ハリー・ポッターと呪われし末裔   作:九空揺愛

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よろしくお願いします


賢者の石編
プロローグ


「昔、一人の悪い魔法使いがいました。その人は選ばれた魔法使い以外の人達を沢山殺しました。どんなに強い魔法使いでもその悪い魔法使いを倒す事は出来ず、気がつけば魔王になっていました。しかし、魔王になった悪い魔法使いは、未来に自分を倒す者が現れる事を知りました。悪い魔法使いはまだ赤ん坊のその人を殺そうとしましたが、その子は殺されず、更にはその悪い魔法使いは倒されてしまいました。そして、世界は平和になりました。めでたしめでたし」

「凄いんだねその赤ちゃん!誰も倒せなかった悪い魔法使いを倒しちゃうなんて!」

 

僕は興奮して母に話しかける。

 

「でも何で悪い魔法使いは沢山の魔法使いを殺しちゃったのかな?その魔法使い達と喧嘩しちゃったのかな?」

「うーん、魔法使い達の中にはね?お父さんとお母さんの両方が魔法使いのお家と、マグル……魔法使いじゃないお父さんとお母さんから生まれてくる魔法使いもいるの。お父さんお母さんが魔法使いじゃないお家の人より魔法使いのお父さんお母さんのお家の人達の方が偉いって考えてる人達もいてね。悪い魔法使いはそういう考えの持ち主だったの。だから自分たち以外の人達を殺して回ったのよ。でもね?」

 

母は僕の頭を撫でながら優しく微笑む。僕は不思議に思って母の顔を見つめてキョトンと首をかしげる。

母は続けた。

 

「そんな考えは間違っていたの。私も、お父さ……おじいちゃんにそう教わって私も信じて疑わなかった。でもそんなの関係ないんだって教えてくれた人がいたの。とっても大事な人に」

「じゃあ、お母さんはその人に感謝してる?」

「うん、感謝してる。感謝しても……仕切れない……」

 

母の声が震える。僕の頭から手を離すと、しゃがみ込んで僕を強く抱きしめた。

 

「お母さん?」

「……ごめんね、何でもないわ」

 

母は僕から離れる。

 

「僕にもそんな友達できるかな?」

「うん!ザックなら絶対できるわ!あの子みたいな素敵な友達が出来るわよ。絶対に」

 

母はそう言って笑ってみせた。それが、母の最後の笑顔だとは知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君を迎えに来たのじゃ。ホグワーツへの道案内としての」

 

俺の前に現れた長身で長い髭を生やした男性は俺にそういう。男性はアルバス・ダンブルドアと名乗ると、俺はダンブルドアをベッドの上に座らせる。

 

「君を見ていると、本当に君の母親のペトラを思い出すのぉ。特にその赤い瞳は母親そっくりじゃ」

「……」

「おっと、それ所では無かったの。では本題を話そう」

 

ダンブルドアはカバンからパンフレットの様なものを出すと、それを俺に渡す。俺は椅子に座ってそれを受け取り話を聞いていた。一つは俺が魔法使いである事。二つ目は魔法使いの学校の事。そして最後に俺がそこに通う事だ。

魔法使いである事、それは随分と昔から知っていた。母親から教えて貰っていたからな。

二つ目も知っていた。母からその時の思い出を良く聞かされていたからだ。三つ目は……

 

「俺がもし通わないと言ったら?」

「その時はワシが君の所に毎日行き、魔法の手解きをしよう」

「……わかった。その魔法学校に行く」

 

俺がそういうと、ダンブルドアはうんうんと頷いた。底の知れないこのダンブルドアが学校のパンフレットを置いて立ち去ろうとすると、俺は引き止める。

 

「俺は動物の言葉が聞こえるんだ。其方にもそう言った人は居るのか?」

「ほほう、それは素晴らしい事じゃ。お主は動物と通じ合える。して、何の動物とかね?」

「蛇だ」

 

