魔法科高校の劣等生 Missing_number 作:イオハ
前世の記憶がちょこちょこ出てき始めたので補足です。
・前世はアニオタ
・決してバカではなかった。
・運動は部やサークル等に所属してないものの、教えてもらえれば人並みには動けていた
・記憶力はいい方
・要領はいい方
といった感じです。ぶっちゃけどこにでもいるようなモブ。若しくは準レギュ。
登校中にまたもやレオと合流。
この調子でずっとレオと一緒に登校していると二人で一緒にいることが当たり前なのだと周りに思われそうだ。
それが嫌なのかと言われるとそうではないが、一人で動きにくくなる可能性がある。そのあたり気を付けるとしよう。
そう考えながらレオと他愛のない会話をしながら登校していると―――。
「やぁ四々舞。おはよう。」
後ろから右肩に手を置かれながらあいさつをされた。
挨拶してきた声は女性のものだった。そしてこうも気さくに話しかけてくる女友達はいない。考えたくもないが考えられる答えは一つ。
半ば諦めつつ、右肩に乗せられた手の方向を見る。
「……おはようございます。渡辺風紀委員長。」
そこには先日いきなり悪い意味で目を付けられた人物。渡辺摩利がいた。
「すまない。ご学友を少し借りてもいいかな?」
「あ、はい。どうぞ。」
「あっ! レオお前、俺を見捨てるのか!」
先輩後輩の立場などもあるだろうがレオは先日の一件で少し彼女に苦手意識が芽生えているようだ。
「じゃあ俺は先に行ってるぜ。また教室でな!」
「レオ! 置いて行くな! レオー!」
兼の悲痛な叫びは届かず、レオは足早に学校へと向かってしまった。
「酷いじゃないか。先輩が可愛い後輩と話をしたかっただけだと言うのにその態度は。」
「前日に何もなければ問題なかったですよ。それに話をしたいって……詰問するの間違いじゃないですか?」
摩利の昨日の反応を考えるに、会話をしたがるかと言われると怪しいものだ。
俺の不審な行動に対して疑問をぶつけてくる方がしっくりくるだろう。
「登校中では聞けることも限られるから手短に聞くぞ。」
「……お手柔らかにお願いします。」
渡辺先輩の表情と声色が真剣なものになったので、兼はふざけた雰囲気をすぐに引っ込めた。
どちらにしても、ここは駄々をこねて時間を延ばすよりさっさと答えてお引き取り願う方が早く解放されるだろうと判断する。
「昨日のお前はずっとにやけていたが、あれには理由があるのか?」
まぁ、聞きますよね。俺が摩利さんの立場だったとしても聞いてる。だって不審だもんね。
言い訳というわけではないがいつか聞かれるかもしれないと思い、いくつか回答を用意していたのがこうも早く役立つときが来るとは……。
「いいえ、深い意味はないです。あれだけ派手に騒いでいたので、大事になる前に仲裁役が来るだろうと楽観的に考えていただけですよ。」
当たり障りのない無難な回答。無難すぎて興味を失ってもらえるといいなと期待したが、この理由だけでは摩利は納得してくれなかった。
「本当にそれだけか? 仮に私達の到着が少しでも遅ければ君たちの誰かが魔法の攻撃対象になっていたあの状況で?」
「それだけですよ。それに、一度死にかけた自分としてはあんなの可愛らしいものじゃないですか。」
無難な回答でダメなら奇を
「なるほど……。君らしい回答だな。」
理解はできないが納得はするといった表情で苦笑いされる。
月並みな回答じゃ貴方が納得しないだろうからこういう回答したんだけどなぁ……。
俺は
「……ふむ、よし。四々舞、今日の放課後に生徒会室に来い。これは風紀委員命令だ。」
突然そんなことを言い放つ摩利。
どうしてそんなことを言い出だしたのかを聞こうと思ったが、残念ながら時間切れだ。学校に着いてしまった。
摩利は待っているぞと言わんばかりに片手をヒラヒラと振って校舎に向かう生徒たちの中に消えていった。
「放課後ねぇ……。」
放課後は達也と生徒会副会長の服部先輩による模擬戦があるから時間次第では生徒会室は空になるだろうなぁ……。
