指揮所にてゴスペルをどうやって止めるか作戦を練る千冬とMr.K。するとモニターを監視していた真耶がレーダーに映った物に驚きの表情を浮かべ、すぐさま千冬に顔を向ける。
「織斑先生!」
「どうした山田先生?」
「専用機持ち達が、勝手に出動しています!」
「なにぃ!?」
そう叫び急ぎ真耶の元に向かいレーダーを確認する。レーダーには甲龍、ブルーティアーズ、ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ、シュヴァルツェア・レーゲンが映っており千冬は急ぎ通信を繋げと隣の教師に言うも
「駄目です。通信を切っているのか、此方の応答に応じません!」
「あの、馬鹿共がぁ」
ドスの利いた声でそう零す千冬に、部屋の中にいた教師達は怯え、Mr.Kは何とも言えな表情を浮かべるのであった。
その頃医務室では布団に寝かされた一夏とその傍で心配そうに見つめる本音。メサは束の手伝いをしに席を外していた。
「うぅん……此処、は…」
「っ! イッチー、大丈夫?」
「は、はい。あの此処は?」
「此処は旅館の部屋の一室だよ。イッチーの容体を見るために織斑先生が用意してくれたんだぁ」
「そう、ですか。あの、銀の福音は?」
「…実は―――」
一夏の質問に本音は指揮所での話し合いを伝える。
伝えられた内容に一夏は驚いた表情を浮かべ、ISコアのアイラもそんな馬鹿なと言いたげな驚愕の表情を浮かべていた。
「そ、そんな事が」
「うん。今はK社長と織斑先生がどうするか作戦を練ってる感じだよぉ」
本音の説明にそうですか。と返す一夏。
暫しの沈黙が流れる部屋。すると一夏が突如布団から這い出て近くに畳まれていた戦闘服を着始める一夏。
その行動に本音は驚きの表情を浮かべる。
「い、イッチー何処行く気なのぉ?」
「銀の福音を止めに、です」
「そ、そんな状態じゃ危ないよぉ!」
「でも、それでも、銀の福音を
「っ。イッチー…」
一夏の助けに行くと言う言葉に本音は一夏の本気を感じ取った。ガイアメモリという良く分からない物に無理矢理動かされている銀の福音を助けたいと。
一人で行こうとする一夏の姿に本音は暫しの沈黙の後、覚悟を決めたかのような顔付を浮かべた。
「イッチー、私も行く」
「え、でもこれは、僕の「絶対に付いて行くから。あの時決めたもん、もうイッチー一人に無茶な事絶対させないって」ほ、本音さん」
「だから、私も一緒に銀の福音を助けに行く」
本音の真剣な表情に一夏は困惑の表情を浮かべていると、そっとアイラが口を開く。
[一夏、諦めなさい。彼女の覚悟は本物よ]
[アイラ…]
アイラからの言葉に一夏は一瞬目を伏せた後、本音に顔を向ける。
「分かりました。その、手を、貸してください」
「うん!」
一夏の頼みに本音は笑顔でそれに答えた。服を着替え終えた一夏は早速行こうと部屋の襖を開けると
「やっぱり行く気なんだね、一夏君。そして本音さん」
其処には腕を組み、腰に剣を携えた鬼崎一輝が立っていた。
「き、鬼崎さん」
「一夏君、それに本音さん。行った所で無駄死にしに行くようなものだよ」
「でも、銀の福音を助けに行かないと、もっと酷いことになるかもしれないです!」
「そうだね。でもそれでも行かせられないよ」
そう言われ行かせまいと立つ鬼崎に一夏達は顔を俯かせる。
「今持っている装備じゃあまた返り討ちに合うだけだ。だからこそ新装備が必要だろ?」
「「え?」」
突然の言葉に一夏と本音は呆けた顔を浮かべ、顔を上げる。一輝の顔はしてやったりと笑顔を浮かべていた。
「元から僕は君達を止めるつもりは無いよ。ただ、新装備を渡す時間は欲しいけど」
「そ、それじゃあ…」
「うん、装備を渡したら行くと良い。但し、無事に帰ってくるんだよ。それが第一なんだからね?」
