女性恐怖症の一夏君 IFルート   作:のんびり日和

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5話

~IS学園医務室~

千冬は椅子に座りながら一人悲痛な表情を浮かべていた。

彼女の前に居るのは頭に包帯を巻き小刻みに寝息を立てている一夏であった。

 

襲撃後、Mr.Kこと陽太郎の活躍によって謎のIS達は倒され、それと同時にハッキングも解除された。

千冬は急ぎ教師部隊をアリーナへと行かせ一夏と鈴を回収した。一夏は頭を少し切ったくらいで大きな怪我はなく、鈴も全身に打撲が出来る程度で命に別状はなかった。

千冬は一夏が怪我を負ったと聞いた瞬間、血の気が引き意識を失いそうになったものの何とか保ち自分が今しなければいけない事を行った。

管制室での指示を終えた千冬は急ぎ足で医務室の元に向かい一夏の容態を確認しに訪れていたのだ。

 

「済まない、一夏。お前をどんなことがあっても守ると誓ったというのに……」

 

膝に乗せた手に力が入り、ギュッと握りしめる千冬。

すると医務室の扉をノックする音が鳴り響く。

 

『織斑先生、学園長が報告を受けたいと織斑先生をお呼びです』

 

「分かった。すぐ行く」

 

そう言い千冬は目尻に溜まった涙を拭い、頬を叩き顔を引き締める。

 

「一夏、少し行ってくるな」

 

そう呟き千冬は立ち上がり扉の元に向かう。扉を開けると真耶が心配そうな表情で立っていた。

 

「先輩、織斑君は?」

 

「大丈夫だ。頭を少し切っただけだそうだ。暫くしたら目を覚ますと保険医が言っていた」

 

そう言うと真耶は少しだけ安堵の表情を浮かべホッと息を吐く。

 

「それは良かったです」

 

「あぁ。さぁ、学園長室に向かうぞ」

 

そう言い千冬が歩き出すと、真耶もそれに続くように歩き出す。

暫し廊下を歩き学園の奥にある学園長室へと到着した二人は扉をノックする。

 

「織斑千冬及び、山田真耶です」

 

『どうぞ、お入りください』

 

年配の男性の声が中から聞こえ千冬と真耶は部屋の中へと入って行く。中には学園長の轡木、そしてアリーナに居た鈴と救助活動を買って出てくれたMr.Kと一輝。そして

 

「「……」」

 

無言で佇むセシリアと、拘束されている箒が居た。

 

「遅れて申し訳ありません」

 

「いえいえ。此方こそ弟さんの事があるのに無理を言って申し訳ありません」

 

「いえ、姉であると同時に私は教師ですので、報告しないといけない義務がありますので」

 

千冬はそう言い学園長に伝えた後、報告を始めた。

 

「では、報告を始めたいと思います。山田先生」

 

「はい。本日9時頃第1アリーナにてクラス代表戦第1回戦を行っていた所、アリーナ天井のシールドが破壊され10機程の謎のIS達に襲撃されました。それとアリーナの警備システムが突如発動し、アリーナの観客席に大勢の生徒達が閉じ込められ、解除しようとした管制室もハッキングによって操作が行えませんでした」

 

「なるほど。ではフィールド内での状況を説明を」

 

「はい。管制室は操作を受けつけない状態で教師部隊も救助に行けない状態でした。フィールドに取り残された織斑君と凰さんに、織斑先生は織斑君に救助部隊が来るまで牽制射撃で時間を稼ぐよう指示、凰さんには織斑君の後ろに居るよう指示したのですが…」

 

真耶は悲しそうな表情を浮かべ、報告が止まる。それと同じくして鈴は周りの視線を避ける様に俯く。

 

「凰がパニック状態に陥り、思わず敵の方に向かって突進。攻撃を受ける所でしたが、織斑がそれを阻止。ですが代わりに織斑が負傷しました」

 

「っ!?」

 

千冬の説明に思わず鈴は俯いていた顔をあげた。

 

「そうですか。それは致し方が「ち、違う。わ、私は――」」

 

