ハリー・ポッターと呪われし末裔   作:九空揺愛

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5000話前後の短い話しか書けませんが、今後もよろしくお願いします!


ホグワーツ

ダイアゴン横丁での買い物から1週間が経った。

俺は手紙に記されていた『キングス・クロス駅』に向かっていた。かなり大きな駅なだけあり、多くの人が駅を利用していた。そんな中、俺は大量の荷物を台車に乗せて駅構内を歩いていた。

 

9と4分の3番線。

 

そんな物があるのだろうか、俺は溜め息を吐きながら9番線と10番線のホームを歩く。すると、自分と似たような荷物を台車に乗せた人を見つけた。俺はそれに着いていくと、その人は柱の前に立つと小走りで柱に向かって走って行った。ぶつかると思った瞬間、その体はぶつかることなく柱の中に消えていった。

なるほど、さすがは魔法の世界。なんでもありか。

俺も柱に向かって小走りで行くと、ぶつかることなく中に入り込めた。柱の先には自分同様の大荷物の人達で溢れており、線路には今どき珍しい蒸気機関車が止まっていた。

 

『ホグワーツ行 特急11時発』

 

俺は荷物を汽車に積んでいる駅員に荷物を預けると、汽車の中に乗り込んだ。まだ11時には早いためなのか、コンパートメントの空きが結構残っていた。適当に一室に入り込むとリュックサックから車内で読む用の本を広げた。

発車近くになると、沢山の生徒達が乗り込んできた。コンパートメントも限りがあるだろうし、数によっては相席を頼みにくる奴も現れるだろう。俺個人としてはお互い干渉しないスタンスでいきたい。そもそも相席はあんまりなのだが、この際は仕方がない。

 

「あの……相席いいですか?他が空いてなくて……」

 

と適当に考えていると、早速相席のお願いが入った。心の中で溜め息を吐きつつも、手を正面の席に向けて指し、了承の意志を伝えると頼んできた奴の顔を見──────

 

「「あ……」」

 

どうやらお互い干渉しない方向には行かなさそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕はハリー・ポッター。相席ありがとう。それにあの時も……。良かったら君の名前も教えてくれないかな?」

 

めちゃくちゃ干渉してくる……。やはりあの時咄嗟とはいえ助けるんじゃなかった。

俺は心の中でやれやれと頭を抱えながら前の少年に目をくれずにページをめくる。

それにしてもハリー・ポッターか……。昔、どこかで聞いたような……何処でだったか。

 

「ごめん、本読んでるの邪魔しちゃって……」

「……ザックだ」

「え?」

「アイザック・ラミレスだ」

「ザック……。ザックか!うん、よろしくねザック!」

 

ポッターは嬉しそうに笑うと、俺の邪魔をしないようにか窓の外を見ていた。

それからかなりの時間が経過する。本も読み終え、外は暗くなってきていた。俺は購入した制服とローブを羽織ると、汽車の外に出る。

外に出るとダンブルドアにも匹敵する程の大男がランプを持って案内していた。

 

「ハグリッド!」

 

ポッターはハグリッドと呼ばれた大男の方に走って行く。俺はポッターを無視して先に進むと、用意されていたボートに乗り込む。4人ほどが乗り込むとひとりでに動き出し、先に進んでいたボートに続いて行く。川のような一本の水路から巨大な湖に出た。その奥には崖の上に巨大な城が築かれており、ボートが止まるとボートを降りて階段を登って行った。

 

「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間の席に着く前に皆さんが入る寮を決めなくてはなりません」

 

ホグワーツの玄関ホール脇にある小さな部屋。そこに集められた一年生達の前で寮分けの説明をしているのは、エメラルド色のローブを羽織った黒髪の魔女だ。背が高く、深い皺が刻まれたその顔は厳格さを感じさせる。

 

