かの探偵に憧れた凡人   作:もちもちのトーテムポール

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イケメンの再来

入学式を終え、今日の行事は全て終わったので解散となる。生徒達は早速遊びなどに行くようだったが、学校内の施設を見たり、日用品を買ったりしたかった僕は教室を出たのだが、

 

「片桐くん!ちょっといいかな?」

 

と、教室の中から呼びかけられた。振り返って見ると、いかにも好青年といった男子とポニーテールのギャル風女子が立っていた。

 

「確か...平田君だったかな?何か用かい?」

 

そう、この好青年は先程クラス内で行われた自己紹介の立案者であった。無論、僕は当たり障りの無い自己紹介をしたため、おそらく印象は薄かったと思われる。

 

「覚えていてくれたんだ!うん、僕は平田 洋介だよ。さっきも話したけど、サッカーが好きで部活もするつもりだよ。僕は下の洋介と呼ばれることが多かったから片桐くんも気軽に話しかけてもらって大丈夫だよ」

 

キラキラという擬音がつきそうな爽やかさである。女子が彼の元に集まるのも納得だ。

 

「じゃあ洋介と呼ばせてもらおうかな。僕は片桐 徹。とくに呼ばれ方には拘りはないよ。読書が趣味だから、今のところ部活に入ろうとは考えてないかな」

「せっかくだから僕も徹って呼ぶね!これからよろしくね!」

「うん、こちらこそ」

 

などと話していると、今度はポニーテールの女子が話しかけてきた。

 

「片桐くんはこの後暇かな?」

「この後は日用品の買い物とかをしようと思ってるんだ。せっかく誘ってくれたのにごめんね」

「そっか〜。ううん、全然気にしないで。そういえば言ってなかったっけ。あたしは軽井沢 恵だよ。よろしくね〜」

「改めてよろしくね」

「せっかくだし、平田くんと片桐くん、連絡先交換しない?」

「僕は構わないけど」

「うん、喜んで」

 

洋介に近づくための潤滑液のように使われた気もするが、まあ素直に喜ぶことにしよう。

 

その後、2人はクラスの子達とカラオケに行ったようだ。

 

「それにしても...」

 

軽井沢さんはなぜ、あんなに怯えていたんだろう。

 

有栖のように好戦的にこちらを品定めするのではなく、脅威になるかどうかを必死に判断する目をしていた。皮肉なことに、中学時代の僕とよく似ているのだと思う。同じ怖気を体験したからこそわかる彼女の弱さ。それでも明るく快活に振舞っていたので、僕の方から何が出来るわけでもないが。

 

 

 

 

 

とりあえず生活に必要なものを買い揃えるためスーパーを目指して歩いていたが、スーパーは寮の近くにあるらしく少し距離があるようであった。初めて行く場所は遠く感じるものだが、それにしても時間がかかるなと思っていた。それもそのはず、この高度育成高等学校は町一つが敷地内に存在しているためとても広大であるのだ。

 

スーパーに到着した僕は、最低限の日用品を買い揃えた後に食品コーナーへ向かった。先程も気になったのだが、無料の商品のコーナーがある。つまり学校はポイントがなくなる事態も想定しているということだ。いよいよ本格的に怪しい。なるべくポイントの消費は抑えよう...と思案していた僕の視界に、見知った人物が現れた。

 

「片桐か。朝以来だな」

「そうだね、とても久しぶりだね神崎君」

 

ナチュラルイケメンこと神崎君である。1日で2度会うとは思っていなかったのだが。

 

「食材の買い出しか?片桐は料理ができるんだな」

「大したものは出来ないけどね。それを言うなら神崎君だって料理をするんじゃないの?」

「俺はただ見にきただけだ。色々施設を確認しておきたくてな。そういえば、お前はどう思う?」

「10万ポイントの話?」

「ああ」

「最初は面食らったけど、国からの投資と考えたら妥当ってところかな」

「やはりそう考えるか。とすると、支給されるポイントは...」

「うん。変動するのは間違いないと思う」

「だろうな。だが詳しいことは来月にならないとわからないだろうな」

「あくまで推測の域だから、何を言っても仕方ないよね」

「そうだ片桐。話は変わるが、今度遊びにでも行かないか。Bクラスの友人にも紹介したいしな」

「それはとても嬉しいけど...僕はそんなに面白い人間じゃないと思うけど?」

「俺がそうしたいんだ。駄目か?」

 

ナチュラルに口説いてくるのをやめてもらっていいですかイケメンさん。

 

思いの外積極的な神崎君と今度遊ぶ約束をして、今日は別れる。あの神崎君の友人なら、良い人ばかりなのだろう。会うのが楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみにヒロインは神崎君ではありません(多分)
感想や要望がモチベに直結しますので、ぜひお気軽に...
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