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「はい、返却完了です。だけどもう読み終わったの?借りたの昨日じゃない」
「はい。1日掛りで読むので」
俺は図書室の司書のマダム・ピンズに借りていた本を返却すると、新しい本を探しに図書室内を見て回った。ホグワーツに来て3ヶ月が過ぎ、もうすぐクリスマスに刺しかかろうとしていた。最近は外も雪の日が増えてきており、外は幻想的な雰囲気と引き換えにとてつもなく冷気に包まれているた。今朝も大広間で食事を取っていると、グリーングラスが完全防御体制で席に着いていた。
「魔法論の論文を読むか」
魔法の応用や原理などを読み解く魔法論は俺にとって中々興味深かった。俺は魔法の性質変化の論文を読む。論文の作成者は日本人らしい。日本には風を起こす呪文を使って手裏剣にする魔法使いが現れたとか。これがジャパニーズニンジャか……。
「あら、ザックも勉強?」
「……ああ」
俺は声をかけられた方を見ると、グレンジャーが大量の本を抱えて立っていた、俺は短く返事をすると、グレンジャーは俺の斜め前の席に座った。
「ザックは……ニコラス・フラメルって知ってる?」
親しげに話しかけてくるグレンジャー。俺と彼女はまず持ってほとんど話した事もないはずだったのだが……。
「錬金術師だろう?」
「錬金術師……あ、そうよ!そうだわ!なんで忘れてたのかしら!ありがとう、お陰で思い出せたわ!」
グレンジャーは勢い良く立ち上がると、走っていってしまった。俺はグレンジャーの走っていった先を見つめる。
「何なんだ?あ……」
俺はグレンジャーが出した本が置きっぱなしになっている事に気づく。俺は溜め息を吐くと論文に目を戻した。
グレンジャーが帰って来なかったらマダム・ピンズに言って出禁にしてやる。
嵐のようなグレンジャーにイラつきながらそう考えていた。
「ザックは残るの?」
クリスマス休暇の前日。午前中のみの授業が終わり、各々家族に会うべく荷物を纏めていた。そんな中、談話室のソファーで本を読んでいた俺にグリーングラスが声を掛けてきた。
「ああ、帰ってもする事がないしな。そんな暇があるなら図書室で本でも読んでいた方がいい」
「ふーん。でもそっちの方がザックらしいか。それじゃあまたねメリークリスマス」
グリーングラスはそう言うと談話室を出た。マルフォイもクラップとゴイルを引き連れて俺に軽く挨拶をして出て行った。
居残り組以外が全員立ち去ると、俺は大広間に昼食を食べに行く。大広間には半分程度しか残った生徒は居らず、その中でもスリザリンの席にはほとんど座っていなかった。
スリザリンは他の寮の生徒達に比べて家柄のいいのが多い。そのため学校での報告を親にしなければならないなど厳しめな家が多いのだとか。俺はパスタを取ってササッと食べて図書室に行こうとすると、
「ザックも残ったんだね!」
入学してから何度も聞くこの声。俺は振り向くと、案の定ハリー・ポッターが立っていた。
「ザックもチェスやらない?ロンが凄く強くて僕じゃあ全然相手にならないんだよね」
「チェス?」
グリフィンドールの席を見ると、ウィーズリーとディーン・トーマスが向かいあってチェスをしていた。そして何やら2人でブツブツ話し声も聞こえてくる。周りにはロングボトムやシェーマス・フィネガンなどのグリフィンドール生たちが観戦し白熱していた。
「俺が行く必要はないだろ」
「実はあそこのみんなは全員ロンにやられちゃったんだよ。ザックは頭も良いしロンと凄くいい戦いをするんじゃないかなって!」
目を輝かせるポッター。すると、渦中のグリフィンドール席ではウィーズリーが嬉しそうにバンザイし、トーマスは頭を抱えて項垂れていた。
「ほらザック!行くよ!」
「おい、引っ張るな」
ポッターは俺の腕を掴んでグリフィンドール席まで引きずっていく。
「すげーなロン!4人抜きかよ!」
「やるなぁ」
「ま、こんなものかな!」
ウィーズリーは満更でもなさそうに駒に呪文をかけて直していく。
「このまま5人抜きいくか!?」
「もう対戦相手居なくね?」
「いや、ロン。5人目は彼だよ」
ポッターにそう言われ、俺が出るとグリフィンドール生たちの顔が強ばった。
特にロンはその傾向が強く、もはや強ばるというより俺を睨み付けていた。