学園長の言葉を遮る様に鈴が零す。

その姿に千冬達は怪訝そうな顔つきになる。

 

「何が違うと言うんだ凰? あの時の状態は誰が見てもお前はパニック状態だったぞ」

 

千冬の言葉に鈴は違うと何度も叫ぶ。誰しもまだ恐怖が残っていると思い、学園長は鈴に退出を言い渡そうとした瞬間

 

「パニック状態にはなってないです! あ、あの時一夏の前に出たのは私の意思です!」

 

と大声で叫ぶ鈴。

 

「……どういう事だ、凰?」

 

鈴の叫びに千冬は心の底から生まれるどす黒い殺気を必死に抑えつつその訳を聞く。

 

「一夏に、一夏に守られている事が悔しいうえに自分が情けないっていう思いが一杯になってそれで、前に出たんです! 自分だって強くなったと思っていたのに、気弱な一夏に守られている自分に腹が立って、それで前に出たんです!」

 

大声で叫び肩で息をする鈴。その目には涙が出ていた。

 

「……つまり貴様は、自分に腹が立ち何も考えずに突っ込んで織斑を巻き込んだ。そう言う訳か?」

 

拳を握りしめ、怒りの表情を見せる千冬。大事な弟が自分勝手な行動の所為で巻き込まれ負傷した。

千冬はこれまで抑えていた殺意が徐々に滲み出始めてくる。すると

 

「Ms.織斑、其処までです」

 

Mr.Kの声が室内に木魂すと先ほどの殺気などが離散。若干重い空気程度まで戻った。

 

「大事な弟さんが負傷された事は、同じ弟を持つ私も心が痛みます。ですが、今あなたがやろうとした行動も彼女と同じ自分の思いを優先した行動になります。姉である前に教師だという事をお忘れなく」

 

そう言われ千冬は自分が危うく道を踏み外しかけた事に気付き、申し訳なさそうな表情を浮かべる。

 

「申し訳ないMr.K」

 

「いえ、お気になさらず。Mr.轡木、今度は我々が報告をしても?」

 

「えぇ、お願いします」

 

「それじゃあ先に一輝からお願いします」

 

「はい。社長が管制室に救助を申し出た後、私は扉を破壊し観客席と廊下を隔てる扉を破壊、生徒達を避難させました。緊急事態とはいえ扉を破壊して申し訳ありません」

 

「いえ。生徒達の命を考えれば、扉の破壊位安いものです。それよりも、よく隔壁を破壊出来ましたね? あの扉はかなり頑丈に作られているはずなのですが?」

 

「私が帯刀しているこのブレードはISの刀よりも固く切れ味も鋭いので、あの程度問題ありません」

 

そう言われ全員茫然と言った表情を浮かべ、PEC社の技術力の高さに驚かざる負えなかった。

 

「続けますね。生徒達の避難誘導中、此処に居る2人が突然列から離れ何処かに行こうとした為後を付けました。そしたらこちらの金髪女性はフィールドに居る織斑君の救助に向かおうとしており、更にこっちの女性は喝を入れに行くと訳の分からない事を言い、そして言い合いをしておりました。私は直ぐに姿を現し、避難するよう指示しましたが動こうとしなかった為、引き摺ってでも連れて行こうと近付いた瞬間、こっちの黒髪の女性が殴り掛かってきたため拘束しました。金髪の女性には再度警告したところ今度は素直に聞き避難していきました」

 

「そうですか。避難指示は出ていたんですよね、織斑先生?」

 

「はい。通信はハッキングを免れていた為、観客席全体に居聞こえるようアナウンスしろと教師に指示しました」

 

「では、お二人は指示を無視して勝手な行動をした。そう言う訳ですか。何か、申し開きはありますか?」

 

そう言われ直ぐに口を開く2人。

 

「わ、私はただ専用機持ちとして一夏さんをお救いしようとしただけです!」

 

「私も一夏に喝を入れようとしただけだ! 悪い事などしていない!」

 

そう叫ぶ二人。だが、周りの目は冷たく真耶でさえ、それはどうなんだ?と言いたげな表情だった。

 

