かなり日本にとって重要な鎮守府を継承しました。
頑張ろうと思ったら、転生特典が鬼畜でした。
鎮守府が更地になりました。
これが前回までの話!
多難っていい言葉だって知った今日この頃、夜空を見上げながら寝るのもいいものだなと無理やりに思いこみながら、無理やりに眠った夜。
睡眠薬がないと眠れないとか思っていたら、ぐっすりと眠れましたよ。
ちくしょう、夢魔王とかいるのか。世界は広いから夢関係の王様っているかもしれないけど、そんな伝承を実感したくなかった。
「ああ、いい一日でありますように」
とか言ってみたら、ゴジラ様が隣で背伸びして地鳴りが起きた。
ちょ?! なんで背伸び!? あれか!? 疲れたのか、疲れたんか? さすがのゴジラ様も鎮守府を更地にすると疲れるとか・・・・ないな。
ありえるわけがない、ゴジラ様単体でも日本を何度も壊滅させた強者だ。たかが一鎮守府を更地にしただけで疲れるなんてね。
チラリとゴジラ様に目線を向けて見るのだが、ばっちり見つめられてました。
怖ぇよ、マジで。だって、目線が『合う』んだぜ。
『なんだ、用事か?』なんて言われてる気がしてきたぜ。あれって、俺の転生特典なんだよな、自律行動ってどういう理屈なんだ。
あ、俺の感情直結か。いや、待て待て、じゃ俺が鎮守府を更地にしたのか、なんてやつだ。
あ、俺か。
いやいやいや、俺は酷くない。まともだ。本当にまともだ。ただ、転生特典を望み過ぎただけなんだ。
そうだ、そうに違いない。人間、身の丈に合わない能力は身を滅ぼすというが、本当なんだな。
前途多難って、誰か言っていた気がするが、気のせいとしておこう。忘れたい、本当に・・・・・・って!?
「嘘ですからね! ゴジラ様!!」
あっぶねぇぇぇぇ! 今ゴジラ様の瞳が赤くて翼みたいなものが見えたぞ! あれギアスだ! 何それ、そんなものまであるの?!
『王の力』ってすげぇぇぇぇな! 世界征服も夢じゃないぜ! こうなったら世界を侵略して蹂躙して、かの征服王のように颯爽と!!
いやいや、待った、ここは英雄王のように豪快に。
ふふふふふ、夢が膨らむなぁ。
現実逃避だよ、馬鹿野郎。
朝起きて、着替えて、簡易テントから出たら、目の前に重厚な作りの執務室『だけ』があった。
妖精さんの技術って凄いな、すっごいな・・・・ですよね、ゴジラ様?
「お願い、違うといって」
両手を組んで祈りを捧げて懇願したのだが、世の中は無情でございました。
ゴジラ様の手が光ったと思ったら、目の前に同じ執務室が。
うん、そんな気がしてた。あ、妖精さん達もいるね。ああ、とてもいい笑顔で土下座している。
「我らが王に!」
「妖精王に!」
「我らが絶対なる支配者様に!!」
うん、本当にそんな気がしていた。
もう気にしない、気にしないように執務室に入って。
「あ、提督」
速やかに扉を閉めました。
「どうしました?」
「何してんのよ?」
中から吹雪と叢雲らしき声がするが、気のせいだ。あの二人はまだ毒されていないはずだ。崇拝とか意味が解らないが、いたってまともな性格のはずだ。
そう信じている。
「提督? あ、司令官って呼んだ方がいいですか?」
「何してんのよ。いいから入りなさい」
「いやいやいや!! ちょっと待って! お願いだから心の準備させて!」
二人じゃない、絶対に違うと思っていても、声は二人のものだから。
「心の準備ってなんですか?」
「そうよ、いいから入りなさい」
「うん! 入るよ! 入るからさぁ! なんでミニスカメイド?!」
心の底からの叫び声をあげてやるぜ。
ミニスカに胸空きのフリフリメイドって誰の趣味?!
