「今日で学校も終わり!! 明日から最高の夏にしよう、ぜっ!! FO!!」
「山いく? 海いく? 月に行く!? って月は宇宙じゃねーかぁ!」
「夏祭りを女の子と行って、海も女の子と行って思い出作らないと、高校の夏はすぐに終わっちまう!」
「勉強勉強勉強勉強! 高校1年の夏から将来を見据えた設計を立てないと……ぶつぶつ」
「……みんなテンション高いなぁ」
今日は終業式。
学生が心待ちにしている夏休みの前日であり、授業もなく午前で家に帰れることもあって、学生たちのテンションは振り切れていた。
俺の目の前にいる健二も例外ではないようで、朝から調子を上げていた。
今はホームルームが早く終わってしまい、待機時間となっていた。
クラスメイトは騒がしくしているが、担任のキョーコ先生は静観を決め込んでいた。
「そんな冷めた態度しちゃって蓮君はよ! お前も夏休みが楽しみで仕方無いんだろう? 素直に喜べよ!」
「頭おかしいんじゃないの?」
ずばーん。と無言で頭を叩かれた。
「てめぇ何しやがる!」
「うっせぇ! もっと俺に興味を持て! どうせ橘さんのことばっかり考えてたんだろ!」
「考えてねぇわ! 女の事考えてるのはお前だろうが!」
俺たちがこんなに騒いでいても、クラスの連中から注目されることは無い。
それだけ皆も夏休みを心待ちにしているのだろう。
「何しようかー。休みって入る前が一番楽しいよなぁ」
「そうか?」
休みの真ん中あたりで、やることもなくのんびりするのも俺は好きなのだが。
「……健二。夏休みの予定立てるのも良いが、ちゃんと宿題もやれよ」
「ふぁっ!? し、知らん……。俺はそんな物の存在を確認していない。……休みが終わった後に誰かに見せて貰うから良いのだ!」
「えぇ……」
コイツに夏休みが終わった後に、宿題写させてって言われても絶対に見せてやらない事をここに決めた。
……宿題って、読書感想文とか、漢字の書き取りも無かったっけ……?
ま、いっか。
「一条たちの予定も聞いてみようぜ」
「……あぁ」
健二が立ち上がり、一条の方に向かったのでその後に続く。
基本的に俺から一条に絡みに行くことはないが、健二から行く回数は増えた。
「一条! 夏休み何するのか教えろ!」
「ええっ? いや、特に予定はないけど……」
驚いたようにしながら、一条は反射的に答えた。
「何!? お前は桐崎さんという彼女が居ながら何も予定を立てていないのか!?」
「っ! いや、何言ってるんだよ! それは別だよ別! 俺とハニーが休みの間に会わないわけないだろう!?」
「くーっ! 見せ付けやがって!!」
見せ付けさせてるのは健二だろうに。
こういう会話の時に、どう参加して良いものか。
……今後の課題、だな。
「あらあら。仲間はずれにされてしまいましたの?」
後ろから声を掛けて来たのは、もちろん万里花だ。
桐崎さんたちと話していたようだが、見かねて話しかけてくれたらしい。
「そうなんだ。俺はあいつのテンションに付いていけなくて困ってる」
「普段よりも騒がしいですものね。……私もちょっとあの勢いには付いていけそうもありませんわ……」
言われてるぞ健二ー!
少しは落ち着きを持つんだっ。
「蓮様も大概ですけどね」
「えっ」
嘘だろ。
俺は他の人から健二と同じような目で見られてるのか?
……確かに。
最近、というか万里花が転校して来てからの俺は騒がしいかもしれない……!
健二と騒ぐのは嫌いではないが、最近は騒ぎすぎていたかもしれない……。
……反省しよう。
今日から学校は休みに入るので、休み明けは健二との掛け合いを自重しよう……!
