バンドリ! に非日常を組み込んでみたらどうなるの? 作:KAMITHUNI
兎に角、どうぞ……!
I am the bone of my sword.
─────体は剣で出来ている
ガギィンッ!! カァァンッッ!!
枯れ果てた荒野に響く鉄同士がぶつかり合う音。
乾いた風に乗った砂煙が視界を不十分にさせており、まともな状況を掴むことは出来ない。
けれど、心の底にある熱い何かに身体が突き動かされる。
あの丘の上にいる影を撃破せよと、自らの存在理由を証明せよと……使命感に満ち溢れた心と身体の本能に従っていく。
オレが丘の上に向かって駆けていき、◼️ー◼️◼️ーを相手に、手にした双剣を斬りつける。
だが、◼️ー◼️◼️ーがオレの剣戟をいとも容易く受け流し、腹へ蹴りを一つ入れられて後方に吹き飛ばされる。
Steel is my body, and fire is my blood.
血潮は鉄で、心は硝子
全てにおいて格下の実力。勝ち目など1厘も無い。
けれど、諦めて仕舞えば、それは敗北を意味する。だから、諦めない。
何を賭けて、何を得ようとしているのかも知りもしないのに、勝手な思い込みで圧倒的強者へと立ち向かっていく。
愚行だとわかっている。
どういう場面かも理解していないオレが、手を出していい筈がない。
I have created over a thousand blades.
幾たびの戦場を越えて不敗
Unknown to Death.
ただの一度も敗走はなく
Nor known to Life.
ただの一度も理解されない
けれど、オレは果ての無い荒野で黒白の双剣を振るう。
たとえ、この場で砕け散ろうとも構わない。
だけど、自分にだけは負けられないのだ。
ここで諦観して、敗北を受け入れるなどオレに出来るわけがない。
Have withstood pain to create many weapons.
彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う
Yet, those hands will never hold anything.
故に、その生涯に意味はなく
無数に突き刺さる剣達が虚しくも儚く存在する世界で、オレと◼️ー◼️◼️ーが一合一合撃ち合い、そして、◼️◼️◼️ーはそんなオレ達の死闘の行く末を見守り続ける。
そう、これは自分との闘い。『理想』と『現実』の最期の勝負だ。
血と剣の錆で鉄臭くなった世界。
『正義の味方』であろうとした男の末路が、この心象世界。
最後に残ったのは、果たされたかった『理想』という名の『愚像』だった。
So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.
その体は、きっと剣で出来ていた
─────
「お……! ……きろ……! え……!!」
うっ……。オレの安眠時間を妨害する奴は誰だ?
耳朶を刺激する怒声らしき音。
まだ寝ぼけている所為だろう。言葉の節々にノイズが掛かっている。
だが、言わんとしてることはわかっているつもりで、当然起きろ的な事を言っている。
しかし! オレはそんな妨害に負けるほどヤワでは無いのだ!!
こちとら、連日で機械をいじってた所為で、徹夜してるんだ。そんな簡単に起きてやると思うなよ! やるなら徹底抗戦だ!!(バカ)
「えーいっ!! 起きんか!!」
けれど、オレの強い意志を簡単に無視する声の主は、更に声を荒げて、いよいよ体を強引に揺すり始めたのだ。
え?! ちょっと待って! なんで肩掴んで……あ! ギャァァア!!!
振り回すなぁ!!
頭がぐわんぐわんするからそれやめて(懇願)!
マジで目が回る。ヤバイ……吐きそう。
「わ、わかった……わかった、から……そ、れヤメ─────うぷっ……!!」
「ふん。ようやく起きたか。そもそも全ての授業で寝ている奴が何処にいる? ホームルームすら終わって、もう既に放課後だぞ。エミヤ」
こ、この……糞真面目眼鏡野郎が……。無駄にイケメンだから、そのサムズアップも絵になってるのが腹立つ!(嫉妬)
おい! 眼鏡をクイッとするのやめろ! なんか余計にイラつく!
つーか! 吐きそうなの! マジで吐きそうなの!
プリーズ、ポリ袋!! ヘルプ・ミー!!
─────
と言った、一悶着が起きていた場所は今年から通う事になった花咲川電気工学高等学校の1年A組の教室である。
この学校は一般教養は勿論のこと、第二種電気工事士や電験3種などの電気系統の資格は大方取れる専門高等学校だ。当然、専門学校っぽいけどちゃんと3年制の高校だからね!(誰得? の顔)
卒業後は、やはりそう言った会社や現場に出る人が多くて、大学に進学したりする人は殆どいない。ついでに、悲しかな、女子もいない(血涙)
大体、全体の1割ぐらいしか女子がいないの!
しかも、今年の女子はクラス分けで何故かA組だけはぶられているのか、女子が1人もいない!!