「「はい!」」
「よし、それじゃあついて来て」
そう言われ一夏と本音は一輝の後に付いて行く。
旅館を出て駐車場に着くとその奥にコンテナにPECと描かれたトラックが一台止まっていた。
「さて、これが君達に渡す新装備だよ」
そう言って一輝はコンテナの横扉を開ける。扉が音を立てながら開くと其処には真っ赤な拳銃と青を基調とした片手剣とクローバーの様な形の刃がついた杖が置かれていた。
「左からギャレンラウザー、ブレイラウザー、レンゲルラウザー。一夏君にはギャレンラウザーとブレイラウザーを。本音さんにはレンゲルラウザーだよ。この武器は本音さんのイージスベルトに登録されているカリスと同じカードリーダー搭載型武器だ。勿論その武器専用のカードは標準装備されている」
そう言われ一夏と本音はそれぞれ恐る恐る新しい装備に手を振れる。すると突如それぞれの武器が光ると同時に結晶の様に砕ける。そして光の粒子は一夏のバレットホークの待機形態である腕輪に吸い込まれたり、本音のイージスベルトに吸い込まれていった。
「どうやら無事にインストールされたみたいだね」
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
「何だい一夏君?」
「どうしてこの武器を最初に渡してもらえなかったのでしょうか?」
一夏の疑問に一輝は目を閉じながらその訳を話し始めた。
「済まない。本当は直ぐにでも渡す予定だったんだが、十分な装備説明をせずに渡しても扱いきれずにやられる可能性があったからなんだ」
「そうでしたか」
そう言い一夏は渡された武器を出す。
左手にブレイラウザー、そして右手にギャレンラウザーを持つ一夏に本音も同様にレンゲルラウザーを取り出す。二人が武装を出したのを確認した一輝は二人の武器の説明を始めた。
「左手に持っているブレイラウザーは両刃の片手剣だ。軽量で素早い攻撃が可能で、更に刃の強度はそんじゃ其処らのISの近接武器をも凌駕するほどの切れ味を有しているよ。そして右手のはギャレンラウザー。見ての通り拳銃で光弾を発射する。この武器はSEを消費するが、デンガッシャーのガンモード程では無いよ」
「次に本音さんのレンゲルラウザーを説明するよ。こっちは槍タイプの武器だ。これは現在の槍形態で戦う事も出来るし、短くしてダガーモードとしても使う事が出来る」
「そしてこれらの武器の特徴は、本音さんのイージスベルトに備わっているカリスと同じ異なる能力が備わったカードが使える事だ。それぞれの武器用のカードを用意してあるから、十分に活用してほしい」
「はい。あの、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
一輝の説明に一夏と本音はそう言いお礼を述べる。それに対し一輝は首を横に振った。
「お二人共、まだ事件は解決していないんだ。だからお礼は事件が解決してから社長に言って欲しい。その武器はお二人のこれから先に必要になるだろうって社長が用意してくれたんだ」
「…分かりました。絶対に本音さんと二人で帰ってきます」
「銀の福音も助けて帰ってきます!」
「あぁ。其処に無人ヘリが止まっている。それに乗っていくんだ。無事に帰ってくるんだよ?」
「「はい!」」
そう言い2人は止まっていた無人ヘリに乗り込むと、ヘリはローターを回し浮力がつくと飛び立ち銀の福音のいると思われる方へと向かって飛び発って行った。
飛んで行くヘリに一輝は真剣な眼差しで見送る。
「無事に戻ってくるんだぞ、2人共」
次回予告
無人ヘリで銀の福音がいる空域へと向かう一夏と本音。現場ではすでに戦闘が始まっており、危険な状態だった。
だがそれでも二人は銀の福音を助けるべく、新しい力と共に挑む。
次回
銀の福音、再激突