「……先回りしとくか。たしか、第三演習室だったよな。」
今日の昼休みは校舎の散策になりそうだな。と考えながら兼は自分の教室に向かうのだった。
◇ ◇ ◇
昼休み後の授業――据え置き型のCADの操作を習得するガイダンスだが――の最中、達也は昼食時の生徒会室での顛末を話していた。
ちなみに兼が生前の記憶を抜きにして達也が生徒会室で昼食をとることになったのを知っているのは、朝礼前にレオから聞いたからである。
「そんで? 生徒会室で綺麗な女性陣に囲まれて食事を採っていた達也殿はどういう経緯で風紀委員になれと言われたのかな?」
からかいながら話の続きを促す兼。普段ならこの手の話題に食いつきそうなエリカだが、今回はあまり話に乗ってこない。
「囲まれていたことに関しては否定しないが、寧ろ男一人だけだったから居心地が悪かったぞ。」
呆れ気味に返す達也。それもそうだろう。達也は一つだけの例外を除いて感情の強い衝動を失っているのだから。
それを知るもからすれば達也の言葉に納得するだろうし、知らなければ達也の言葉はまた別の意味に聞こえてくるだろう。
「それにしても達也も難儀なもんだな。今朝は兼がその風紀委員長殿に捕まってたぜ?」
「俺を置いて行ったやつがよく言うぜ……。」
レオの同情の言葉に兼が突っかかる。実際置いて行かれたのだからこれくらい言ってもバチは当たらないだろう。
「兼君は何か悪いことをしたのですか?」
無邪気な美月がレオの言葉を鵜呑みにして兼に問いかける。
まぁ、レオの言ってることは一言一句間違ってはいないが。
「何も悪いことはしてないよ。先日の一件で軽く質問されたんだ。」
「お前さん、あの時に覚えられてたもんな。」
「うっせ。」
意趣返しと言わんばかりにレオが茶化す。
そのあと、達也が放課後生徒会室に呼び出されている話をしつつ、会話に交じってきたエリカとレオと兼がギャーギャー言いつつもカリキュラムをこなしていたらいつもの間にか終了時間になっていた。
◇ ◇ ◇
放課後、兼はみんなと別れ第三演習室に向かった。達也と服部副会長の模擬戦を見るためだ。
とはいえ模擬戦が始まるまで少し時間がある。どうやって時間を潰したものか……。
「最近は興奮続きで寝てもあんまり疲れが取れてなかったからなぁ……。仮眠でも取るか。」
第三演習室前に到着したものの、待っている時間が思いのほか長くなったために、演習室の扉の前に片膝を立てて眠りこけ始めたのだった。
「早く見たいなぁ……達也の生模擬戦……ぐぅ……」
早くも夢の世界へ向かう兼。演習場に人が来たら間違いなく不審者扱いだろう。
だが、幸運にも達也たちが到着するまでに兼が誰かに見つかることはなかった。
しばらくして――――
「―――い――おい。起きろ! 四々舞、起きるんだ!」
時間にして三十分も経っていないだろう。その割にはぐっすり熟睡してしまったようだ。
誰からかの大きな声で起こされるのを感じながら目を覚ます。
「ふあぁ……。んー……。」
「四々舞……お前は一体ここで何をやっているんだ?」
声の方に顔を向けると、摩利が腕を組んで
その後ろでは厳しい目をしている服部副会長と呆れた顔をしている達也。
彼は誰なのか?という顔をしている深雪に七草先輩、そして市原鈴音先輩と中条あずさ先輩だった。
「……渡辺風紀委員長殿?」
「ほう……。寝ぼけて私のことを母呼ばわりしなかっただけ誉めてやろう。」
「ど、どうも……」
「だが、それとは別にお前はどうしてここにいるんだぁ?」
ヤバイ。風紀委員長殿が爆発寸前だ。どうにかしないと……。
後ろにいるメンバーで唯一面識のある達也にアイコンタクトで救助を要請するも、達也は横に首を振る。
(達也! 助けてくれ!)
(助けるも何も……そもそも俺はお前がここにいる理由がわからない。弁解するにしても理由がわからないのであれば助けようもない。諦めろ。)
そのような無慈悲な宣告をされた気がする。どちらにしてもこの場面は俺一人で切り抜けるしかない……!
