女性恐怖症の一夏君 IFルート   作:のんびり日和

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クラス代表戦part2

アリーナへと出た一夏は目の前にいる鈴のISを観察し始めた。

 

〈あれって、もしかして近接型?〉

 

〈恐らくね。分かり易く刀2本も持ってるし。けど、まだ何かありそうね、注意しなさい〉

 

アイラのアドバイスを聞き頷く一夏。そんな中鈴はしかめっ面を浮かべていた。

 

「一夏! アンタ最近私の事避けてるでしょ! 何で避けるのよ!」

 

そう叫ぶも、一夏は何も反応が帰ってこなかった。

 

「なんで無視すんのよ! もう、怒ったんだから。あたしが勝ったら付き合ってもらうんだからね!」

 

怒り顔で叫ぶ鈴。一夏が無視したのは毎度の如く鈴の言葉で一夏の状態が悪くなることを懸念したアイラが集音マイクのスイッチを切っていたからだ。その為一夏はアイラと話し合いを行っており、まったく気が付いていたなかった。そんな中、観客席にいた1組の生徒達はと言うと

 

「織斑君! そんな珍竹林に負けちゃダメだよ!」

 

「人の意思無視したこと言うなぁ!」

 

「自分の思いを押し付けるなぁ!」

 

と、応援やら鈴に対するブーイングが1組の生徒達のほとんどから投げられた。

 

〈1組の生徒達からのブーイングが凄まじいわね〉

 

〈に、2組の人達と、け、喧嘩になったりしないかな?〉

 

〈大丈夫じゃない? というかアンタが気にするような事じゃないでしょうが。試合に集中しなさい〉

 

〈う、うん〉

 

アイラに言われ、一夏は試合に集中すべく武器を構える。そして

 

『ではコールします。3…2…1…試合開始!』

 

開始の合図と共に鈴は持っていた双天牙月を構えながらイグニッションブーストで一気に間合いを詰めに掛かる。

 

「最短でケリをつけてやるわ!」

 

そう叫びながら間合いを詰めてくる鈴。一夏は過去にアイラと共にやってきた訓練シミュレーターのパターンの一つを思い出しながら対処する。

 

(間合いを、詰めてきたら距離をとりつつ射撃。ある程度距離が取れたら、牽制射撃に替えて、グレネードなどの爆発物で倒す、だっけ)

 

そう思いながら一夏は素早くサブアームと武器を展開し射撃を開始しながら後方に下がる。

激しい銃撃が目の前から迫ってくることに気付いた鈴はすぐさまサイドステップで攻撃を躱すも、避けた先に向かっても攻撃が飛んでくる。

 

「ちぃ! 噂に聞いていた以上にうざいわね!」

 

舌打ちを放ちながら鈴は一旦距離をとる。その姿を確認したアイラは直ぐに一夏に指示を飛ばす。

 

〈一夏、アイツが距離をとったわ。SCAVENGERをお見舞いしてやりなさい〉

 

アイラの指示に一夏は直ぐに腰に付けられてる魚雷の様な物を手に取る。

 

SCAVENGER、バレットホークの腰に計4基取り付けられたライフルグレネードであり、それぞれ発射装置が組み込まれている為そのままの状態で発射が可能なものだ。

一夏はそれを鈴の進行方向に向け発射した。

 

「グレネード!?」

 

後退する先に向け放たれたグレネードに気付いた鈴は直ぐに進行方向を変える。だが、グレネードの起爆の方が先で、爆風によってSEをまた削られる。

 

「やってくれるじゃないの!」

 

そう叫び鈴は突如機体の周りに2つの浮遊するユニットを展開した。一夏と警戒した表情で見つめる。

 

〈あ、アイラあれって何?〉

 

〈あれだけじゃあ、分からないわ。けど油断しないで〉

 

そう言われ一夏は回避行動に移り、鈴との間に距離をとる。

 

「逃がすもんですか!」

 

すると展開したユニットから突如大きな音が響き渡り、一夏は咄嗟に機体を進行方向の逆に動かした。すると一夏が進もうとした先で砂埃を巻き上げながら何かが通って行き壁にぶつかる。

 

「い、今のって?」

 

〈……見えない攻撃。っ! 一夏、あれは圧縮空気よ〉

 

〈あ、圧縮、空気?〉

 

アイラの言葉に一夏は一瞬驚いている中、鈴はどや顔を浮かべながら高々に叫ぶ。

 

「驚いているようね! これは中国で開発した兵装、『龍咆』よ! さっきは旨く避けたみたいだけど、今度は外さないわよ!」

 

〈龍咆……、あったわ。中国で開発された物で、空間に圧縮した空気で砲身をつくり、残った空気を弾丸にして飛ばす兵装みたいよ。弾が空気だから見えなくて当然ね〉

 

〈た、弾が見えないって、そ、それじゃあ避けようが…〈アンタ、さっき避けたでしょうが〉あ、あれはまぐれだよぉ〉

 

一夏は若干オロオロした表情で零し、アイラははぁ。とため息を零す。

 

