ハリー・ポッターと呪われし末裔   作:九空揺愛

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こんにちは!
今回は短めですが、次回は長めなのでお願いします。



テスト

遂に1年が経過しようとしている今日この頃、

 

「次、アイザック・ラミレス!」

「はい」

 

俺は机の上に乗るネズミに魔法をかける。ネズミは一瞬で銀色の美しい嗅ぎ煙草入れへと変わる。そう、1年の終わりにある学校行事と言えば多くの学生が嫌がる学年末テストだ。1週間かけて行うこのテストなのだが、この変身術が最後だった。

 

「結構。これでテストは以上です。寮に戻っていいですよ」

 

マクゴナガルからそう言い渡され、俺はスリザリン寮に戻る。一年生の問題だけあって実に簡単なもので、ほぼ何の問題もなく終了した訳なのだが、少し疲れた。その道中だった。

 

「やぁザック。テストは無事終わったようじゃの?」

 

前方からダンブルドアが朗らかな笑みを浮かべてやって来た。

 

「ザック。フリットウィック先生がお主の事を絶賛しておったぞ?お主のパイナップルがキレッキレのタップダンスを披露してくれたとな 」

「……どうも」

 

フリットウィック先生のテストは出したパイナップルを机の端から端までタップダンスさせる試験だった。多くの1年生達はぎこちないタップダンスなのかどうかも分からない物を披露していたのだが、俺のパイナップルは紛うことなきタップダンスだった。

 

「所でこれからスリザリンの寮に戻るところかの?時間があるなら少しわしに付き合ってくれんかの?何、そんなに時間は取らせんから安心して良いぞ」

 

特に用事のない俺はダンブルドアについていく事にした。校長室に入り、前回同様椅子に座る。ダンブルドアはかぼちゃジュースのペットボトルの蓋を開けると、2つのグラスを用意して注ぎ込む。1つを俺に渡し、もう片方を校長室の机に置いた。

 

「ザック。ハグリッドから聞いたんじゃが、先日ハリー達が森に入った時、ハリーに何者かに襲われそうになっていたところを助けたらしいの?」

「ダンブルドア校長の頼みでしたので。俺の私情はありません」

「そうじゃな。お主の事じゃその何者かの正体は掴めたかの?」

「……いえ、戦ったのですが、上手いこと逃げられてしまいましたので」

「そうか……」

 

ダンブルドアは校長室の窓から森を見下ろす。

 

「よくぞハリーを守ってくれたぞザック。しかしの、だからといって1人で消灯時間を過ぎた時間にあろう事か森に入るのは如何なものかの?」

「……おっしゃる通りです」

 

半月型の眼鏡から覗くダンブルドアの目から窺えるのは怒り。俺は目を瞑り話を聞く。

 

「わしはお主に言ったはずじゃ。危険を起さない程度に(・・・・・・・・・・)とな。ここはお主も同様に守られる立場の人間なんじゃよ。何かあればお主だけの力ではなくこの学校の先生達に頼むのじゃ。『ホグワーツでは助けを求める者に手を差し伸べる』所なのじゃ。……ん?」

 

校長室の窓から1羽のフクロウが入ると、ダンブルドアの手に手紙を置いて飛び去って行った。ダンブルドアは不思議そうに手紙の宛名を確認する。

 

「どうやら魔法省からのようじゃの。何々……ふむふむ、なんと!?」

 

ダンブルドアは大袈裟に驚いてみせると、俺の方を見る。まさか、何があったか聞いてこいってことか?

 

「……どうかなさったんですか?」

「魔法省から緊急の呼び出しじゃよ。すまんのザック。話の途中じゃがわしは行かねばなんようじゃ」

「いえ……」

 

ダンブルドアは校長室の机に置かれていたグラスを取り、かぼちゃジュースを一気に飲み干すと、再び俺を見つめる。

 

「良いかの?くれぐれも危険な事はせん事じゃ。お主は例え学年で1番優秀と言えどもまだ1年生じゃ。何かあればミネルバかセブルスでよい、あの二人に言うのじゃ。分かったかの?」

「……了解しました」

 

俺の言葉にダンブルドアは嬉しそうに頷く。そして何処かに飲み込まれるように消えた。なるほど、今のが『姿くらまし』か。俺もかぼちゃジュースを一気に飲み干すと、グラスを机に置いて校長室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラミレス聞いてくれ!ポッター達がまた夜中にベッドを抜け出すみたいなんだ!今度はお前も一緒に来ないか?」

 

寮に戻り談話室に行くと、マルフォイがニヤニヤしながら俺に話しかけてきた。

 

「また処罰を受けたいのか?」

「何言ってんだよ。お前が一緒ならバレずに帰って来れるだろ?現にあの森の中に入ったお前は処罰を受けてないじゃないか!」

「何の話してるの?」

 