「ふふ。冗談ですよ。萩庭さんと話してる時の蓮様は、生き生きとしていて良いと思います。……ですから、そんな捨てられた子犬のような顔をしないでください」
「し、してないしー! 適当なこと言わないでくださいー!」
そんな顔はしてないったらしてない!
俺のそんな言葉を、万里花は微笑んだまま受け止めていた。
「…………あんたたち仲良いわね」
呆れたように桐崎さんが呟いた。
「……桐崎さんたち程ではない」
俺と万里花はまだ付き合ってないしね!!
「はぁっ!? 私たちのどこがラブラブなのよ! 言ってみなさいよ!」
「……そこまで言ってないんだけど」
……目を逸らしながら答える。
やっぱり、美人と話すのは緊張するー!
……言っておくが、万里花が美人でないと言いたい訳ではない。
彼女の場合は、昔に会ったことがあるということに加えて、転校初日のインパクト。
何度か2人きりで会話もしてるので少し慣れた。というだけだ。
違和感を抱かれない程度に、万里花の後ろに隠れる。
「くす。でも本当に万里花ちゃんと倉井くん仲良いよね」
「…………そうか、な」
小野寺さんの笑顔も破壊力やばいと思います。
やばいと思ったので顔を逸らしました。
すると視界に入って来たのは鶫さんでした。
彼女も大層な美人さんです。
美人に弱い私めは万里花さんの背中に隠れました。……ヘタレです。
「どうしちゃったのコイツ……」
「んーと、恐らく」
万里花が少し首を傾け、口元に指を当てながら、
「皆様が美人で恥ずかしいだけだと思いますよ」
俺の状況を的確に指摘していた――!
『っ!!?』
万里花の答えを聞いた3者は、驚愕と共に羞恥に襲われていた――!
訂正。俺も羞恥に襲われてますっ。
「ちょ、ちょ、あんたねぇ! そんな訳無いでしょ! 大体あんただって美人じゃない!」
「いえ、私たちはもっと凄いことをしているので……。顔を見るくらいなら問題ありませんわ」
「ぶへぁっ!? 凄イ事ッテ一体ナニヲ!?」
……桐崎さんが吹き出して面白い顔、というかちょっと変顔になった。
美人顔が崩れたので、今の状態なら目線を合わせることくらいできる!(失礼)
……って、万里花さん今とんでもない発言しませんでしたか!?
「……ちょっと抱きしめただけですわ。でも、」
ここで万里花がにやり、と悪い顔をして、
「千棘さんは、一条さんともっと凄いことしていらっしゃるんでしょう?」
と、得意げに語るのだった。
「は、はぁっ!? 私があのもやしと何したっていうのよ!」
「お、お嬢! い、一体一条楽と何をしたんですかっ!?」
鶫さんが、ちょっと顔を赤くしながら桐崎さんに詰め寄る。
小野寺さんは、どういう事なの? と困惑の表情で様子を伺っている。
「もうキスまでは済ませてるとか」
「~~~!!? だ、だだだ誰がそんなことを……」
「一条さんですわ」
「っっっっ!!」
凄い勢いで桐崎さんが一条をぶん殴り、一条は天井に突き刺さった。*1
桐崎さんの行動は照れ隠しと分かるが、だからと言ってやり過ぎだと思います……。
「……一条さんから聞いたというのは嘘だったんですけど、事実だったようですね」
「……嘘だったのか」
「はい。冗談のつもりで……、友達ですから、これくらいは許して貰えますよね?」
友達ですから、と照れくさそうに言う万里花。
……そうだよな。友達だもんな!
例え世界が許さなくても、俺は許すぜ!!
