封印から解放されたミセリアは、この世界の常識を破るような桁違いの力を持っていた。
ヴァリアブルコードはその体を保てなくなるほどの攻撃を受け、タスクは貫通ダメージにより、立てないほどのダメージを受けた。
ボロボロになりながらも立ち上がったそのとき、デッキの上のカードが光った。
タスク ライフ5 手札0 ゲージ2
ミセリア ライフ8 手札6 ゲージ5
タスクのターン
「僕のターン。ヴァリアブルコード、もう一度立ち上がれるか?」
「この程度で、倒れては角王の恥です。」
ヴァリアブルコードは竜の姿になり、もう一度、センターに立つ。
「僕のライフが5以下で、場にソウルが3枚以上のネオドラゴンがいれば、解放できる!解放!」
タスクの髪は水色に光り、背中からは宝石のようなきらびやかな羽が生え、宙に浮き始める。しだいにそれは水色から、ヴァリアブルコードの赤に近いオレンジ色に変わっていく。
「ドラゴンフォース″朱雀の型″!」
ドラゴンフォース″朱雀の型″
属性:星/武器
7000/2
『解放条件!』君のライフが5以下で、君の場にソウルが3枚以上の[ネオドラゴン]がいる。
装備コスト:ゲージ2を払う。
・場のこのカードは破壊されず、手札に戻せず、能力は無効化されない。
・このカードが相手のモンスターを破壊したとき、このカードをスタンドし、相手に1ダメージ!
[対抗]君の場のサイズ2以上の「ネオドラゴン」のソウルを1枚捨てることで、このターン中、このカードの攻撃力+10000し、貫通を得る。
「行くぞ!」
「アタックフェイズ開始時、ドロップゾーンの竜装機 ヴィーガーと、V・スターセイバーを僕のソウルに!」
「そして、朱雀の型の効果で、ヴァリアブルコードのソウルにある竜装機 ヴィーガーをドロップゾーンに置き、このカードの攻撃力を10000上昇!さらに、ヴィーガーの効果で、ゲージ2追加!」
「ヴァリアブルコードだけは止める、キャスト!
神
・君のフラッグが「創世」なら使える。
コスト:ゲージ2を払う。
[対抗]相手の場のモンスター2体までをレストし、このカードを君の場のカードのソウルに入れてもよい。
ミセリアを封印していた鎖が、今度はヴァリアブルコードを締め付ける。しかし、ヴァリアブルコードは絢爛朱雀の姿になり、鎖から抜けて、ライトに立った。
「僕は止めれても、彼は止められませんよ」
ドラゴンフォースを纏ったタスクが、センターで待ち構えるミセリアへと飛び込む。まず、タスクの一蹴りがミセリアの腕を破壊する。
「ソウルガード!」
しかし、腕はすぐに元に戻る。
「このドラゴンフォースは相手を破壊したとき、このカードをスタンドし、相手に1ダメージを与える!」
「何だと・・・ということは」
「そうだ!お前が完全に破壊されるまで、僕は何度でも攻撃するということだ!」
ミセリアの周りを飛び、拳や蹴りで破壊する。ソウルガードという言葉が何度もダンジョン内に響き渡り、11回目の攻撃が終わったときには、ミセリアの砕けた胸部に、吸収されたはずの氷竜 キリの姿があった。キリの両腕と両足は赤い鎖によって縛られ、身動き一つとれない状態になり、体は少しずつ氷始めていた。
「キリ!」
「タスク・・・さん・・・?」
タスクは赤い鎖を破壊すると、キリを抱えてミセリアの胸部から脱出する。
「なぜ・・・だ・・・。僕はこんなに・・・強くなった・・・のに」
「貫通!」
ミセリアのライフ 8→5
「もう一度だ!」
″封印解除″ ミセリアの体はガラスのように粉々に割れ、そのなかからミセリアが逃げるように姿を現す。
しかし、それを見たタスクはミセリアに重い一撃を叩き込んだ。
「うわぁぁぁ!」
ミセリアはタスクの攻撃を受け、壁に衝突する。
ミセリアのライフ 5→3
