魔法科高校の劣等生 Missing_number   作:イオハ

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無事投稿できました。

投稿ができたことと、内容の濃淡は比例しないのでご了承ください……。


回が進めば進む程、内容が薄々になっていってる気がする。いや、なってる。
どうにかして次回はある程度内容がしっかりしたもの書き下ろしたい所存です。


あと、四々舞は44という数字の百家という設定です。
苦し紛れかもしれませんがそうなんです。
漢字が原因で世間から四葉の分家と勘違いされやすいだけです。(実際は分家ですけども


Missing No.1-7 活動開始

 翌日の昼休み。

 達也は深雪と一緒に生徒会室に向かった。

 対する兼は、レオにエリカに美月の四人で食堂で駄弁りながら食事をしていた。

 

「まさか二科生から委員会入りする奴が出てくるとはなぁ。」

「まぁ、達也君ならある意味順当なんじゃない? 魔法式を読み取れるのだから風紀委員会からしてみれば未遂犯に対する抑止力として喉から手が出る能力のはずよ。」

 

 レオとエリカが達也の委員会入りの感想を述べている。

 因みにエリカ達は兼も風紀委員会入りしたことも知っている。朝のうちに伝えたからだ。

 

「それにしても、風紀委員長選任枠ねぇ……。」

「風紀委員長自らが後進を育てるための枠があること自体は知ってたけど、まさか兼君が選ばれたかぁ……。」

「ええっと……き、きっと名誉なことだと思いますよ、兼さん!」

 

 目を付けられたなと悪い顔をしているレオ。

 達也君とは違った方向で目立ってたみたいだし、こっちもこっちで順当なんじゃない?と軽い同情の表情をするエリカ。

 兼が気落ちしないように必死なフォローをする美月。

 

「ありがとう美月。励ましてくれるのは君だけだよ……。」

 

 美月に感謝しつつ、レオとエリカをジト目で睨む兼。

 二人は悪びれることもなくケラケラと笑っていた。

 

「でもまぁ、それなりに実力を認められた上での抜擢なんでしょ? 兼君は四々舞流剣術を使えるわけなんだし。」

 

 

『四々舞流剣術』

 この流派は少し前までは有名でも目立つわけでもなく、ひっそりと存在する流派だった。

 注目されるようになったのは間違いなく、父の武雄が第三次世界大戦で活躍したからであろう。

 詳細は省くが、基本的には四々舞流には魔法を前提とした技はない。

 この剣術のメインはあくまで剣術であって魔法と剣術の融合ではない。そちらは千葉家の専売特許だ。

 なので剣術の型に邪魔にならない術式を使うことがメインになる。

 単なる剣術を魔法と組み合わせることによって驚異の戦闘力を生み出したのが武雄なのだ。

 言ってしまえば純粋な剣術としては完成しているが、魔法剣術としてはまだまだ発展途上段階なのである。

 

「そうは言うがな……実戦経験があるのならまだしも、まったくの未経験だからな」

「でも、覚悟はあるのでしょ?」

「そりゃあ、まぁ……」

 

 エリカに人の命を奪う覚悟はあるのかと問われ、戸惑いながらも答える兼。

 

「ならいいじゃない。まあ、取り締まるときはそんな覚悟必要ないだろうけどね」

「……うっせ」

 

 突然の真面目な空気から一転、おちゃらけた表情になるエリカ。

 試されたのだと気づき、やや機嫌を悪くする兼。

 どこにいても玩具にされる運命なのかなと、早くも諦めの境地に到達しそうな兼だった。

 

 

 

 

 

  ◇   ◇   ◇

 

 

 

 

 

 放課後、達也と一緒に風紀委員会本部に向かう。

 到着したときに森崎駿とばったり出くわすが、摩利が一喝することでいがみ合い――森崎のほうが一方的に噛みついてきただけだが――はすぐに終わり、摩利に促されるままに席に座る。

 兼たちが据わったことで空席は無くなった。どうやら一番最後だったようだ。

 

「全員揃ったな? そのままで聞いてくれ。今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやってきた。風紀委員会にとっては新年度最初の山場になる。」

 

 摩利が上座で話し始める。

 内容的には、騒ぎを止めようとしてさらに騒ぎを拡大させないようにだとか……まぁ、察するところである。

 