「ハリー!寄りにもよってこんなやつを連れてくるなんて!」
ロンの一言に周り全員が頷く。
「でもザックならロンといい戦いが出来るかもしれないでしょ?」
「でもハリー、彼はスリザリンだぞ?どんな卑怯な手を使ってくるか分からないじゃないか」
「ザックは他のスリザリンの連中とは違うって言ってるだろ!とにかく戦って見てよ」
ポッターに気押されしつつ、ウィーズリーは頷くと俺はウィーズリーの前に座る。そして早速トスが始まる。トスとは片方のプレイヤーが2色のポーンの駒を左右1個ずつ持ち選ぶ事だ。白を引けば先手、黒ならば後手だ。
「右と左、どっちだ?」
「右だ」
ウィーズリーは右手を開くと黒のポーンが入っていた。俺が後手か。
お互いにチェスの駒を並べると、ウィーズリーが叫んだ。
「ポーンをbの3へ!」
すると駒が動き始め言ったポイントに止まる。なるほど、魔法使いのチェスらしくて面白い。
「ポーンをgの3へ」
俺も駒に命じて動かして行く。次々に駒を動かしていき、勝負はデッドヒートしていく。ウィーズリーはトーマスとやっていた時の様な余裕な表情ではなく、真剣そのものの表情を浮かべていた。スリザリンの俺相手に負けるわけには行かないのだろう。所謂、目が
「クィーンをcの6へ!これでチェックメイトだ!」
激戦の末、ウィーズリーは嬉しそうに叫んだ。まさか負けるとは思わなかったが、4人抜きしているだけの事はある。
試合中息を飲んで見守っていたグリフィンドール生達はロンが勝った事で歓声は爆発した。気が付けばグリフィンドールだけではなくレイブンクローやハッフルパフの生徒、何よりマクゴナガル達教師陣やダンブルドアすら見ていたのだから中々にその場は壮観だった。
「どうだ!僕だってやる時はやるんだ!スリザリンなんかに負けてたまるか!」
ウィーズリーは立ち上がると、気分が最高潮に高まっているのかぴょんぴょん飛び跳ねる。
俺はポッターに目配せすると立ち上がった。
久しぶりに息抜きしたし図書室に戻るか。
クリスマス休暇が終わってしばらくは何事もなく日々が過ぎ去った。
クィディッチでグリフィンドールがハッフルパフを破ったりしたが所詮他寮同士の試合だ。気にするような事ではない。
相変わらずスネイプはスリザリンを贔屓するし、何より俺とポッターをよく比較対象にし、ポッターが答えられないと俺が答えさせられた。
そんな退屈な日々が何週間も過ぎ、そして突然変化が訪れた。ある日の朝廊下に行くと、そこに大勢の生徒達が集って騒ぎ立てていたのだ。
「何の騒ぎだ?」
「あ、ザック!ポッターがグリフィンドールの点数を下げたのよ!それも150点も!」
パンジー・パーキンソンが甲高い笑い声を上げる。
150点も減点させられるなんてどんな罰則を犯したのだろうか。
パーキンソンはペラペラと俺に詳細を話し始めた。なんでも消灯時間を過ぎた夜中にポッター、ウィーズリー、グレンジャーが外へ出歩いていたらしい。そこをフィルチとマクゴナガルに捕まり、三人仲良く50点の減点をされたのだとか。
「これでグリフィンドールは最下位確定! スリザリンの寮杯獲得も間違いなしよ!」
「……」
得点表には1位のスリザリンとは200点以上の差が出来ていた。どちらにせよあまり興味はない。
そんな事を気にしている暇があれば上級呪文学の練習でもしたい所だ。
まさか誰かに見つかるとは思わなかった。僕達は賢者の石に危険が迫っている事をハグリッドに伝えるべくハグリッドの小屋に来ていたのだが、パブでもらったと言うドラゴンの卵の孵化やらなんちゃらで取り合ってもらえず、
「全く……なんでこの僕がこんな事を!こんなの召使いか何かの仕事だろ……こんなの父上に知られたら────(ぶつぶつ)」
今一緒にいるマルフォイがその状況を見て、マクゴナガル先生にチクったのだ。(当然マルフォイも出歩いたので処罰を受けている)
そして現在、外に出歩いた処罰を受けている。処罰の内容は禁じられた森のどこかにいるユニコーンを保護する事だ。
怯えるマルフォイを何とか説得し、僕達は二手に別れて行動を開始した訳なのだが、30分は経っただろうか、僕達は森の奥で信じられないものを目にした。純白に光り輝くユニコーンが死骸となって地面を転がっており、その銀色の血を何者かが啜っていたのだ。
