無論本編とは違うルートでも、皆様に楽しく読んでいただける小説になるよう頑張って行きます。
注意!
クラス代表戦の8~10話は本編でもあげたものは移しただけなので、内容は変更されておりません。
クラス代表戦。多くの生徒達はこの行事を楽しみにしてましたと言わんばかりに湧き上がっていた。
誰もが自分達のクラスの代表に勝ってもらおうと応援に力を入れており、無論一夏が居る1組も同様だった。
「皆、準備はいい?」
「勿論よ!」
「他のクラス以上の応援力見せてやるわよ!」
「「「おぉ~~~!」」」
大きく手を掲げ上げ燃え上がる生徒達。そるとその近くに戦闘服を着た一夏が通りがかった。
「あ、織斑君! 今日頑張ってね!」
「私達精一杯応援するから!」
「ファイト~!」
「は、はい。ご、ご期待にその、そえるよう頑張り、ます」
クラスメイト達の応援に一夏は照れながらもお辞儀をして足早にピットに向かった。
その後姿に向かって生徒達は頑張ってねぇ!と言葉を投げかけた。
一夏は自身の順番は何時だろうと思いながらもピットへと向かいながら歩いていると、本音ともう一人水色髪で赤眼の少女が居た。
「ほ、本音さんこ、こんにちは」
「あ、イッチー。今日頑張ってねぇ!」
「う、うん。その、そ、そちらの人は?」
「こっちは私の幼馴染の」
「更識簪。名字は嫌いだから簪でいい」
そう挨拶をする簪。
「は、初めまして。お、織斑、一夏です」
「うん、宜しく」
「かんちゃんはね、4組のクラス代表なんだぁ」
「そ、そうなんですか。その、きょ、今日はよろしく、お願いします」
「よろしく。それじゃあ本音、私第2アリーナだから。貴方も頑張って」
そう言い簪は第2アリーナへと続く廊下を歩いて行った。簪の言い方に一夏はふとある事に気付き本音の方に顔を向ける。
「あの、もしかして僕…」
「うん、イッチーは第1アリーナだよ。相手は2組だってぇ」
「そ、そうなんですか。そ、それじゃあ行ってきます」
そう言い一夏が歩き出そうとした所
「イッチー、頑張ってねぇ! 私観客席で応援してるからぁ!」
「は、はい」
本音の応援を背に一夏はピットへと向かった。
ピットに到着した一夏はバレットホークを身に纏い、アイラに話しかけた。
〈ね、ねぇアイラ。2組の代表って確か専用機を持ってないって…〉
〈えぇ、言ってたわね。けど油断しない事。専用機じゃなくても訓練機で専用機を撃破したという非公式の戦闘データも存在するわ。まぁ、アンタの場合この私が居るんだから〉
〈う、うん〉
アイラの励ましを受けながら一夏はしばらく待って居ると放送が流れた。
『お知らせします。これより、第一回戦を行います。第1アリーナ1組代表、織斑一夏対2組代表、
放送を聞いた一夏は驚いた表情を浮かべ、アイラは小さく舌打ちを放った。
〈全くどう言う事よ。2組の代表は専用機持ちじゃないんでしょ?〉
〈う、うん。そう聞いてる。お、織斑先生に聞いたら何かわかるかも〉
そう言い一夏は一旦ISから降りると、近くにあった端末の元に向かい管制室へと繋げた。
「あ、あのお、織斑先生?」
『む? 織斑か。どうした?』
「あの、どうして鈴音さんが2組の代表に? その、たしか2組の代表は、あの、専用機を持ってない人って聞いたんですが」
『あぁ、そのことか。どうやらあの馬鹿者、2組の代表に代表の座を譲ってもらったらしい』
「そ、そう、なんですか」
『2組の担任も詳しく知らなくて、代表戦2日前に初めて知ったらしい』
千冬の報告を聞き一夏は若干困惑した表情を浮かべ、アイラははぁ。と呆れたため息を吐く。
「そ、そういうことですか。あ、ありがとうございます」
『いや、此方こそ何も知らせなくて済まないな。……一夏、頑張れよ』
小さく応援の言葉を掛ける千冬に、一瞬キョトンとなる一夏だが小さく頷き返した。
〈とんでもないことをする奴みたいね〉
〈う、うん。まさか譲ってもらうなんてね。……変な事、言われなきゃいいんだけど〉
一夏は先日の鈴の突然の告白以降、鈴の接触を出来るだけ避ける様になり教室に居ても何時突撃して来るか分からず、暫く怯えた日々が続きクラスメイト達から心配され、つい事情を話してしまった。その結果
『皆、出来るだけ織斑君に突撃してこようとしてくるその2組の子を牽制するわよ』
