Emerald First Love (本編完結) 作:Shige_puni
皆さんヨーソロー!
浦の星学院高校2年、渡辺曜です!
幼なじみの千歌ちゃんや果南ちゃんとスクールアイドルやってます!あと水泳も!……って、皆さん知ってますよね
そんな私なんだけど、実は好きな人がいて……ってこれ恥ずかしいね!エヘヘ
その人は1つ上の先輩で、アメフト部。たまに一緒に筋トレしたりするんだ
アメフトや筋トレしてる時の先輩は力強くてカッコ良くて、普段は優しい笑顔を見せてくれて。そう、誰にでも優しいんだよね……なんて
初めて出会ったのは私が1年生の時。1人で学校のトレーニング室に行こうか悩んでいた時に、道に迷っていると思って声をかけて案内してくれた
最初はちょっとビックリしたけど、優しい先輩だったから安心した
いつからこんな気持ちを抱くようになったのかはわかんない。でも、その気持ちを自覚した時には、先輩は果南ちゃんのことが好きなんだって気付いた。そして果南ちゃんも、先輩のことを好きなんだろうなって……
ちょっと、遅すぎたのかな?
最初から諦めてたって訳じゃないけど、苦しくなりそうな恋だとは思ってた
一緒にいるだけでも楽しくて、ちょっと苦しくて。でも少しでも気を引きたくて、筋トレ中に上腕筋を見てもらったり
言えない想いのその先で、私には見せないその笑顔。もし先輩が、果南ちゃんより先に私に会ってたら、その特別な笑顔を私に見せてくれたのかな……なんて考えたこともあった
こんなに近くにいるのに、なんだか遠く感じてしまう
もし出会わなければ、もし恋と気付かずにいられたら、この想いを眠らせられたのかな
気持ちを隠し続けて壊れそうな心が騒ぐ。無謀なんて知ってる、頭では分かってる。でも、やっぱり……
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「私……先輩のこと、好きなんです」
「……!」
「やっぱり、全然気付いてなかったんですね」
「すまん……」
「ううん、良いんです。だって先輩は、果南ちゃんのことが好きなんでしょ?」
「知ってたのか。でもそれなら……」
「はい。困らせてしまうのは分かってたけど、気持ちだけ……伝えたかったんです」
「そうか、ありがとう。気持ちは素直に嬉しいけど……ごめんな」
「いえ……答えてもらえただけで、嬉しいです。だから、付き合ってとは言いません。その代わり……ハグして、くれませんか?」
せっかく勇気を振り絞ったんだから、ちょっとくらい……わがまま言ってもいいよね?
「……」
黙ったままの先輩がゆっくり手を広げて、そして……
ポン
……ハグする代わりに、大きな手で優しく撫でてくれた
「これで、許してくれるかな?」
「う~ん、及第点ですね」
「ハハッ……そうかい」
そう言いながらも撫で続けてくれる、優しい先輩
もうちょっとって思ったけど、これ以上は……色々と溢れてきちゃいそう
「もう、大丈夫です。ありがとうございます」
「おう」
「今日は本当にごめんなさい。でも、ありがとうございます!」
「こちらこそ、な」
「……私の分も、果南ちゃんのこと、よろしくお願いします!」
「あぁ、おまかせあれ!」
「また一緒に、筋トレしてくれますか?」
「もちろん。いつでも誘ってくれ!」
「ありがとうございます。じゃあ今日は、これで失礼します」
「おう、じゃあな」
さようなら、私の初恋……
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その後誰もいないハズの部室に行ったら、千歌ちゃんと梨子ちゃんがいた
2人には、私の秘密を伝えてあるから、それで待っていてくれたのかな?
「曜ちゃん……」
心配そうに、私の名前を言う梨子ちゃん
「うん、振られ……ちゃった」
私は、そう返すのが精一杯だった
「曜ちゃあぁん……!」
「なんで千歌ちゃんが先に泣いてるのさ」
そして、2人で私を抱きしめてくれた
「今は、我慢しないで、ね?」
「一緒に泣こう!」
「……うぅ、うわあぁぁぁん!!」
何も言わずに、泣きじゃくる私を慰めてくれた
ありがとう……2人とも大好きだよ!
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その後先輩と果南ちゃんが付き合い始めたのは、雰囲気で何となくわかった
聖人君子って訳じゃないから、果南ちゃんのことを妬んだりもしたけど、やっぱり大事な友達だから、幸せになって欲しい
だから先輩、果南ちゃんのこと、よろしくね!