ハリー・ポッターと呪われし末裔   作:九空揺愛

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レポート纏めてたら12時過ぎてた……
落ち着くまで、もしかしたら投稿時間がバラバラになるかもしれません。
混乱させてしまい申し訳ございませんでした。
後、お気に入り登録35人超え!登録して頂いた方々ありがとうございます!
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クィディッチ

私は走っていた。

地下室で魔法薬学に使った道具を片付け終え、地下の教室を出た時だった。

 

「ヒッ……」

 

目の前に現れた巨大なトロールが私に襲いかかろうとして来ていた。午後の授業が座学中心の防衛術と魔法薬学だっただけに今私の手元に杖はない。抵抗の手段のない私には逃げるしか無かった。

 

「なんで城の中にトロールがいるの!?」

 

地下室を飛び出した私は階段を上がって近くの女子トイレに逃げ込もうとすると、

 

「「キャッ!?」」

 

女子トイレの個室から誰かが出てきて私とぶつかった。

 

「ご、ごめんなさい!大丈……夫……?」

「こちらこそ、ボーッとしてた……わ」

 

ぶつかった相手の顔を見ると、マグル生まれのハーマイオニー・グレンジャーだった。私はなんとも言えない気持ちになりながら後ろから来るトロールから隠れようと個室の中に咄嗟に掴んだグレンジャーと一緒に逃げ込んだ。グレンジャーは私の突然の行動に問いただそうとするも、私は口元に指を添えて「シーっ」と言って黙らせる。のっしのっしとやって来るトロールの足音を耳をそばだてて聞いていると、グレンジャーも何かを察知したのか息を潜めた。

 

「ウー……ウー……」

 

低い唸り声が女子トイレ内に響き渡る。そしてトロールの持っていた棍棒が個室の壁を全て破壊された。私たちは悲鳴をあげる。すると、

 

「ハーマイオニー大丈夫か!?」

「な、なんでグリーングラスが!?」

 

入口の方を見るとそこには何故かハリー・ポッターとロナルド・ウィーズリーが立って叫んでいた。

トロールが声に反応して振り向いた時、私たちは個室から這い出してトロールから逃げようと走ると、

 

「危ない!」

 

突然グレンジャーが叫ぶと自分自身と共に私を突き飛ばした。

何が起こったか分からず、グレンジャーの方を見ると先程までいた場所に棍棒が地面にめり込んでクレーターの様になっていた。トロールは私に向かって棍棒を振り下ろしだのだ。

 

「僕達が引き付けるから、2人は逃げて!」

 

ポッターがそう言うと、私はグレンジャーの手を掴み立ち上がろうとすると、

 

「痛っ……!」

 

グレンジャーはそう漏らした。

 

「ごめんなさい、足首を捻挫したみたい……」

 

私はグレンジャーの腕を自分の肩に回してゆっくり女子トイレを出る。出来るだけ離れようとするも、狭い女子トイレからポッター達も戦いながら出てきてしまった。中々苦戦しているようだ。

だがこれはまずい。ただでさえ移動スピードの遅い今、このまま追いつかれてしまう可能性は充分ある。そして次の瞬間、

 

エクスペリアームス(武器よ去れ)!」

 

何処からか放たれた赤い閃光によってトロールは吹き飛ばされ、壁に激突した。

私は正面をみると、見知った顔の男子生徒が立っていた。

 

「ザック!それにドラコ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら無事だったようだね、グリーングラス」

 

俺は杖を下ろすと、マルフォイがグリーングラスに言った。

トロールは気絶してしまったのか、動く気配がない。

 

「それにしてもなんでグレンジャーがここにいるんだ?」

「トロールに襲われた時に、彼女に会ったのよ。それで……助けてくれた」

 

グリーングラスがそう言うと、グレンジャーは気恥しそうに俯いた。

 

「ハーマイオニー!」

 

ポッターとウィーズリーが走って来た。ポッターは俺の方を見るとお礼を言う。

 

「ザック!助けてくれてありがとう!やっぱりザックは凄いね。トロールを一撃でぶっ飛ばしちゃった!」

「大したことはしてない。ただ無力化する呪文を知っていただけだ」

 