俺の言葉にダンブルドアの顔は和かな顔から一気に引き締まるのを感じた。先程までの優しい視線は消え、警戒するように俺を見つめる。

俺は訝しげに目線を返すと、ダンブルドアは何かを忘れ去ろうとしているかのごとく頭を左右に振ると、再び優しげな表情を作った。

 

「ほう、蛇か……。そうかそうか。しかしなザック。蛇と喋れる人はこちらの世界でも少ない。これからはあまり公表しない方が良かろう……」

 

そういうと、ダンブルドアは立ち去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん……?」

 

僕は扉の前に倒れる父に目を向けた。扉の前には……いや、扉だったものの前には数人の杖を持った魔法使い達が立っていた。

 

「エレン・ラミレスの抹殺に成功した。直ちにその家族を捕らえ、アズカバンに送りにする。抵抗が見られればその場での処刑だ」

 

処刑?

意味が分からなかった。父はなぜ倒れているのだろうか。僕は父の元にゆっくりと近づこうとすると、母が僕の手を掴んで階段を登って行った。

 

「逃げたぞ!馬鹿め!逃げ切れると思っているのか!」

 

魔法使い達は魔法を使って家の中を破壊していく。ズカズカと中に入りながら、階段を破壊し、廊下を破壊し、柱を破壊し、家は見る見るうちに破壊され尽くしていく。

 

「やめて!やめて!」

 

僕は母に連れられながらも後ろを見て叫ぶ。沢山撮った写真も皆んなでご飯を食べたリビングも破壊されていく。

 

「ここから外に出るわよ!ザック!箒から振り落とされないようにしっかりと捕まるのよ!」

「でもお母さ──────」

 

僕が言い終わる前に足場が崩れた。下にいた魔法使いが柱を破壊して2階が崩れたのだ。僕たちは真っ逆さまに1階だった場所に落ちていくと、ニヤニヤと笑う魔法使い達が立っていた。

 

「見つけた。それじゃあ尋問の時間だなぁ?」

 

魔法使いのリーダーらしき人が真横にいる人に顎で合図すると、杖を取り出して呪文を唱えた。

 

「ぎゃああ!!」

 

母は苦しそうに発狂する。魔法使い達は声を出して笑い出した。

 

「お母さん!」

「来ちゃダメ!」

「!?」

 

母に近づこうとすると、母が苦しげだが声を張り上げた。僕はどうすることもできず、へたり込むと、魔法使い達は母への攻撃を強める。僕はどうする事も出来ず、泣きながら母の行く末を見守るしかなかった。それから数分の間、母の絶叫が続き、飽きたのか魔法使いの攻撃が止んだ。

 

「ハハッ……!それじゃあお仕事始めるか」

 

散々ボロボロになるまで母を痛めつけて笑っていたリーダーらしき人は倒れている母の元に歩いて行くと、足で母の顎を蹴り上げて起こす。

 

「ペトラ・ラミレスに聞く。貴様ら親子は『例のあの人』の忠実な部下であり、死喰い人(デスイーター)……そうだな?」

「違……い……ます……ぎゃあああ!!」

 

母は否定すると、隣の魔法使いがさっきの呪文をかけた。

 

「嘘をつくな。もう一度聞く。死喰い人(デスイーター)だな?」

「違……あああ!!!」

 

母がいい終わる前に攻撃される。こんなの……。

 

「嘘をつくなって言ってんだろ?知ってんだよこっちは。貴様がゴーント家出身だと言うことも分かってる。アズカバンで死んだモーフィン・ゴーントの娘だろう?『例のあの人』に最も近い血筋(・・・・・・)の貴様らが『例のあの人』の部下ではないだと?そんな馬鹿げた話があるか!」

 

魔法使いは母の頭を踏みにじりながら怒鳴り散らした。母は息を荒れながらも否定を繰り返す。

それからどれだけの時間が経過しただろうか気がつけば僕の目から涙は止まっていた。

気がつけば感情が死んでいた。

気がつけば何も感じ無くなっていた。

 

