女性恐怖症の一夏君 IFルート   作:のんびり日和

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24話

千冬の先導の許、専用機持ちとMr.K達、そして束は旅館の奥にある一室の中へと入る。部屋の中には数人の教師達が空間ディスプレイを投影して様々なデータを表示していた。

それぞれ好きな位置に座ると千冬が前に立ち口を開く。

 

「ではこれより緊急ミーティングを始める。だがその前にこの案件では様々な誓約をさせられるし、命の危険を伴う作戦に従事することになる。その為この部屋で知った情報は一切口外しない様に。口外した場合は様々な罰則が与えられるし、最悪拘束される恐れがある。もしこれらが承服できない場合は部屋を出て行ってもらっても構わない」

 

千冬の問いに専用機持ち達は緊張した面持ちを浮かべ、Mr.K達は冷静な表情を浮かべていた。

暫しの時間が経った後全員が覚悟を決めていると判断し千冬は状況を説明し始める。

 

「では説明を始める。先ほど日本政府からアメリカとイスラエルとの共同開発中の機体が突如謎の暴走、現在日本に向け接近しているとのことだ」

 

「ISの暴走? またVTシステムによるものですか?」

 

「いや、VTシステムではない。機体には人が乗っていないからな」

 

「無人機という事ですか?」

 

「あぁ、パイロットは休憩室でその無事が確認された。カメラにも暴走したISに搭乗した者は居なかった」

 

「…では何故突然暴走など?」

 

「分からん。兎に角我々の目標は日本に向け接近してくるISの撃破、もしくは自衛隊及び米軍のIS部隊到着までの時間稼ぎを行う。何か質問はあるか?」

 

千冬の問いにセシリアがスッと手を挙げる。

 

「では暴走しているISについての詳細をお願いします」

 

「分かった。但しこのISは先も言った通りアメリカとイスラエルとの開発途中の機体だ。つまり機密の塊の為さっき言った通り、知った情報は一切口外などしない様に」

 

そう言われ全員頷いたのを確認する。確認後千冬は真耶に出すように指示を出すと、専用機持ち達の前に暴走したISの詳細が書かれたデュスプレイが現れる。

 

「機体名は銀の福音」

 

「武装は射撃特化型ですか」

 

接近してくるISに全員が険しい表情を浮かべている中、千冬は束に顔を向ける。

 

 

「束、暴走しているISにハッキングとかは可能か?」

 

「そう言うと思ってやったんだけど…」

 

千冬の問いに口を尖らせる束。

 

「どうした?」

 

「コアネットワークからだと暴走しているISに入れなんだよ。いろんな方法で侵入しようとしてるんだけどことごとくブロックされてさぁ」

 

「そうか。済まんが、引き続き頼む」

「では全員よく聞いてくれ」

 

そう言い千冬の方に専用機持ち達は顔を向ける。

 

「作戦だが、射撃特化の為近接特化である鳳が前衛に立ち、中衛にボーデヴィッヒ、デュノア、簪、一夏、後衛にはオルコットだ。そして」

「Mr.K、貴方は状況に応じて対処していただきたいのだが…」

 

そう言い淀む千冬。専用機持ち達は首を傾げる中、Mr.Kは千冬が何が言いたいのか理解しているのか笑顔を浮かべる。

 

「ご心配なく、布仏さんと共に我が社が保有している無人ヘリで向かいますので」

 

「そうですか。ですが、あまり無理はなさらない様お願いします」

 

2人の会話にそれぞれ首を傾げいている中、千冬がその訳を説明する。

 

「PEC社が開発したスーツにはISみたく飛行能力は無いんだ」

 

「そういうことなんです。だから現地まではヘリとかボートで行く必要があったんですが、幸い近くに我が社の無人ヘリのテスト飛行していたようだからこっちに持って来て貰う事にしたんです」

 

そう言っていると、外からバラバラとヘリのローター音が鳴り響く。

 

「来たみたいですね」

 

「えぇ。それでは各自準備を整え浜辺に集合。全員集合と同時に作戦を開始する!」

 

そう言われそれぞれ席を立ち準備をしに向かう。暫くして浜辺に専用機持ちとMr.K達が集まる。

「織斑先生、皆揃いました」

 

『分かりました。では作戦開始!』

 

その号令と共に専用機持ち達は飛び立ち、Mr.K達と本音は無人ヘリに乗り込み飛びたって行った。

 

浜辺から飛びたって暫くして、指揮所では千冬や教師達がモニターと睨めっこを続けていた。

 

「ゴスペルの位置情報は遂次送り続けているか?」

 

「はい、衛星で追跡を続けています。今だ進路を変えず日本に向かって来てます」

 

「そうか。目を離すなよ。それじゃ「大変です織斑先生!」どうしたっ!」

 

指揮所の襖を勢いよく開け大声を挙げてきた教師に千冬は何事だと思い顔を向ける。

 