『そうだね。織斑君。授業とかが終わったら出来るだけ教室の奥に布仏さんと一緒に行っておいて。私達が壁みたいになって2人を隠すから』
『布仏さん、未開封のお菓子あげるから引き受けてくれない?』
『ヌフフフ、喜んで引き受けよぉ』
と一夏の事を本気で心配していた(ほとんど
の)クラスメイト達に匿ってもらい今まで教室で鈴が一夏に突撃してくることも無く、寮に帰る際も出来るだけ本音のみならず何人かの生徒達も含んで部屋の近くまで帰っていた。
〈心配しなくてもいいわよ。アンタは何時も通りに戦えば良いんだから〉
アイラの元気づけに一夏は少し気持ちが和らぎうん。と返事を返しISを再度身に纏った。
その頃、アリーナの廊下を3人の人物が歩いていた。彼等が向かっているのは企業用の観戦席であるが、それよりも更にランクの上がった個室となった観戦席となっている部屋であった。
すると一番前を歩いていた初老の男性が後ろの一人に向かって声を掛ける。
「いやはや、まさか貴方が噂の男性操縦者に興味があるとは思いませんでしたよ、Mr.K?」
そう言われ後ろに居た左目を前髪の白髪で隠したセミロングの男性がフッと笑みを浮かべながら語り出す。
「そりゃあ勿論興味はありますよ。今まで女性しか動かせないと言われてきたISを動かした世界初の男性操縦者。ぜひ今後の為に拝見しておきたいと思うのは誰もが思う事ですよ。Mr.轡木」
「なるほど。流石
轡木はそう言いながら前を歩く。
轡木が言ったPEC社とは、男女ともに使える強化スーツ。ダークネクロム・スーツ、通称DNスーツを開発し販売している会社なのである。DNスーツはISと同等の力を有している。操縦者の技量が高ければIS以上の力を出せるとも噂されていた。
そしてそんな轡木の後ろを歩いているMr.Kこそがその会社の社長だ。
「社長と言ってもまだまだ若輩者ですがね」
「はっはっはっ、ご謙遜を。あ、此方がお二人にご用意したお部屋になります。では私は此処で失礼させていただきます」
「わざわざご案内して下さってありがとうございます」
「いえいえ。ではこれで」
そう言い轡木は歩き去って行き、Mr.Kとその後ろに付いていた腰に剣を携えた男性は案内された部屋へと入室し備えられていた椅子へと腰掛ける。
「社長、何か飲み物などは「一輝、今は二人っきりだ。役職名じゃなくてもいいよ。それと飲み物はコーヒーでいいかな」分かった義兄さん」
そう言い一輝と呼ばれた男性は部屋に備えられているエスプレッソマシンに紙コップを入れスイッチを押す。暫くして芳醇なコーヒーの香りが部屋に満たされる。
完成の音が鳴り響くと紙コップを持ってMr.Kに手渡す。
「どうぞ、義兄さん」
「ありがとう。それにしてもやはりどの世界でもこの行事は
「そうだね。ところで、義兄さん。この世界の資料にはもう目は通したの?」
「一応はね。けど、転生者が居る気配はないかな。今のところはだけど」
そう言い受け取ったコーヒーを飲むMr.K。二人の正体、それはあらゆるアニメなどに紛れ込み欲望のまま活動する転生者を狩るハンター、通称転生者ハンターである。
そしてMr.Kの本名は鬼崎陽太郎、そして一輝は鬼崎一輝と言う名前である。二人には血の繋がりは無いが、本当の兄弟の様に仲が良い。
2人が暫し寛いでいる部屋に備えられているスピーカーから放送が入った。
『これより第1回戦を開始いたします。各代表はアリーナへと出て下さい』
そうアナウンスが入り2人はアリーナへと目を向ける。一方のピットからは赤を基調としたツインテールの少女が飛び出し、もう片方のピットからは白を基調としたフルスキンのISが現れた。
その姿に陽太郎と一輝は怪訝そうな顔を浮かべる。
「あれは…。義兄さん、あれに見覚えは?」
「いや、今まで見てきた物には無いかな。それにしても白式の様な剣タイプではなく銃火器タイプか」
一夏が纏っているISを見て陽太郎は少し笑みを浮かべながら零す。
「どういう戦いを見せてくれるのか、楽しみにさせてもらいますよ。この世界の織斑一夏君」
次回予告
遂に始まったクラス代表戦。アリーナへと出た一夏に鈴は、自分が勝ったら付き合ってもらう。と滅茶苦茶な要求を突きつける。無論一夏はそんな話をしているなど聞こえておらずそのまま試合が開始された。
だがそんな試合に黒い影が襲い掛かろうとしていた。
次回
クラス代表戦part2~イレギュラー発生、ですか~