見事、私書のマジックワールドに勝利したタイガ。
ファイト後、タイガの前に現れたのは、滅んだと思われた†属性のモンスター「シャイニング † エンジェル」だった。
「私は光の使者 シャイニング † エンジェル。†属性のモンスターです。」
タイガはその言葉に本をテーブルの上に置く。
「本当なのか?」
「はい。」
タイガは一度は泣きそうになるが、涙をこらえて、デッキから「シャイニング † ダガー」のカードを見せた。
エンジェルは手に持っていたダガーをカードにかざす。
やがてカードとエンジェルは光出して、エンジェルはカードになった。
「本当だ・・・。ガルガ、俺の頬をつねってみろ!」
タイガはガルガに頼んだ。
「心得た!」
ガルガはおもいっきりタイガの頬をつねる。モンスターということもあってか、タイガの頬には2日くらい残りそうな跡が付いた。
「痛いって!・・・でも夢じゃないってことはわかった」
「夢じゃありませんよ、私も†の使い手に会うのを待ってました」
エンジェルはすぐにカードから出てきた。
「他に†のモンスターはいないのですか?」
「うん、お前しかいないよ。」
「エデン様も?」
「エデン?」
「はい。†属性の頂点に立つ、†属性の創成神 シャイニング † エデン様です。」
エンジェルは一冊の本をどこからか取り出すと、ある1ページを見せる。
見開きで、左には大きな悪魔、右側にはエンジェルや他の†属性のモンスターらしきモンスターが3体いて、真ん中には大きな光輝くモンスターの姿があった。
「この真ん中にいるのがエデン様。そして右側のモンスターがエデン様の使者である私達」
「他にも二人いるのか・・・この左側は?」
「これは私達がダンジョンワールドを守るため、最後に戦ったモンスター、ジャッジメント・ハート。私達はあの者を止めることはできませんでした。私は、ダンジョンワールドの角王であるミセリア様がカードにしてあの世界から離脱しましたが、他の方々はどうなったのかわかりません。ミセリア様ともあまり話しておりませんし・・・」
「色々と情報入ってきたな・・・」
「うむ。」
「モンスターが見つかったことが嬉しくて、内容全然入ってこなかった。」
タイガは頭を左右に振る。
「とりあえずエンジェル、おかえり」
「ただいま戻りました。†の使い手、虎堂 タイガ様」
「様って・・・タイガでいい。俺達はバディだからな!」
「いいんですか?私がタイガ様」
「ターイーガー!」
「・・・た、タイガのバディでも」
「あぁ。バディゾーンにはモンスターしか置けない。むしろお前しかいないんだ」
「タイガ・・・。わかりました!私はバディとしてあなたに尽くします」
「おう!」
「ただし、エデン様が来たらバディは譲ります」
「お、おう!」
・・・
「タイガ。ここはいったい?」
「俺の家だ!」
周りの家より少し大きな家。
その前にエンジェルは立っていた。
「今、父さんも母さんも仕事で外国に行ってるけど、おばあちゃんはいるから、大丈夫だよ」
タイガはドアを開ける。
「と、思ってたのか?」
そこにはタイガの父、ノボルが立っていた。ノボルはタイガの頭を掴む。
「なんだ?可愛い女連れて?彼女・・・て年ではなさそうだな・・・」
ノボルはマジマジとエンジェルを見る。
「はい、私はタイガのバディになりました、シャイニング † エンジェルといいます。」
「おぉ!タイガやったな!やっとバディが出来たのか!今日は寿司でも頼むか?」
「いいって・・・」
タイガはリビングに入ると、すぐにソファーに横になる。エンジェルは頭を下げて家に入り、タイガの寝転ぶソファの脇に立つ。
「それよりもさ、父さんはミセリアって知ってる?」
「・・・タイガ、どこでその名前を?」
ノボルはスマホをテーブルに置き、神妙な面持ちでタイガに問う。
「私を助けてくれた方なのですが」
タイガの代わりにエンジェルが答えた。
ノボルは向かいのソファーに座ると、テーブルの上に置かれたデッキケースから1枚のカードをタイガに見せた。
見せたカードは『流転の悲王 ミセリア』だった。
「以前まで、俺のデッキで切り札をしていたモンスターだ。しかし、それも4、5年以上前だ。とある大会でミセリアをコールしたとき、何も出てこなかった。俺はあのあと何度もコール宣言をしたが、ミセリアが姿を現すことはなかった。」
「そんな・・・」
「まだ死んだとは限らないが、可能性は0じゃない。」
「ダンジョンワールドでも見なくなったのぉ」
タイガの声が聞こえたのか、隣の部屋からノボルのバディであるエル・キホーテが現れた。
