魔王ヨシヒコと勇者モモンガ   作:カイバーマン。

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EX1-3

それはモモンガがアインズ・ウール・ゴウンと名乗り出すずっと前

 

彼がまだ、大切な仲間達と共に冒険の日々を過ごしていた幸せだった時の記憶の中の1ページ

 

「く! おのれ凶竜・キングヒドラ! モモンガさんを! あんなちょっと面白い姿にさせるなんて!」

 

「助けて下さ~い……」

 

目の前に立ち塞がるは5つの頭を持つ巨大な紫色の竜。その凶悪な姿を見ただけで誰もが恐れ、そして無慈悲なる力の前に屈するしか無かった。

 

現に当時、まだ冒険始め立ての新参者でしか無かったモモンガは、あまりの怖さにビビって動けなくなってしまっていたら、いつの間にか踏みつけられて頭だけ地面から顔を出しているというなんともマヌケな姿に

 

しかしその事に対して強く正義の心を燃やしながら、彼の仇を討とうとキングヒドラの前に颯爽と立ち向かう者が一人。

 

後に戦士系職業の中で最強のクラス「ワールドチャンピオン」を取得する男、”たっち・みー”だ。

 

「誰かがピンチになっていたら全力で助ける! それが正義の務めだ!」

 

「でもさ~たっち・みーさん、アレはちょっと流石に勝てないでしょ、今の私達じゃ」

 

剣を構えて勇敢に立ち向かおうとする彼であったが、そこへモモンガの仲間の一人

 

人間サイズの全身ピンクのスライム、後に最強のタンク役として大活躍する予定の”ぶくぶく茶釜”が隣から異議を唱える。

 

「だって明らかにアレって序盤のボスじゃないでしょ、滅茶苦茶強そうだし逃げた方が良いわよ」

 

「バカな事を言うな! ここで逃げたら!」

 

自分達では手に負えない相手とここは素直に撤退するべきだと主張する彼女に対し、たっち・みーはすかさず埋まっているモモンガの隣で、同じく足だけ埋まって身動き取れない状態の者に指を突きつける。

 

「あそこで足だけ埋まってしまっている! 君の可哀想な弟さんの仇が取れなくなってしまうぞ! それでもいいのかぶくぶく茶釜さん!」

 

「いや別に……むしろマヌケな愚弟が醜態晒して笑えたから、逆にちょっとスッキリしてる」

 

「なるほど! スッキリしちゃったのか!」

 

「えへ! スッキリしちゃったの私♪ きゃは☆」

 

「ねーちゃん酷い~……」

 

急にちょっと甘えた感じで妙に現実感のない声でぶくぶく茶釜が返事すると、その弟であり埋められてる状態の”ぺロロンチーノ”が哀しそうに地面から呻いている。

 

するとそこへ

 

「フン、いいじゃないか、戦おう。仲間の仇だの、戦う事にそんな理由は必要ない」

 

ズシンズシンとたっち・みー達より少し大きめのサイズを誇る、いかにもな感じの荒武者・武人建御雷が現れる。

 

後に五大明王コンボというあらゆる武器を使って行う恐ろしい技でギルドを支える事となる立役者だ。

 

「相手が強敵なれば尚の事良し、戦いとは常に生と死の狭間の中を、ひたすら無心で突き進みそれを楽しむ事が大事なのだ、全滅になる心配は二の次だ、いっちょやってやろうじゃないか」

 

「流石は武人建御雷さん! あなた本当に真の武人ですね!」

 

「フン、勘違いするな、たっち・みーさん、アンタを倒すのは俺、俺が鍛え上げた武器の役目なんだ、それをあんな沢山頭をニョロニョロ生やした竜などに先を越されてたまるか」

 

「オッサンのツンデレとか超可愛くないんですけど~」

 

「オッサン言うな!」

 

やる気になってくれている武人建御雷いたっち・みーが素直に喜んでる中で

 

彼のちょっとしたツンデレ発言を冷ややかに茶化すぶくぶく茶釜。

 

するとそこへまたしても……

 

「はぁ~仕方ねぇな~、ホント、俺がいないとみんなダメダメなんだから」

 

「!?」

 

こんな状況にも関わらず、のんびりとした声がたっち・みー達の背後から飛んで来た。

 

