女性恐怖症の一夏君 IFルート   作:のんびり日和

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16話

デュノアが教師達に連行されていった事に、1組ではその話題で持ちきりであった。

 

「一体何があったんだろう?」

 

「分かんない。織斑先生結構殺気立ってたよね?」

 

「うん、何だったんだろう」

 

多くの生徒達が一体何が起きたんだろうと会話をしている中、一夏も隣の本音に話しかけていた。

 

「け、今朝の、一体何があったんでしょうか?」

 

「さぁ、一体何だったんだろうね?」

 

一夏はオドオドしながら本音に問うも、本音は分からないと言った表情で返す。

そうこうしていると、チャイムが鳴り響き生徒達は急いで自身の席へと付いて行く。

全員が席に着いたと同時に教室前の扉から真耶が入って来た。

 

「えぇ~ではSHRを始めたいと「あの、山田先生ぇ」なんですか、相川さん?」

 

「あの、デュノア君どうして織斑先生たちに連行されていったんですか?」

 

「……ごめんなさい。その事は今お話しする事が出来ないんです」

 

「どうしてですか?」

 

「色々と複雑な事情が絡み合っているので、ごめんなさい」

 

そう言われ相川は、「そ、そうですか」と返し席へと着く。そして真耶はSHRを始めるのであった。

 

真耶のSHR後も生徒達はデュノアが連行された理由を推論し合ったりして時間を潰す。

出てくる推論は、やれフランス政府が派遣したスパイや、やれ実はデュノア社の人間じゃなく別の会社の人間やら、実は男ではなく女だったなど的を射抜いている物だったり外れている物などが上がっていた。

 

そして1限目の授業開始時刻には千冬が戻って来て教卓に立つと、生徒から朝に真耶にしたように質問するが、千冬からは

 

「悪いが、お前達に説明する事は出来ん」

 

「複雑な事情、だからですか?」

 

「そうだ。余りにも複雑すぎる故、話す事は出来ん」

 

そう言い質問を切り上げた。

千冬からの返答に、生徒達はデュノアはそれほど重大な何かに巻き込まれたか、やらかしたのかと想像するのであった。

 

そしてその日の放課後、一夏は何時も通り本音と帰ろうと鞄に教科書を仕舞っていると、

 

「織斑、すまんが少しいいか?」

 

「は、はい。何でしょうか?」

 

「今日使った授業の資料を特別棟の資料倉庫に戻してきて欲しいんだ。本来は教師の仕事なんだが、生憎この後職員会議が入っていて私と山田先生も出なくてはならん。そう言う訳だから頼めるか?」

 

「わ、分かりました」

 

「すまんな。布仏、済まんがお前も手伝ってやってくれないか?」

 

千冬は隣の席の本音にもそう尋ねるが、本音は困った顔を浮かべる。

 

「すいません。実はお姉ちゃんから生徒会室に来るよう言われてて、今から行かないといけなんですぅ」

 

「む、そうか。そうなると、織斑一人に――」

 

「あの、僕、大丈夫です。メサさんと一緒にやれば出来るので大丈夫、です」

 

一夏は千冬にそう言うと、メサも任せなさいと言わんばかりに両腕を上げマッスルポーズを決める。

その姿に千冬はうぅ~ん。と少し悩んだ表情を浮かべた後、はぁ。とため息を吐く。

 

「分かった。それじゃあ済まんがメサと二人で資料を片付けて来てくれ」

 

「わ、分かりました」

 

そう言い一夏は鞄を背負い、教卓へと向かう。

教卓の上には使った資料が重ねておかれていた。一夏は重なっている資料を幾つか持つ。メサは残りの資料を持ち、一夏と共に教室から出て行く。

 

一夏達が教室から出て行き特別棟へと向かう後姿を数人の他クラスの女子生徒が見つめており、手にしていたスマホを耳に当てる。

 

「特別棟に行ったわ」

 

『分かった。後は任せて』

 

 

 

一夏とメサは千冬に言われた資料倉庫へと到着し、戸棚の中へと片付けて行く。

 

「えっと、これで終わり、ですか?」

 

【のようですね。では、戻りましょうか(∩´∀`)∩】

 

メサのプラカードに頷き、一夏とメサは資料倉庫から出ると6人の女子生徒が待ち伏せる様に立っていた。一夏は怯えた表情を浮かべ、メサは一夏の前に立つ。

 

【なんだ、お前等( ✧Д✧) カッ!!】

 

「織斑一夏。アンタが持っているIS、大人しくこっちに渡しなさい」

 