「篠ノ之さんが訓練用のISを強奪して旅館から飛び立とうとしてます! 今現在2人のISに乗った教師部隊で抑えようとしますが、暴れてて危険なんです!」

 

「あの馬鹿者がぁ! チッ、山田先生、少し離れます!」

 

「わ、分かりました!」

 

千冬は報告に来た教師と共に指揮所から飛び出し、IS保管場所に向かって走り出す。

 

旅館にてそんな事が起きている事などつゆ知らない専用機持ち側はと言うと、ゴスペルが飛来してくる予想ルート上を飛行していた。

 

「本当にこのルートで合っておりますの?」

 

「衛星から送られている情報だと確からしい。ん?」

 

セシリアの愚痴にボーデヴィッヒが答えていると、前方から何かが飛来してくるが見えすぐさま検討がつく。

 

「目標を発見! 各機攻撃開始!」

 

その合図と共に専用機持ち達は散開して攻撃を開始しようとした。

その様子を遅れながらやってくる無人ヘリに乗ったMr.K達は見守っていた。彼等も攻撃範囲に入れば攻撃をしようと考えていた。

だが、Mr.Kは少なからず今回の作戦に疑問を浮かべていた。

 

(何だろう、この胸騒ぎは。何だか嫌な予感のする前兆だな)

 

そう思いながらゴスペルを見つめる。すると突如ゴスペルの動きが止まった。

 

「なんだ? 動きが止まった?」

 

それぞれが突如動きを止めたゴスペルに困惑する。すると突然

 

『UGYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!???!!!』

 

と、大きな叫び声を上げるゴスペル。その叫び声に専用機持ち達は大きく顔をしかめる。

 

「な、何よいきなり!?」

 

「わ、分かりませんわ!?」

 

専用機持ち達は当初の目的通りゴスペルを倒すか応援が来るまで時間稼ぎをしようと攻撃を開始する。

するとゴスペルは真っ直ぐに突っ込んできた。

ゴスペルの様子の変わり様に無人ヘリにいたMr.K達も顔をしかめる。

 

「社長、あれって?」

 

「分からない。だが酷い暴走状態という事だけは分かるね」

 

そう言っていると、ゴスペルの左肩を注目していた。其処には本来原作にはなかった肩パッドのような物がついていた。

 

「あれは一体?」

 

怪訝そうな顔で見つめる中、専用機持ち達に突っ込むゴスペル。

突っ込んできたゴスペルは光球を発生させながら一夏達に攻撃をしてくる。

 

「射撃特化型だから近接に持ち込めば!」

 

「鈴さんを援護しますわよ!」

 

鈴が接近して攻撃する。だが其処で予想外の事が起きたのだ。ゴスペルに向かって双天牙月を振り下ろす鈴。

 

「おりゃ! あれ?」

 

振り下ろした先には、何も居らず一体何が起きた?と呆けた顔を浮かべる鈴。すると

 

「鈴、横にいる!」

 

そう叫び声が聞こえ言われた方に振り向くと、其処には()()()()()()()()()()()()()()()ゴスペルの姿があった。鈴は咄嗟に双天牙月で防御するも当たった瞬間

 

「きゃぁああああ!!?」

 

勢いよく吹き飛ばされる鈴。

 

「鈴さん!?」

 

「どういう事だ? 射撃特化型じゃないのか!」

 

指揮所で聞いた話とは違い、近接攻撃をしてくるゴスペルに混乱状態に落ちる現場。だがそんな中でもゴスペルは次なる獲物を狩ろうと襲い掛かってくる。

迫ってくるゴスペルにそれぞれ弾幕を張るも、それをも掻い潜り襲い掛かってくる。

ヘリに乗っていた本音も参戦しようとカリスに変身する。

そしてカードの中からハートの7のカードを取り出す。それをカリスラウザーに通す。

 

バイオ

 

その音声と共にアローから触手が伸びゴスペルを拘束しようとする。だがゴスペルはそれを鉤爪状に変形した手で防いでいく。

そんな中Mr.Kはずっと気になっていた肩パッドを見つめていた。すると肩パッドに攻撃が若干当たったのかそのパーツの一部が捲り上がった。その装甲の下にあった物にMr.Kは驚いた表情を浮かべる。

 

「ガイア、メモリだと…」

 

「え? ガイアメモリ?」

 

Mr.Kの口から出た言葉に本音は疑問の言葉を口にする。そんな中Mr.Kはすぐさま無線をとる。

 

「こちらMr.K。対象となるゴスペルはかなり危険な物を積んでいることが判明しました。これより一時後退を行います」

 

『こちら指揮所の山田です。了解しました!』

 

「織斑先生は?」

 

『現在旅館にてトラブルが起き、そちらの対処に追われており指揮所を離れております』

 

「そうですか。それと教師部隊に援護をお願いしたいのですが」

 

『分かりました。すぐに教師部隊に現場に向かわせます』

 

「お願いします」

 

そう言い無線を切ると、すぐさま専用機達に無線を繋げる。

 

「全員後退準備をしてください。現状の戦力では勝てる確率はほぼゼロです」

 

『し、仕方ありませんわ』

 

『わかりました!』

 

『クッ。致し方ないか』

 

『は、はい!』

 

それぞれの返信を聞きながらもあのガイアメモリをどうするかと考え始める。

 

Mr.Kから後退の指示が来たため一夏は後退しようとしたが

 

【UGYAAAAA!!!】

 

と背後からゴスペルが襲い掛かって来た。

 

[一夏、後ろから来てるわよ!]