〈まぁいいわ。アンタが不安視している通り空気の弾丸となれば弾は見えないわ。けど、欠点もあるわよ〉

 

〈え? け、欠点何て、あるの?〉

 

〈あるわよ。アンタ、理科の実験で穴を開けて中に煙で満たした段ボールの実験したことは?〉

 

〈えっと、確かあったと思う。…あっ〉

 

〈気付いたみたいね〉

 

〈う、うん。た、確か叩いたら真っ直ぐ飛んで行った〉

 

〈そう言う事。あれも同じような原理よ〉

 

そう言われ一夏は表情に若干明るくなる。

 

〈さぁ、原理が分かったなら後は攻撃の方向を知るだけよ。それはアンタ自身で探しなさい〉

 

〈う、うん〉

 

一夏は鈴の方向を見ながら次に龍咆を撃つ方向を見定める。だが、全くタイミングが分からず、音と龍砲の向きのみで対処している。だが、攻撃は着実に近付いており何時直撃するか分からない状況だった。

 

(ど、どうしよう。これじゃあ、ジリ貧だよぉ)

 

そう思いながら、考える。そしてある点に着目した。

 

〈あ、アイラ。お願いがあるの〉

 

〈何かしら?〉

 

〈り、鈴音さんの目の部分だけを出す事は出来る?〉

 

〈目の部分? …なるほど、分かったわ〉

 

一夏の意図を汲み取ったアイラは訓練人形の顔の目の部分だけを見える様にした。暫く一夏は鈴音の目を見ながら観察するが、少しずつ体が震え呼吸も荒くなり始める。

 

〈一夏、これ以上はアンタの体に悪いわ。すぐに〈だ、ダメ。か、確認できるまでは止めないで〉……分かった。けど、これ以上は危険と判断したらすぐ止めるわよ〉

 

アイラは無茶して、この馬鹿。と一夏に聞こえない様に零し一夏と同じく鈴の目に注目する。

 

「あぁ、もう! いい加減当たりなさいよ!」

 

そう叫び鈴は龍砲を放つ。その時一夏とアイラは鈴の目線が動きながら止まった瞬間龍砲が放たれるのを確認した。

 

〈確認できたわね、一夏?〉

 

〈う、うん。で、出来た〉

 

荒い呼吸の中返事を返す一夏に、アイラは直ぐにモニターから鈴音の目を隠す。

 

〈後は私が監視するから、アンタは操縦に専念して。いいわね!〉

 

〈う、…うん〉

 

呼吸が少しずつ正常に戻り始める一夏に少し安心を浮かべながら、アイラはモニターに攻撃のタイミングをわかる表示を映した。

アイラが出した表示を見ながら一夏は龍砲の攻撃を避けつつ攻撃を行う。

その動きに鈴は衝撃を受けるも、攻勢を止めなかった。

 

「な、なんで急に避けるのが上手くなるのよッ!」

 

そう叫びながら龍砲を放つ。

 

 

「――へぇ、なかなか戦略を練った戦い方をするじゃないか」

 

特等室で見ていた陽太郎はそう零しながら戦いを見つめる。

 

「そうですね。原作とは違い被弾を最小限に抑えながら攻撃を加えている。それにサブアームを本当に手先のように動かしてますね」

 

「えぇ、原作とは違い色々考えて行動している。いやはやこれは面白い戦いになりそうだ」

 

原作の近接攻撃のみしかできない白式とは違い、銃火器などの遠距離攻撃ができるうえに近接用の武器も載せているバランスの取れたバレットホーク。

そしてもっとも違うのは原作だと動きにワンパターンが多かった織斑一夏に対し、この世界の織斑一夏は色々な策を練り、最適な策を導き出し実行していた。

 

「そう言えば義兄さん。この後って確か…」

 

突然険しい表情を浮かべ陽太郎の方に顔を向ける一輝。その表情に同じく真剣な表情を浮かべる陽太郎。

 

「うん。原作通りなら篠ノ之博士が作成したゴーレムがそろそろ襲ってくる頃合いだ。一輝、分かっていると思うけど」

 

「分かってるよ。手は出さないさ」

 

そう言い手を挙げ出さないとアピールする一輝。すると突然アリーナ屋上のシールドが破壊される。

突然の出来事に一気にアリーナ内の生徒達はパニックとなった。

陽太郎達はやはり来たか。と思い顔をあげた瞬間、顔が強張った。

 

「義兄さん、あれは!」

 

「チッ。どうやら篠ノ之博士とは違う連中が襲ってきたみたいだね」

 

陽太郎達の目線の先に居たのは

 

 

 

十機は居るであろう黒色のISだった。




次回予告
突然現れたIS群にパニックになる生徒達。事態解決の為に疾走する教師達。アリーナに閉じ込められた一夏達は救助部隊が来るまで謎のISと戦う事に。
そんな中陽太郎は一輝に生徒達の避難させるよう指示し、ある場所に向かって走り出す。
彼の手には青黒色のベルトが握られていた。

次回
謎の敵達
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