「くそ、最後まで吐かなかったかこの(アマ)

「どうします?」

「いい。もうこの女は虫の息だ。放っておけばじき死ぬ。それに、そこで虚ろな顔してる餓鬼をアズカバンにぶち込んでおけば万事解決だろ」

「とりあえず上級次官に連絡します」

 

魔法使いの1人が粉を壊れかけの暖炉に振りまくと、そこにガマガエルを思わせる女性の顔が現れた。

 

「アンブリッジ上級次官!」

『ラミレス家の尋問はいかがでしたか?何か有用な情報、及び死喰い人(デスイーター)の情報は出てきましたかしら?』

「それが、一向に否認を続けておりましたので、魔法省特権として磔の呪いを掛けたのですが何の情報も得られませんでした」

『そう……それは結構、そこに転がってる汚いボロ雑巾のような物がペトラ・ラミレスのようですわね。何とも汚らしい。では奥にいるアイザック・ラミレスをアズカバンに送りましょう。大人しく死喰い人(デスイーター)だと言っておけば息子がアズカバンの吸魂鬼(ディメンター)の餌にならずに済んだでしょうに……何とも、ふふっ!愚かな女だったわね』

 

そう暖炉の女が愉快そうに言うと、母の目が開いた。そして素早く呪文をギリギリ崩れていない柱に撃ち込むと、瓦礫が僕の頭の上から落ちてきた。

 

「まだ生きてやがったかこの(アマ)!しかもせっかくの手柄を!このッ!」

 

魔法使い達は母を袋叩きにすると、僕は瓦礫に埋もれて死んだと思ったのか、そのまま立ち去っていった。

程なくして母はゆっくりと朦朧とする頭を回転させ、上半身だけで僕のいた場所に行く。そして瓦礫に埋もれ、気絶している僕を引っ張り出す。

 

「ザック……」

 

母はボロボロの僕を抱き締め、僕の顔を見ると、母は一瞬心臓が止まったかのような錯覚を覚えた。僕の目から血が流れていたのだ。いや、もっと言えば僕の目は潰れていたのだ。瓦礫に埋もれた拍子に目を潰してしまったのだろう。

 

「何も見えないよね……今、見えるようにしてあげるね……」

 

母は躊躇い無く自分の片目を抉りとると、それを僕の目に埋め込んだ。そして呪文を唱えると、目の違和感が無くなっていく。

 

「最後に貴方の顔を私の中に刻ませて……。もう片方の目も移植すると、もう貴方を見ることが出来なくなってしまうから……」

 

枯れた声の母が僕をまじまじ見つめると、涙を流した。

 

「ザック、貴方は偉くなりなさい。そしてこんな事を平気でする魔法界を変えるの……。そして──────」

 

母は気絶している僕に言葉をかけると、もう片方の目を僕に移植した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か!」

「おい、子供だ……。子供が居たぞ!」

 

消防士や警察官達が倒壊した家の中を探る。3時間ほど前、突然この家が爆発した。原因はガス漏れによる爆発事故(・・・・)だそうだ。幸いにも周りには人は居らず(・・・・・・・・・)二次災害は防げたが、中の親子は亡くなったかのように思われた。だが、母親にくるまる形で子供は生きていた。どうやら母親が身を呈して子供を守ったのだろう。なんて感動的な話だろうか。

 

「大丈夫か?名前は言えるかい?」

 

警察官は子供に問いかける。

 

「ああ……。大丈夫だ」

 

子供は立ち上がると、スタスタと瓦礫の山から滑り降りて歩いて行く。

 

「お、おい!待──────」

「そう言えば名前……言ってなかったな」

 

子供は振り向くと

 

()の名前はアイザック・ラミレス。これから誰よりも強く、誰よりも偉い存在になる者だ」

 

そう、俺の復讐の物語が始まったのだ。




深夜に勢いで書いたのでめちゃくちゃですが、ちゃんと纏めますので今後もよろしくお願いします。
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