俺はきっぱりそう言うと、いくつもの走ってくる足音が響き渡る。先生達だ。やってきたマクゴナガル、スネイプ、そしてクィレルに事情を聞かれた。すごい剣幕のマクゴナガルに、気押されつつも事情を説明すると叱られたが得点を5点ずつ言い渡された。

グリーングラスとグレンジャーはマクゴナガルと共に医務室にトロールとの戦いでの足の怪我や擦り傷を治すために連れて行かれた。

その翌日の朝食の時間には怪我を治して笑顔を浮かべたグリーングラスが俺とマルフォイにお礼を言い、昨晩のグレンジャーの行動に感銘を受けたのか、純血主義に囚われていた自分がどんなに愚かだったのかを(特に聞いてないが)俺に語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁザック。こうして2人だけで話をするのは久しぶりじゃの?」

 

俺はスリザリンの寮監であるスネイプからダンブルドアが呼んでいるという伝言を受け取り、校長室に赴いていた。丁度俺もダンブルドアに聞きたい事があっただけにタイミングはよかった。

 

「ダンブルドア校長。先日のトロールの件ですが……」

「流石じゃのザック。わしもそれについて話をしようと思っておったのじゃ」

 

お座り、と椅子をひくダンブルドア。俺は素直に椅子に座ると、ダンブルドアは話し始めた。

 

「トロールは頭の悪い生物じゃ。自分では地下室の扉を開けることは出来ん。それにホグワーツの城には動物避けの結界も張ってある。禁じられた森からこの城の中に入る事はまぁ無いのじゃ」

「では、考えられる線は1つしかありませんね」

 

ダンブルドアは頷く。

 

「誰かがこの城の中にトロールを入れたとわしも考えておる」

 

ダンブルドアは苦しそうに言う。そして俺に向き直ると

 

「ところで、お主の事は他の先生達からも色々聞いておるよ。特に呪文学のフリットウィック先生は君の事をよく褒めていた。よく勉強しておるとな」

「……」

「それに先日のトロールを倒した武装解除呪文は駆けつけた先生達はその威力に特にびっくりしておった」

「ダンブルドア校長、本題をお願いします。俺は世間話に付き合うつもりはありません」

「それはすまんの。年寄りになると色々と話相手が欲しくなっての。早速本題じゃが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあいよいよ因縁の一戦が始まろうとしています! 本日の試合はグリフィンドール対スリザリン!グリフィンドールはここ6年に渡りスリザリンの卑怯なラフプレーの前に涙を呑んでおります。さあ、是非今年こそはその雪辱を果たしてもらいたいものです!』

「ジョーダン!」

『失礼、マクゴナガル先生』

 

俺は今、クィディッチの試合を見に来ている。クィディッチは魔法界で最も人気のあるスポーツらしい。図書室の『クィディッチの今昔』という本を読んだのだが、このクィディッチというスポーツは、11世紀にイギリスのクィアディッチ湿原で始まったとされているらしい。

ともかく、魔法界ではクィディッチは大人も子供も等しく熱中し、盛り上がるのだとか。

クィディッチ競技場の実況席にはグリフィンドールの、リー・ジョーダンが座っており、そのグリフィンドール贔屓の内容にマクゴナガルが叱咤を飛ばしていた。

 

「でも人混みとか嫌いそうなザックがクィディッチを見に来るなんて珍しいよね。クィディッチ好きなの?」

「ま、まぁな……」

 

グリーングラスの質問に適当に返すと、俺はポッターを見た。

 

 

 

『ポッターを守れと?』

『そうじゃ。今回のトロールの騒動にはハリーに何かしらの危害を加える為に行った物だと思っておる』

『……証拠は?』

『ヴォルデモートじゃ』

 

俺はその言葉に目を細める。

 

『世間ではヴォルデモートは死んだとされておるが、奴は死んではおらん。今も尚、復活の準備とハリーを殺す計画を練っておるのじゃよ』

『「例のあの人」がですか?』

『ザック、ヴォルデモートじゃ。名前を呼ぶのを怖がればその者への恐怖は増大する。お主はそんな愚かな人間ではないじゃろう?』

 

ダンブルドアに言われ、俺は咳払いを一つ吐くと、

 

『では、ヴォルデモートの意思か仲間か何かがこの中にいるという事なんですね?』

『恐らくの。だから君にもできる限りでいい。危険を起こさない程度にハリーを守って欲しいのじゃ』

『……わかりました』

『頼むぞザック』

 

