女性恐怖症の一夏君 IFルート   作:のんびり日和

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28話

旅館へと戻る無人ヘリで一息ついていた一夏と本音。2人は先程まで銀の福音との命がけの戦いをしていた為、疲労が募っていたのか小さく寝息を立てながら寝ていた。

2人が寝ている間にヘリは旅館へと到着すると、誘導棒を持ったISを纏った教師部隊が居り、指示を出しながらヘリを誘導した。

指定された場所にヘリが到着するとゆっくりと降下してくるヘリ。教師部隊はヘリの下部に吊るされていた銀の福音をゆっくりと掴み、吊り下げるために括りつけられたワイヤーを外してどかした。

そしてヘリはゆっくりと地面に着陸すると、傍に待機していた千冬やメサ、そして束が大急ぎでヘリの後部座席へと駆け寄った。

其処で見たのは

 

「スゥー、スゥー」

 

「スヤァ、スヤァ」

 

と寝息を立てながら寝ている一夏と本音だった。最初は座席に凭れる様に座る二人に千冬の背に寒気が走るも、寝息を立てていた事に気付き大きく安堵して膝から力が抜けた。

 

「はぁ~、まったく心配かけさせおって」

 

「本当だよぉ。まぁ、無事で良かったねぇちーちゃん」

 

「あぁ。それじゃあ済まんが、2人を部屋に運んでやっておいてくれ」

 

「おっけぇ」

 

【お任せください( ´∀`)bグッ!】

 

2人はそう言い一夏と本音を抱き上げて旅館へと入って行った。それと入れ替わる様にMr.Kと一輝がやって来た。

2人が来た事に気付いた千冬はぐっと膝に力を入れ立ち上がる。

 

「Mr.K、貴方の助けが無ければ解決する事は出来ませんでした。本当にありがとうございます」

 

「いえいえ、私はほんの少しだけしかお力添えしておりません。解決に導いたのは貴方の弟さんと布仏さんですよ」

 

「それでも、貴方方が居なければこの作戦は上手く行きませんでした」

 

そう言い千冬は再度お礼を言い頭を下げる。

そして頭を上げた千冬はMr.Kと二、三話をし終えた後、Mr.Kと一輝は無人ヘリへと乗ってその場を去っていった。

 

 

 

 

Mr.K達が去って暫くし、月が昇り始めた頃。

 

「う…うぅ~ん。……あれ、此処って…旅館?」

 

そう呟きながら目を覚ます一夏。目を開ければ木の天井が目に入り、直ぐに此処が旅館だと気付く。上体を起こし辺りを見渡すと、隣には誰かが居たであろう布団が敷かれていた。

一体誰が居たんだろうと考える一夏。すると突如襖が開き、その先に居たのは

 

【ぼ、坊ちゃまぁ!? お目覚めになられたのですか!Σ(・□・;)】

 

とメサが居た。メサは起きていた一夏に驚きのプラカードを見せた後すぐさま一夏の傍に近寄りる。

 

「う、うん。今、何時ですか?」

 

【はい、今夜の7時でございます。坊ちゃまたちが帰還されて3時間程眠っておられました】

 

「そうですか。あ、ほ、本音さんは?」

 

【布仏様は現在体に異変が無いか保険医の元に行かれております。暫くしたら戻って来られます】

 

そうプラカードで説明されると、一夏はそうですか。と安堵した様子で返す。すると襖をノックする音が鳴りメサが応対するべく襖を開けると

 

「あ、メサメサだ」

 

【おぉ布仏様。お元気そうで何よりでございます。あ、千冬様もご一緒でしたか】

 

「あぁ。一夏は起きてるか?」

 

【はい、起きられております。吐き気等は無さそうでした】

 

「そうか。入らせてもらうぞ」

 

そう言い千冬と本音が中へと入って来た。布団にいた一夏に千冬は内心安堵した気持ちを抱くも、表に出さない様律する。

 

「無事で本当に良かったぞ、一夏。それに布仏も」

 

「う、うん」

 

「はいぃ」

 

「はぁ、お前達が勝手に出撃したと聞いたときは本当に胆が冷えたんだからな」

 

「ご、ごめんなさぁい」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「全く。まぁ、無事に戻って来たからこれ以上言うつもりは無いが、お前達は勝手に出撃した。故に処罰を与えなければならん。それは分かっているな?」

 

「「は、はい」」

 

「よろしい。では学園に戻ったら罰則を言うから今は体をゆっくりと休めておけ。いいな?」

 

「「はい」」

 

そう言い千冬は部屋から出て行く。二人は千冬の言い付けを守る為部屋でゆっくりとするのであった。

 

 

 

そして部屋を出た千冬はと言うと、旅館の入り口に来ていた。其処で暫く無言で腕を組み佇んでいると数人の足音とが聞こえてきた。

夜の暗闇から現れたのは教師部隊の教師達と勝手に出撃した専用機持ち達であった。

専用機持ち達の手には手錠がはめられており、その体には幾つもの痣などが出来ていた。

彼女達は勝手に出撃し、銀の福音に不意打ちを掛けて攻撃を仕掛けたものの、大したダメージを当たる事も出来ないまま全員撃墜されていたのだ。無論彼女達のISはダメージ判定はDクラス。つまり全機オーバーホールしなければならない状態と言う訳だ。

 

「戻って来たか、この大馬鹿共」

 

「「「「……」」」」

 

「まぁ、返事も出来る状態では無いな。こいつらを保険医に見せた後拘束部屋に放り込んでおいてくれ。帰るまでは一切部屋から出ない様見張っておくように」

 

「了解しました。ほら、歩きなさい!」

 

そう言われ教師部隊に連行される専用機持ち達。

はぁ。と重い空気を吐き出す千冬。すると背後にある気配を感じ口を開く。

 