彼等が振り返るとそこに立っていたのは

 

「そんじゃ、ここは俺がちょいと本気出させて頂きましょうかね~」

 

「ウルベルトさん!」

 

「たっち・みーさん、悪いが俺はアンタが良い格好してるのは気に食わなくてさ」

 

オシャレなスーツにシルクハット、そしていかにも悪役っぽいマントを身につけた人外の者

 

”ウルベルト・アレイン・オードル”

 

後に物理最強クラス「ワールドチャンピオン」を取得するたっち・みーと対照的に

 

魔法最強クラス「ワールド・ディザスター」を取得する男である。

 

「ここらで俺が大活躍して、真の主役は誰なのかこの場でハッキリとさせてもらうよ」

 

「そうは言うけどさぁウルベルトさん、あんなデカい奴を倒す方法なんてあんの?」

 

「フ、わかってないなぁぶくぶく茶釜さん、俺がどうしてこんなに得意げに、更に自分を追い込みながらカッコよく現れたと思う?」

 

「いやカッコよくは無いけど」

 

「俺はね、ここに辿り着くちょっと前に……」

 

冷静にツッコミを入れるぶくぶく茶釜をスルーして、ウルベルトは得意げな様子でちょっとした間を開けると

 

 

 

 

 

「新しい魔法を覚えたよ」

 

「本当ですかウルベルトさん!?」

 

「本当だよ、今回はマジ半端ない魔法だよ」

 

何とここに来て新しい魔法を覚えたと宣言するウルベルト、勝利の活路を見出し、希望を得た様子で叫ぶたっち・みーであったが

 

対照的にぶくぶく茶釜と武人建御雷は疑ってる様子で

 

「え~どうせまた使えない魔法なんじゃないの? この前も全く役に立たない魔法だったし」

 

「ウルベルトさん、アンタ、現存する魔法でなくいつもオリジナルの魔法を作っているが……今度はちゃんとまともなんだろうな?」

 

「おお~っと、早速皆さん俺を疑ってらっしゃるようだ~、しかし安心しろ。今回はホント、本当に凄い魔法だから、ね?」

 

出会った当初からずっと役に立たない魔法ばかりを覚えて来たウルベルト。

 

そのことに対して未だ不信感を持つ(たっち・みー除く)仲間達に向かって、彼は「絶対イケる」と確信した様子で杖を掲げると。

 

「という事で、一番身近にいたぶくぶく茶釜さんに~……ほい!」

 

「ちょ! 急に私によくわからない魔法掛けないでよ!」

 

すぐ隣にいたぶくぶく茶釜に杖を向けて突然魔法を掛けだした。

 

いきなりの事に彼女がピンク色のボディをヌルヌル動かしながら抗議するが、突然ピタリと動きを止める。

 

「……」

 

「どう? どうぶくぶく茶釜さん? なんかあった?」

 

「……なんか急にあんころ餅食べたくなった」

 

「よし!」

 

自分でも困惑してる様子で呟く彼女にウルベルトはガッツポーズ。

 

「俺が覚えたこの魔法、なんと掛けられた相手は……無性に甘いモノが食べたくなってしまう」

 

「は? なにそれ?」

 

「そして俺はこの魔法を……」

 

 

 

 

 

 

「甘美なる無間地獄≪デスパレード・ギブミー・シュガー≫と、今この場でハッキリと名付けた」

 

「やっぱ使えない魔法じゃん! なんで名前だけちょっとカッコよくしてんのよ!」

 

ここに来るまで結構時間を掛けて考えたウルベルトの新たな魔法。

 

しかしその微妙な効果にやはりというべきか、薄々使えないと予想していたぶくぶく茶釜がすぐツッコミを入れる。

 

「甘いモノが食べたくなる魔法なんて何の役に立つのよ!」

 

「ぶくぶく茶釜さん甘い、甘くなる魔法なだけに甘い」

 

「全然上手くないし!」

 

「いいですか? この甘美なる無間地獄を食らった相手はとにかく甘いモノを食べたくなる、そんな状態じゃまともに戦えなくなること間違いなし、つまり隙だらけ、つまり攻撃し放題、つまり……勝てる!」

 

「勝てるかぁ! そんなんで勝てるかぁ!」

 

ウルベルトの持論に思わず声を荒げてしまうぶくぶく茶釜。

 