「組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が皆さんの家族のようなものになるわけですからね。寮は全部で4つ、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリン。どれも輝かしい歴史があり、偉大な魔女や魔法使いを輩出しました。ホグワーツにいる間、皆さんのよい行いをすれば寮の得点になりますし、反対に規律に違反した時は減点対象となります。そして、学年末には最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられますから、どの寮に入るにしても皆さん一人一人が寮の誇りになるよう望みます」

 

そして、準備が整うまで身なりを正して静かに待っているようにと言い残し、先生は部屋を出て行った。先生が出ていくと、周りの一年生たちは思い思いに身だしなみを整えながら、これから始まる入学式の話をしている。

試験するだとか面接するだとか言う話が聞こえてくるが、正直ドンと来いだ。ここまでで教科書は一通り読み終えたし、唯一不安があるとすれば魔法薬学などで一般社会に存在しない物ばかりで実践できなかった。

 

「さあ、行きますよ。組分け儀式がまもなく始まります」

 

先程の先生が戻ってきた。

再び玄関ホールに戻り、そこから二重扉を通って生徒たちは大広間に入った。

大広間には四つの長テーブルがあり、それぞれ寮の上級生が何百人も着席している。

テーブルには金色のお皿とゴブレットが置いてある。空中に浮かぶ星の数ほどの蝋燭が、広々とした広間を照らす。見上げた天井には、ビロードのような黒々とした空に、星が点々と光っていた。

なるほど、たしか魔法で天井を飾っているんだったな。

中央まで行くとおもむろに先生が4本足の椅子を置き、その上に汚らしい魔法使いの帽子をその上に置いた。

すると、そのくたびれた帽子が突然歌い始めた。

 

『私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

 

私はホグワーツ組み分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組み分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気のある者が住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古く賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん! 恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね、

だって私は考える帽子!』

 

帽子が歌い終わると今まで静かに聞いていた上級生、そして先生方が拍手する。

要するにあの帽子が寮を決めるらしい。

俺は教員用のテーブルの方を見ると、ダンブルドアと目が合った気がした。

 

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください」

 

そう言いながら、長い羊皮紙の巻紙を手にして先程の先生が進み出た。

そして一人目が呼ばれる。

 

「アボット・ハンナ!」

 

金髪おさげの少女が小走りで椅子の前に出てきて帽子を座る。一瞬の沈黙。その後帽子は大声で彼女の進むべき寮を示した。

 

「ハッフルパフ!」

 

すると右にあったハッフルパフのテーブルから歓声があがり、拍手が鳴り響く。ハンナと呼ばれた少女は恥ずかしそうにしながらもそのテーブルに着き、はにかんだ。

それから程なくして知っている名前が出てきた。

 

「次、ポッター・ハリー!」

 

その瞬間大広間はざわついた。上級生達だけでなく、同じ1年生の中でもひそひそと話をしている。

俺にはよく分からずただただ適当に組み分けの瞬間を見ていたが、他の生徒に比べてやけに長いな。

 

「グリフィンドール!」

 

帽子が叫んだ瞬間、グリフィンドール生たちが座っている席は爆発したかのような歓声が響いた。

ポッターはPだしRの俺の番はもうすぐか。

 

「次、ラミレス・アイザック!」

 

と思っていると呼ばれた。俺の名前も呼ばれると、ポッターの時とはまた違った雰囲気でざわめき始めた。

俺は椅子に座ると、帽子を被される。

 

「ふむ……またこれも難しい。頭も良い、勇気もある、それに努力も欠かしてはない……。何より野心のような物を持ち合わせている様にも思える。ならばこそ、君には偉大なる者への道が開ける寮が相応しい。よって……スリザリン!」

 

今度はスリザリンの生徒達が爆発したかのように騒ぎ出した。俺はサッと椅子から降りると、スリザリンの席に移動した。

一通り組み分けが終わると、ダンブルドアが新入生達に挨拶し、食事が始まった。

俺は手前にあったフライドチキンを取って口に運ぶ。

 

