姫に恋した一人の侍   作:賢者

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読専から復活!

これから頑張るぜい


その後の様子

遠山キンジは晴れ渡った青空を見ながら思う――やっぱり平凡な一日が最高だ。

 

鼻につくアルコールの匂いを感じながら白雪が持ってきてくれたリンゴをかじる。

 

リンゴの甘酸っぱい特有の風味を口の中に広げながら今にもこぼれようとする果汁に悪戦苦闘

しながら武偵校の病院のベットでのんびりしていた。

 

あの男、名前はわからないが俺と戦ったあの徒手空拳の使い手の男は俺が一瞬目を離した隙に

自分で手錠をぶっ壊して逃げていった。

 

俺の似非HSSもアイツに深手を負わせることは不可能だったらしい。

 

かなりの重傷を負っていた俺はへし折れた腕をブランとたらしながら井吹のいるであろう倉庫へと

足を運んだ。

 

そこで不知火に電話しておけば簡単に分かったのだろうがそこまで頭が回っていなかった俺は

腕から来る焼けつくような痛みに耐えながら倉庫へと向かっていた。

 

倉庫に着いた瞬間聞こえた音が井吹が持っていたFN ブローニング・ハイパワーの違法改造ver

だったのには驚いた。

 

井吹は殆ど戦闘に拳銃を使わない根っからのインファイター型だ。

 

そんな井吹が拳銃を持っているのはただ単に相手にマシンガン持ちがいた時用の牽制のためだ。

 

牽制用に改造されたソレは威力と爆音。そのすべてが原形をとどめていないほどに

凶悪化している。さすが装備科と言うべきだろうか?

 

俺が慌てて倉庫の扉を開けるとそこには刀を収めた井吹、倒れ伏した南雲、何故か井吹の

FN ブローニング・ハイパワー違法改造verを持ったレキの3人がいた。

 

何でもレキが途中で起きたので自分の拳銃をレキにパスして撃ってもらったらしい。

 

しかし南雲もそれをタダで受けることはせず井吹の拳銃の銃身を綺麗に斬り落としていた。

 

二人の刀は刃こぼれもない新品同様の輝きをしていたが防弾制服の上から見える刀特有の鋭い

切り傷が激しい戦いだったと言うのを如実に語っていた。

 

その後は記憶が曖昧になっていてよく覚えていないのだが気付いたら救急車のの中でぐっすり

眠っていた自分がいた。

 

武偵局の尋問はあっちの三人がやってくれていたらしく俺が聞かれたのは2,3の質問だけだった。

 

その中であの徒手空拳の使い手の男の事が出てこなかったのは不思議に思ったが全てあっちの二人

が話してくれたんだろうと思う事にする。

 

俺は今病院の中でいつもとは違う静かな生活を送っている。

 

昔は胸が焦げるほど望んでいた生活のはずなのに今は何か物足りなく感じてしまう。

 

それも全て井吹のおかげだ。

 

死んでいた俺を引き上げ、生きる目標を掲げてくれたアイツに俺は感謝している。

 

「だけどなぁ……実際”感謝どまり”なんだよなぁ」

 

そう幾らアイツに恩があろうとも何故か”感謝”で止まってしまう。

 

心の底で井吹の事を信用しきっていない俺が言うのも何だが何故感謝でとまる?

 

同性同士であるため惚れたなんてことは無いがそれでも何かもっと感謝ではない他の在り方が

あるような気がする。

 

「何だろうな……コレ」

 

何か心の中にモヤモヤとした霧のようなモノがかかった気分の悪い感じが占領する。

 

「見舞いに来てやったぞキンジ‼だから早く治して修行だァァァァァァァァァァ‼」

 

「コレお土産ね、後ろのは気にしなくていいから」

 

「なんか久しぶりに不知火の毒舌を聞いた気がする」

 

「あれが毒舌認定なんて結構甘々な評価ですね、井吹さん」

 

「キンちゃん、だいじょ~ぶ?でもしらゆきちゃん来たから万事おっけーだよ‼」

 

だけどコイツらと一緒にいると楽しいと思えるのも事実だ。

 

「おめぇら、ここ病院だから静かにしとけよ?」

 

だから……まぁ今はそれの事は忘れて楽しく過ごしていこう。

 

それが一番大事な気がするし、何よりそっちの方が面白い。




結構頑張って質を上げられた気がする。

でも気がするだけ、その実わからない。
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