 

「えっ!?」

 

襲い掛かって来たゴスペルに一夏は持っていたアサルトライフルで応戦するも、高い機動力で避けて行くゴスペル。

接近させまいと弾幕を張るも

 

カチッカチッ

 

「っ。弾切れ!?」

 

弾切れを起こしすぐさま新しいマシンガンを出そうとするももう目の前まで来ているゴスペルに対し照準する間が無いと考えバタリングラムを取り出す。

そして振り下ろされてきた鉤爪をバタリングラムで防ぐ。

圧倒的な力で潰そうとしてくるゴスペルに一夏は必死に攻撃を防ごうと力を入れる。

 

「うぅううぅ」

 

[な、何なのよこのパワーは!? ISが出せる様なパワーじゃないわよ!?]

 

コアのアイラはゴスペルの出すパワーに戦慄が走る。軍用とはいえISが本来出せる様なパワーとしては異常すぎる程の出力だったのだ。

 

防ぐ一夏にゴスペルはもう片方の鉤爪で襲い掛かる。一夏はそれを防ごうにも両手を使ってバタリングラムを支えている為防げなかった。

 

[やらせるものですか!]

 

そう叫びアイラはウィングのサブアームにソードモードのデンガッシャーを振るう。鉤爪はデンガッシャーと激しくぶつかり何とか防げたものの、その後も何度も振り下ろしてくる鉤爪にデンガッシャーで防ぐアイラ。

 

「一夏さんを援護しますわよ!」

 

「一夏君に当てないようにしなよ!」

 

「狙いを外すなよ!」

 

3人は一夏とゴスペルを引き離そうと攻撃しようとするが、その動きを察したゴスペルが周囲に光球を発生させ3人に向け攻撃を開始する。その攻撃はヘリに乗った本音達にも向けられており、ヘリは回避行動をするので精一杯だった。

 

未だにせめぎ合うゴスペルと一夏。何とか引き剥がさないと考える一夏。すると突如一気に前のめりに倒れそうになる感覚を覚える一夏。

突然の事に驚き固まる中、見えたのは

 

ゴスペルが何時の間にか後ろに下がっていたのだ。その為ずっと押し返そうと力んでいた為、押していた力が無くなったから前のめりに倒れそうになったのだ。

 

(し、しまった!?)

 

ゴスペルはその動きを見逃すはずも無く鉤爪を広げ一夏に襲い掛かる。

 

「させるかぁ!」

 

突如鈴の叫び声が轟いたと同時に双天牙月が投げられた。ゴスペルに吹き飛ばされた鈴は海面近くで体勢を立て直し反撃しようと上がろうとしたが光球を撃たれていた為反撃が出来ずにいた。だが一夏がやられそうになっているのが見えた瞬間、それを阻止しようと双天牙月を投げたのだ。

投げられた双天牙月は一夏に迫るゴスペルの鉤爪に見事命中しその鉤爪を破壊した。だが振り下ろされた手は止まることなく一夏に襲い掛かった。

 

「がはっ!?」

 

尋常ではない力が襲い掛かりそのまま一夏は吹き飛ばされた。ゴスペルは追撃しようとするも

 

「させん!」

 

ヘリから飛び出したMr.Kが変身した姿の仮面ライダー隷汽がゴスペルに向かって殴りつける。

殴りつけられたゴスペルはそのまま勢いよく海の中へと叩きつけられるように落ちて行った。

殴りつけた後隷汽をすぐさまヘリが近寄り回収する。

 

「や、やったんですか?」

 

「いや、寸でのところで機体を少しずらして致命傷にならない様避けた様だ。だが暫くは動けないはずだ。さぁ、急いで一夏君を回収して後退するよ」

 

そう言いヘリを一夏が着水した海面に向かう。一夏はISが解除され海面を浮いた状態でいた。

ヘリへと上げられた後本音は意識のない一夏に気が動転してしまった。

 

「イッチー!?」

 

「本音さん落ち着いて! ケガの確認が先です!」

 

Mr.Kにそう叫ばれ本音は少し落ち着きを取り戻し直ぐに脈などを確認する。

 

「脈あります!」

 

「大きな怪我もないし、呼吸も大丈夫そうだ。けどまだ安心はできないが、急いで戻るよ」

 

「はい!」

 

 




次回予告
後退には何とか成功したものの、一夏はゴスペルの攻撃で意識を失い治療を受けることに。
指揮所ではゴスペルに現状と今後の作戦が立てられることに。

次回
狂暴のゴスペル
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