「……お二人の言いたいことは分かりました。ではMr.K、次は貴方の報告を」

 

「分かりました。自分が管制室に救助を申し出て受諾された後、織斑君達を助けるべくフィールドへと向かいました。ピット前まで到着後、私専用のDNスーツを身に纏い隔壁を破壊してフィールド内へと突入し襲撃してきたIS達を撃退しました」

 

「そうですか。織斑先生、先の襲撃してきたISは?」

 

「残念ですがすべて自爆し情報など一切入手出来そうにありませんでした」

 

「……そうですか。貴重なコアが搭載されているにも拘らず自爆させ情報の入手を阻止しましたか」

 

「えぇ。人が乗っていない為躊躇いもなく自爆させたんでしょう」

 

Mr.Kがそう言うと、千冬達は驚いた表情を浮かべた。

 

「ひ、人が居ない? ではあれは無人機と言うのですか?」

 

「えぇ。私が織斑君に迫っていたISを破壊したところ、本来人が居る箇所に人は居らず機械が詰め込まれておりました。他の機体も恐らく同じような物でしょう」

 

「なるほど。しかし一体何処誰が?」

 

「し、篠ノ之博士がやったというのは?」

 

真耶が現状考えられる人物として束の名前を挙げた。だが

 

「いや、織斑に怪我をさせる様なことをアイツはしない。それにこんなことをやったところでアイツには得が無い」

 

「た、確かにそうですね」

 

メサが初めて教室に現れた際に束も画面越しとはいえ現れた。その時の印象として本当に一夏の事を大事にしているという印象があり、真耶もそれを思い出したのか先程の発言を撤回した。

 

「兎に角、今回の襲撃事件に関して一切の口外を禁じます。Mr.K、申し訳ないが貴方方もお願いしたします」

 

「分かりました」

 

「では、セシリア・オルコットさん、篠ノ之箒さん、凰・鈴音さん。貴女方の処罰を言い渡します」

 

「「っ!?」」

 

セシリアと箒は驚愕の顔を浮かべ、鈴は何も言わず俯いた状態だった。

 

「オルコットさんには反省文20枚と1週間の学園奉仕活動。篠ノ之さんには反省文80枚、3週間の奉仕活動。凰さんにはオルコットさん同様反省文20枚、1週間の奉仕活動を命じます」

 

「ま、待って下さい! なんで私だけ処罰が重いんですか!」

 

箒がそう叫ぶと、轡木は目を鋭くさせる。

 

「決まっています。未遂とはいえ、貴女は来賓の方に殴り掛かっています。怪我等されてはおりませんでしたが、殴り掛かった事は事実。それとも3週間の反省房行きを所望ですか?」

 

そう言われクッと苦虫を噛んだような表情を浮かべる箒。

 

「では話は以上です。Mr.K、お時間を頂きありがとうございます」

 

「いえ、私もお手伝いした身。報告しないといけない事はちゃんとしないといけませんから」

 

大らかに応対するMr.Kに轡木は再度感謝の言葉を送り、報告会は終了した。

 

学園長室から退室したMr.Kこと陽太郎と一輝は人気のない廊下を歩きつつ今日の襲撃について話し合っていた。

 

「義兄さん、あの機体の見た目って」

 

「うん、所々違うところが見受けられたが鉄血のオルフェンズに出てたグレイズアインに似ていた。どうやら転生者が居る可能性が高まってきたね」

 

「そうだね。でもなぜ今になって?」

 

「さぁ、転生者が考えている事なんて分からないからね。兎に角私達だけで解決したいところだが、この世界の織斑一夏君にも手を貸してもらおう」

 

陽太郎がそう言うと一輝は怪訝そうな顔を浮かべた。

 

「手伝ってもらうって、どうやって?」

 

「まぁ、任せてくれ」

 

そう言いある場所に向かって歩き出す陽太郎とその後を付いて行く一輝。

 

 

「んん~、あれ此処は?」

 