それは頭をフードで覆った、おぞましい何かだ。暗闇でよく見えないがその顔はユニコーンの血で染まっており、目だけが暗闇でもギラギラと光っている。
「うわあああ!!」
マルフォイはその姿に恐れをなして一目散に駆け出し、続いてボディガード代わりのはずのファングも逃げ出した。僕も逃げようとするも、額の傷が痛みだした。僕はあまりの痛みに動けなくなる。フードの何かは僕を見ると、ゆっくりと歩み寄って来た。
「あ、ああ……」
近づくにつれて傷の痛みは強くなる。助けを呼ぼうにも痛みでそれどころじゃなかった。
そして僕の目の前までやって来ると、両手を広げ、
「
僕の後ろから放たれた銀色の閃光と共にフードの何かは森の奥に吹き飛んでしまった。
僕は後ろを振り向くと、そこには居るはずのない僕の友人が立っていた。
「ザック!?」
居たのは処罰とは関係ないザックだった。ザックは杖をクルクル回してローブの杖差しに戻すと、ローブの何かが吹き飛んだ先に走って行った。
「ザック!待って!」
僕はザックを追いかけて行く。しかしザックは直ぐのところで立ち止まっていた。
「逃したか……」
ザックは吐き捨てるように呟くと、振り向いて僕と目が合った。
「なんでザックがここに?それに────」
「シッ、どうやらそう言う訳でもなさそうだな」
ザックがそう言うと、辺りを見渡した。そして素早く杖を抜き木の枝の幹に呪文を唱えた。
「
「────ッ!?」
枝の幹が吹き飛び何かが落ちた。落ちた先には先程のローブの何かだった。
「
「
ザックの攻撃をローブの出した杖によって護られる。
「
ローブの攻撃をザックは躱す。呪文の飛び交いをボーッと見ていた所にザックが叫んだ。
「ポッター!ここから失せろ!戦いの邪魔だ!」
僕は我を思い出すと、杖を出した。
「邪魔だと言ってんだろ!さっさと帰れ!」
「嫌だ!ザックを置いて帰れるもんか!」
すると、ローブは僕に向けて魔法が飛ばしてきた。僕は咄嗟のことで躱しきれず目を瞑る。
「いいから逃げろって言ってんだ!さっさと帰れ!」
僕の前にザックが立っていた。すると、後ろの方から走って来る足音と声が聞こえてきた。
「ハリー!」
「ハリー大丈夫か!」
ハグリッド達だ。それを察知したローブの何かは、木々の中をスルスルと逃げていった。
「チッ……逃げ足の早い奴だ」
「ザック、そう言えばなんでザックがここにいるの?」
僕は、ローブの逃げた先を睨みつけるザックに質問してみる。ザックは特徴的な赤い瞳を僕に向けると、話し始めた。
「ダンブルドアだ。ダンブルドアからお前を守れってな」
そしてザックはユニコーンの死骸に近づき触れる。
「なるほど、ユニコーンの血か……」
「ザック。あのローブはユニコーンの血に何をしていたの?僕には、なめているように見えたけど……」
「その表現で間違いはないだろうな。ユニコーンの血は例え死の淵にいる者だろうと生き永らえさせる命の血だ。だが、そんな代物には当然デメリットが存在する」
「デメリット?」
ザックは頷く。指先に付いたユニコーンの血を自分のローブで拭くと魔法で地面に穴を開ける。そこにユニコーンを浮遊させて中に入れると、ザックは土をかけた。所謂ユニコーンの簡単な墓のようだ。
「ユニコーンの血を飲むと呪われる……それも永遠にな。一口でも唇を付けたが最後、その者は生きながらにして死んでいるも同然の状態となるわけだ」
僕はゴクリ、と唾を呑んだ。
永遠に呪われるなんて、考えるだけでも恐ろしい。それならばいっそ、まだ死んだほうがマシなのではないだろうか?
「俺もそろそろ行く。が、さっきのローブは死んだ訳じゃない。せいぜい気をつけるんだな」
ザックはスタスタと歩き去る。すると後ろからハグリッド達が到着した。
「ハリー!無事だったみたいだな!何も無かったか?」
「うん。ザックが助けてくれたんだ」
「ザック?なんでここにアイザック・ラミレスが出てくるんだハリー?」
「分からない。ザックはダンブルドアが僕を守れって言われたらしいんだ」
僕はザックの立ち去っていった先を見る。もう行ってしまったのか、薄暗い森の中ではその姿を確認できなかった。
こうして僕らの処罰は終わった。
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