メサの問いに、リーダーと思われる女子生徒がそう告げてくる。一夏は怯えながらも首を横に振り拒否を示す。

 

「こ、これは、ぼ、僕の大事な物です。だ、だから、無理です」

 

「……そう。なら、力づくで奪うだけよ!」

 

そう叫ぶと6人は突如ラファールを身に纏い一夏に襲い掛かって来た。メサは右手をチェーンソーに変え、左手に何処からともなくフライパンを取り出し応戦する。

一夏もバレットホークを身に纏い、手にはバタリングラムを装備しサブアームに銃火器を持たせる。

 

職員会議に出ていた千冬。すると突如爆発音が会議室内に響き、何事だと千冬が立ち上がろうとした瞬間

 

「動かないでください、千冬様」

 

そう突如横に居た女性教師が拳銃で千冬の動きを制する。

 

「…何の真似だ?」

 

「少々手荒ではありますが、貴女の弟さんからISを頂こうとしてるんです。貴女が向かわれると、困るので此処で大人しくしておいてください」

 

そう伝える教師。すると他にも3人程の教師も立ち上がり拳銃を抜く。

 

「…何をやっているのか、分かっているのか?」

 

「えぇ、勿論。これも全ては女性達の為。愚かな男どもがつけ上がるのを阻止する為です。弟さんにはその犠牲になって頂くだけですよ。まぁ、良いじゃないんですか? あんな手のかかる弟なんていらないでしょ?」

 

そう言った瞬間、女の体が突然壁にめり込むほどの勢いで叩きつけられた。更に頭からは血がダラダラと流れ始めた。

突然の事に銃を持った教師達は驚きの表情を浮かべ、千冬の方を見る。その手には何処から取り出したのか出席簿が握られていた。

千冬はゆっくりと銃を持った教師の方に目を向ける。その目はまさにハンターの様に鋭く、眼力だけで人を殺せるほどであった。

 

「貴様らぁ。私の大事な弟によくも手を出したなぁ」

 

そう呟きながら一歩前に踏み出す。恐怖した一人が千冬に向かって拳銃の引き金を引くが、千冬は迫って来た弾丸が見えているのか、出席簿を振って弾丸を弾き飛ばした。

 

「そ、そんな!?」

 

弾丸を弾いた千冬に教師達は恐怖し後退る。

 

「貴様ら、楽に死ねると思うなよぉ!」

 

そう叫び銃を持った教師に襲い掛かる千冬。

 

 

生徒会室にて本音は姉、虚に任された仕事をえっさほいさと片付けていた。

虚は最近思った事を口にする。

 

「それにしても本当、貴方変わったわね?」

 

「そぉう?」

 

「えぇ。前までサボってたりぐーたらしていたのに、今じゃてきぱき仕事してるじゃない」

 

「だって、早く終わらせたらイッチーと遊べるもん。だから『ドカァン!!?』ほへぇ?」

 

「爆発!?」

 

突然の爆発音に本音や虚は驚き窓へと向かう。すると特別棟から黒煙が上がっていた。

 

「特別棟から黒煙が…。 一体何が?」

 

「特別棟…。ッ!? イッチー!」

 

特別等から黒煙が上がっている事に本音は、直ぐにイッチーが巻き込まれている恐れがあると思い本音は生徒会室から飛び出しすぐさまベルトを取り出し腰に巻く。

 

その頃特別棟では一夏とメサが必死に攻撃してくる生徒達に反撃していた。ライフルやグレネードランチャーで攻撃してくる生徒に、一夏は躱しつつ接近してきた生徒を反撃する。

 

「さっさと墜ちなさい!」

 

「このぉ!」

 

そう叫びながら来る生徒2人。一夏はナイフで斬りかかって来た生徒に対しバタリングラムで応戦し、もう1人はサブアームの射撃で牽制する。

 

「まだいるのよ!」

 

「隙だらけよ!」

 

そう叫び飛び掛かってくる2人の生徒。サブアームで対処しようにも間に合わない。そう思っていたら

 

「イッチー、避けて!」

 

そう叫び声が聞こえ一夏はすぐさま近くに居た生徒をバタリングラムで突き飛ばしその場を離れると、4人のいた場所に向かって無数の弾丸が襲う。

暫くして銃声が止み一夏やメサに攻撃していた生徒達が銃声がした方に目を向けると、其処には

 

「ほ、本音さん!」

 

「イッチー、お待たせぇ! 援護するよぉ!」

 

仮面ライダーガタックに変身した本音が居た。

 

「チッ! あぁもぉ、鬱陶しぃ!」

 