「万~里~花~!」
「おやおや」
万里花が桐崎さんをからかって、桐崎さんが怒るというパターンは、なんだかんだいって原作通りなのかもしれない。
そこが好意的か、敵対心からか、という違いはあるかもしれないが。
「ん……?」
ふと、小野寺さんの方を見ると、真っ白になっていた。
「白い!?」
「……しっかりしなさい。小咲」
小野寺さんの隣にいる宮本さんが声を掛けているが、状態は芳しくないようだ。
……ああ、さっきのキスの話にショック受けているのか……。
「…………」
隣を見ると万里花と桐崎さんが
小野寺さんの様子を見るとまだ白くなってる。
後ろの方では、まだ一条が天井に突き刺さったままで、健二と舞子に指を差されながら笑われてるし。
……夏休み前のテンションって、改めて凄いなと思いました。
「おーい。そろそろ移動するぞー」
キョーコ先生の一声で、嘘のように教室が静かになる。
最近、先生の一声に救われることが多いような気がするのだが、気のせいだろうか?
終業式といえば、校長先生のお話が長いことが印象的である。
いや、校長先生の話が長いから印象に残るのだろうか。
ともあれ、暇な時間だというのは間違いない。
ほとんどの生徒が眠そうに立っている中、俺は先生の話に耳を傾けていた。
話を要約すると、休みの間も健康的に過ごし、勉学に励み、普段の生活では出来ない貴重な経験をして来て欲しいと言った話だった。
……うーん、中学校で聞いたような事と一緒やな!
校長先生の話というのは、学校が変わっても大体同じなのだろうか。
高校に通って初めての夏休みだったので、真面目に話を聞いたが、今後は話半分で聞いても良さそうだ。
校長先生の話の後、夏休みの間に注意すること(羽目を外しすぎないようにとか)を生活指導の先生が口うるさく言い、あっさりと終業式は終わったのだった。
まぁ……こんなものか。
生徒たちはクラスに戻っている途中から、本格的に夏休み気分になっていたようで、朝のホームルームの時よりも浮かれていた。
クラスメイトの話題は、心なしか海に行きたいと話している生徒が多く聞こえる。
夏休み、と言えばやはり海なのだろうか?
俺としては、海に行った事は幼い時に1回くらいしかないので、あまり魅力がわからない。
「海に行く魅力って何だ?」
仕方がないので健二に聞くことにした。
分からない事は、友達に聞くに限るネ!
「えっ。お前、海の魅力がわからねぇのか?」
「ああっ!」
行った記憶がないからな!
「いいぜ、教えてやるよ! まず泳ぐのが楽しいんだ。プールと違って広々としていて気分が良いぜ」
「なるほど。泳げない俺からしたら論外だな! 次!」
足が付かない水中に入るなんて自殺行為だ!
「……今度、泳ぐ練習しようか? じゃあ砂浜! 掘って遊ぶだけでも楽しいぞ!」
「水ばしゃばしゃ出来れば満足だから良いです! 砂浜で遊ぶなら大人数じゃないと空しくなるだけだと思います!」
「じゃあ大人数で行けば良いだろ! あとは美人の水着! 見るだけで心躍るだろ!?」
「通報しますッ! ジロジロ見るのは失礼だと思います!」
「この真面目ちゃんめ!」
普通に考えて、見知らぬ人の水着ガン見したら不審がられると思うのだが。
しかし、健二の話を聞いてみてもなんだが、あまり楽しそうに思えないぞ。
「んなら、夏休み行ってみるか? 折角だから一条たちも誘って」
「むむむ! 美人目当ても入ってるだろ――――ふがっ」
「それは言わない約束だろー蓮君よ。そ、れ、に。愛しの橘さんの水着姿見たくないのか?」
………………。
「えっちだと思います!」
「このムッツリ!!」
ええっ!?
正直に言ったんだからオープンなんじゃないのか!?
「冗談は良しとして、本気で予定合ったら海行こうぜ。楽しそうだ」
「ん、わかった。俺はいつでも来いだぜ」
俺の休みの予定は、ほとんど空白。空白王だ!