 

 

『さあいよいよ試合開始です! さてクアッフルはたちまちアンジェリーナ・ジョンソンの手に!なんて素晴らしいチェイサーでしょう!その上かなり魅力的です』

「ジョーダン!」

『失礼しました、先生』

 

相変わらずグリフィンドール贔屓の実況なのだが、試合内容は中々見所があった。縦横無尽に飛び回り、マグルで言うアメフトやサッカー、バスケットボールのような試合に心做しか俺も少しワクワクしていた。

そんなこんなしているうちに、スリザリンは相手に先制点を許してしまった。スリザリン席の生徒達から思わず漏れ出るため息。他の三寮は大歓声をしている。

しかしその後、スリザリン独自のプレースタイルで、得点は30点対20点でスリザリンのリード。途中ポッターがスニッチを見つけて捕まえようとしたが、マーカス・フリントの邪魔によってなんとか事なきを得ていた。まあ、他寮からはブーイングの嵐だったが。

その後も順調にスリザリンが得点を重ねていき、俺はポッターの方に目を向けると異様な事が起こっていた。

ポッターの動きが何かおかしい。先程から箒が彼を振り落とそうとしているかのように、出鱈目な動きをしている。箒の故障かとも思ったが、あれは最近発売されたばかりのニンバス2000だ。そう簡単に壊れる様なものではない。

そうなると、誰かが魔法を掛けているのか。

俺は杖を用意しておく。既にポッターのいる位置は20メートル近く高さにいる。あんな位置から真っ逆さまに落ちれば怪我だけでは済まないだろう。

俺は辺りを見渡す。

 

「ん?」

 

目に付いたのは闇の魔術に対する防衛術担当のクィレルだった。クィレルは口元に手を添えてポッターを睨み付けていた。ここからでは遠すぎてよく見えないが、何かを唱えているようにも見える。

 

「グリーングラス、双眼鏡を貸してくれ」

「え、別にいいよ」

 

俺は双眼鏡を受け取り、クィレルの方を見ると、何やら教員席が騒がしい。クィレルはその騒ぎで椅子から滑り落ちており、呪文を唱えていたかどうか分からなかった。双眼鏡から目を離し、ポッターに視線を戻すと、既に箒は暴れておらずポッターは箒にまたがっていた。

 

「何かありそうだな……」

 

その後は特にポッターの箒に異変は起こらず、ポッターがスニッチと呼ばれる金色の空飛ぶボールを手に入れてグリフィンドールの勝利となった。

 

「くそっ!僕があの場にいればポッターなんかより早くスニッチを取れていたのに!」

 

悪態つくマルフォイを後目に俺は競技場を後にする。そして、

 

「クィレル先生」

「あ、ああ……ミ、ミスター・ラミレスか。ど、どう、したん、だい?」

「いえ、クィレル先生は独り言(・・・)をよく呟かれたりするのですか?」

「ひ、独り言?い、いや、私はそれほど……あ、いや、さ、最近増えた、かな……ははは」

 

クィレルはコロコロ表情を変えたりしながらも俺に笑いかけてくる。

 

「そうでしたか。いや、試合中まるで呪文を唱えている(・・・・・・・・)かのように独り言を呟いていらしていたようでしたので」

「じゅ、呪文!?はは……そ、そんな、はは……馬鹿な……」

「ですよね。それでは失礼します」

 

俺は踵を返してその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

アイザック・ラミレス。中々侮れない奴だ。

俺様の存在に気付いている訳ではないようには感じるが、宿主のこの男の事は気付いているだろう。だが俺様は知っている。奴の中にもこの俺様と同じ誇り高きゴーント家の血が流れている事を。それに加えてスリザリンだ。俺様は優秀な男は嫌いではない。奴をこちら側に引き込めば俺様の復活は強固なものとなる。俺様が傘下に加える方法は二つ。俺様の思想を語り聞かせ引き込む事。もう一つは引き込む対象の最も求めるものを与える事だ。その為には俺様が絶対的な存在である事を知らしめなければならないが、まぁいい……いずれ必ず手に入れる……。待っていろ、ハリー・ポッター。俺様は必ず貴様を殺す。その時をせいぜい首を洗って待っているがいい……。




次回もお楽しみに!
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