Emerald First Love (本編完結) 作:Shige_puni
文章だけではアメフトの熱さをお伝えしきれなかったので、動画サイト等で試合の様子をご覧になることをおススメします
夏休み その1
~オープンキャンパス当日~
即ち、アメフト部の招待試合&Aqoursのハーフタイムショー本番の日である
対戦相手は東京のF高校。激戦区東京に於いて中堅クラスの高校だ
強豪、とまでは言えないが、小さくまとまった良いチームだと、浦の星の監督は言う
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~グラウンド~
両校の選手が横に並び、グラウンドを挟んで向かい合う
主将・副主将と主審がグラウンド中央でコイントス
そして……
「行くぞお前らあぁぁぁぁ!!!!」
「「「ファイ、オー、ファイ、オー、ファイ、オーーーーッ!、トゥーーッッ!!」」」
浦の星のキックから始まる。実質後攻だ。
キッカーを中心にして幅広く横並びになる。対して相手は、前衛・後衛が分かれて並ぶ
キッカーが両端の選手に合図を出し、隼人の掛け声で全員が走り出す
隼人「ハードタックル、レディーッゴー!!」
勢いよくボールが蹴り出され、浦の星グラウンド上を舞い上がる
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ダイヤ「始まりましたわね!」
曜「う~ん、相変わらず良い声だよね~」
花丸「果南ちゃん、八神さんはどの人?」
善子「我が魔眼を以ってしても、あの鎧の奥は見えないわね……」
果南「アハハ、赤いユニフォームで69番の人が隼人君だよ」
その時、味方選手が相手をタックルし、一旦プレーが止まる。敵陣35ヤード付近か
ルビィ「ピギィ!お姉ちゃ~ん……」
ダイヤ「あらあらルビィ。大丈夫、怖くありませんわよ」
鞠莉「やっぱり凄い迫力ね! パパがハマるのも分かるわ♪」
千歌「あれ、隼人先輩が戻ってきた。出番あれだけ?」
果南「今から浦の星ディフェンスが始まるから、オフェンス専門の隼人君は一旦戻るんだよ」
千歌「あ~何かそんなこと聞いたような?でも難しくてわかんないよ~」
梨子「先日お話聞いたけど、やっぱり難しいね……」
果南「まぁやっぱりそうだよね。隼人君は"まずはボールの位置を追ってみて。無理ならその場の雰囲気を味わって欲しい"って言ってたよ」
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程なくして、浦の星Dが相手の攻撃を抑え、攻守交代となる
ラグビーやサッカーと違って攻守がハッキリ分かれており、その際にオフェンス・ディフェンスの選手が入れ替わる
人数等の関係で攻守両面で出場する選手もいるが、その際の疲労は尋常ではない……
隼人「オッケー、ナイD!」
D選手「オフェンスよろしく!」
すれ違い様にハイタッチを交わす
いよいよ浦の星の攻撃である
因みにアメフトは攻撃権が4回あり、その間に10ヤード以上進めば攻撃権が更新される
10ヤード進めなかった場合や、ボールを奪われるなどした場合は攻守交代となる
隼人のポジションはオフェンスライン。ボールを持つバックス(後衛)の為に壁や盾となるポジションだ。その中でもセンターを務める
隼人「トゥーッ!」
「「おう!」」
某芸人が「トゥース!」とやっているが、元々はアメフトの集合の合図、ハドルである
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曜「おっ、先輩出てきたよ!」
善子「リトルデーモン・Blasterの実力を見せてもらいましょう!」
花丸「善子ちゃん、先輩ずら」
梨子「あの合図もカッコ良いね!先輩風に言うなら、気合いが入るって言うのかな」
果南「ふふっ、そうだよね♪」
果南(隼人君、頑張って……!)
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QB「右プロI(アイ)からBlast。コール1、レディ」
「「GO!」」
攻撃の司令塔であるクォーターバック(QB)からプレーの指示が出て、各々のポジションに付く
置かれたボールの位置に隼人が、センターを含めたOLが5人並び、その横にタイトエンドがいる。TEはプレーによって壁にもバックスにもなる
センターの真後ろにQB、その後ろにボールを持って走るランニングバック(RB)が2人。某アメフト漫画の主人公がこのポジションだ。そして両翼にパスを受けるワイドレシーバー(WR)が2人
総勢11人
対して相手のディフェンスは、前衛のディフェンスライン(DL)4人、中衛のラインバッカー(LB)が3人、後衛のディフェンスバック(DB)が4人の態勢だ
もちろん、OもDもフォーメーションはチームや状況によって様々な形がある
QB「行きますDown。Set、Hut!」
ゴン!ガゴン!