「また角王で集まって集会でもしてるのかと思っておったが、そんな話聞かないしのぉ・・・」
「ここ最近、こっちで絢爛朱雀ってスタードラゴンワールドの角王を見たという話は友達から聞いたぜ。」
「なぬ?タイガーボーイ、詳しく教えてくれ」
「いいけど・・・」
タイガはエル・キホーテに、友牙がバディポリスの本部でスタードラゴンワールドの角王と話したことを教える。
エル・キホーテはサングラスの下から真面目な目で話を聞いていた。
「ノボルよ、明日は暇かのぉ?」
「まぁ、今はオフだし、暇だな」
「角王に会いにバディポリス本部に乗り込むぞ」
「おう。・・・まぁ、タイガは疲れたろ、風呂入ってこい。それから飯にでもするか」
「はー、今日も色々とあったあった。」
タイガは風呂に入ると、思わず声を出してしまう。
「お背中流しましょうか、タイガ。」
エンジェルはそう言いながら、裸で風呂場に現れる。
「な、お前!」
タイガはすぐに壁の方へ視線を向ける。
「嫌、でしたか・・・?」
「嫌というかなんというかその・・・うん、あれだ。モンスターはどうだかわからないが、風呂ってのは男女別々で入るものだ!」
「では、私には関係ないですね。私は性別がありません、天使には子孫を残す意味がないので、性別という概念は」
「あー、わかった。入っていいが、タオルは巻いてこい!その、あれだ、それならいい」
「・・・わかりました。」
エンジェルはタオルを巻くと、もう一度風呂場に戻ってくる。そして、タイガの入るバスタブの横に立つ。
「な、なぁエンジェル。」
「なんでしょうか?」
「†のモンスターって他にもいるんだよな?」
「はい。今のところは私しか見つかってませんが」
「やっぱり図書館で話した、なんたらハートってヤツがモンスターを殺したとか?」
「わかりません。もしかしたらミセリア様によって助けられているかもしれませんし、もしかしたら・・・」
「そうか・・・」
二人はそのあとタイガがのぼせるまで黙っていた。
洗面所の前に立つノボルはその話を聞いて、今も声の聞こえないミセリアのカードを見た。
「タイガーボーイを見ていると、昔のお前を思い出すな。」
「タイガには、バディファイトを楽しく遊んでもらいたい。痛みや悲しみなく、ただただバディファイトを楽しんで貰いたいんだ。」
「それなら、ワシらがタイガーボーイの分、頑張らなければならないのぉ。日本の代表、ダンジョンワールドの代表としてな」
「そうだな。」
「今日は寿司と聞いたが、ワシも食べていいか?」
「はなからエルキホーテの分も取ってあるさ。」
「成長したな、タイガーボーイも」
「その呼び方はやめろって、もう大人なんだから」
・・・
「これがダンジョンワールドの滅んだ種族の書いてある本かー。」
「ちえり様、やっぱりこんな時間にこんな場所に入ったら、お父様にに怒られてしまいます。」
「いいの!ちえりは、みんなのために、ハート様のためにやってるんだからさ、ヒーローだよ!ヒーロー!」
夜の図書館、ちえりと呼ばれる女の子とそのバディモンスターはある書物を探していた。
「こら、こんな時間に何をやっている!」
私書がライトを持って図書館に入ってくる。
「夜遅くに物音がしたかと思えば・・・」
「このおじさん、誰?」
「私は魔法 私書!この図書館の館長を・・・って」
ちえりは私書の自己紹介を無視して、さらに本棚から本を投げるように取り出す。
「どうやら、これだけみたいですね。」
「ほんとー?まだあるかもよ、上の方とか」
「聞いてるのか!」
「もう、うるさいなぁ、みろわーる、アイツを倒して!」
「わかりました・・・ちえり様の命令は絶対!」
「な、何をする!やめろ・・・やめろーー!」
次の日、友牙とタイガは図書館の前に行ったが、図書館は閉まっていた。
バディポリスが図書館を囲み、中では捜査を行っていた。
「友牙君、タイガ君」
「タスク長官!」
二人に気づいたのか、奥からタスクがやってくる。
「大変だ、ダンジョンワールドが危ない」
「ダンジョンワールドが!?」
「何者かによって、図書館からダンジョンワールドのある書物が盗まれた。先日起こったエンシェントとスタードラゴンワールドの事件の前にもこのような事件が起きた。あくまで予測だが、これまでと同じ犯人グループの犯行かもしれない」
「友牙、ダンジョンワールドにいくぞ!」
タイガはタスクの話を聞いて身体を震わせると、友牙にそう提案する。
「エンジェル行けるか?」
「わかりました。友牙様も行きますよね?」
「あぁ、もちろん。ダンジョンワールドのためだ、ガルガも行くぞ!」
「仕方ないな、心得た!」