「まだ、僕のライフは0じゃない!」
「そうだ、忘れてました」
絢爛朱雀はタスクの前に立つと、自分自身の胸に手を入れ、体からさっきまでタスクの装備していた『V スターセイバー』を取り出す。
「君のデッキの中の必殺技、デッキに入ったとき一枚変えておきました。それ使ってください」
「ふっ・・・本当に振り回されてばかりだ・・・。V スターセイバーの効果!このカードをヴァリアブルコードのソウルからドロップゾーンに送ることで、デッキから必殺技を1枚手札に加える!」
「タスクーーーッ!」
「ジャック!・・・いくぞ!」
「「ファイナルフェイズ!」」
部屋の出入り口を壊す勢いで入ってきたジャックは、タスクの手の先にあるカードを見て、息をあわせ、ファイナルフェイズ宣言をする。
「最後はやはり君に持っていかれますか」
タスクのジャックが剣を構え、その背後にヴァリアブルコードが立つ。
部屋はプラネタリウムのような星の輝く空が一面に広がり、その空を破壊するような、空気を揺らす大剣が現れる。
「君が解放条件を持つアイテムを装備し、君の場にソウルが3枚以上のサイズ2以上のネオドラゴンがあるときに使うことができる!必殺!スターダスト・レディアント・パニッシャー!!」
スターダスト・レディアント・パニッシャー!!
属性:ネオドラゴン
・相手のライフが5以下で、君の場にソウルが3枚以上の「ネオドラゴン」がいて、解放条件を持つアイテムがあるなら使える。
コスト:ゲージ2を払う。
・相手に5ダメージ!このダメージは減らない。
剣は夜空を巻き込みながら、ミセリアへと振り下ろされた。
ミセリアは避けることなく、その剣を受けた。
「僕は間違ってた。・・・この世界にはまだ希望がある。」
ミセリアのライフ 3→0
ファイトが終わり、静かになったダンジョン内に、ダンジョン外にいたタイガや友牙が集まる。
世界の宝玉が元の形に戻ったのもあってか、エンジェルの抱えていた頭痛や吐き気はすでに回復していた。
「ミセリア、君はどうしてあのようなことを?」
絢爛朱雀は正座をするミセリアに問う。
「・・・に裏切られた。」
「それはいったい誰ですか?」
「・・・」
ミセリアは黙り込み、頭を地面につけた。
絢爛朱雀はにこやかにしていた表情を、怒りに変えると、正座するミセリアを蹴る。
そして頭を下げるミセリアを何度も踏みつけた。
「お前!」
「!」
タスクはそれを見て絢爛朱雀を押さえ、エンジェルはそれを見てダガーをかまえる。
「僕たち角王はあなたが消息不明になったことを、どれだけ悲しみ、心配したかわかりますか!特に、ノボルはあなたがいないことで、あなたを裏で心配しながら、表でこの5年間を角王なしで戦い抜き、臥炎キョウヤにリベンジを果たし、世界大会優勝まで上り詰めたんです!なのにあなたときたら、姿も現さず、何も・・・何も!」
絢爛朱雀の目からは涙が溢れ始めていた。
「・・・話す。僕がこの5年間何をしていたか、5年前に何が起きたかを。」
・・・
「はぁ・・・はぁ・・・!」
雨の強い山のなか、一人の女が、何かに追われて走る。
追うものは人でもあり、竜でもあり、神でもある。そんな体になった男だった。男の懐あたりは光輝いていた。
「どこへいくのですか」
竜神だった。
「・・・!」
女性の前には流れの強い川。後ろからは竜神が追ってきている。
「生きるためには・・・これしか!」
「!・・・待て!」
女は川に飛び込んだ。
「逃がしたか・・・しかし、器は他にもあるはずだ。彼女だけではない」
竜神は元の人間の姿に戻ると、懐からエンシェントワールドの
宝玉の光は点滅し、やがて消えた。
「ハート様の体を手にいれなければ、宝玉全て集めても意味がない・・・」
竜神は山の中へ消えていった。