「……どれだけ優れているか、知りたいなら教えてやるぞ。」
「ハッ、おもしれえ! ぜひとも教えてもらおうじゃねぇか」
一科生の威嚇とも最後通牒ともとれる言葉を、レオが挑戦的な大声で応じる。
脅しが聞かないと判断したのか、それとも元からやる気だったのか不明だが啖呵を切っていた一科生の男子が不敵に笑いだす。
「いいだろう……。だったら教えてやる!」
腰のホルスターから拳銃型のCADを抜き、レオに突きつける。
特化型CADは格納できる魔方式が少ない代わりに使用者の負担を軽減するサブシステムが備わっている。
それに加えて術者の技量も相まってレオをターゲットとした魔法が一瞬で発動する――
「ヒッ!」
はずだった。
魔法を発動させようとしていた彼の手にCADは無く、地面に落ちていた。
そしてその眼前には、伸縮警棒を振り抜いた姿勢で笑みを浮かべるエリカが立っていた。
「この間合いなら身体を動かしたほうが速いわね。」
一科生の行動を阻止しようと動いていたレオもその意見に賛同しているものの、自分の腕ごと警棒で弾こうとしていたんじゃないかと愚痴をこぼす。
それに対して誤魔化す気のない愛想笑いでレオを軽く弄るエリカ。
一科生を無視して内輪揉めが始まりそうだ。始まる前に別の一科生が行動を起こすわけだが。
「みんなもうやめて!」
彼女が魔方式を起動し始める。
兼は事前の知識から、達也は己が能力で攻撃性の低い閃光魔法だとわかっている。
達也が何かしようとしているのを兼が横で見ていたが、何もしなかった。なぜなら――
「止めなさい! 自衛目的以外の魔法による対人攻撃は、校則違反である以前に、犯罪行為ですよ!」
達也が何かをする前に声の主がサイオンの弾丸を撃ち込み、起動式を砕いてしまったからだ。
サイオン弾で魔法の発動を阻止したのは、生徒会長・七草真由美だった。
その隣には起動式の展開を完了させている風紀委員の腕章をした女子生徒――入学式の生徒会紹介の場にいた風紀委員長の渡辺摩利という三年生だ――が立っていた。
(生の七草生徒会長と渡辺風紀委員長を生でここまで近くで見たのは初めてだけど、すごいな七草生徒会長……いろんな意味で。)
一科生達やエリカ達(達也と深雪を除く)が言葉無く硬直している中、兼は新しく現れた二人を真剣に観察していた。
設定や映像で確認して知っていたことではあるが、生で見るのでは感じるものが違うと……。何がとは言わないが。
周りが緊張した空気の中、能天気にそんなことを考えることができるのはこの後の流れを知っているからか、はたまた生来の性格ゆえか。
「あなたたち、1-Aと1-Eの生徒ね。事情を聞きます。ついて来なさい。」
冷徹と言われても仕方の無い硬質な声で命じる摩利。誰も動かない。反抗心からではなく、雰囲気に呑まれて動けないのだ。
そんな中、その空気を打ち破って達也が深雪と一緒に摩利の前に歩み出る。兼もその後ろを付いていく。
「すみません、悪ふざけが過ぎました。」
「悪ふざけ?」
「はい。 森崎一門のクイックドロウは有名ですから、後学のために見せてもらうだけのつもりだったのですが、あまりにも真に迫っていたので、思わず手が出てしまいました。」
レオにCADを突き付けた男子生徒が驚く。
他の一年生も今までとは別の意味で絶句している。そんな中、兼は未だに笑みを絶やさない。
摩利はCADを違法にしようとした一科生の男女二人を一瞥した後、達也を見て冷笑する。
「ではその後に1-Aの女子が攻撃性の魔法を発動しようとしていたのはどうしてだ?」
「驚いたのでしょう。条件反射で起動プロセスを実行できるとはさすが一科生ですね。」
達也の言っていることに間違いはない。が、年齢にそぐわない冷静さだ。
この場は達也の独壇場となった。摩利が疑問を投げ、達也が返す。達也が展開された起動式を読み取ることができるという人間離れした芸当が可能ということが発覚して場はやや騒然としたが、深雪のアシストと真由美の寛大な温情により事なきを得ることができたのだった。
ちなみに兼は、達也と深雪の後ろでこの出来事に立ち会うことができて感動していた。
読んでいただきありがとうございます。
オリ主を活躍させることが難しい……
ふと疑問に思ったのですが、
投稿間隔ってどのくらいが適切なんでしょうか?
私の感覚ですと、読んでた作品の関係で月一ペースくらいでも早い部類だと思っていましたが……。
週1くらいのほうがいいのでしょうか?
とりあえず週一は難しいかもしれませんが、できるだけ早く投稿したく思っています。
私のページの紹介欄?のところに進捗を載せています。
暇なときに確認していただけると幸いです。