友牙はタイガに勝利した。
「はぁ・・・。やっぱりモンスターが必要か。」
橋の上で川を見てため息をつくタイガ。
「友牙、見ろ」
ガルガはタイガを見つけると、友牙の服を引っ張って知らせる。
「未門 友牙・・・。なんでここに?」
「タイガこそ。どうしてこんなところに?」
タイガは友牙を見ると、目を合わせないように明後日の方向を向く。
「・・・関係ないだろ。」
「やはり我が悪いことを言ったか?」
「正論だ。モンスターが必要なのはわかってる。でもな・・・」
俺の使う†という種族のモンスターは滅んでしまった。
「どういうことだ?」
「教えてくれ、タイガ」
・・・
俺の使うダンジョンワールドの『†』という種族は、天使の羽から作られたシャイニング † ダガーを占い道具にして、明日の天気や今日の運勢などの小さなことから、これから起こることや過去に起こった事件の真相などの大きなことを見る種族だった。しかし、とあるワールドのとあるモンスターによって、†のモンスターは滅んでしまった。残ったのは、このダガーだけだ。そして残ったダガーは最後にあることを俺に伝えた。
黒いカードを操る女神の使いに裏切られた・・・と。
・・・
「黒いカード・・・ガルガ、まさか!」
「友牙、そのまさかかもしれない。」
「何か知っているのか!」
タイガはそれを聞くと、友牙の肩を掴む。
「ロストワールド・・・。」
「デストロイヤーか。」
「ロストワールド、デストロイヤー。決勝戦で見せたあのカードのことか!」
「しかし、あの世界でデストロイヤーを操っていたものはいない。あれほどのモンスターを操れたものもいないだろう」
「ロストワールドでも、別のモンスターがいる・・・ということか?」
「その可能性はあるかもしれんな。友牙、ランマに聞いてみるのはどうだ?今は遠くにいるが、話すことはできるだろう?」
「お、友牙!どうした?」
友牙はその場でランマに電話をし、ランマのバディであるデストロイヤーに、†という種族を滅ぼしたロストワールドのモンスターについて聞く。
「知らないな。その者は本当にロストワールドのモンスターなのか?」
デストロイヤーは何も知らなかった。ロストワールド全てについて知っているというデストロイヤーが知らないということを知り、友牙たちはロストワールドのモンスターではないと考える。
「ダークネスドラゴンワールドは?」
「そこまで黒いか?あのカード」
「黒というよりは紫だな」
次の日、どんなにカードを探しても黒いカードは見つからない。そこで友牙は図書館でダンジョンワールドについて書かれた文献を探すことにした。
「珍しいね、君が図書館にいるなんて」
声の方には星詠 スバルがいた。
「お、スバル。いいところにいた!ダンジョンワールドのことについて書かれた本とか無いか?」
「ダンジョンワールド?新しいガルガのG-Evo先でも考えているのか?」
「いやいや、違うんだ、聞いてくれ」
友牙はタイガのことと、†という属性の話をした。
「この前の中継は観ていたが、あのデッキにモンスターがいないのはそういうことだったのか。まず、ここにバディファイトについての文献があると思ったのか?」
スバルは頭を抱え、ため息をつく。
「ダンジョンワールドのことなら、ダンジョンワールド使いに聞くのはどうだ?ほら、童話使いのメルさんとか」
「さすが勉強の神!いいアイデアが浮かぶな!」
「勉強の神だろうが何だろうが、これくらいは普通浮かぶものだと思うが・・・」
「え?†という種族を知ってるか?・・・ですか?」
木陰で童話のモンスター達と絵本を読むメルの柔らかい空間に、友牙は足を踏み入れる。
「えっと、私は知らないですけど・・・エマ知ってる?」
エマは少し腕を組んで悩むと、何かを思い出してすぐに口を開ける。
「かつて†って種族がいたのは聞いたことあるけど、アタシたちが生まれたときよりもっと昔の話だったはず。ごめんね、あまり力になれなかったかな」
「いや、力になったよ。ありがとう!」
†のことを調べ始めてから数日後、
「ダメだー。情報はこれが手一杯だ」
友牙が†という種族についてわかったことは、結構昔に存在した種族だということだけだった。
「そもそも、本当に滅んだのかな。」
「どういうことだ?友牙」
「いや、父さんが言ってたんだ。今の俺のバディは封印していたところを解放してバディになったって。」
友牙は父親の真似をする。
「もしかして、どこかに封印されてるんじゃないか?」
「封印・・・か。」
夕日は橋の上の二人と1匹の竜を照らす。
「今日もなんか色々と迷惑かけたな。」
「そんなことないって。またキャッスルでファイトしようぜ!」
友牙はタイガと別れ、ガルガと共に川に沿うように歩く。
「ガルガ、やっぱりワールドには色々な物語があるんだな。」
「うむ。友牙もあらゆるワールドに触れ、そのことを理解したか。」
「とりあえず、ここ数日間でダンジョンワールドのことはよく知れたかな」
「お前が未門 友牙か?」
友牙の後ろに立つ、黒い長髪を1つ縛りにした女。頭には三度笠、着物を着て、腰には刀を付けていた。
友牙はあわてて振り返り、ガルガは剣をかまえる。
「おぬし、何者だ?」
女は三度笠を投げると、デッキを刀とは違う方の腰に付けたケースから抜き、カードの裏面が見えるように顔の前に出す。
「私はサクラ、神を滅ぼすもの。ファイトだ。」
「神を滅ぼす・・・もの?」
「ファイトで見せる」
サクラは四角形の小さな箱を友牙との間に投げる。
友牙はすぐにそれがバディファイト・バーチャルシステムだと気づいた。箱が光を放ち、友牙は目を閉じる。
目の開いた先にはいつものフィールドができていた。
「ガルガ、今日は新作でいくぞ!」
友牙はデッキをガルガに見せた後にファイトテーブルに置く。
「あれか!心得た!」
私の刀は神をも裁く!ルミナイズ!神殺しの刀!
神がかってるドラゴン勇者、ここに登場!ルミナイズ!ダンドラ!
『オープン・ザ・フラッグ!』
カタナワールド!
ダンジョンワールド!