「!?」

 

中々美味い。こんなに美味い料理は久方食べていなかった。

 

「やぁ、君がアイザック・ラミレスだろう?」

「……?」

 

名前を呼ばれたので呼ばれた方を向くと、プラチナブロンドの髪をオールバックにした男子生徒だった。

俺は口に含んでいたフライドチキンを飲み込むと、とりあえず返事しておく事にした。

 

「ああ、そうだ」

「なるほど、僕はマルフォイ。ドラコ・マルフォイだ。よろしく頼むよ」

 

俺は差し出された手を握り返すと、満足したのか食事に戻った。

 

「へぇ、貴方がアイザック・ラミレスなんだ」

 

今度は隣に座っていた金髪をポニーテールにした可愛らしい感じの女子生徒が声を掛けてきた。

 

「私はダフネ・グリーングラス。聖28一族、グリーングラス家ね。ラミレスは違うけど、貴方の中にも純血の中の純血、ゴーント家の血が流れているのよね?」

「……まあな」

 

ゴーント家の話が出て来たことで俺は少し気分が落ちた。

 

「ま、貴方の中の純血にちょっと異物混入してるけどお互い頑張ろうね?」

「……まぁ頑張るのは確かだが、一つ訂正しておくぜ」

 

キョトンとした表情のグリーングラスは不思議そうに俺を見ると、

 

「純血だのなんだのは関係ない。純血であろうがそうでなかろうが実力のある奴が上に進んでいく。あまりくだらない考えは今のうちに捨てておいた方が懸命だぞ」

 

俺がそう言うと、グリーングラスはムッとした顔つきで食事に戻った。俺も再び食事に意識を戻すと、珍しい料理が置いてあった。白米の上に赤い何かが置かれているそれは、いつだったか本で読んだ日本のスシというものだったはずだ。最初それを読んだ時は生の魚を食べる事になんとも言えない気持ち悪さを感じていたが、目の前のものは城中の蝋燭に照らされてキラキラと輝いていた。

俺は本に書いてあったように素手でそれを取ると用意されていた赤茶色の液を少し付けて口に運んだ。

 

「!?」

 

う、美味い……!生の魚を白米の上に乗せただけだというのに、これ程までとは……日本の料理も馬鹿にならないな。

俺は感慨にふけりながら、2個3個とスシを口に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スリザリンの寮は地下牢にある!着いてこい!」

 

監督生の上級生に着いて階段を降りていくと、ホールのような空間に不自然に1枚の肖像画が貼られていた。

 

「合言葉は?」

 

肖像画の中の男性が監督生に問いかける。

 

「純血」

 

監督生が答えると、肖像画の男性は頷く。そして肖像画が動き始め、寮への入口が現れた。監督生に一通り今の手順と、談話室の利用方法、寝室に着いての説明を聞くと、もう寝る時間らしく俺は部屋に移動した。

荷物は全て運ばれており、一通り確認し終わると着替えてベッドに入ったのだが……。

 

「「─────!!」」←この世のものとは思えないいびき

 

う、うるせぇ……。耳障りすぎる轟音のいびきをかく生徒2人に俺を含む他のルームメイト達は耳を塞ぎながら起き上がった。

 

「おいうるさいぞ!クラップ!ゴイル!もっと静かに寝れないのか!おい起きろ!」

 

大広間であったドラコ・マルフォイが元凶の2人に蹴りを入れるも、起き上がる気配すらない。

仕方なく俺は起き上がると、杖を2人に向けた。

 

「何を……!?」

クワイエタス(静まれ)

 

すると、先程までの轟音は消える。これで邪魔なく眠れる。

 

「中々やるじゃないかラミレス。良くやった」

「別にお前の為にやった訳じゃない。うるさくて眠れなかったからだ」

 

そうマルフォイに返して、俺はベッドに潜った。




連日投稿、止まるんじゃねぇぞ……
次回もお楽しみに!
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