友牙の前に現れた女、サクラは神を滅ぼす力で友牙を翻弄する。しかし、友牙はジャンケンに何度も勝ち、そのまま勝利をも勝ち取った。
「なぜ、我らにいきなりファイトを申し込んできた?」
ガルガは膝をつくサクラに問う。
「私の名は轟鬼 サクラ。父、轟鬼 ゲンマを探している。父は人一倍、神への信仰心が強く、昔からある神を信仰し続けていた。それが、ここ最近さらに強くなり、ある日を境に姿を消してしまった。そんな中、遊びの神というのがこの街にいると聞いて、まさかと思い、一度戦いたくなった。・・・ッ!」
サクラはファイト中に足を痛めたのか、立ち上がれずにいた。
「友牙。」
「わかってる。立てるか?」
「すまないが、肩を貸してくれるか?」
サクラは友牙の肩を借りて無理矢理立ち上がるが、立ち上がって早々、痛みでガルガの上に倒れる。
「痛いではないか・・・。」
「すまない。」
サクラは倒れた拍子にデッキケースからデッキが流れ出てしまう。
バディにしていたカードが光ると、大きなモンスターが現れる。
「阿修羅。」
「・・・」
バディモンスターが出てきたは良いものの、話そうとしない。上から二人と一匹を見るだけだった。
「お前のバディ動かないのか?」
「私のバディ、滅神の使者 阿修羅は言わば銅像に近いモンスターだ。」
「銅像って・・・それでも」
そんな話をしていると、二人の腹の虫が鳴く。
「・・・家で食べていく?」
「いいのか?私はお前たちの敵かもしれないのだぞ?」
「ファイトをして我はお前に敵意が無いとみたが?」
「ガルガの言うとおりだ。それに、バディファイトを楽しんでるやつに敵はいないよ。」
「・・・優しいな、遊びの神は」
「友牙が女を連れてきた・・・?」
未門 パル子はサクラを見て、思わず拭いていた皿を落とした。
「母さん違うって、こいつケガしてて」
「あら、そうなの?」
パル子はサクラの足を見て、すぐに湿布やら包帯やらを持ってくる。友牙は肩を組み、サクラをリビングのソファに座らせる。
「これをこうして・・・これで完成ね!」
「ありがとうこざいます・・・。」
「今日は食べていきなよ。」
夕御飯の間、パル子はサクラに色々と質問をする。
「へー、あのゲンマさんの娘さんなんだ。あの人から、こんなおしとやかで可愛い子がねぇ~。」
「ありがとうこざいます・・・。」
「で、今はあの人そんなことになってるんだ・・・」
サクラは両手をテーブルに着けた後、頭を下げる。
「お願いします!私の父を助けてください!」
「そう言われてもな・・・」
友牙は困った顔をして、パル子の顔をみる。
「子は親に似る・・・ねぇ。ちょっと待ってて」
パル子はそういい、二人を残してリビングから出ていく。そして数分後、1枚のカードを持ってきた。
「これは・・・?」
「太陽拳 サンシャイン・インパクト。このカードはお父さんがゲンマさんとゲンマさんのバディ、デュエルズィーガーを倒したカード。お父さんが、友牙が困ったとき、見せろってね。この試合実況したからよく覚えてる・・・。観客全員があのファイトに心の底から暑くなったと思う」
ガルガはそのカードを見ると、
「友牙、このカードからは強大な力を感じる。」
と言い、テーブルの上に乗ってカードに触れる。
「・・・サクラといったな。お前の父は我々が助けよう」
ガルガはそう言い、テーブルから下りると窓の外へ出る。
「おい、ガルガ!」
友牙もガルガの後を追って外に出た。
ガルガは空に浮かぶ月を見ながら、
「そのカードには3人から受け継がれた力を持つ。一人はお前の父親、もう一人はその兄。では・・・もう一人は?」
と、神妙な面持ちで言った。
「もう一人・・・。」
・・・
時は同じく、エンシェントワールドのとある教会。
そこでは1体の龍と、5体の龍の魂を持つ龍が戦っていた。
「我らの信仰する神を侮辱するか・・・」
「何度も言っている。お前のそれは神ではない。ただのモンスターだ」
攻撃によって崩れ行くモンスター。
男は、神を信仰する屈強な体の男に、竜の爪を模した拳を突き付ける。
「デュエルズィーガー“ゴッド・エクリプス”のライフリンクは生命の奔流で無効だ!」
「勝利に堅実になのは良いことだ、さすが世界の様々な大会で名を上げているプロのエンシェントワールド使い、人一倍のプライドはあるみたいだな。しかし、その行為は神を愚弄する行為なのではないか?」