「いいか、くれぐれも風紀委員が率先して騒ぎを起こすようなことをするなよ?」

 

 一瞬だが、摩利の視線がこちらに向いた。

 無理もない。兼は紛れもない問題児筆頭なのだから。

 

「今年は幸い、卒業生分の補充に加えて見込みのあるやつを私が引っ張ってきた。紹介しよう。立て」

 

 摩利に促され、三人が立ち上がる。表情は三者三様だ。

 緊張しているが、それ故にこの仕事に熱意を持って取り組むという姿勢を見せている森崎。

 落ち着いた面持ちながら肩の力を抜き過ぎているような風情のある達也。

 緊張もせず落ち着いてもおらず、これからのことが楽しみで待ち遠しいという雰囲気が隠しきれていない兼。

 森崎の態度にも達也の態度にも一定の好感や頼もしさを感じる者はいたが、委員長の摩利と、前日に顔を合わせた辰巳と沢木以外は兼に対して前向きな感情を向ける者は一人もいなかった。

 ふざけている様に見えたからか、はたまた舐めてかかっている様に見えたのか。人それぞれである。

 

「教職員選任枠から1-Aの森崎駿と生徒会選任枠から1-Eの司波達也。そして風紀委員長選任枠から同じく1-Eの四々舞兼だ。今日から早速、パトロールに加わってもらう。」

 

 一部の生徒を除きざわつきが生じる。おそらく達也と兼のクラス名を聞いたからだろう。

 

「部員争奪週間は各自単独で巡回してもらう。新入りであっても例外ではない」

「役に立つんですか?」

 

 教職員選任枠の一人である岡田という二年生が摩利にそう質問を投げかける。

 形式上一年生三人全員に対しての言葉なのだろうが、岡田の目線は主に達也と兼の二人を向いていることが彼の本音を語っていた。

 

「心配するな。三人とも使えるヤツだ。司波の腕前はこの目で見ているし、森崎のデバイス操作もなかなかのものだ。」

「最後の彼は?」

「お前は二年だから知らないだろうが、彼はこの学校のOBとOGで生徒会役員も務めた四々舞剣先輩と四々舞沙耶先輩の弟だ。」

 

 摩利のこの一言で三年生たちがざわつく。

 あの二人の?といった言葉が聞こえてくる。兄さんと姉さんは優秀だったからなぁ……。

 

「私も彼の実力を確認したわけではないが、とある筋の情報からだと問題ないと太鼓判を貰っている。何より私がコイツを気に入った。」

 

 実力があって私が気に入ったんだ。文句はないだろう?という副音声が聞こえるような発言に岡田は口を噤む。

 元々、兼は風紀委員長枠で選ばれた人物だ。選んだ本人が実力ありと判断している以上、現段階では文句は言えない。

 文句を言えるようになるとすれば、兼が職務を全うできなかった時だろう。

 

「他に言いたいことがあるヤツはいないな?」

 

 これ以上、口を挿む人物はいなかった。

 三年生はお手並み拝見と様子見に徹する者や、我関せずと己を貫くもの。

 二年生には口を出したかった者もいたようだが、上が口出しをしないところを見て、今はこれ以上何も言えないと判断したのか口を出さなかった。

 

「誰もいないということで、これより最終打ち合わせをする。」

 

 摩利が会議の締めに入る。その上で新しく入ってきた一年生3人には自分が説明する旨を伝える。

 

「では早速行動に移ってくれ。出動!」

 

 摩利と新参組三人を除く六人が、次々と本部室を出ていく。

 沢木と鋼太郎は達也と兼に激励の声をかけながら本部を後にする。

 森崎がこちらを睨んでいるが、達也も兼もどこ吹く風である。

 

「やれやれ……。三人にはまずこれを渡しておこう」

 

 摩利が今の光景に頭を抱えつつもすぐに意識を切り替え、腕章と薄型のビデオレコーダーを手渡す。

 

「レコーダーは胸ポケットに入れて使え。あと――」 

 

 その後、レコーダーの使い方や風紀委員の権限、そしてCADについての説明が行われた。

 その時に達也が備品のCADを二機借りていくということから一悶着あったが、それ以外は問題なく進んだ。

 

 

 

 