一夏はそう言いベッドから上半身だけ起こしあたりを見渡す。白い部屋に若干の薬品の匂いなどから直ぐに医務室だと分かる一夏。

 

「僕が此処に寝ているって言う事は、解決したのかな?」

 

アリーナの襲撃事件が結局どうなったのか分からず誰かに聞こうとベットから出ようとした瞬間

 

「あ、目を覚ましていたんですか」

 

そう言いながら入って来たのはMr.Kこと陽太郎と一輝であった。

 

「えっと、貴方はもしかして……」

 

「えぇ、あの時救助に来ましたMr.Kです。初めまして、織斑一夏君」

 

そう言いMr.Kは手を差し出すと、一夏はおずおずと同じく手を差し出し握手を交わす。

 

「あの、助けて下さってありがとう、ございます」

 

「いえ、人として当然の事をしたまでです」

 

「あの、鈴音さんは?」

 

「彼女も無事です」

 

「そうですか。それは良かったです」

 

そう言いホッと一息を吐く一夏。Mr.Kは朗らかな笑みを浮かべていたが、真剣な表情へと変えた。

 

「所で織斑君、少し君に話があるんだ」

 

「話、ですか?」

 

「うん。今回襲撃してきた者達の事でなんだ」

 

そう言いMr.Kは学園長での話し合いの事を話し始めた。

 

「――という訳だ」

 

「そう、なんですか。でも、なんで此処が?」

 

「恐らく君の命を狙った可能性がある」

 

「ぼ、僕の、命を……」

 

Mr.Kからでた言葉に一瞬言葉を失うが、すぐに理解したのか暗くなる一夏。

 

「そ、そうですよね。僕は、世界で初めてISを動かした男子だから……」

 

「うん。世界中とは言わないが、君の命を狙っているのは確かだ」

 

「また、あんな敵が襲ってくるかもしれない、ですよね」

 

「かもしれない。其処でなんだが、織斑君。君、ウチの製品のテスターをやって貰えないかい?」

 

「へ? テスター、ですか?」

 

突然重い話からテスターにならないかという話を切り出してきたMr.Kに一夏はポカンと口を開く。

 

「そうだよ。実は私、PEC社という会社の社長でね、うちの製品をもっと幅広く知ってもらいたいから宣伝広告として十分な君にやって貰いたいと思ってね。無論、これは表向きだ。実際は我が社で開発した兵器、これを君に渡しておきたい」

 

「ど、どうして僕が…」

 

「それは、君には素質があるからだ」

 

「素質?」

 

「そう。君は目の前で傷付く人の姿を見たくない。そんな優しい心の持ち主でもあり、そしていざと言う時は戦う勇気を持っている。私はそんな君だからこそ、大切な人達を守る力を持つべきだと思ったんだ」

 

Mr.Kの言葉に一夏の心は揺れ動く。自身の大切な人、家族である千冬、そして仲良くしてくれているクラスの人達。一夏はそんな彼女達が悲しむ姿を見たくない、そんな思いが沸々と沸き起こり、そして

 

「……あの、社長さん。僕に、その力を下さい。大切な人を守る力を!」

 

一夏の言葉にMr.Kは力強く頷く。

 

「勿論だ」

 

そう言い2,3話を行った後Mr.K達は医務室から退室して行った。

 

「なるほど、考えたね義兄さん」

 

「何も転生者と戦わせる必要はない。迫ってくる敵に対し戦える力を与えるだけでも、転生者の対抗になるからね。でも」

 

突如険しい表情を浮かべる陽太郎、一輝は突然険しい表情を浮かべる陽太郎に首を傾げる。

 

「どうしたのさ?」

 

「いや、正直なところ彼一人だけに任せるのは流石にきついのでは、と思って。出来ればもう一人、支えとなるパートナーが居てくれればなとね」

 

そう言いながら歩き外へと出ると、ベンチに座りながらどこかに電話しているひとりの生徒がいた。

 

「それで、イッチーには何時会えるんですか? …そう、ですか。 分かりました。その、もう少しだけ外で待ってます。はい、失礼します」

 