冒険とは常に何が起こるかわからない、そんな都合よく事が進むなどあり得るわけがない。

 

しかし彼の話をずっと黙って聞いていたたっち・みーはと言うと……

 

「す、凄い! これならもうモンスターなんか敵じゃない! く! 悔しいが今の彼はもはや無敵だ……ウルベルトさんは無敵になってしまった!」

 

「え? 今の説明でどうしてそうなるの? たっち・みーさん」

 

「掛けてくれ! 今すぐ私に甘美なる無間地獄を掛けてくれ!」

 

「なんで敵に掛ける魔法なのに掛けられたがるかな……いつもの事だけど」

 

ウルベルトの魔法を絶賛し声高々に掛けてくれと志願し出したのだ。

 

これにはぶくぶく茶釜も呆れてしまうも、それを聞いてウルベルトはまた得意げに杖を構えて

 

「その言葉を待っていましたよたっち・みーさん、という事でほい」

 

「!?」

 

間髪入れず、そして何も考えずに魔法を掛けてあげる、するとたっち・みーは己の体に異変が感じ始め

 

「おお……おおぉ! うおぉぉぉぉぉぉぉ!!! バナナが!! とてつもなくバナナが食べたい!!」

 

甘いモノに対する欲求を抑えれずに咆哮を上げると、たっち・みーは衝動的に剣を構えると

 

さっきからずっと待ってくれている5つの頭を持つ竜・キングヒドラに向かって飛び掛かった。

 

「私にバナナを寄越せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「……どうやら俺の甘美なる無間地獄は、味方に掛けるとバーサク状態になるらしい」

 

「らしいじゃないわよ! どうすんのよアレ!」

 

「マスクメロォォォォォォォン!!!!」

 

単独で特攻を仕掛けに行った彼を見送りながら、満足げに観察結果を述べるウルベルトにぶくぶく茶釜が吠えるのであった。

 

「あの……とりあえず誰でも良いから私、私達の事助けてくれませんか……?」

 

「助けてねーちゃ~ん……」

 

すぐ背後で頭だけ地面から出て来ているモモンガと、両足だけ地面から出しているペロロンチーノの事も気づかずに

 

 

 

 

その後、甘いモノに対する欲求に溺れ、理性を失ったたっち・みーが思ってた以上に豪快に暴れ回り

 

なんだかんだでまさかのキングヒドラを討伐成功するに至ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「懐かしいなぁ、あの頃はこの絆は永遠に続くと思って色々バカな事に巻き込まれて楽しく生きてたなぁ私……」

 

「……すご~く長い回想だったな」

 

「あ、すみません、ちょっと昔の事を思い出すとつい」

 

そして時は今に戻る。

 

しみじみと過去の感傷に浸ってしまっていたモモンガに

 

ずっと放置されていたダンジョーが渋い表情でため息を零す。

 

「はぁ~~まあいい、とにかく昔、お前には掛け替えのない仲間達がいた事はわかった、ならば改めてもう一度問う」

 

そう言ってダンジョーは「はい」と正座して待機するモモンガに一つだけ尋ねた。

 

「その仲間達が築いていった楽しき冒険の日々、その大切な思い出に泥を塗るかのように全てを奪い去った魔王をお前は許せるのか?」

 

「許せる訳がない! 既に私の前から去ってしまった仲間達だが! 彼等との日々は今でも私の記憶に確かに残ってくれている! なんならもっかい回想してお見せしましょうか!?」

 

「いやもういい! お前の回想は長い!」

 

「じゃあ今回はこれで終わりという事で!」

 

「まだやり足りないのか!?」

 

彼の非常に長い昔話にこれ以上付き合ってられるかと、ダンジョーは慌ててそれだけは阻止するも、モモンガはまだ諦めていない様子だ。

 

そんな彼をよそに、ダンジョーは拳を掲げて高々と叫ぶ。

 

「過去の感傷に浸る前にお前には為すべき事があるだろう! 魔王を許せないと言うならやるべき事は一つ! 俺達と一緒に魔王を倒すのだ! よし行くぞぉー!」

 

「あ、それとこれとは話が別です、私は勇者になれません」

 

「な! なにぃ!? まさかこの流れでそう答えるとは思わなかったぞ!?」

 