「えーっとですね……。そ、そうです! 校舎内の散策をしていたんですよ! 校舎を自分のペースで散策するのもいいかと思い、ウロウロしていたわけですよ。」
「なるほど、入学したての君だからこそ納得のいく理由だ。だが……散策していただけの君がどうして演習室前で眠ってるんだ?」
まぁ、聞かれるよね。寝るなら寝るで自分の机か図書室だろうし。だが、咄嗟ではあるが言い訳を思い付いたから問題ない! ……はず。
「あー……えーっと……。そ、そう! ここを張ってたら模擬戦見れるかと思っていたんですよ! それで、ここで待機してたら眠たくなってきまして……。」
「演習室前で眠っていたと。ほぉーう……。」
怪しまれている……。むしろこの状況で怪しむなってほうが無理な話か……。
「ところで……どうしてこうも揃いも揃って演習室に?」
「演習室に来たんだ。目的は一つだけなのはわかっているだろう?」
兼ヘの非難を回避するために話を逸らしてみたら、摩利はあっさりその話題に乗ってきた。
好戦的な性格なのだろう。早く模擬戦を見たかったのかもしれない。
「誰と誰が模擬戦を?」
「服部副会長と司波達也だ。」
あ、そこも喋っちゃうんですね。
後ろで七草先輩と市原先輩がやれやれといった感じで少し呆れている雰囲気を出している。
「……模擬戦を見学しても?」
「ふぅむ……服部副会長殿と達也君はどうしたい?」
まぁ、そうだよね。模擬戦をする本人たちが決定権を持っているのは当たり前だ。
了承してくれるだろうか……。
「私は構いません。資料として映像で見るよりも、生で見たほうが感じるものが多いでしょう。」
「俺も別に構いませんよ。」
二人とも二つ返事で了承する。服部先輩が断るかもしれないと思ったが、二科だからと言って向上心のある生徒を蔑ろにするようなことはしないみたいなので少し安心した。
よし! これで達也の模擬戦が生で見れる。
「ありがとうございます。あ、自分のことを知らない方もいらっしゃるので一応自己紹介を。私の名前は四々舞兼と言います。よろしくおねがいします。」
「四々舞……あぁ、君が四々舞兼君ね。」
と、ここで七草先輩が会話に参加してくる。
七草先輩とはまだ接点はなかったはず……渡辺先輩経由か、それとも独自のコネクション?
「あなたも達也君ほどではないにしても、筆記試験は上位10人の中には入っていたわよ?」
「そ、そうなんですね……。ありがとうございます。」
入学試験の結果は普通は公表されない。彼女は生徒会長権限なのか独自の伝手を使ったのかわからないが、入学者の成績を知っていた。
まぁ、それはこの際どうでもいい。問題は兼の成績の方だ。
兼は実技も筆記試験も両方とも入学できるが一科生にならないように手を抜いていた。それにもかかわらず兼の成績は上位に位置していたのだ。
「摩利からも話は聞いているわ。からかい甲斐のある後輩を見つけたってね。」
「渡辺先輩! それどういうことですか!」
入試結果のことで考えを巡らせていたところにまさかのおもちゃ発言。思わずそっちに話題が言ってしまう。
「……さて、何のことやら。それよりも、演習室の使える時間も限られている。さっさと模擬戦の準備をしなくてはな。」
「あ、ちょ。逃げないでくださいよ! さっきの話はどういうことかはっきりしてくださいよ!」
演習室に入っていく摩利と兼。事の発端は兼が演習室前で眠っていたことが始まりだが、それ自体は有耶無耶になった。
がしかし、七草先輩の一言により兼の中で別の問題が発生して問い詰める立場が逆転した。
「……さて。あの二人は一先ずおいておきましょう。二人とも、模擬戦の準備をお願いね。」
そう締めくくり、演習室に入っていくある意味で元凶の七草先輩。
服部は渡辺先輩のおもちゃにされるであろう兼を同情し、達也は面倒ごとが増えたなと呆れ、二人同時に溜息をつきながら演習室に入っていくのだった。
読んでいただきありがとうございます。
沢山のお気に入り、UA、ありがとうございます。
一月ってあっという間ですね。
書いているときはそう感じませんでしたが書き終わってみると一瞬で一月経過したような錯覚に襲われます。
あと、書いてて思ったのですが
私のお話、4000字使ってる割りには話が進まないですよね。
その上、個人的には4000字使ってる割りには内容も薄く感じる……。
お話の内容圧縮したほうがいいのかなぁ……。
次回も遅くても一か月後に出す予定です。