「後で一条たちにも聞いて見るわ。そういえば今度夏休みの間に、一条オススメのラーメン屋に連れてって貰う事になったんだが、お前も一緒に行くか?」
「どういう流れで? ……行っていいなら行こう。俺はラーメンにはうるさいぞ……!」
「……さっきからキャラ変わってないかお前? 実は夏休み楽しみだろ」
「そ、そんなことないわいっ」
そんなことないわいっ。
夏休み前の最後のホームルームが終わり、生徒たちが我先にと下校を開始した。
今日は全ての部活動が無いため、全校の生徒たちが一斉に帰宅するらしい。
そんなに急いで、どこかに行ったりするのだろうか――。
と、制服の袖をくいくいっと引っ張られて、
「……万里花?」
「はい。蓮様、今日は一緒に帰りませんか?」
「え……、あ、ああ。良いよ。今日は
「今日は父に我侭を言いました。過保護すぎるのにも困ったものです」
「んー……。なら、今日は俺が護衛になろう」
「ありがとうございますっ! ……ちゃんと守って下さいね?」
そう言いながら微笑んだ万里花の笑顔が、何だか
調子に乗りすぎたかもしれない……。
「んじゃ、俺は一人悲しく先に帰るぜ。蓮。帰ったらオンラインでゲームやるぞ」
空気を読んでくれた健二が、鞄を持って席を立つ。
「悪いな。……休みの初日から徹夜すんの……?」
「休みの初日だから徹夜するんだよ! オンラインの方の用意できたら連絡するからな! それじゃ、橘さん。蓮の面倒よろしく頼む!」
「まるで何時もは面倒見てるような言い草っ!」
俺の突っ込みはスルーして、健二は教室から出て行った。
……夜の会話で色々と聞かれそうだ。
「帰ろうか」
「はいっ」
実は万里花と一緒に下校するのは、初めてのことだった。
普段の彼女は、先程も言った通り行き帰りは車での送迎だったので、機会が一度も無かったとも言う。
学校の玄関先で二人並ぶと、他の生徒たちからの視線が、ちらほらと感じられた。
「……やっぱり噂になってるのかな」
「ラブラブカップルって話ですか?」
「らびゅ!? い、許婚の話です!」
「ああ……、どうでしょう? 私の周りでは結婚することになっていますが」
「うん? ……うん? ちょっと、それどういうことか――」
あれ、まだ付き合ってもないんだけど。
色々飛ばしてないですか万里花さん。
「ところで蓮様。これは下校デートになりますよね?」
「…………あの、どういう事か――」
目に見えて万里花がしょんぼりし始めた。
……もうっ!
「あぁ! デート、になるよ! それで、」
「それならっ! 手を繋ぎましょう! えへへっ。蓮君と手繋ぎするの久しぶりですっ」
万里花は俺の手を取り、小走りで駆け出した。
「お、おい。急ぐな……、て、あれ名前、ちょ、まり、万里花ー!」
情けない俺の悲鳴を、周りの生徒たちは生暖かい目で見ていた。
「……おっと。これ以上走ったら、すぐに分かれ道になってしまいますわ」
2分程小走りで進み、万里花が立ち止まってそう言った。
「……俺、万里花に家の位置教えたことないと思うんだけど」
「それは失礼しました」
口に手を当て、上品に笑う万里花だが、そういう事じゃないと思う。
警視総監様にかかれば、一般人の住所くらい分かるだろうし、……いや、以前見せて貰った転居届けを見れば、万里花も自然と住所を知ることができるか。
「……万里花の家までいくよ。護衛だからな……」
少し落ち込んでいるように見えた万里花に向かって、そう声をかける。
自分から走り出しておいて、別れるのが早くなったら悲しむって、なんだかおかしいな。
「むー……。護衛だからなら良いです。近くに本田もいるでしょうし」
「なっ!?」
ちょっとムクれた顔をしている万里花。可愛い。
じゃなくて、護衛だからじゃ駄目って、どうすれば……?