ひとりもいないんだ!(大切なので二回言った)
そうなってくれば、残ったのはむさ苦しい男所帯のクソクラスという編成になってしまう訳で……教室に入ってきたときの絶望感は計り知れなかった。いや、君達が思ってるより、本気でヤバイよ?(語彙力の低下)
ほんとヤベェよ。
この前なんて、クラスで自己紹介する場で彼女います発言したクラスメイトがいたんだけど、ガチムチの大柄のクラスメイトたちが束になってソイツを連行して、帰ってきたときには素っ裸にされて泣いてたんだぜ?
あんときゃ、流石に問題になるだろうって思ったけど、非リアの嘆きって本気で怖いなーって思いました(他人事)。
要するに、このクラスにおいて恋愛系の会話は御法度。直ぐに非リアのガチムチ達に締め上げられる(恐怖)。
「それで、全ての授業をほぼ爆睡して消化したオレに何か用なのか? 一誠」
この眼鏡糞イケ男の名前は【神田 一誠】。
一応神田神社の住職をやっていて、見た目通りの糞真面目な奴だ。
序でに生徒会役員に即座に選ばれた実績もあるぞ(学年首位合格だった為らしい)。
あ、それとさっき言った締め上げられたイケメンってこいつの事じゃねぇから。
なぜか、周りからモテまくるのに非リア達もコイツには逆らえない始末。マジで不思議……。
しかも、基本はオレ以外の奴は敬語で話すし、なんかやったのかな?
え? なんでオマエはそんなにデカイ口叩けるのかって? そりゃあ、腐れ縁ですから。(ドヤ顔)
一言だけなのに、すごい説得力だろ? え? そんな事ない? ま、いっか!(テキトー)
そんなやり取りを脳内で行なっていると、一誠は先ほどのオレの言葉に呆れたように溜息吐く。
やっぱり、イケメンは何をしても絵になる(棒読み)。
「貴様、昨日の放課後に何をやらかしたのだ?」
「は? 昨日の放課後?」
てっきり、生徒会の機材の修理とかの頼み事関連だと思ってたんだけど……まさか、昨日の放課後の話を聞いてくるとは思わなかった。
そして、オレが首を傾げている様子を見て、一誠は更に深い溜息を零して眉を顰める。
……オレ、昨日何かやらかしたか?
あかん。全然思い出せへん。ヤバイわ。これ。一誠がアカン時の顔やん……!
下手くそな関西弁は置いておいて、とりあえず全力で脳神経を活性化させる。
別に成績が悪いわけではないが、人よりも物覚えが悪く、頭の回転も良くないのは理解しているので、兎に角、昨日の出来事を一から振り返る。
えっ、と……昨日の放課後は確か─────
買い物→商店街→DQN狩り→八百屋→精肉店→パン屋→帰宅
「─────って、感じだったと思うんだが、何かおかしいところあるか?」
「むしろ、これでおかしくないと言える貴様の神経はどうなってるんだ?」
「え!? 何処がッ!?」
「はぁ……兎に角、生徒会室に付いて来い。貴様に会いたいと言っている人がいるようだ」
「あ、遠慮しま「来い」─────あい」
一誠さんや、背後に阿修羅を召喚するのは流石に卑怯だと思うですよ!(畏怖)
─────生徒会室─────
「……」
ガラガラ!(扉を開ける音)
「─────閉店か?」
「古いし、しょうもない事言うなバカ」
一誠とのコントを堪能した後に、生徒会室に待っていた人に視線を移す。
そこにいるのは、会議用の椅子に座って大人しく待っていた金髪の少女。
テレビでも良く見ているし、なんだかんだ言えば昨日に至っては喋りもしたさ。まぁ、出会い方は問題ありだと思うんだけどな!
しかし、これでオレが呼ばれた理由が漸く分かった。understandね!
唐突な英語表現には誰もツッコまないでね? なんとなしに言っただけだから。
そして、椅子に掛けていた少女はオレを見ると、途端に万人が見惚れる笑みで見つめてきた。
ふ! 常人ならばその笑みだけで落とされていただろうが、オレに通じるとでも(フラグ)───結婚を前提としてお付き合いしてくだs─────ゲフンゲフンッ!! はっ!? お、オレは何を言おうとしていたんだ!?(正気)
「───昨日ぶりね。江見矢君」
そんな言葉を掛けられた瞬間、オレは一誠にアイコンタクトを送る。
ヒトチガイ、トイウコトニシテオコウ。イイナ? by 獅楼。
……ヽ(・∀・) by 一誠。
「……ひ、人違───「そうです。コイツが江見矢です」一誠ッ!?」
「そう。やっぱり、貴方が私を助けてくれた江見矢君だったのね。人違いじゃなくて良かったわ」
親友よ。裏切るにしてもせめて、全部言ってからにしてくれ! なんか、これだとオレが惨めな人間にしか映らないだろうが!!
一誠の瞬殺裏切りにより、白鷺さんにオレの正体がバレてしまった。
クソ! カッコつけて去った意味がなくなっちまったじゃねぇか!!
カッコ悪ッ!(元から)
ていうよりさー!!