   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 

 達也はエリカと回りながら巡回するとのことなので教室に向かった。

 兼の指示された巡回エリアは、熾烈を極める校庭エリアから外れた一年棟と第一、第二小体育館だ。

 一年棟はあまり巡回する必要がない――直接教室に押し掛けることは禁止されているらしい――とはいえ、まったくしないのは問題なので場慣れしてもらうためにと配置された。

 第一第二小体育館の方は、非魔法競技系の部活動の比率のほうが多いのと、狭い空間では魔法の打ち合いよりも取っ組み合いになりやすいことを考慮してのことだろう。

 遠回しに実力を示して周りを認めさせろ。と摩利に言われている気がしてならないが、魔法の打ち合いよりも取っ組み合いのほうが対処は簡単だなと、兼は前向きに考え早速一年棟に向かった。

 

 

 敷地が広いとはいえ、五分も十分もかかるほどの広さではない。すぐに一年棟に到着し、巡回を開始した。

 最初に反感が少ないであろう二科生の教室が集中している階を巡回する。

 巡回の途中、走ってどこかに向かう達也とすれ違ったが、向こうがこちらに話しかけてこなかったことから、兼の助力を必要としていない程度の案件なのだろう。

 実際はエリカを探しに奔走しているのだろうということは知っているから、こちらも声をかけずに見送ったわけだが。

 (傍から見たら青春してるようにしか見えないねぇ……)

 事情を知らない人から見ればただ達也が廊下を走っているだけだが、事情を知っている兼からすると、エリカとの約束を守れなかった達也が急いで彼女も場所に向かっているのだから、ニヤケずにはいられない。

 ごちそうさまです。と手を合わせながら達也を見送る兼。合掌に満足した兼はさっさと巡回に戻る。

 二科生たちは自分たちが引っ張りだこに会うことはないと思っているようで、教室にいる生徒帯からはどのクラブを見学しに行くか等、のんびりした空気が流れている。

 人によっては二科生だろうと関係なく、マスコットとして取り込もうとしてくるクラブも存在する――エリカはその被害者になったりするわけだが――から気を抜き過ぎるのは禁物だ。

 兼は二科生の階の巡回を終え、一科生のクラスが集中する階に向かう。

 到着し、巡回を開始するが一科生たちで教室に残っている生徒たちはごく少数だ。

 密かに出回っている入試成績上位者リストのこともあるだろうし、今頃一科生の大半は引っ張りだこに会っているに違いない。

 

「そういえば、北山さんと光井さんはまだ教室にいるかな……」

 

 二人とも成績上位者だからどこでも引っ張りだこだろう。まだ教室に残っているのであればそのことを伝えて人込みに埋もれてしまわないように伝えようかと思い、1-Aを目指し歩みを進める。

 途中、二科生ということで一部生徒から睨まれたりしたが、風紀員の腕章をしているからか絡まれるようなことはなかった。権力って頼もしいし怖い。

 1-Aに到着し教室を覗くも、二人の姿は見当たらなかった。人足遅かったようである。

 一通り一年棟の巡回を済ませたので、兼は小体育館に向かうことにした。

 第一小体育館から向かうのが数字の順番的にしっくりくるが、兼は敢えて第二小体育館に向かった。

 何故ならば、達也が面倒ごとに巻き込まれるからだ。

 ここ数日は自分の欲求を満たすためにハッスルしており、本来の目的である護衛の任務をすっぽかしていたのでその補填というわけではないが、達也一人が奇異の目に曝されるのではなく自分もその場で手伝うことで、意識の分散を図ろうと考えたのである。

 

「余計なお世話にならなきゃいいが……。」

 

 達也一人であの場を捌けていたのだ。俺がその場に入ることで余計な負担にならないかと一抹の不安を覚える。

 がしかし、兼はその不安を振り払う。

 そもそもここで尻込みしていては達也たちの護衛なんて到底不可能だ。

 兼は自分の両頬を叩き、気合を入れて第二小体育館に向かうのだった。




読んでいただきありがとうございます。


お気に入り、UA、まことに感謝です。


多分次から残酷な描写が入り始めると思います。
頑張りますので優しく見守て下さい。

次話投稿予定日は翌月の15日。つまり来年の1月15日になります。
年内の投稿はこれで最後になります。


皆さんよいお年を。
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