「もう帰るのか、束?」

 

そう言うと背後の林からぴょんと飛び出る束。

 

「うん。銀の福音といっくんのバレットホークのチェックは終わったからね。あんまり長居すると五月蠅い蟲共がやって来るからね」

 

「そうか。銀の福音についていたガイアメモリとか言う奴は?」

 

「まっくろくろすけ見たいに焦げてて、もはやゴミ同然になってたけど万が一を考えて特殊なケースに入れて宇宙に放り出しておいた。恐らく遠いお星さまにでもなってると思うよ」

 

「なら安心か」

 

そう言い暫しの沈黙が流れる。すると今度は束の方から口を開く。

 

「そう言えば、アイツら何処に行ったの?」

 

「あいつ等? もしかしてMr.Kの事を言ってるのか?」

 

「そうだよ。今回の貢献者であるいっくんになんも言わずにどっか行っちゃんたんだよ。それを差し置いて行くなんてどう言う神経してるんだよ」

 

「そう言うな。あのPEC社は何かと世間でも大注目されている企業だ。世界中飛び回っているから、致し方ないだろ」

 

「まぁ、そう言う事にしておいてやるか」

 

そう言い束は、じゃあ帰るねぇ。と言いスッとその場から消え、千冬もそれを見送った後旅館へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

某国、某所

その国のとある山間部の地下に作られた研究施設では、白衣を着た女性がヒステリックに叫びながら辺りにある物に当たり散らしていた。

 

「どうしてよぉ!? 何で死なないのよ、あのクソガキはぁ!」

 

そう叫びながら近くにあった機材などを薙ぎ払う女性。

 

「当たり前だ。私達が居るのだから、彼が死ぬのは有得ない」

 

そう突如声が聞こえ、女性は慌てて振り向くと其処にはMr.Kこと、陽太郎と一輝が立っていた。

 

「お、お前はPEC社の!? ど、どうやって此処に‼ それに警備部隊は何をしていたのよ!」

 

「お前がアメリカ軍に忍ばせたお仲間を探り当てて尋問したんだよ。あっさりと此処の場所を吐いてくれたぞ。後、此処に居た警備部隊なら全員無力化させてもらった」

 

そう言われ女性は、使えない屑共がぁ。と零す。

 

「さて、私たちの目的はただ一つ。IS学園襲撃に使用したISコア、ドイツの代表候補生にインストールしたVTシステム。そして銀の福音に取り付けられたガイアメモリ。あれらを一体どうやって手に入れた? いや、誰から貰った?」

 

圧を加えながら聞く陽太郎。それに対して女性は

 

「お前ら男、ましてやPEC社の社長なんかに教えるつもりなんか無い!」

 

そう叫びながら懐から拳銃を抜く女性。だが

 

「ふッ‼」

 

と一輝が鞘から勢いよくサソードヤイバーを抜き拳銃を真っ二つに切り裂く。切り裂かれた銃に驚く女性に隙を与えることなく、一輝はサソードヤイバーの刃が無い背の部分で女性の膝部分を叩きつける。バキッと音とが鳴ったと同時崩れ落ちる女性。

 

「あぁぁあぁっぁああ!!??」

 

と叫ぶ女性。崩れ落ちた女性に構わず一輝は刃を向ける。

 

「二度は聞かない、答えろ。さもなければ今度は刃の部分で指を一本ずつ斬り落とすぞ」

 

ドスを加えながら言う一輝に、女性は苦渋に満ちた顔で絞り出すように口を開く。

 

「し、知らない奴よ」

 

「ふざけているのか、だったら斬り落とす「本当に知らないのよ! 突然現れたかと思ったらIS学園に居る男性操縦者を殺すのに手を貸してやるって言ってISコアやVTシステム、それにあのUSBメモリをくれたのよ!」じゃあその人物の特徴は?」

 

「知らないわよ。何時もフードを目深く被ってて顔は見えなかったし、声も機械を通した音声だったから男か女かさえ分からないわよ!」

 

「それだけか?」

 

「それ以上って、後はうちの警備が偶々アイツに気付いて拘束しようとした時に、アイツが持ってたで刀で斬り殺したことくらいよ!」

 

「刀? どんな?」

 

「どんなって、刃の部分が赤いやつだったわよ。……そう言えばあの武器、まるでゆ―――」

 

女性が何かを言おうとした瞬間

 

バシュン‼

 

と銃声が鳴り響いた。銃弾は真っ直ぐに女性の頭に命中し、女性の頭は綺麗に消し飛ぶ。

 

「ッ!? 誰だぁ!」

 

そう叫び一輝と陽太郎は銃声がした方に体を向けると其処には

 

「ッ‼ トリガードーパント!」

 

右腕が銃に変形した蒼い鎧を纏ったような者が居た。一輝の叫びにトリガードーパントは焦ることなくサッとその場から逃亡する。

 

「一輝、追うよ」

 

「はい!」

 

そう叫び2人はトリガードーパントを追いかける。

2人は逃げたトリガードーパントを追って行くと外へと出た。するとトリガードーパントは確かにいたが、トリガードーパントは背後に突如として現れた次元の割れ目の様に物に飛び込む。そして割れ目はすぐさま何事も無かったように閉じた。

 

「クソッ、逃げられた」

 

「致しかたない。アイツを追うのは煉獄庭園に居る2人に任せよう。取り合えず此処を離れた方がいい」

 

「そうだね」

 

そう言い二人はその場を後にした。

それから数分後、研究所は大爆発を起こし大きな陥没を残して消え去った。

 




次回予告
あれから数日が経ち、夏休みとなったIS学園。
そんな中一夏と本音、そして脱走した専用機持ち達は学園からの処罰を受けていた。

次回
最終話
終わり良ければ総て良し!


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