「神を・・・愚弄する・・・?」
「さらばだ、轟鬼ゲンマとそのバディよ。エンシェントワールドはこの俺が支配する。俺こそが真の神だ。」
ゲンマの体に拳が突き刺さり、ライフカウンターは0を映し出す。
「サクラ・・・。」
燃え盛る教会のなか、男は轟鬼ゲンマのバディカードを持って現れる。カードの端には火が付き、すでに燃え始めていた。
「まず一つ目だ。次はどこのワールドを支配する?」
・・・
「あれ?・・・私はいったい・・・」
サクラは目を擦り、周りを見る。
「目が覚めたか」
「お、おはよう、サクラ。」
「???」
サクラは友牙の部屋で目が覚めた。あの後、サクラは家に帰らずに友牙の家に泊まった。
サクラはそれを忘れていて思わず混乱する。
「か、帰ります!」
「あ、サクラ!」
サクラは急いで階段を下りる。
「あら、おはよう、サクラちゃん。昨日は良く眠れた?朝ごはん作ってるからもう少し待ってね」
階段を下りたところで洗濯かごを抱えたパル子に会うが、無視して玄関に向かい、靴を履こうとする。
「ーーーッ!」
治りかけていた足のケガがまた痛くなり、サクラは玄関で悶える。
「サクラちゃん、朝から元気ね・・・って、あれ?」
サクラは不機嫌な顔で朝ごはんのパンを食べる。
「パン・・・嫌い?」
「いえ、美味しいです。」
友牙とガルガはすぐに朝ごはんを食べ終え、外で準備体操をしている。
「二人とも、あなたのお父さんを助けるって昨晩からあんな感じよ。あんなにも精一杯なの久しぶりね。もしかしたら、友牙、あなたのこと好きかもね」
「え?」
「ふふふ、なんでもないわ。」
「サクラー!」
サクラは呼ばれ、窓の方を見る。
「ご飯食べたらまたファイトしようぜー!サクラのデッキとまたファイトしたくってさ!」
「・・・やっぱりそんなことないみたい。思う存分ファイトしてあげて」
サクラは少し微笑むと、デッキケースを持って足を引きづりながらも、窓の方へ歩いていった。
「やっぱり似るものなのかな・・・」
・・・
昨晩のこと。
「スバル、今日も星が良く見えていますね。」
スバルは、バディのクロスと河原の土手で星空を見ていた。
「あぁ。でもいつもと違う・・・」
「どうしました?」
「なんでもない・・・。」
スバルは望遠鏡から目を離すと、デッキからあるカードを取り出す。
「それは?」
「新たな装備、
月読占弓 ルーナ・アルクス アイテム
属性:天球竜/武器
6000/2
コスト:ゲージ1を払い、ドロップゾーンから3枚までをソウルに入れる。
ソウルガード 3回攻撃
・このカードは君のセンターに「天球竜」がいても攻撃できる。
・君の場の「天球竜」全ては相手のカードの効果で破壊されず、レストされない。
[対抗]コスト:ソウル1枚をドロップゾーンに置く。君のドロップゾーンまたは手札から「天球竜」をコールコストを払ってコールする。
「なるほど。しかし不気味ではありませんか?」
「クロスの占いではどう出ている?」
クロスは姿を変え、占い始める。
大量の魔法陣が一気に展開され、クロスは目を凝らして占うが、クロスはその結果に首を傾げる。
「・・・何も出ていません。それは普通のカードのようです」
「クロスの占い当たる。そうだろう・・・?」
「しかし・・・。」
「見つけたぞ!星詠 スバル!」
上から声が聞こえ、二人はすぐに上を見る。
そこにはクロスより一回り大きな2体の竜の姿と、その手のひらに乗る男の姿があった。
「君は誰だ?」
「俺は大宇宙 銀河!スタードラゴンワールドを支配する者だ!」
「スタードラゴンワールドを支配?」
「彼はいったい何を・・・」
銀河は竜の手のひらから地上に下りると、スバルを指差す。
「俺とファイトしろ!やれんだろ?」
「悪いが断る、僕たちが君と戦う理由はない。」
「なんだと・・・ふざけんじゃねぇ・・・え!?」
銀河は指をバキバキと鳴らしながらスバルに近づくが、あるところで透明な壁にぶつかる。
「なんだ・・・これは・・・?」
「戦う理由以前に戦えないみたいだ。さよなら」
「私も失礼させていただきます。」
スバルは望遠鏡を片付けると帰っていく。
銀河は透明な壁にぶつかったまま、スバルを追うことはできなかった。
「ち・・・チクショー!覚えてろォ!星詠 スバルゥゥゥ!」