そう言い電話を切りスマホをしまう生徒。俯く少女の顔は悲しげで、今にも涙が零れ落ちそうな状態だった。

 

「イッチー……」

 

そう零しながらズボンの裾を握りしめていると、堪え切れなくなったのか涙が零れだす生徒。

陽太郎達はそっと生徒の傍に近寄り、一輝はポケットからハンカチを取り出し生徒の前へと差し出す。

 

「大丈夫ですか?」

 

そう声を掛けると、生徒は驚いた表情を浮かべながら暫し茫然となった後、おずおずと差し出されたハンカチを受け取り涙を拭う。

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

「いえいえ、お気になさらず。ところで、もしかして織斑一夏君のお友達ですか?」

 

「へっ? は、はい。その、お二人は?」

 

「あぁ、ごめんなさい。自己紹介がまだでしたね。私は鬼鉄一輝、此方居られるPEC社社長の護衛です」

 

「初めまして、PEC社社長のMr.Kです」

 

「えっと、布仏本音です」

 

(……布仏本音。原作だと其処まで彼に思い入れはしていなかったはずだが、やはり原作が改変された影響か?)

 

陽太郎はそう考えながら質問を投げかける。

 

「それで、どうして此方に?」

 

「その、イッチーがまだ医務室から出られないらしいから、此処で待ってました」

 

そう言いながらスマホをまた取り出し時刻を確認する本音。時刻は17時になろうとしており、生徒はそろそろ寮へと戻らなければならない時刻だった。

 

「そろそろ寮へと戻らないといけないのでは?」

 

「けど、イッチーがまだ……」

 

(ふむ、よほど彼の身を案じている様子ですね。……彼女なら)

 

陽太郎は本音の姿を見て、先程考えていた事が実行に移せるのではと考えつく。

 

「布仏さん、貴方はどうして彼の身を案じるんですか?」

 

「どうしたんですか社長、急に?」

 

「大事な事なので、お答えください」

 

突然の問いに本音も困惑した表情を浮かべるが、ぽつぽつと話し始めた。

 

「イッチーは、私にとって大切な友達だから、です。一緒にお菓子を食べたり、のんびりしたりできる大切な友達です」

 

陽太郎はジッと何かを探る様に本音の目を見つめる。まっすぐで真剣に一夏の事を大切な友達だと伝えるかのような目に、陽太郎はニコッと笑みを見せた。

 

「なるほど。貴女の覚悟、よぉく分かりました。それほどの覚悟をお持ちの貴女になら任せられるかもしれませんね」

 

「はい?」

 

「布仏さん、貴方に問います。彼を守れる力を欲しますか?」

 

「イッチーを、守る力ですか?」

 

陽太郎の突然の問いに本音は困惑した表情を浮かべ、暫し思案に耽っているとある事を聞こうと顔を上げる本音。

 

「あの! その力を持てたらイッチーを、私の大切な友達は、守れますか?」

 

「確証は出来ない。だが、君が彼を守りたいと言う思いが強ければ、きっと」

 

そう言われ本音の意思は固まったのか、真剣な表情を浮かべた。

 

「はい。私、イッチーを守りたい。大切な友達を守りたいです!」

 

そう宣言する本音に陽太郎は頷き一枚の紙を手渡した。

 

「では、後日この学園の此処に来て下さい」

 

「分かりました」

 

紙には日付と落ち合う場所であろう『第8整備室』と、書かれていた。

 

「では当日に」

 

そう言い陽太郎は一礼し一輝も同じく一礼した後、陽太郎の後に付いて行く。残された本音は渡された紙を大事にポケットに仕舞い、一夏が居るであろう医務室の窓を見上げる。

 

「イッチー。私も、強くなるからね」

 

そう呟くと本音は寮へと足を向けた。




次回予告
襲撃事件から数日が経ったある日、一夏は千冬と共に第8整備室へと向かっていた。
整備室内に入ると、陽太郎達と本音が居た。
そして陽太郎は一夏と本音に新たな力を渡す。

次回
護る為の力~大切な友達を、守りたいから~
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