センターがボールをスナップし、股越しにQBに渡す。そしてQBからRBへハンドオフ
アメフトのプレーはある程度パッケージされており、Blastは中央のラン。OLがこじ開けた走路にRBが突っ込むというシンプルにして激しいプレーだ
4ヤード程進んだ処で相手LBにタックルされ一旦プレーが止まる。まずまずの前進だ
隼人「ナイスラン!」
RB「ナイスブロック!」
そしてまた隼人がハドルをかけ、QBが指示を出す。しばらくこれを繰り返す
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果南「良いよー!浦の星ファイトー!」
曜「ヨーソロー!」
鞠莉「シャイニー!」
慣れている3人は、それぞれ声援を送る
善子「凄い迫力なのは分かるけど、正直何が起きたかさっぱりわからないわ……」
梨子「わ、私も……」
千歌「私も未だに……えへへ」
花丸「ずら~」
ルビィ「ピギィ……」
ダイヤ「流石の私も最初はそうでした。でも徐々に目が慣れて参りますわ」
ルビィ「で、でも痛くないのかな?」
曜「試合や練習中はアドレナリンが出てるから、多少のことは痛くないって言ってたよ」
善子「いやあれで痛くないとかおかしいわよ!」
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一進一退の攻防を繰り返し、第1クォーター中盤。浦の星はゴール前残り5ヤードまで来ていた
QB「両タイトからDiveフェイクパス。コール1、レディ」
「「GO!」」
ゴール前になると、互いに前衛重視のフォーメーションになる
O側は走路のため、パス壁のため。D側はそれを防ぐため
QB「行きますDown。Set、Hut!」
Diveも中央のランプレー。QBからRBへハンドオフ……フェイクしてQBがWRへパス!
そして……
ピピーッ!!
審判が笛を吹き両手を上げる。タッチダウン!
「ナイスキャッチ!」
「ナイスパス!」
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果南「やったよ!タッチダウンだ!」
善子「これでやっと点が入ったの?大変な競技ね……」
梨子「今ので確か6点だっけ?」
果南「梨子ちゃんよく覚えてたね。今のタッチダウンで6点。この後にボーナスポイントのチャンスがあるハズだよ」
果南(隼人君、調子良さそうで安心した……ふふっ♪)
花丸(果南ちゃん嬉しそうずら♪)
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前述の通り、TDの後にはトライフォーポイントというプレーがある
ゴール前3ヤード地点から、1点狙いのキック、または2点狙いのタッチダウンから選択。通常、より確実なキックが選ばれることが多い。そのため、便宜上TDは実質7点で考慮されることもある
浦の星も難なくキックを決め、現在 7-0
そして浦の星のキックオフで試合再開
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鞠莉「じゃあ、私たちはそろそろライブの準備をしましょうか」
ダイヤ「アメフトのみなさんに負けないように頑張りましょう」
「「おー!」」
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しばらくして第2Qに入り、グラウンドの位置が入れ替わる。テニスのコートチェンジのようなイメージだ
試合時間だが、プロでは1Qで15分、学生の試合では12分が一般的。しかしアメフトではプレーによって時間が止まったり止まらなかったりするため、実質1Qで30分以上かかることも多い
因みに今回は公式戦ではないため1Q10分で行っており、その分ハーフタイムを長めに取っている
隼人(果南たちは流石にもう行ったか。その前にTD出来て良かったな。2Qもこの調子で行こう)
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2Q
互いにTDを1本ずつ取り合う展開に。更に浦の星がキックを1本決め、前半終了時点で 17-7 (通常のキックは3点)
そしてお待ちかね、Aqoursのハーフタイムショーが始まる
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千歌「果南ちゃん、今日は提案ありがとう!」
果南「いえいえ。でもそれは隼人君に言ってあげてね」
千歌「うん!じゃあその気持ちも込めて、みんなに私たちの歌を届けよう!」
千歌「Aqours!」
「「サ~ンシャイ~ン!」」
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見~た~こと~ない夢の軌道~追いかけて~♪
<始まった~!
<かわいい~!
届かない~星だ~って~♪
<正直ウチのスクールアイドルより良いかも?
<うむ!
観客の反応は好感触だ
遠くへ、遠くへ、声が、届くように!
果南(私たちの声は届いてるかな?いや、届けるんだ!)
隼人を始め、アメフト部の面々は真剣な表情で試合について話し合っている。思ったより点差がつかず、あまり余裕はない様子だ。だから果南は、彼のことを応援せずにはいられなかった
……
ライブが終わり、歓声・拍手に包まれる。そんな中果南は、彼の姿を探す
すると
隼人:グッb
果南「!」グッb
力強い表情でサムズアップする彼と目が合った
果南(隼人君……!)ホッ
鞠莉(もう、果南ったら♪)
ダイヤ(良かったですわ。ライブも、果南さんのことも、ちゃんと見てくれたようですわね)
その後隼人は右腕を高々と掲げ、果南に背を向けて後半の試合へと向かって行った
後半へつづく
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