「それより、なんでオレの名前を?」
そうなんだよなー。オレって昨日は助けてから名乗ってないはずなんだけど、どうやって身バレしたのか聞いときたいぜ! 今度から情報を完璧に遮断しきってから助けて見せるから!
ま、そんな場面はほとんど無いと思うけどね!
うん、平和が一番だ。
え? 助けたことがバレたのはいいのかって?
もう、メンドイし話をややこしくするのが一番シンドイから諦めました(テキトー)。
「そうね……。先ず最初に、貴方を探す上でキーにしたのは制服。その制服は花咲川電気工学高等学校の物だとすぐわかったの。そこまではわかるわね?」
当然だ。学校ぐらいはバレる可能性は考えてたさ。でも、路地裏ってかなり暗いから、視界も安定しない中で良く制服までしっかり覚えてたな、と感心する。
「そもそも、探さなくても良かったんですけどね」
根底から言っちゃえばそうだよ。探して欲しくはなかった。
なんか、御礼を受け取るのって気恥ずかしいし、それの為に助けたわけじゃ無いのだから、何も言わずに去ったっていうのに、逆に追いかけられてきちゃ面目無い。
はぁ……上手くいかねぇな。
「そうもいかないわ。助けてもらった人に何も返さずにいるなんて、私が許せないの」
……こういうプライドの強い人が自我を持って話してくると、ホントに強い(確信)。
マジで手に負えない。
「……それで、白鷺さん。このバカの名前は何処で知ったんですか?」
「おい! バカってなんだ、バカって!!」
コイツ、オレの事をなんだと思ってんだ?!
「鈍感な愚直野郎」
心の中まで読んで答えんでいいわ!!
てか、どうやって心の中読んでんだ!? 怖いわ!
「えぇ、名前を知ったのは本当に偶々だったのだけれどね───」
おう……まさか、白鷺さん。オレと一誠のやり取りは完全に無視ですかい……スンゴイ胆力ですね。なんか手慣れてませんか?(半信半疑)
オレの事など知らないってか? いいぞ! もっと無視しろぉ! 途轍もなく興奮する!(M体質)
……オレは一体、なんの話をしてるんだ?(困惑)
真剣な表情でこちらに向き直る現役女優。
うむ、やはり絵になる。一つ一つの所作が流麗で、意識していなければ簡単に見惚れてしまうほどだ。
「エミヤ君。貴方、最近道に迷ってた女の子を学校に送って行った事があったでしょ?」
「え? ちょっと待ってくださいね。今、思い出しますから……」
えっと……迷子の女の子、迷子……学校……。
ピコンッ!
「あ、あぁ! 確かに、送り届けましたよ! あんまりにも逆方向に行こうとしていたのを見兼ねて声かけたら、『ふぇぇ……』って言って泣かれた記憶が……って、なんで白鷺さんがそんな事を知ってるんすか?」
何? オレのストーカー? 新手のスパイ商法?
どっちもヤベェやつじゃねぇか!!
という、的外れもいいところで話を聞くと、どうやらその少女は白鷺さんの友人らしく、その人からオレの特徴と名前を聞いたらしい。
まぁ、この世界はカラフルな髪が多いけど、紅短髪はいねぇからなぁ……。
そう考えると、オレの髪の毛ってかなり特徴的かもな(何を今更)。
え? ちなみに白鷺さんの友達がオレの名前を知ってた理由? 何だかんだオレってドジらしくて、送り届けたのはいいものの、その場で学生証を落としてしまうというヘマをやらかして、それを拾った白鷺さんのお友達がオレの素性を知り、丁度話題になった時に名前が挙がったらしい。
一つのミスで身バレするこの時代は、おろそしいもんだねぇ(自業自得)。
あ、勿論、無くしたと思われた学生証は後日になって、学校に直接送付されてきて返還されましたー(ぱちぱち!)
で、話を要約すると、白鷺さんと、そのお友達がオレに何か御礼をしたいそうで、今度の日曜に出かけて何か奢ってくれるそうな……別に御礼なんていらないんだけど、タダ飯にありつけるならと、渋々受け入れた。
受け入れるんかい! とツッコんだ君!
そう、君だ!!
女子に奢らせるなんて、最低最悪だという考えはやめたほうがいいぞ!!
この世の中、男子が女子に奢るだけの時代は終わりを告げたのだ! そんな古臭い考えは今すぐゴミ箱に捨てたまえ!
それとな、一人暮らししてると飯にありつくのも簡単じゃないんだ! だから、タダで食える飯は食わないと損だろ?! コッチだっていっぱい一杯なんだよ! 分かってくれ!(切実)
それで、今日は解散となり、仕事の途中で抜け出してきたらしい白鷺さんは、マネージャーさんに連れられて仕事場に渋々向かって行った。
若干、仕事をするのを渋ってゴネていたが、まぁ本番になれば治ってる事だろう(楽観視)
……てか、よくよく考えたら御礼する為の約束をこじ付けるだけなら、別にコッチの学校に来る必要なくね?