そこにグリーングラスが話に入ってきた。グリーングラスは不思議そうに指を頬に添えて小首を傾げていた。

 

「ああ、ポッターがまたベッドを抜け出すって話をしていて、しかも4回の右側の廊下に行くらしいんだよ。僕達でその瞬間を捕まえようって話になってたんだ」

「はぁ……ドラコ?貴方最近処罰受けたばかりじゃない。また処罰受けたいの?」

 

グリーングラスは呆れたようにそう言うと、マルフォイは人差し指を左右に振る。

 

「だから今回は秘密兵器を用意するんだよ」

「だれが秘密兵器だ」

「秘密兵器って、ザックが?」

 

グリーングラスは俺をまじまじ見つめると、マルフォイに向き直った。

 

「どんな秘密兵器なの?」

「ラミレスはあの日の夜に森の中に来ていたんだ。それもバレずにな。そしてそのまま僕達以外誰にもバレずに寮まで戻った。これだけの手口(こと)が出来るなら今度こそポッターをバレずに捕まえられるだろ?」

 

キラキラとマルフォイの目が輝き俺を見る。グリーングラスは呆れたようにため息を吐いて同様に俺を見た。つーか

 

「俺もあの後ダンブルドアから直々に叱られてるぞ?そう言う意味じゃバレずにという訳ではない」

「なんだよ使えないな……」

「そりゃあそうでしょ……」

 

マルフォイとグリーングラスは勉強疲れなのか大きく欠伸すると、それぞれの寝室に戻っていった。

それから程なくして夕食の時間になり、俺は大広間に行き夕食にありつく。チラッとダンブルドアの席を見るもそこは空席となっていた。マルフォイとグリーングラスは眠そうにナイフで肉を切って口に運んでいた。とはいえほとんどの1年生は眠そうにしていたが、2年生以上は流石に慣れているのかいつもと変わらない表情で食べていた。

食事を終えると、各々寮に戻ってベッドに就いた。

 

「そろそろいいか……」

 

時計には深夜2時を指している。俺はベッドを降り、サッと着替えると量の外へ出た。気配を消す呪文を唱えると4階の右側の廊下へと移動する。廊下には何も無く、先を歩いて行くと、ひとつだけ扉があった。

 

アロホモーラ(開け)

 

の鍵を開けると、中には3頭の巨大な犬が寝ていた。よく見ると、その下に隠し扉のような物がある。ここの先にポッターは行ったのか。

中に踏み込むと、3頭犬は起き上がり唸り声を上げる。

 

「悪いが、もう少し寝てて貰おうか。ペトリフィカス・トタルス(石になれ)

 

ピキっと3頭犬は硬直するとそのままオブジェのように立ち尽くした。俺は隠し扉の取っ手にてを触れ、コソコソついてくるネズミに声をかけることにした。

 

「そこに隠れてるのは知ってるぞ。マルフォイ、グリーングラス」

 

「「!?」」

 

俺は振り向かずに言うと、扉のすぐの所でビクッと震える気配を感じた。

 

「な、なんだよラミレス。君だけ狡いんじゃないかな?この情報を教えてやったのはこの僕だぞ?それを独り占めしようだなんてね!」

 

マルフォイは怯えたように声が裏返っているのだが、それを悟らせないように強く出た。

 

「わ、私は2人を止めようとして……」

 

グリーングラスは俯きながら言う。

 

「お前ら、ここは危険だ。いつさっきのみたいなのに遭遇するか分からないんだぞ?」

「そ、そんなこと言っても無駄だ!僕もポッターを捕まえるまで帰らないぞ!」

 

マルフォイはそう叫ぶとグリーングラスも頷いた。俺は溜め息を吐くと、

 

「なら、俺から離れんなよ。じゃないと死ぬからな」

「お、おお……」

「うん……」

 

隠し扉を開けると俺たちは中に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒全員が寝静まっている深夜0時。

僕とロンとハーマイオニーは校内に隠された賢者の石を護る為に4階の右側の廊下の先を進む。

石を狙うスネイプがヴォルデモートの、その復活の野望を阻む為、3頭犬を眠らせ、悪魔の罠を突破し、無数の鍵の中から本物を探し当て。

僕の親友のロンはチェスの部屋を超える為自ら犠牲となり、ハーマイオニーは炎に囲まれながらも冷静な思考を失わずに僕を先へと進ませてくれた。

そして僕自身もまた、先にスネイプとヴォルデモートが待っているかもしれないという恐怖に耐え、たったの一人で奥へと踏み込んだのだ。

全ては石をスネイプとヴォルデモートから護るため。最後の部屋であろう場所に辿り着くと、

 

「貴方は……!?なんで貴方が……!」

 

そこには思いがけない人が立っていた。




感想、評価ありがとうございます!

次回もお楽しみに!
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