「いやぁだって現実的に考えてどうやっても無理というか……だって今の私じゃ、逆立ちしても勝てないでしょ」

 

「くぅ~! なんでそんなに弱気なんだ貴様はぁ!」

 

「今の私、もう完全に素の状態なんで」

 

なんとここまでダンジョーが情に訴えながら説得を試みたというのに、まさかの仲間になる事を拒否するモモンガ。

 

結局あの長い回想はなんだったのだと、付き合ってやった時間を返せとダンジョーは苛立ちを募らせながら叫ぶが

 

同じくこの場にいたもう一人の仲間、ムラサキはめんどくさそうに

 

「別にもういいんじゃね? 行きたくないなら無理に誘わなくなっていいでしょ」

 

「そう、彼はとても疲れているんだ、疲れる事も悪くない、引き篭もるのも悪くない、だから好きなだけ彼を引き篭もらせてやってくれ」

 

「どうせこんな奴連れてもなんの役に立たなそうだし」

 

「でも私は、可愛いギャルに囲まれるハーレム生活という明るい未来を約束さえしてくれれば、行ってやらんでもない」

 

「あとこの黄色いナマモノがホントにうぜぇ!」

 

さっきからムラサキの足元でウロウロしながら自分勝手に主張しているのは、パンドラズ・アクターが変身した姿、通称うーさー。名前以外はなんだかよくわからない生物である。

 

「もうこんな奴等ほっとけばいいって! おいオッサン! 勇者探しは諦めてさっさとヨシヒコの所へ戻ろうぜ!」

 

「いいや! 俺は絶対にコイツを連れて行く! こういう奴ほど叩けば光るんだ! 俺にはわかる!」

 

「ほう、それは私、うーさーの事かな?」

 

「お前はいらん! 帰れ!」

 

そんなムラサキとダンジョーの口論の中にも邪魔している謎生物を「本当になんなんだろうなアレ?」と疑問に思いつつ眺めながら、モモンガ一人重いため息をつくのであった。

 

「所詮誰も私の心を理解出来るものなどいないんだ……今の私に、信頼出来る仲間など作れる訳が……」

 

そんな事をついモモンガがガックリしながら愚痴をこぼしていると……

 

 

 

 

「アインズ様……」

 

「!?」

 

突如薄暗いこの洞窟に、綺麗な声色が静かに響いた。

 

声の主はここにいる者達ではない、しかし確実に聞き覚えのある声にモモンガは反射的にバッと最深部であるここに辿り着く為の通路に目をやると

 

「遂に……遂に……見つけましたわ……! アインズ様……!」

 

「あぁー!」

 

コツコツと足音を立てながらゆっくりと中に入って来た人物に、モモンガは思わず声を上げて指を突き出す。

 

「ア、アルベドぉ!?」

 

「ああ、ようやく会えました! 愛しの我が君!」

 

外見は純白のドレスをまとった美しい女性、僅かな微笑を浮かべた顔は女神の如き輝きを見せ

 

腰のあたりまで届く黒髪はつややかに流れ落ちている。

 

「わたくし、必死に探し回りましたの……アインズ様が消えたその日からずっとずっとずっと……!」

 

しかしそれは人ではなく悪魔

 

瞳は金色で瞳孔は縦に割れ、頭からは山羊のような角が突き出し、腰からは漆黒の天使の翼が生えている。

 

彼女こそが他でもないアインズ・ウール・ゴウンが誇るナザリック地下大墳墓の守護者統括

 

最強の盾と称される「慈悲深き純白の悪魔」こと”アルベド”であった。

 

「敬愛すべき私達の主にして……私の愛しき旦那様が遂にわたくしの前にお戻りになられた……!」

 

「ど、ど、どどうやって私を追いかけて来たんだ!?」

 

「愛の力です!」

 

「なにそれ!?」

 

自分をどうして見つけられたのかと不思議に思うモモンガに、答えになってない答えを歓喜の表情で叫ぶアルベド。

 

するとその騒ぎを聞きつけたダンジョーとムラサキは口論を止めてそちらへ振り返りすぐにギョッとさせ

 

「う! こ、これは……! あまりにも美し過ぎる……!」

 

「なんじゃあ! あのおっぱいの化け物は!?」

 