そう叫び一人がメサに蹴りを入れる。メサはそれをフライパンで防ぐも、大きく後ろに飛ばされる。その隙に一気に間合いを詰めた生徒がメサに斬りかかる。

 

一夏はメサの援護をしに行こうとするが2人の生徒が行くてを阻む。残りの2人は本音に向かって攻撃を仕掛けてくる。

本音は直ぐにベルトのバックルのガタックゼクターの顎を開ける。

ガタックの装甲が若干動く。そして

 

「キャストオフ!」

 

キャスト・オフ

 

そう声が聞こえると同時に本音は顎を大きく開ける。それと同時に装甲が吹き飛ぶ。飛んだ装甲は迫って来た生徒二人にぶつかりそのまま2人はISを強制解除され倒れ込む。

 

チェンジ・スタッグ・ビートル

 

「な、何よあれ!?」

 

「し、知らないわよ!」

 

そう叫ぶ生徒達。一夏とメサはその隙を逃さず、バタリングラムにフライパンで重い一撃をそれぞれの生徒達に喰らわせ強制解除に持ち込む。

一人残った生徒はギリッと歯軋りをしながら血走った眼で睨む。

 

「どいつもこいつも使えないわね!」

 

生徒は大型の剣を取り出し構える。

 

「あんたさえ邪魔しなければぁ!」

 

そう叫びながら生徒は剣を構えながら本音に向かう。一夏はライフルを構え引き金を引くが気にも留める様子も無く突っ込んでくる。メサも本音との間に入り生徒を止めようとする。

 

(メサさんはイッチーの大事な家族。傷付けさせない!)

 

そう思った本音はすぐさま行動に移った。

 

「クロックアップ!」

 

クロック・アップ

 

そう音声が流れた同時に周囲が遅く感じる。本音はすぐさまバックルについているボタンを押す。

 

1・2・3

 

3回押した後顎を戻す。

 

「ライダーキック!」

 

ライダーキック

 

そう叫び大顎を開けるとバチバチと電気が走り右足へと向かう。本音は走り出し飛び上がる。メサの上を飛び越え女子生徒の前に着地寸前で女子生徒に向かって蹴りを放つ。それと同時に

 

クロック・オーバー

 

と音声が流れ、時間の流れが元に戻る。

 

「死にぎゃはっ!!!??!」

 

蹴りを入れられた生徒は顔面を大きく変形させながら後ろへと飛んで行き壁に激突。激突した衝撃で壁にはヒビが大きく入り、パラパラと欠片が落ちていた。

 

「ふぅ~」

 

「ほ、本音さん、大丈夫?」

 

「うん。私は大丈夫だけど、イッチーは?」

 

「だ、大丈夫です。メサさんは?」

 

【わたくしも大丈夫です。( ´Д`)=3 フゥ】

 

それぞれ怪我が無い事に安堵していると、数人の武装した教師を引き連れた千冬が駆け寄って来た。

 

「一夏! ケガは無いかっ?」

 

「う、うん。本音さんやメサさんのお陰で、大丈夫」

 

「そうか、良かった」

 

千冬は心底安堵したのか、その場でへたり込みそうになりながらも傍に居た本音に顔を向ける。

 

「布仏、良く一夏を守ってくれたな。ありがとうな」

 

「い、いえ。私もイッチーやメサさんを守るので必死だったのでぇ。あと…、ごめんなさい」

 

突如頭を下げて謝る本音に千冬は怪訝そうな顔を浮かべる。

 

「何故謝る?」

 

「その、イッチー達を守る為、必殺技を使っちゃいました」

 

そう言い本音は目線を壁に激突させた生徒の方へと向ける。俯いている生徒からは顔から血が流れているのか、ポタポタと血が垂れていた。

その光景にその場にしばしの沈黙が流れる。

 

「…そうか。布仏、別に気にする必要はない。お前は一夏とメサを守ろうとして必殺技を使ったのであろう?」

 

「…はい」

 

「なら、問題は無い。言ったであろう、有事の際は制限を解除すると。今回は非常事態だった為、使用許可を取らなかったことはお咎めなしだ」

 

そう言われ本音は少し安堵した表情を浮かべる。

それから一夏達はそれぞれ事情を聴くため千冬と共に職員室へと向かい、武装した教師達は気絶している生徒達を拘束し独居房へと連行していく。

 




次回予告
襲撃を行った生徒達と教師達の尋問を行う千冬。
尋問から吐き出された人物に、あの人物が鉄槌を下しに行く。

次回
逆鱗~自白剤だと? 私の拳が自白剤だが?~
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