「あ、これですか? 提督のお友達がくださいました」
「なんか『着ろ』って言われているみたいだから着たんだけど、あんたの趣味じゃないの?」
違う、と否定できない。ドアノブを握り締めたまま、俺は固まっていた。
確かに好きだ。こう、ゴスロリ衣装なのに何処かセクシーとか、かなりドツボにはまる格好だ。幼さを感じさせつつ、大人の魅力が少しあって、子供から大人に昇る最中の魅力を余すことなく感じさせる衣装なんて、まさにこの世の天国かと錯覚してしまう。
そうか、最果ての海とやらは、こんなところにあったか。今なら俺は、シャア・アズナブルやイスカンダルといい酒が飲めそうだ。
「いや、いいから」
黄金の波紋から黄金の杯とか出てきたけど、飲む気なんてないから。いいからそれしまって。
さて、何処まで語ったか。ゴジラ様の気遣いはありがたいが、今は違う話だ。つまり何が言いたいかというと、俺はロリコンじゃない。ただ、幼子の危険な魅力については、完全に否定などできないだろう。
人は禁忌と言われたら、迷わずに飛びつきたくなる性質があるのだから、決して間違いではない。いや、間違いなのだろう。これから育つひな鳥に対して、邪な感情を抱くのは間違っている。
けれどだ、諸君。あえて言おう、『カスである』と。幼さの中にある魅力、大人の色香に勝るとも劣らないあの威力を前にして、人は戦慄せずに終われるものだろうか。
否! 断じて否である! あの危うい魅力を極めずして『萌え』などは語れない。幼子が育ち、様々な魅力を描き出して、大人の色香へと到達する様を一生かけて見ていたいと思えるのは、男として当たり前のことではないだろう。
それに! 艦娘は成長しない、確か精神面では成長するかもしれないが、外面的なものは成長しない。多少、年を重ねたような身体的特徴の変化はあるかもしれないが、それでも成長しないのだ。
ああ、楽園はここにあった。我が最愛の『アヴァロン』がここにあるのだ。
ふ・・・・・解っている。
現実逃避だ、馬鹿野郎。
「いいから二人とも制服を着ろ!!」
その日、俺は初めて提督命令なるものを使ったことを、俺の内心に深く刻んでおく。
ついでに、ゴジラ様の尻尾の付け根に、『初の提督命令は制服着ろ』と明記されていたのを発見し、かなり落ち込んだのだが。
「提督、これが鎮守府の再建計画です」
「ありがとう、大淀」
さらりと提出される書類を見つめ、チラリと横に立つ二人を流し見る。
うん、やっぱりその制服が一番、落ち着く。ゴスロリメイドとか、フリフリホワイトロリとか、チャイナとか着物とか、そんなのは執務には関係ない。
昔は、そんな女性に囲まれてなんて、考えたこともあったが。
いや誰だってそう考えるだろ、こう美女から美少女までが、様々な衣装で俺を囲んでくれる、そういう夢想は男なら一度はするものだ。
などどと考えながら、俺の目線は書類を見ていく。
うわ、余計なことを考えながらでも読めるし、修正点も浮かんでくる。
これも『王の力』なのかな?
「見事だ、大淀。完璧じゃないか」
でも、そんなの言わない。間違って言ってしまったら、なんか余計な混乱に巻き込まれるような、そんな気がするから。
「お誉めにあずかり、光栄です」
眼鏡を光らせながら告げる彼女に、やっぱり只者ではないと感じてしまう。
「では、これで再建を行っていきます」
「よろしく頼む」
「はい、それと提督。様々な派閥が、今回の一件を重く受け止めています。くれぐれも、一人で出歩かないように」
おう、そうなのか。
念を押して退室していく大淀に、俺はにこやかな笑顔を浮かべながら、内心で頭を抱えていた。
なんだよ、重く受け止めるって。どういうことだ、それ。鎮守府が更地になったのが、そんなに重要なことか。
重要だろうが。横須賀鎮守府が更地だぞ、絶対に方々からクレームが来るに決まっている。
きっと、言わないだけで、大淀のところに苦情やお説教なんかが来てるんだろうな。それを俺に悟らせないなんて、大淀はいいやつだ。
「後でねぎらうべきか」
「はい、何か?」
「何でいるの!?」
ポツリと呟いた瞬間、大淀が目の前に立っていた。
「艦娘ともなれば、提督の呟きに即座に反応するのは当たり前です」
「そんなバカなことあるか!?」
叫んで否定したのだが、吹雪や叢雲が大きく頷いているから、本当のことらしい。
俺は急激に寒気がしてきた。そんなこと普通はあり得ない。絶対にまともじゃない。
となると、だ。
ゴジラ様、何かしましたよね? 何したんですか? 訓練王とか、付与王とかありませんよね? 艦娘にスキルとか付けてませんよね?
縋るようにゴジラ様に顔を向けると、相手はこっちを見ずに水平線に顔を向けていた。
「やっぱあんただろ!!!」
そして、ゴジラ様の咆哮が周辺に響き渡り、遥か遠くの海底で火山が噴火したという。
なんで解るかって? いや、ゴジラ様の視覚と急に繋がってさ、慌てふためく深海棲艦の姿まで見えたからさ。
絶対、殺すって言われたよ、笑ってくれ。
やり過ぎ注意、暴走まっしぐら。
でも止められないし、止めたくない。
なんか、途中で変な電波を拾ったけど、まあいいか。
光源氏ってすげぇ人だったんだなぁって話?