ダンジョーはアルベドの凄まじい美貌を前に絶句し

 

ムラサキはアルベドの凄まじい巨乳を前に絶句した。

 

するとモモンガを羨望の眼差しで見つめていたアルベドであったが、彼等の叫びを聞いてようやくその存在に気付いたかのように振り返り

 

「アインズ様……何やら虫けらが2匹ほどいるみたいですが……わたくしの手で処理しますか?」

 

「あ、ああ……ちょっと待て……この二人に手を出すのは止めた方が……」

 

すぐ様冷たい声を漏らしながらその目には強い殺意が。

 

彼女にとって人間は自分達に劣る下等生物であり、例外こそあれど基本的にはただのその辺にいる虫と同列の存在でしかないのだ。

 

しかしそんなアルベドの蔑み、徹底的に見下している表情よりも前に

 

ダンジョーとムラサキは突然現れた彼女に驚いて気にする所では無かった。

 

「これ程の美女がいるとは……! 間違いない、ヨシヒコなら一目見た瞬間すぐ恋に落ちる!」

 

「うん、こりゃ絶対ヨシヒコに会わせちゃいけない奴だな」

 

アルベドは人間ではないとはいえこれ程までに美しく、かつ巨乳。二人はすぐに確信した

 

勇者と呼ばれしあの男が彼女を一目見れば、たちまちイチコロで落ちてしまうであろうと。

 

すると二人は彼女の視線を無視してすぐにモモンガの方へ歩み寄って

 

「おい、おい……まさか彼女はお前の仲間なのか……? お前も結構抜け目ないなぁ……このスケベ」

 

「サイテー」

 

「い、いやそういう下心があった訳じゃなくてですね……」

 

「ア、アインズ様になんたる無礼……虫けら風情がぬけぬけと……」

 

我が主に炊いて馴れ馴れしい口調でニヤニヤしながら話しかけるダンジョーと、軽蔑の眼差しを向けているムラサキを見て一瞬でアルベドは冷静を装いながらも先程よりも更に殺気が増す。

 

あたふたと言い訳をしようとするモモンガをよそに、彼女はすぐに二人に高圧的な態度で

 

「人間風情が気安く声を掛けるな、この御方をどなたと心得ているの?」

 

「ビビリで意気地なしな骨野郎だと思ってるけど」

 

「殺す……!」

 

「やってみろやこのおっぱいモンスター!」

 

平然と我が主をハッキリと侮辱された事に、アルベドは冷静さを失ってムラサキに向かって襲い掛かる。

 

「乳の無い人間如きが! この私に勝てると思ってるのかしら!」

 

「おいおいおーい! テメェ今言っちゃいけない事言ったなコラァ! ぶっ殺してやんよ!」

 

ムラサキもまた巨乳である彼女に一目見た時から強い嫉妬心を燃やしていたようで、わざと挑発しながら受けて立つ構えを取る

 

モモンガが隠れ潜んでいたこの洞窟にて女同士の激しい戦いが始まる。

 

「うわぁ、どうしよう……なんか二人で喧嘩始めだしたし……」

 

「うむ、これはこれで……悪くない!」

 

「この人すんごいスケベな顔してる……」

 

女二人の戦いにすっかり蚊帳の外になってしまったモモンガが顔を手で押さえて嘆き

 

ダンジョーは揺れるアルベドの巨乳を眺めながら一人いやらしい笑みを浮かべて幸せそうであった、

 

一方、一人で待機していたうーさーは

 

「ギャルに囲まれてゲーム三昧する妄想していた私だったが、ふと我に返ったら女と女がぶつかり合っているという、なんともドロドロした光景を目の当たりにしてしまった」

 

 

 

 

 

 

 

「もうちょっとまともな子同士のが見たかったなぁ私、痴女とガサツ女とかなんの得にも……きゅっぷい!」

 

思わぬ失言してしまいアルベドとムラサキに

 

同じタイミングで思いきり頭を踏みつけられるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれを、気配を悟られるようコッソリ物陰に隠れて観察している者が一人……

 

「は~ようやく見つけましたでぇ、魔王さんに知らせとかなぁ……」

 

登場人物があちこちで交差する中で、いよいよモモンガの物語が新たに動き出す。

 

次回、魔王四天王最強の男

 

 

 

 

 

 

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