そういう事か……。
……うぐぐ。
「………………俺が、万里花と一緒に居たいから、送ります……」
「それは仕方ありませんね! 是非とも送って下さいな!」
弾けた笑顔を見せる万里花だったが、今回ばかりは気にしてる余裕がなかった。
……こんなの拷問だぁ……。
羞恥プレイだよ万里花さんっ!
「はぁ……」
「ふふ。私の魅力に負けた時は、ちゃんと言ってくださいね?」
片目を瞑り、人差し指で自分の顔を指しながら万里花が言う。
得意げな顔だ。
「…………負けてないし」
負けを認めたら結婚まっしぐらである。
可愛いのは認めるが、ここは耐えねば……!
「万里花」
話題を変えて誤魔化すことにした。
「なんですか?」
「夏休みはどこに行きたい?」
「……どこかに連れて行ってくださいますの?」
「免許はないからバスとか電車だけどな」
折角の夏休みだ。
朝早くに家を出て、少し遠い場所に行ってみるのも良いかもしれない。
「万里花?」
……どうしたのだろう?
俺から顔を背けたまま、返事がない。
「万里花――っ!?」
呼びかけると不意に、万里花が腕に抱きついて来た。
顔が近付いたのと、腕に彼女の身体が密着したことで、少し身体が強張る。
……今、二人で歩いている道は、普通に人通りが多いので、とても恥ずかしい……。
「……夏休みの間も、私に会いに来てくださいますのね」
「そりゃあな……」
休みの間に出来るだけ会いたいと思っている。
……彼女を受け入れるにしても拒否するにしても、早く答えを出さなければいけないからな……。
「……どこか行きたい所はあるか?」
「そうですね……。あ、お祭りに行きたいです」
「祭りか……。少し後だけど、縁日があるな」
「お買い物にも行きたいです」
「いつでも付き合うよ」
「暑い日は、映画館とかどうですか? ホラーを見て涼しくなったり……」
「えっ……。ホ、ホラーか……」
怖いのはちょっと……。
「あと夏と言えば、海ですか?」
「それは行けそうだ。一条たち皆で集まる話があるらしい」
「……なら、2人きりではプールにでも行きませんか?」
「プールか。行ったこと無いんだよな……」
どこにあるかも分からない。
「ふふ。色んな所に行きましょうね?」
「楽しみだな。…………あー、後その……」
「……?」
ポケットから携帯を取り出す。
「……番号と、メアド交換しよう。これが無いと、連絡するには不便だからな……」
……仲が良いはずなのに、こんなことを聞くだけでやけに緊張する。
「……そういえば交換していませんね。……はい。こちらこそお願いします」
おずおずと万里花が携帯を差し出して来た。
「……俺が打つの?」
「そちらの方が早いと思いますので」
「いや、それなら俺が携帯渡した方が良いんじゃないか?」
俺は見られて困るような連絡先はないし、そもそも健二のメアドしか入っていない。
「……私と初めてのメールは、私にくださいな?」
そっと、呟くような声音で万里花が言った。
なんだその可愛い理由…………。
手渡された万里花の携帯に、メールアドレスを入力していく。
「……ほら、メアドと番号入力したぞ」
入力した携帯を万里花に手渡すと、万里花は嬉しそうに微笑んで、早速メールを入力し始めた。
数秒もせずに、俺の携帯が鳴る。
あれ? 最初のメールを欲しがったわりには、ほとんど間を置かないで送って来たな……。
メールを確認すると、
タイトル:貴方の愛しの万里花です。
本文:大好きです。
「ぷはぁっ!? ちょ、これ……。万里花ぁ!!」
「あははは」
慌てた俺の様子を見て、万里花が声を上げて笑っていた。
怒った俺から距離を取るように、万里花はスキップしながら一足先に進んだ。
…………一瞬見えた彼女の頬が、赤く染まっているように見えたのは黙っておこう……。
こうして、万里花と再会してから初めての夏休みが始まった。